七、八歳の子どもがかけてくる。
手に、その手の平よりも大きいリンゴを、さも大事そうにかかえて。
どろだらけの顔に、みょうに目だけをギョロつかせている。 . . . 本文を読む
(序)
このお話は、先日のこと、ある女性から聞いたものです。お年は、そう八十を越えられているはずです。ときおり認知症かと疑われるような言動がありますが、平生はしっかりと生活を営まれています、とのことでした。 正直なところ、このお話の真偽のほどはわかりません。しかしながら、さもありなんと思えたので、みなさんにもお知らせしようと考えました。
山あいのふるびた田舎に、一人の老婆がおりました。身寄 . . . 本文を読む