昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

わたしの見た、おフランス・パリcity (旅行記) 三十

2013-07-10 20:05:03 | お出かけ


(三十)

「少し小降りになりましたから、一気に下りますよ」
「ちょっと、待って! ひとり、居ません」

実は、Aさんがみえないのです。背が高いので、すぐに居ないことが分かりました。
添乗員さんと幹事さん二人が、探しに行くことになりました。

結論から言うと、先に下りていました。
待ち合わせ場所に居れば良かったのですが、たまたまバスを見つけたらしく…

「だめだよ、待ち合わせ場所に居なくちゃ」
「雨がひどかったから。それで丁度、バスを見つけたものだから……」

「どうすりゃ、良かったの!」
悪びれる風もなく言います。少し、カチンときました。

“雨に濡れてでも、待ってなきゃ。”
口に出そうになりましたが、飲み込みました。

つい、少し声を荒げてしまいました。
「とにかく、謝りなよ」

ガイドさんからの連絡で戻ってきた、添乗員さんと幹事さんに
「すみませんでした」と、頭を下げて貰いました。

ま、今思えば、お店の軒先ででも雨宿りさせてもらうことも出来た筈ですし、そうすべきだったと思いますけどね。

さあこれで、パリ二日目の観光予定が終了しました。
HYATT REGENCYホテルに戻って、夕食懇親会です。

夕方6:00からですが、外が明るいのでランチ気分です。
今日に限っては、身内だけなのでラフな服装でOKということでした。
 
「正装でしょ、ディナーは」と言われてますが、気取ってますよ、おフランスは。
ま、それがフランスだといえば、確かにそうなんでしょうね。

昔のCMにありましたよね、「クリープを入れないコーヒーなんて…」というのが。
納得! です、まったく。

ここで一つ、ショックなことがありました。
この会社にお世話になって、三年と三ヶ月目の社員旅行です。

昔々、愚痴を聞いて貰いましたよね。
二十代半ばの女子社員との確執で、「やめてくださいな」と言われた、と。

その折に慰めてくださったもう一人のおばさん女子社員(ごめんなさい)さんを見つけたんです。
で、いそいそとそのお方のテーブルに場所取りしまして、同部署のおばちゃんも引き入れて。

「お久しぶりです」
「はい?」

覚えていないとの、冷たいお言葉。そ、そんな……
「あぁいう女性(ひと)だから、我慢なさい。その内…ね!」

そのお言葉にどれほど勇気づけられたことか、そして「その内」の意味が結婚・出産につながっていたことも。
が、そんなあなた様が配置転換で居なくなられ、彼の女子社員もまた配置転換で去ることになり、心内で何度「バンザイ、バンザイ!」と叫んだことか。

えぇい、気を取り直して、食事を楽しむぞ! 
フォアグラですと? 世界三大珍味と称される、あのフォアグラですと! 

要するに、肝臓なわけですよね。
わたしの肝臓と同じ、たっぷりの脂肪肝なわけですよね。

大丈夫かいな…と思いつつ、コース料理ですので順番に食べましょう。
といって、何がどういう順番出てきたのか、今となってはまるで思い出せず…

ただ、ただ、フランスパンの固さと、フォアグラの何とも言えぬ食感に味に閉口したことだけが、思い出されるのです。
わたしには、不向きな味付けでありました。

そうそう、ステーキが出てきましたな、確かに。
これは美味しかったですな、確かに。それと、デザートが甘ったるかったことですな。

部屋に戻り、何時頃だったか…八時頃だったか……
外は、「お出で、お出で!」と言わんばかりに、明るいのです。

若い人たちは、「よーし、今夜はあっちだ!」と騒いでいたような…
あぁ、二十年、いや三十年若かったら……

「パツ金姉ちゃんを○○してこい!」
「パツ金姉ちゃんのデカパイに顔を埋めてこい!」

悪友二人にそそのかされましたが、そのような元気は、今いずこ! 

「パツ金姉ちゃんたち、お風呂嫌いだってな。」
「だから、オードトワレだとかパフュームだとかを付けるんだろ?」

どうしても、ひと言付け加えねば収まらぬ悪友二人でありました。

どうする、どうする、カフェでのコーヒーは?
フラメンコダンサーに会いに行くのでは?

頭の中で妄想がふくらみ続け、とうとう、ボン! 
「スーパー、9:00までだったな。」

「日本のようなサービスはありませんよ」
だけど、あれはないでしょ! 仏頂面だけなら、まあ我慢しましょう。

けど、けど、なんでお客が立って待っているのに、座ってるの? 
太ってるから? 腰に負担が掛かるから? こっちだって、腰が痛いんだぞ! 

それにだ、9:00になっていないのに、なんで電気を落とすんだよ。
薄暗くちゃ、商品の確認がしにくいだろうが! 



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