14日(土)。わが家に来てから今日で3623日目を迎え、シリアのアサド前大統領をめぐり、米ブルームバーグ通信は11日、ロシアが「反体制派に負ける」との見通しを伝え、アサド氏が国外脱出するよう後押ししたことがロシアへの亡命につながったと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアが戦争で負けたら プーチンを救うのは 北朝鮮の金正恩か 中国の習近平か?
昨日はオペラが17時開演だったため、夕食作りは免除してもらいました
昨夜、サントリーホールでリヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」(演奏会形式)を聴きました 出演は元帥夫人=ミア・パーション、オクタヴィアン=カトリオーナ・モリソン、ゾフィー=エルザ・ブノワ、オックス男爵=アルベルト・ぺーゼンドルファー、ファー二ナル=マルクス・アイヒェ、マリアンネ=渡邊仁美、ヴァルツァッキ=澤武紀行、アンニーナ=中島郁子、警部/公証人=河野鉄平、テノール歌手=村上公太。管弦楽=東京交響楽団、指揮=ジョナサン・ノット、演出監修=サー・トーマス・アレンです
「ばらの騎士」はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)がフーゴー・ホフマンスタールの台本に基づき1909年から翌10年にかけて作曲、1911年にドレスデンで初演された全3幕から成るオペラです
元帥夫人の居室。ヴェルデンベルク陸軍元帥の妻(元帥夫人)マリー・テレーズは、夫の不在中、若いロフラーノ伯爵オクタヴィアンと情事に耽っている そこへやってきたオックス男爵が元帥夫人に面会を求め、オクタヴィアンは慌てて隠れる 男爵の来訪は、間もなく結婚する新興貴族ファーニナルの娘ゾフィーに対し、しきたりとして贈る薔薇を届ける使者(ばらの騎士)を推薦してほしいというものだった オックス男爵が退席した後、朝の接見の場がしつらえられ、物売り業者など多くの人々がやってくるが、彼らが去った後、元帥夫人は時の移ろいと、老いゆく自分に無常観を味わう 本来の姿で戻ってきたオクタヴィアンにも「やがては別れる定め」と説き伏せ、別れを承知させてしまう(以上第1幕)
ファーニナル家の広間。ゾフィーは、間もなくやって来る「ばらの騎士」の到着、そして新たな花婿に期待を寄せている やがてオクタヴィアンが銀の薔薇を持って到着する。ゾフィーとオクタヴィアンは一瞬で恋に落ちる 続いて父親ファーニナルが花婿オックス男爵を連れて帰るが、その粗野な立ぶるまいに、ゾフィーは本気で腹を立ててしまう オックス男爵の下品な物言いにオクタヴィアンは激怒し、決闘を挑み剣を抜くが、腕にかすり傷を負っただけで男爵は大騒ぎする 男爵のもとに、元帥夫人のもとで働く小間使いマリアンデル(変奏したオクタヴィアン)からの逢引きの手紙が届く すっかり上機嫌になった男爵は、お得意のワルツを歌い踊る(以上第2幕)
場末の居酒屋。ヴァルツァッキは、オックス男爵を驚かすべく、居酒屋を「お化け屋敷」にしようと仕込み続ける 男爵はマリアンデルを口説こうとするが、そこに亡霊が現れ、男爵は驚く ファーニナルとゾフィーは、男爵の醜態に怒り、婚約は破談だとわめ散らす 元帥夫人に「何も言わずに立ち去るよう」厳命された男爵は、すべてを諦めて帰途につく 元帥夫人とオクタヴィアンの関係に衝撃を受けたゾフィーを元帥夫人が宥め、自分が身を退くことで若い二人を結び付ける ゾフィーの父親にも祝福され、二人はお互いの愛を確かめる(以上第3幕)
自席は1階9列14番、左ブロック右から2つ目です 演出の都合上P席は客を入れていません。それを除き会場はほぼ満席です
オケは14型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスはグレブ・ニキティン、隣は小林壱成というダブルトップ態勢を敷きます オケの手前の下手にはソファーが、上手には小さなテーブルと椅子2脚が置かれているだけのシンプルな舞台です
結論から先に書くと、今年の「マイベスト1」と言ってもよいくらいの素晴らしい公演でした
ノットの指揮で第1幕の前奏曲の演奏に入りますが、元帥夫人とオクタヴィアンの愛の一夜を艶めかしく描き、冒頭から聴衆の心をしっかり掴みます そして、オクタヴィアンが「あなたは素晴らしかった、とても・・・」と歌いますが、カトリーナ・モリソンの歌を聴いて背筋が寒くなる感動を覚えました まさにオクタヴィアンです 彼女はスコットランド出身のメゾ・ソプラノですが、包容力のある深みのある歌唱で聴衆を魅了しました
元帥夫人役のミア・パーションはスウェーデン出身のソプラノですが、新国立オペラでの「フィガロの結婚」伯爵夫人役が印象に残っています リリカルで美しい歌唱で世界中の歌劇場で活躍しています。演技力も十分で舞台に映えます
ゾフィー役のエルザ・ブノワはフランス出身のソプラノです 良く伸びる美しい高音が魅力でした
このオペラの最大の聴きどころは第3幕後半の元帥夫人、オクタヴィアン、ゾフィーによる三重唱とその後の二重唱です この音楽に感動を覚えない人はいないでしょう 私は三重唱を聴いて背筋が寒くなる感動を覚えました
オックス男爵役のアルベルト・ぺーゼンドルファーはオーストリア出身のバスです この役は当たり役で、世界中の歌劇場で歌っています 作曲者とホフマンスタールの間では、当初「オックス」「レルヒェナウのオックスと銀のばら」というタイトルで呼んでいたように、両者はオックスを主人公として考えていました 全3幕を通して登場するのは「ばらの騎士」であるオクタヴィアンとオックス男爵だけです その意味で、ぺーゼンドルファーは深みのある低音と卓越した演技力で当公演の中心人物としての存在感を示しました
ファーニナル役のマルクス・アイヒェはドイツ出身のバリトンです この役は十八番でMETにはこの役でデビューしました 良く通る歌唱と確かな演技力で聴衆を魅了しました
日本人歌手も大健闘でした。とくにテノール歌手役の村上公太は気持ちがいいほどの爽快な歌唱が素晴らしかったです
特筆すべきは歌手に寄り添いつつ登場人物の心情を歌い上げたノット ✕ 東響の渾身の演奏です
ゾフィーが落としたハンカチを小間使いの少年が拾い上げ舞台袖に去っていき、最後の音で曲が閉じると、満場の拍手とブラボーの嵐が吹き荒れました
17時に開演した本公演は最後には総立ちのスタンディングオベーションとなり、公演が終わったのは21時20分でした
今日はサントリーホールで「第九」を聴きます
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