10日(日).わが家に来てから213日目を迎え,蓄財に励むモコタロです
10万円貯めて世界一周旅行に行くんだ~い・・・・行ける?
閑話休題
5月の連休中に開かれた「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭2015」で配られた「来場者アンケートにご協力のお願い」↓のお知らせにあったURLにアクセスしたら,LFJのホームページの「来場者アンケートご協力のお願い」の画面が出てきました しかし,アンケートのフォーマットはどこにも見当たりません お願いしておきながら回答方法を示さないとは「人をおちょくっているのか」と怒り心頭になっていたところ,LFJ事務局からメルマガでアンケート依頼が届きました そこにあったURLをクリックすると今度はちゃんと回答フォーマットが現われたので,質問項目に沿って回答していきました.よく見ると同じURLなのにどうして片方はダメだったのか不思議です.どうもbitというのが曲者のようですが,よく分かりません
最後に自由に感想を書く欄があったので,次の2つのことを書いておきました
一つは2日午後6時半からホールAで開かれたベートーヴェン「交響曲第3番」の公演(公演番号115)です.第2楽章の演奏中に気分を悪くしたお客さんが倒れた際に,会場内の係員の対応が遅かったというものです 結局,一般客2人がその人を担いで運んでいきましたが,本来は係員がやるべきことでしょう ボランティアの皆さんの活躍はよく理解しているつもりです.むしろ主催者側に緊急時の対応策を考えておいて欲しいと思います
もう一つは3日午後8時半からホールAで開かれたバッハ「ヨハネ受難曲」公演(公演番号216)です.配布されたプログラム表にソリストの名前が載っていないのはおかしいと思ったことです ソリスト達はローザンヌ声楽アンサンブルのメンバーだったと思われますが,それでも大曲「ヨハネ受難曲」のソリストなのですから,名前くらいは載せるべきでしょう
も一度,閑話休題
昨日,東京オペラシティコンサートホールで飯守泰次郎指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートを聴きました これは同フィルの第289回定期演奏会で,ブルックナーの「交響曲第8番ハ短調」(ノヴァーク版第2稿 1890年)が演奏されました
開演に先立って,1時25分から指揮者・飯守泰次郎氏によるプレ・トークがありました 東京シティ・フィル指揮研究員の横山奏氏が聴き手となりインタビューしました.飯守氏はブルックナーについて,
「彼はジャガイモのような顔をしていて,修道院の僧侶の着るような地味な衣装を身に付け,礼儀を知らず,ひどい訛りで話し,自作の長大な交響曲を短くカットするように求められれば『はい,はい』と言って応じるような素直な人でした 彼はそうした性格から『聖なる野人』と呼ばれました.彼はまず教会のオルガ二ストであり,次に作曲家でした.彼が最初に作曲したのは40歳の時でした」
そして,ピアノを弾きながら交響曲第8番について第1楽章から順に曲の解説に入って行きます
「ブルックナーの交響曲には特徴があります.出だしの部分は弦のトレモロで始まります.”ブルックナー開始”です また,曲がクライマックスを迎えると,次の瞬間にオケ全体が急に止まって静かになる”ブルックナー休止”があります.これは彼がオルガ二ストだったことに起因します.オルガンの休止です.また曲の中には”ブルックナー・リズム”が登場します 第8番のフィナーレは,通常は上昇形で終わり,勝利宣言をするのですが,この8番は下降形で終わっています.ブルックナーならではの凄いところです」
当初プレ・トークに何分費やすのか決めていたと思いますが,飯森氏の「あれも紹介したい,これも話しておきたい」という気持ちが強く,終わったのは開演時間の5分前だったので,まるまる30分間プレ・トークをやっていたことになります その結果,開演時間が10分遅れ2時10分になりました
開演直前,左サイドにスタンバイする2人のハープ奏者が練習しています.すると,「ドン」という何かが倒れるような大きな音が聞こえてきました.どこで何が起こったのかまったく分かりません 1階席も,2階席も,聴衆が「いったい何が起きたのか??」とキョロキョロしています すると,オケの関係者らしき人が舞台に現われ,ちょうどハープ奏者の前あたりの床に落ちていた化粧ポーチほどの大きさのかなり重そうな物体を取り上げ,真上の2階バルコニー席の客と話し始めました.どうも,2階の客がバルコニーの前のスペースにその物体を置いたところ,そこが斜めに傾いていることから滑って落下したというのが実態のようでした その後,いつものアナウンスに加え「物を落とさないようにご注意ください」という異例のアナウンスが入りました.その後,楽員が配置に着きましたが,落下した所はホルン奏者のすぐ近くでした.もし本番中だったら大混乱だったでしょう へたをすると「ハート直撃」の代わりに「頭直撃」になるところでした
2階のバルコニー席から物が落ちてくることはよくあることです 多いのはコンサートのプログラムやチラシが舞って落ちてくるケースです.チラシだったら紙一重 ですから怪我もしないでしょうが,今回のような物体は大けがの元になりかねません バルコニー席がある会場では,事前に必ず「前のスペースに物を置かないよう」に注意していますが,それでもこうしたうっかり者が絶えないのが現状です コンサート中に救急車を要請しなくても済むようにお互い気を付けましょう
自席は1階14列4番,左ブロック左から4つ目です.会場は1階後方にかなり空きが目立ちます 「飯守泰次郎のブルックナーでもこれか」とちょと寂しい気持ちです コンマス・戸澤哲夫の合図でチューニングが行われ,桂冠名誉指揮者の登場を待ちます
飯守泰次郎が登場,第1楽章の演奏に入ります.プレ・トークでの話の通り『ブルックナー開始』で始まります そしてスケールの大きな音楽が展開していきます.飯守+東京シティ・フィルの演奏を聴くのはいつ以来か思い出せないほどかなり前のことですが,弦楽器がかなり厚みを増しているな,と感じました メンバーも何人か変わっているのだろうか? 第2楽章は『ブルックナー・リズム』全開の音楽です そして第3楽章の長大なアダージョに移ります.この楽章だけで,モーツアルトの後期の交響曲1曲がすっぽり収まってしまう長さです 私は,前夜の「飲んでカラオケ 」の影響と,この曲のあまりの心地よさが相まって,いつしか舟を漕いでしまいました いけない,いけない
しかし,第4楽章は冒頭の力強い行進曲風の音楽に,否が応でも目が覚めます 咆哮する管楽器 うねる弦楽器 ハートを直撃するティンパ二の連打 ブルックナーの交響曲の集大成のフィナーレを迎えます
残念だったのは最後の音が鳴り終るや否や,「ブラボー」がかかったことです つられて別の「ブラボー」がかかり,拍手が湧きましたが,まだ指揮者のタクトは下りていませんでした クラシック音楽を生で聴く醍醐味は最後の音が鳴り終った直後の一瞬の”しじま”にあることを考えると,明らかにフライングです 指揮者のタクトが下りないうちに「ブラボー」をかけたり拍手をしたりするのは,演奏する側に対しても失礼だし,感動に浸りたい聴衆にとっても興ざめで迷惑な行為です クラシックを聴く際のマナーとして控えたいものです