2日(日).先週は連日飲み会とコンサートが続き,さすがに疲れ果て1日中家に引きこもっていました今朝6時30分の東京の気温は4度です.とても寒いです.わが家ではまだリビングに暖房入れていませんので
浅田次郎著「ハッピーリタイアメント」(幻冬舎文庫)を読み終わりました この本は当ビル7階の住人Mさんが「浅田次郎って面白いわよ.読んでみて」と貸してくれたものです
本は自分で買って読むよ・・・と口に出しては言わず,ありがたく借りることにしました
定年まで残すところ4年の,特段取り柄のない財務官僚・樋口と,愚直だけが取り柄といってもよい自衛官・大友は,突然JAMS(全国中小企業振興会)という組織に転属を命じられます JAMSは元財務官僚の理事・矢島が牛耳っている業務実体のない天下り組織なのです.2人の教育係を担う立花葵は,ある日秘密のミッションを言い渡します
昔銀行から金を借りて返却せず,すでに時効になった”借金”を”道義的責任”に訴えて取り立てこいと言うのです.まさか,と思っていると,これがうまくいき億単位の金が集まります
それをワルの矢島理事に渡さず,自分たちの幸せのために使ってしまおうというのが立花葵の作戦です.それは汚職か,横領か,それとも善行か
解説を経済評論家の勝間和代さんが書いていますが,まず,この二人の結びつきが新鮮でした 解説で,この本のプロローグに出てくる小説家を訪ねてきた借金取りの話は浅田次郎氏の実話であることを紹介しています.そして「実は重く暗い題材を,明るく楽しい作品に仕上げる浅田マジックこそが,この作品の一番の醍醐味なのかもしれません」と書いています
このコメントこそこの作品の本質を突いている鋭い分析だと思います