23日(土)。昨日、夏休みを取って早稲田松竹でドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」とアメリカ映画「ネブラスカ」の2本立てを観ました 今日は2013年ドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」について書きます
監督・脚本はヤン・オ―レ・ゲルスターで、この映画はドイツ映画テレビ・アカデミー卒業作品にして初監督となる作品です ドイツ国内で大ヒットし、ドイツ・アカデミー賞の作品賞・監督賞を含む主要6部門を獲得した作品です
青年ニコは、2年前に大学を中退したことを父親に隠して、毎日”何かを考えながら”モラトリアム人生を送っている ガールフレンドの家でコーヒーを飲み損ねた朝、車の免許更新の手続きを思い出して役所に出頭するが、嫌味な面接官によって免許停止になる
ついてないことは次々に起こる。現金を下ろそうとキャッシュ・ディスペンサーにカードを入れると吸い込まれたまま戻ってこない
引っ越し間もない二コの部屋に上の階の住人が挨拶に来るが、愚痴を言いながら勝手に泣き出す
ダイエットに成功した舞台女優の同級生の舞台を観に行き、成り行きでけんか別れするはめに
無賃乗車だと言って罰金を迫る駅員に追い回される
とうとう父親に大学中退がバレて生活費援助の打ち切りを宣告される
散々な一日の終わりにバーで出会った老人と話をするが、その老人はドアの外に出て倒れ、救急車を呼ぶ羽目に
しかし、こうした出来事に出合っていく中でニコの心境に変化が表れていく
とにかく、自分の責任でないのにニコには次々と災難が襲いかかります 事あるごとにコーヒーを飲もうとしますが、現金の不足、ベンディング・マシーンの故障などで全く飲めません
全てのついてない出来事は朝コーヒーが飲めなかったことに起因するかのようです
この映画の特徴を3つの単語で言い表せば、「モノクロ」「ドイツ語」「ジャズ」です なぜゲルスター監督はカラーで撮らなかったのか。過去の偉大な監督たちへのオマージュのようにも思えます
ドイツ語の映画は久しぶりに観ました。英語やフランス語の映画に慣れているとゴツゴツしたドイツ語が新鮮に響きます
この映画では全編、ジャズが流れます。この映画にはクラシックは似合いません
この映画で使われていた唯一のクラシック音楽は、ニコの親友マッツェの友人の家に行った時、おばあさんが居間のリクライニング・チェアで聴いていたJ.S.バッハ/ブゾーニ編「コラール『主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる』BWV639」です ドイツ映画でクラシックを使うとしたら、やっぱりバッハになるのでしょうか
この曲を収録したCDでお薦めなのはフランスのピアニスト、アンヌ・ケフェレックの「Johann Sebastian Bach "Contemplation”」です しみじみとした名曲名演奏です
閑話休題
映画を観終わった足で有楽町に向かいました 東京交通会館地下の絵画サロンで開かれている「第14回アトリエぱるる絵画展」を観るためです
この展覧会にはH.Cビル地下のK亭のママS.Kさんが作品を出展されているので、薔薇の花束を携えて陣中見舞に行ってきました
ちょうど、彼女の絵の師匠S.Yさんがお見えになっていたので挨拶させていただきました
聞くところによると、S.Kさんは数年前にこの絵画展でS.Yさんの絵に出合い、すっかり魅了され、拝み倒してその絵を購入しただけでなく、弟子入りを申し出て、都心から八王子市の南大沢まで通うことになったとのことです
「”この道”と決めたからには何事も根性だ
」ということをS.Kさんから学びました
下の案内ハガキの絵は師匠S.Yさんの作品「薔薇」です。「力強さ」「強い意志」を感じますね
他のお弟子さん達がベテラン揃いの中、まだ入門してから比較的年月の浅いS.Kさんの作品は鉛筆のデッサン画で「なす」と「竹の皮」です 一番身近なお店・K亭の食材を題材に選ばれた訳です
(題名:なす)
(題名:ごちそうさま、おいしかった・・・・・)
絵でも文章でも性格や人柄が表れるものですが、この二つの絵にはS.Kさんの繊細で優しい人柄が表れているように思います この絵画展には師匠のS.Y先生の作品をはじめ生徒さん達の”力作”が出品されていますが、残念ながら今日(23日)午後5時で公開終了です
絵画に興味のある方は有楽町の交通会館までお運びください