人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

中村文則著「王国」を読む~生きるためのユリカの選択

2015年05月22日 07時01分09秒 | 日記

22日(金).わが家に来てから225日目を迎え,片目のジャックを気取るモコタロです 

 

          

            片目のジャックじゃなくて 固めの麺がいいんだってば!

 

  閑話休題  

 

一昨日、日経ホールの「日経ミューズサロン」を聴きに行ったとき、8月以降のミューズサロン公演のチケット先行発売(センターブロック1列目と7列目の計24席)をやっていたので、2枚買いました 1枚は9月29日(火)午後6時半からの「シャンドル&アダム・ヤボルカイ兄弟withモーツアルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団」演奏会です。下の写真で見る限り何となく胡散臭い雰囲気が漂っていて、興味本位で聴いてみたいと思いました プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第15番k.421」のほか、「くまん蜂の飛行」のような超絶技巧曲の演奏もあるとのことで、こちらの方が期待大です

 

          

 

もう1枚は11月30日(月)午後6時半から開かれる「パノハ弦楽四重奏団」演奏会です 結成45周年を迎える老舗クアルテットの演奏で、プログラムはモーツアルト「弦楽四重奏曲第17番K.458”狩”」ほかです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

中村文則著「王国」(河出文庫)を読み終わりました 中村文則は1977年愛知県生まれ.2002年『銃』で新潮新人賞を受賞してデビューしました 2010年に『掏摸(すり)』で大江健三郎賞を受賞し,12年に『掏摸』の英訳が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの年間ベスト10小説に選ばれ話題になりました

 

          

 

ある組織からの依頼で,社会的な地位にある要人の弱みを人工的に作り出すことがこの作品の主人公ユリカの仕事だった ターゲットの男を誘惑し決定的な場面を隠し撮りさせ,後から組織がその写真をネタに強請るといった具合だ.ある日,彼女は見知らぬ男から声をかけられ「あの男に関わらない方がいい」と忠告を受ける 男というのは木崎という名の不気味な存在.ある日、木崎から依頼されてターゲットに接触したら,意図がバレて,逆に依頼主を騙して情報を流すように脅される ユリカは命の危険を感じながら”二重スパイ”のように両方を騙して逃亡しようと企てるが・・・・果たして彼女は逃げ切ることができるのか??

とにかく暗く切羽詰まった小説です.相手から怪しいと疑われると何とか口実を作って必死に逃れる道を探る.そうしなければ相手に殺されるから 読む側はユリカの身になって二人の男から逃げ回るのを体験するような感じです.自分が今いる環境ではなく,ユリカのような劣悪な環境に置かれたとき,どういう行動を取るだろうか,と考えさせられる小説です 刺激のない毎日に退屈している人にお薦めです

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする