人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マルタ・アルゲリッチ「幻のショパン・レコーディング」 ~ 日経の記事から / 宮部みゆき著「昨日がなければ、明日もない」を読む

2021年07月12日 07時13分16秒 | 日記

12日(月)。先日、山形県鶴岡市に単身赴任している息子が送ってくれた山形名産サクランボが美味しかったので、昨日、池袋のデパートから鮭やイクラの瓶詰セットを送りました 毎日自炊しているので、たまにはご飯に乗せるだけで美味しくいただける珍味もいいかなと思って鮭茶漬け、イクラ醤油、貝柱、イカの紅作りの4種類を選びました

ということで、わが家に来てから今日で2375日目を迎え、西村康稔経済再生相が7月8日、東京都への4度目の緊急事態宣言に関連し、新型コロナ対策の休業要請などに応じない飲食店に対し、金融機関から圧力をかけてもらう考えを表明し大炎上したが、同じ日に内閣官房コロナ対策推進室、国税庁酒税課から酒類業中央団体連絡会に「酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じない飲食店との酒類の取引停止について(依頼)」という要請文書を出していたことが発覚し、「優越的地位の乱用」と火に油を注いだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     安倍政権は官僚に圧力をかけたが  菅政権は金融業界を通じて酒類業界に圧力かい

 

         

 

昨日の日経新聞のコラム「名作コンシェルジュ  Music」欄で音楽評論家・鈴木淳史氏が「マルタ・アルゲリッチ  『幻のショパン・レコーディング』」のCDを取り上げていました 1965年のショパン・コンクールで優勝した直後のレコーディングで、EMIのプロデューサーに誘われ、ロンドンのアビーロード・スタジオで6月23,24,27日の3日間ショパンを弾いた時の録音です この時、アルゲリッチはドイツ・グラモフォン・レーベルと専属契約を結んでいたため、この録音は長い間お蔵入りになっていましたが、1999年にEMIからリリースされました その時に発売されたCDが下の写真です

 

     

     

 

今回発売されたCDは、マスターテープから復刻されたものだそうです CDジャケットのデザインは上の写真と同じですが、レーベルがEMIではなくワーナークラシックスになっています

鈴木氏は、アルゲリッチがこの録音の2年後にこのアルバムとほぼ同じ曲目でグラモフォンからリリースしたアルバム(下の写真:1967年1月15~17日、ミュンヘンで収録)と聴き比べをしています

 

     

     

 

鈴木氏は次のように書いています

「いずれ(の曲)もテンポが速めで、響きもだいぶ整理されている。感性と理性のバランスが神業級だ それに比べると、このEMI録音はまるでライブを思わせる即興性が冴え渡る 彼女の奔放さが、よりダイレクトに伝わってくる

実際に聴き比べて見ると、鈴木氏の言わんとすることが良く理解できます EMI版の方が「感性が理性を上回っている」感じがします

1941年、アルゼンチン生まれのピアニスト、マルタ・アルゲリッチも今年80歳です 近年はソロ活動でなく仲間たちと室内楽に取り組む活動が中心になっています たまに映像で彼女が室内楽を演奏するシーンを観ることがありますが、鋭いタッチによる強靭なピアニズムは衰えることを知りません 超一流というのは彼女のようなアーティストを言うのでしょう

 

         

 

宮部みゆき著「昨日がなければ、明日もない」(文春文庫)を読み終わりました 宮部みゆきは1960年生まれ。東京・深川育ち。法律事務所勤務を経て、1987年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞を受賞しデビュー 1999年に直木賞を受賞した「理由」をはじめ著書多数

 

     

 

本書は 38歳で私立探偵になった杉村三郎を主人公として、ちょっと困った女性たちを巡る3つの事件を描いた連作中編集です 最初の「絶対零度」は、筥崎静子という依頼人が登場し、「自殺未遂した娘の優美に会いたいのに、優美の夫・佐々知貴に見舞いを拒絶されている 自殺未遂の原因は妻と義母との確執だと知貴は主張しているが、母娘の関係は良好なので身に覚えがない さては知貴の浮気問題でも裏にあるのか?」と、調査を依頼してきます 調査によると、知貴が大学時代のサークルのOB会の先輩の言いなりになって、先輩と共にサークルの仲間に危害を加えていることが分かります。世の中にはこんなに悪い奴がいるのか、という男が出てきます

2番目の「華燭」は、杉村が近所に住む主婦の依頼で出かけた結婚式で、花嫁失踪などにより二組の披露宴が同時に開催不能となる異常事態に遭遇するというストーリーです 一組の結婚式ならとにかく、二組の結婚式が同時並行している中で両方の式に事件が勃発する しかも、それは周到に準備された計画かも知れず、そこにハプニングが発生するものの結果的に上手くいく、というストーリー展開は宮部みゆきならではでしょう

3番目の「昨日がなければ、明日もない」はシングルマザー朽田美妃が、子供を餌にして周囲に迷惑をかけながら、最後には殺されていたという物語です 世の中にはこんなに悪い奴がいるのか、という女が出てきます

久しぶりに宮部みゆきの小説を読みましたが、文体が独特です 会話を中心にストーリーを展開していきますが、いったいいつどういう事件が起こるのか、あるいは起こっていたのか、というのが見えないほど淡々と物語が進みます しかし、そこは宮部みゆきです。巧妙に伏線を張っています 

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