人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

孫悟空がキーワード~伊坂幸太郎著「SOSの猿」を読む 

2012年12月12日 06時58分14秒 | 日記

12日(水).毎朝ブログを書き終わってから、息子の淹れてくれるコーヒーを飲んで出社していますが、冬の今時分は会社に着いてからもコーヒーを飲んでいます

昨日も、出社後、7階に下りてパントリーでコーヒーを頼んだのですが、コーヒーがちょっぴりソーサーにこぼれてしまい、Mさんがきれいに拭きとってくれました ところがそれを持って上の階に運んでいる途中、またこぼしてしまいました

失敗をそのままにしておくのはモッタイナイので、Mさんに次のようなメールを送りました

「さっきせっかくコーヒー皿を拭いてもらったのに、運ぶ途中ちょっとこぼしてしまった。こぼれ話でしたオソマツ」

ほぼ1時間後にMさんから返信が届きました。

「ぅもう~ 何事かと・・・・疲れるよ~

Mさんは、さらにこう言いたかったのに違いありません。

「私はヒマ人28号じゃないんですからね

果てしなく続く緑の草原のように心の広いMさん、これに懲りずに、これからも美味しいコーヒーを淹れてくださいね

 

  閑話休題  

 

昨日の日経コラム「文化往来」に「先駆者ブルーベックが遺した財産」という記事が載りました 

「12月5日に死去した米国のジャズピアニスト、デイブ・ブルーベックは、現代音楽の素養を生かして、モダンジャズに数々の革新性を持ちこんだ先駆者だった 大学に入学後、米国に滞在していたフランス人作曲家ダリウス・ミヨ―から作曲を学び、その後、アルノルト・シェーンベルクにも師事した。『テイク・ファイブ』のヒットで大衆的な人気を得た

ブルーベックがミヨ―やシェ―ンベルクに学んだということには、あらためて驚きます 私は過去に一時期、ジャズに凝ったことがありますが、その時にマイルス・デイビスやジョン・コルトレーンらの音楽とともに、ブルーベックの演奏する「テイク・ファイブ」も聴きました 私が初めてこの曲に接したのはそれよりも大分前のウォルト・ディズニーのテレビ番組(モノクロ)でした 高速道路で車が渋滞している映像のBGMとして、なぜか「テイク・ファイブ」の4分の5拍子のメロディーが流れていました 今でもアニメの映像とともに思い出すことができます 音楽の力は大きいですね

 

  閑話休題  

 

伊坂幸太郎著「SOSの猿」(中公文庫)を読み終わりました 「SOSの猿」は読売新聞夕刊に2008年10月3日から2009年7月18日まで連載され,完結したその年の11月に単行本として発売されました

「私の話」と「猿の話」の二つの話が交互に並行して進行していきます.私=遠藤次郎は家電量販店でエアコンを売っている30代の男ですが,エクソシストとして悪魔祓いの副業もしています 昔憧れていた”辺見のお姉さん”から,引きこもりになってしまった彼女の息子・眞人について相談を受け,調査と救済に巻き込まれていきます

一方,「猿の話」では,五十嵐真というシステム開発会社でバグやトラブルの原因究明,品質管理をしている40歳の男が主人公となって,20分間で300億円が失われた前代未聞の株誤発注事件の調査を会社から命じられて,任務に当たります その際「西遊記」に出てくる孫悟空などのキャラクターたちに翻弄されます.どういう原因で誤発注したのかを突き止めていくと「風が吹けば桶屋がもうかる」式に,原因には,そのようになる原因があり,その原因にはまた原因があり・・・・と,最終的にはとんでもない結論に達します

並行して進む2つの物語は,全体の4分の3くらい読み進んだあたりでやっとつながりが出てきます そして,「株の誤発注事件はなぜ起きたのか」の根本的な原因が明らかになります.伊坂幸太郎はさすがに語り口がうまいです

 

          

コメント
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