10日(土)。わが家に来てから今日で2373日目を迎え、国立感染症研究所は、飲酒をする会食を2週間以内に2回以上した場合、会食を0~1回する場合よりも、5倍近く新型コロナウイルスに感染しやすくなるという調査結果をまとめた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「換気の悪い場所にいた」「大人数や長時間の飲食をした」人も感染しやすいって
昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました いつもは2週間に一度のサイクルで作っていますが、先週の金曜日は 私が夜コンサートが入ってしまったので1週間延期となりました
したがって、栗原はるみ先生のレシピによる「うまみ醤油」が濃厚にできて、鶏に浸み渡ってとても美味しく出来ました
昨日午後2時から、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第40回ルビー演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第4番 変ロ長調 作品60」、②同「交響曲第3番 変ホ長調 作品55”英雄”」です
指揮はバッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督の鈴木雅明です
新日本フィルは今シーズン、ベートーヴェン生誕250年を記念してベートーヴェンの交響曲全9曲を、定期演奏会を中心に取り上げてきましたが、今回がその最終回となります
開演に先立って、ホール隣のホテルのチャペルでワンコイン講座(レクチャー・コンサート)がありましたが、講師の小室敬幸氏が新型コロナウイルスの濃厚接触者になったことから、録画ビデオでの出演となりました 事前にケータイに連絡があり、料金は変わらないと留守録で聞きました
人によっては「半額にすべし」という意見もあるかも知れませんが、本人が出演してもビデオ出演でも、準備に係る経費は同じだと思います
小室氏はいつも映像を駆使してビジュアルにも力を入れて解説しているので、今回ビデオでの講義を聴講しても何の違和感も感じませんでした。要は内容次第ですが、小室氏のレクチャーはレジュメも講義も非常に分かり易く簡潔明瞭なので、とても参考になります
さて、本番です。拍手の中、楽団員が所定の配置に着きます 弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは西江王子です
1曲目はベートーヴェン「交響曲第4番 変ロ長調 作品60」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1806年に作曲、1807年にウィーンのロブコヴィッツ侯爵邸で初演されました
第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります
鈴木雅明氏が登場、指揮台に上がります 彼はバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートの時と同様、タクトを使用しません
第1楽章では、ゆったりしたアダージョからアレグロ・ヴィヴァーチェに移ると、メリハリの効いた快進撃が続きます
彼の大きな特徴は強弱のはっきりしたメリハリある音楽作りです
ベートーヴェンの「前へ前へ」という推進力を感じさせる力強い演奏が展開します
第2楽章のアダージョでは、重松希巳江のクラリネット、野津雄太のフルートが冴えわたります
第3楽章から間を置かずに突入した第4楽章は、かなり速いテンポで進みます
オーボエとフルートが素晴らしい
さらに固いマレットによって打ち込まれるティンパニが心地よいリズムを刻みます。ベートーヴェンらしい爽快な演奏でした
休憩時間にパトロネージュ部の登原さんとお話ししました どういう話の流れだったか、彼女が音楽大学でフルートを専攻していたことを知りました
音楽の話をしていて、いろいろと良く知っているなぁと思うことが多々あるので、なるほどと思いました
新聞学科卒で、ヤマハ フルート教室で1年間レッスンを受けただけの私では とても新日本フィルに就職は出来ません
ところで、登原さんがフルートを吹いていたことはすんなりと納得できました
プロであれアマチュアであれ、女性フルート奏者は例外なくチャーミングであることは 周知の事実だからです
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55”英雄”」です この曲は1803年から翌04年までに作曲、1804年にウィーンのロブコヴィッツ侯爵邸で私的に初演され、1805年にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「葬送行進曲(アダージョ・アッサイ)」、第3楽章「スケルツォ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)」、第4楽章「フィナーレ(アレグロ・モルト ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ)」の4楽章から成ります
鈴木雅明氏が登場し、さっそく第1楽章に入ります。かなり速いテンポでグイグイ押していく痛快な演奏です 第2楽章の葬送行進曲では、オーボエが悲しみを醸し出します
この楽章は、ドラマティックな音楽作りで、まるでバッハのスペシャリストによるベートーヴェン版「受難曲」を聴いているような気持になりました
第3楽章のスケルツォでは、中盤の日高、藤田、金子によるホルンのトリオが素晴らしく「英雄的な響き」を轟かせていました
第4楽章ではオーボエ、フルートのソロが素晴らしく、ティンパニの強打が演奏にメリハリを与えていました
管楽器、弦楽器、打楽器が混然一体となって展開したフィナーレはエネルギーの放出が凄まじく 胸のすくような快演でした
鈴木氏のこの日の指揮は、終始「ベートーヴェンの演奏はかくあるべし」という確信に溢れていました
満場の拍手の中、鈴木氏がマイクを持って登場
「本日はこういう状況(コロナ禍)の中、お越し下さりありがとうございました 新日本フィルは今シーズン、ベートーヴェンの交響曲全9曲を取り上げて参りましたが、その最後の公演を私が担うことになり、光栄に思っております
ベートーヴェン生誕250年のシーズンのコンサートを締めくくるに当たり、ちょっとした曲をアンコールに演奏したいと思います
もう聴いたよ、と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、最後までお聴きください
」
とあいさつし、演奏に入りました オケから流れてきたのは、今演奏し終わったばかりの英雄交響曲の第4楽章の一部のメロディーでした
しかし、これは英雄交響曲の第4楽章のアンコールではありません
小室氏のビデオ・レクチャーを振り返ると、次のとおりになります
「交響曲第3番の第4楽章の一部のメロディーは、ベートーヴェンが作曲した『12のコントルダンス Wo014』で最初に登場し、次に1800~01年初頭に作曲したバレエ『プロメテウスの創造物』に登場、さらに1802年に作曲した『エロイカ変奏曲 作品35』に登場している」
つまり、ベートーヴェンは同じメロディーを4つの作品に登場させているのです この日、アンコールに演奏されたのはバレエ『プロメテウスの創造物』の音楽でした
帰り際に受付カウンターに寄って、登原さんに「とてもいい演奏会でしたね」と伝え、会場を後にしました 今日も2時からトリフォニーホールで同じプログラムによる公演があります
鈴木雅明 ✕ 新日本フィルの刺激的なベートーヴェン、お勧めします