6日(木).昨夕,池袋の東京芸術劇場で音楽大学オーケスオラフェスティバル第2夜を聴きました この日は前半が飯守泰次郎指揮桐朋学園オーケストラでブラームス「交響曲第4番」が,後半は高関健指揮東京音楽大学シンフォニーオーケストラでマーラー「交響曲第1番”巨人”」が演奏されました
会場は8~9割の入りです.自席は1階K列8番.かなり前の左側ブロックですが,通路側でなく奥の席.こういうの苦手です
最初に東京音楽大学3年生の石原勇太郎君の「コラール・ファンファーレ」が同大学オケのメンバーによって演奏され,次いで桐朋学園オーケストラの面々が登場します オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢を取ります.コンマスは女性です.オケを見渡すと女性の奏者が多いことに気が付きます
他の学生オケより若干男性が多いかな,と思えますが,絶対数が少ないことに変わりはありません
公演プログラムには各大学オケのメンバーリストが載っていて,コンマスも別立てで表示されているのですが,桐朋学園だけ名前の記載がありません.プログラム作成の段階ではまだ決まっていなかった可能性があります
その名前が分からないコンサート・ミストレスがブラームスの演奏では重要な役割を果たしました.身体全体を使ってオケをリードしていて頼もしさを感じさせます この人にならついていきたい,と思わせる何かを持っている人です
そう遠くない将来,どこかのコンサート会場で顔と名前を見ることになるかもしれません
ロマンス・グレイの飯守泰次郎のタクトでブラームスの第4交響曲第1楽章が開始されます.深いため息のようなフレーズをたっぷりと奏でます コンマスの存在が光ります
弦楽器の中で一番多く指揮者を見ながら演奏していたのはチェロ・セクションです.小柄なティンパ二の女性の小気味の良いリズムが何とも気持ちが良くすがすがしい思いがしました
後半は最初に桐朋学園大学4年生の五十嵐琴未さんの「ファンファーレ」が同大学オケのメンバーによって演奏され,次いで東京音楽大学シンフォニーオーケストラの面々が登場します オケは左からコントラバス,第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという変則的な対向配置の編成で,管楽器はホルン・セクションが右サイドにスタンバイします.これは高関健シフトで,彼がマーラーを振る時は必ずこの態勢を取ります
このオケも女性が多く,弦楽器などはほとんど女性です.学生オケが大学の縮図だとすれば,音楽大学は女性優位の”女の花園”の世界なのでしょうか
高関健のタクトでマーラー「交響曲第1番」が緊張感に満ちて開始されます 途中,会場の温度が上がったことによるものか,第2楽章が終わった時点でチューニングが入りました.第3楽章は通常,フランスの俗謡”修道士ジャック”の旋律がコントラバス1本で演奏されますが,コントラバス・セクション全員で演奏されました
圧巻だったのは第4楽章フィナーレです.最後はホルン8人,トロンボーン,トランペット各1人を立たせて演奏させました.これはマーラーの指示によるものです
「学生オケでもこれほどの演奏が出来るのだ」ということを証明した熱演でした