「ご挨拶なさい、佳枝さん。孫娘なのですよ、光子さん」。
わたくしに対する声かけです。
でも気のせいでしょうか、大女将に挑まれるような視線を送られました。 . . . 本文を読む
明水館の門が見えてまいりました。門と言いましても、門柱2本に切妻の屋根をかけた簡便なものでございます。
こんなことを申しますと、お造りになった先々代に叱られそうでございますが。
でもまあ、やはり良いものでございますね、門がありますのは。
なにかこう、格式めいたものを感じずにはいられません。
お客さまの中には「俗世から至極の地に入るといった観になるよ」と、仰っる方もございました。
わたくしなども、 . . . 本文を読む