人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

フランクフルト歌劇場管弦楽団首席奏者サラ・ルヴィオン「フルート・リサイタル」を聴く

2015年05月21日 07時05分47秒 | 日記

21日(木).わが家に来てから224日目を迎え,メッカの方向を向いてお祈りするモコタロです 

 

          

            お祈りじゃなくて キックボクシングだってば・・・・古ッ!

 

  閑話休題  

 

昨夕,大手町の日経ホールでサラ・ルヴィオン「フルート・リサイタル」を聴きました これは第436回日経ミューズサロンとして開かれた公演です.プログラムは①モーツアルト「フルート・ソナタ第9番ハ長調K.14」,②ライネッケ「フルート・ソナタ ホ短調”ウンディーネ”」,③ゴーベール「フルート・ソナタ第3番」,④プーランク「フルート・ソナタ」,⑤ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」,⑥ヴィドール「フルートとピアノのための組曲」 ピアノ伴奏は村田千佳です

サラ・ルヴィオンはフランス生まれ.パリ国立高等音楽院を最優秀で卒業,2001年には神戸国際フルートコンクールで第1位,同年ジュネーヴ国際コンクールで第3位に入賞しています 2002年からフランクフルト歌劇場管弦楽団の首席フルート奏者を務めています

サラ・ルヴィオンの演奏を聴くのは今回が2度目です.初めて聴いたのは昨年7月27日にフェスタサマーミューザの一環として開かれた宮本文昭指揮東京シティ・フィルの演奏会で,モーツアルトの「フルート協奏曲第2番」を演奏しました あの時の演奏が良かったので今回聴こうと思ったのです

自席は1階G列20番,センターブロック,前から7列目の右通路側です.会場はかなり埋まっている感じです このホールは椅子だけでなく机が付いているので,正直言って把握しずらいのです

 

          

 

拍手の中,サラがグリーン系のドレス,ピアノの村田千佳がベージュ系の上下で登場します 1曲目のモーツアルト「フルート・ソナタ第9番K.14」は,もともとヴァイオリンとピアノのためのソナタをフルートで演奏するものです 当時はピアノ・ソナタにヴァイオリンの伴奏を付けたスタイルで,主役はあくまでもピアノだったのです.その意味では村田千佳の存在は大きいと言えます この曲は3つの楽章から成りますが,とても8歳~9歳の時に作曲したとは思えません 第1楽章が終ったところで拍手が起こりました.フライングです

2曲目はライネッケの「フルート・ソナタ ホ短調”ウンディーネ”」です.ライネッケは19世紀後半に生きたピアニスト・作曲家です この曲は1811年に出版されたフリードリヒ・ド・ラ・モット・フーケの「ウンディーネ(水の精)」の物語に触発されて作曲したものです

拍手の中,再度二人が登場し,まさに演奏に入ろうとしている時,私の右後方席の後期高齢者の男性二人組のおしゃべりが止まりません これだから年寄りは嫌われるのです.「私は会社を引退して,悠々自適の人生を送っています.自宅で盆栽をいじっていても飽きるので,たまにはコンサートでも聴いてみようかと思って来てみました」と顔に書いてあります

第1楽章「アレグロ」が終わった瞬間,会場のどこかでオルゴールのようなケータイの着信音が鳴り出しました 一難去ってまた一難です.まだまだいますね.こういう常識知らずが 困ったものです.二人は何ごともなかったかのように演奏を続行しました.大人の対応ですね

3曲目はゴーベールの「フルート・ソナタ第3番」です.ゴーベールは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスのフルート奏者です.この曲を一言で言えば「流麗な音の流れ」です

 

          

 

プログラム後半の最初はプーランクの「フルート・ソナタ」です.フルート・ソナタと言えば,プーランクとプロコフィエフが頭に浮かびます この曲は1956年12月から57年3月の間に書かれ,同年6月にジャン=ピエール・ランパルのフルートとプーランク自身のピアノによって初演されました ジャン=ピエール・ランパルと言えば,その昔,東京文化会館でフルート・リサイタルを聴いたことがあります.今目の前で演奏されている音楽は本当に一人で演奏しているのか,と疑問に思うほど超絶技巧曲を物ともせず軽々と演奏していたのを思い出します

この曲ほどフランス情緒たっぷりの曲もないかもしれません.二人の演奏者は明るく,軽快に,ときにアンニュイに演奏,会場一杯の拍手を受けました

次もフランスもの.ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」です.フランス印象派音楽の幕開けを告げるメルクマールとなる作品です クラシック音楽史を塗り替えた作曲家の一人としてドビュッシーの名前を挙げる人も少なくありません 午睡から覚めた牧神のけだるい気分をフルートが鮮やかに描き出します

最後はヴィドールの「フルートとピアノのための組曲」です.ヴィドールは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスのオルガ二スト・作曲家です.第1楽章は流麗な音楽が続きます.4つの曲から成りますが,ロマン的な曲想です

二人はアンコールにレイナルド・アーンの「ロマンス」を,次に「浜辺の歌」を演奏し喝さいを浴びました 先ほどの後期高齢者二人組は,「浜辺の歌」の演奏中もしきりにおしゃべりに興じており,音楽を聴く気など全くないようでした 現役の時は常識をわきまえたそれなりの人たちだったのでしょうが,”卒業”したら傍若無人を絵に描いたような老人になってしまったようです ああいう人にだけはなりたくないですね

コメント (2)
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