29日(土)。わが家に来てから今日で1548日目を迎え、米連邦予算の失効で政府機関の一部閉鎖が続いている問題で、ロイター通信などが世論調査を実施したところ、責任はトランプ大統領にあると考える米国民が47%にのぼり、民主党だとする人の33%を上回った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
まだまだ米国民にも良心があることが分かったけど 本人はそうは思っていないな
昨日、息子と二人で「ビーフシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました 私が下ごしらえをして、息子が味付けをして煮込みました
とても美味しく お代わりしました
中山七里著「総理にされた男」(宝島文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で「第8回このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」「どこかでベートーヴェン」「中山七転八倒」「作家刑事毒島」など多数あります
売れない劇団員の加納慎策は、内閣総理大臣・真垣統一郎に顔がそっくりなことから、ある日突然、政府の回し者から拉致されて首相官邸に連れていかれる 内閣官房長官・樽見政純から、「総理が深刻な皮膚感染症に罹り、生命の危機を迎えている。重大な政局で総理不在は許されない。回復するまで総理の替え玉になってくれ」と頼まれる
政治知識ゼロの加納に樽見から次々と難問が課される。まず仲間内の党三役を騙し、国会で野党や官僚との対決に挑む
遂には海外で史上最悪の人質監禁テロ事件が発生、加納は自衛隊の特殊部隊を現地に派遣するか否かの難しい問題に直面する
加納にとって一番苦しいのは「替え玉作戦」は誰にも言えない極秘事項であることです この作戦を知っているのは樽見官房長官、加納の友人で城都大学政治経済学部の准教授・風間歴彦だけということで、恋人の珠緒は突然消えた加納が誘拐されたのではないかと警察に相談にいきますが埒があきません
でも、彼女は辛抱の甲斐があってエピローグでは幸運を掴みます
この小説が素晴らしいのは、政治知識ゼロの加納が樽見や風間からレクチャーを受ける場面を通して、われわれ読者があらためて政治経済分野の知識を得る、あるいは再確認することが出来るところです ほんの一例を挙げれば、国会対策で野党から「インフレターゲット」に関連する質問が出た場合にどう答えるかについて、風間は加納に次のようにレクチャーします
「あらかじめ物価上昇率を設定して、それに達するまで無制限に金融緩和をするのがインフレターゲットだ。デフレから脱却したはいいが、そのままインフレが加速すれば元の木阿弥になるので、着地点を決めておく。金融緩和というのは円の供給を増やすことだから、円の価値が下がり、為替は円安に向かう。円の価値が下がれば、当然物価は上昇する。次に、為替が円安に向かえば、日本からの輸出が増えて貿易収支が改善される。国内では、物価の上昇に伴ってインフレに移行し、当然、実質金利は下がるから、設備投資や住宅取得が増えていく。つまり、生産の増加になるから、雇用もそれにつれて増える」
と言う具合です
国会で内閣総理大臣・真垣統一郎に成り切って演説し、堂々たる態度で野党をやり込める加納は、すぐに樽見官房長官の信頼を得て、次々と難問をクリアしていきます その根源にあるのは、青臭いまでの純な心と国民目線に立った姿勢でした
読み終わってハタと思ったのは、第二次安倍内閣の安倍首相ってまさか・・・・
中山七里氏らしい皮肉に満ちた会話が満載で、思わず320ページを一気読みしました 最高のエンタメ小説としてお薦めします