(七)
「三羽烏って言われてるらしいけれど、竹田はもの静かね。
でも、みんなの信頼は厚いみたい。
おちゃらけがない分、落ち着いているものね。
武蔵の信頼が厚いのは、三人の中では竹田みたい。
あたしの世話係を命じられたのは『一番暇してるからですよ』なんて、竹田は言ってたけれど、違うわね。
それは二人も感じてるみたいだけど。
専務の次ぐらいじゃないの、信頼度は。
金銭の出し入れを、徳子さんと二人でやらせてるのかしらしても分かるわ」
「そう言えば、一度聞いたことがあります。
加藤専務とお二人でお話して…すみません。口にしてしまいました」
相槌を打ちながら、加藤という名を口にしてしまった。
「専務ってことにして。加藤という名前は、他にも厭なお家があるから」
吐き捨てるように言う小夜子の剣幕に、千勢、思わず身体をちじこまらせた。
「はい。お二人でお酒を飲まれながら、旦那さまがおっしゃってました。
『俺に息子ができたとして、後を継がせたとしてだ。
息子のご意見番は竹田だな。あいつだったら安心だ、任せられる。
俺に五平が居るように、息子には竹田だ。
五平、しっかり育ててくれ』そんな風に」
「三羽烏って言われてるらしいけれど、竹田はもの静かね。
でも、みんなの信頼は厚いみたい。
おちゃらけがない分、落ち着いているものね。
武蔵の信頼が厚いのは、三人の中では竹田みたい。
あたしの世話係を命じられたのは『一番暇してるからですよ』なんて、竹田は言ってたけれど、違うわね。
それは二人も感じてるみたいだけど。
専務の次ぐらいじゃないの、信頼度は。
金銭の出し入れを、徳子さんと二人でやらせてるのかしらしても分かるわ」
「そう言えば、一度聞いたことがあります。
加藤専務とお二人でお話して…すみません。口にしてしまいました」
相槌を打ちながら、加藤という名を口にしてしまった。
「専務ってことにして。加藤という名前は、他にも厭なお家があるから」
吐き捨てるように言う小夜子の剣幕に、千勢、思わず身体をちじこまらせた。
「はい。お二人でお酒を飲まれながら、旦那さまがおっしゃってました。
『俺に息子ができたとして、後を継がせたとしてだ。
息子のご意見番は竹田だな。あいつだったら安心だ、任せられる。
俺に五平が居るように、息子には竹田だ。
五平、しっかり育ててくれ』そんな風に」
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