昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~ (六十四) 七

2013-08-07 17:24:24 | 小説
三部構成の、大長編です。
どうぞ気長に、読んでください。
実はこれ、まだ執筆中なんです。
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(七)

「へえへえ。違いますか、田舎の娘は。」
涎をたらさんばかりに、身を乗り出してくる。

「小夜子は違いました。
どんなに金を見せても、初めはなびきませんでした。
驚きましたよ、実際。」

気付くと、二重三重の人垣になっている。
他の座から、若い男たちが来ている。

都会生活のことを知りたがる者もいれば、都会の女を嫁にできないかと考える者もいた。

「おやめなさい。
生き馬の目を抜くところです、やめた方がいい。

社会もそろそろ落ち着いてきました。
ひと山当てるには、ちょっと遅いですよ。

失礼ですが。
大学出ならばいざ知らず、まともな教育を受けていない者では。

戦後の混乱は、もう収まりましたからね。
今から勉学に勤しむ気概を持っているなら、わたし、応援しますよ。」


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