20日(土)。わが家に来てから510日目を迎えた(出番だよ!顔はどーした?!)モコタロです
これ しっぽじゃないよ おいらの胴体だよ 伸びをしてるんだよ
閑話休題
昨日は、夕食に「豚ひき肉と大根の甘辛煮」と「生野菜とワカメとサーモンのサラダ」を作りました こちらから訊かないうちに、娘から「美味しかったよ」というひと言がありました
も一度、閑話休題
昨夕、初台の新国立劇場(中劇場)で「新国立劇場 オペラ研修所修了公演 モーツアルト『フィガロの結婚』」を観ました
新国立劇場オペラ研修所は毎年5名の入所者を迎えながら3年間の研修を経て修了となりますが、現在、16期から18期までの15名の研修生が学んでいます 今回の公演は修了を迎える第16期生5人にとっては卒業公演となります
出演者は19日(金)・21日(日)と20日(土)とでダブルキャストになっています 初日の19日は、フィガロに松中哲平、スザンナに種谷典子、アルマヴィーヴァ伯爵に小林啓倫、伯爵夫人に飯塚茉利子、バルトロに氷見健一郎、ケルビーノに高橋紫乃、マルチェリーナに藤井麻美、バジリオに岸浪愛学、ドン・クルツィオに水野秀樹、アントーニオに山田大智、バルバリーナに砂田愛梨というメンバーです
自席は1階7列33番、と言ってもオーケストラピットが5列まで使用しているので、席としては前から2列目のセンターブロック左通路側です。ピットの中の最後列の演奏者の顔が見え、歌手の顔や仕草も良く見える位置です オペラは観て聴いて楽しむことに醍醐味があるとすれば、最高の座席です。強いて欠点を言えば、あまりにも前過ぎて 字幕スーパーが見にくかったということですが、オペラの筋は頭に入っているので困ることはありませんでした
結論から先に書きます。歌も演技も演奏も舞台も演出も素晴らしい公演でした
第1幕冒頭からこの役にピッタリだと思ったのはスザンナを歌った種谷典子(たねたに のりこ)です 国立音楽大学大学院を修了しています。声の質がスザンナにピッタリです。可愛らしくて、機転が利いて、歌も上手な、望むべきスザンナを体現しています
「フィガロの結婚」を聴いていて いつも残念に思うのは、スザンナがソロで歌うアリアがほとんどないということです
もちろん、全幕を通して彼女が歌う場面は多くあるのですが、フィガロ、伯爵、伯爵夫人、ケルビーノ等とのデュエットが多く、ソロと言えば第4幕の「やっと待ってた時がきた・・・・さあ早く来て、いとしい人よ」くらいしかないのです
私は、このオペラの本当の主人公はフィガロではなくてスザンナだと思っていますが、彼女のためのソロのアリアがもっと欲しかったと思います。モーツアルトが生きていたら是非お願いしたいと思います
迫力があったのはアルマヴィーヴァ伯爵を歌った小林啓倫です。声量があり迫真の演技でした フィガロを歌った松中哲平は「もう飛ぶまいぞこの蝶々」をはじめソロで歌うアリアを決めていました
最初はこの役には荷が重いと感じていたものの、アリアを聴いてその雰囲気が払しょくされたのは伯爵夫人を歌った飯塚茉利子です 第2幕冒頭の「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」、第3幕の「楽しい思い出はどこへ」のアリアは素晴らしいものがありました
高橋紫乃が歌ったケルビーノのアリア「自分で自分が分からない」、「恋とはどんなものかしら」も良かったです
岸浪愛学が第1幕で歌ったバルトロの「復讐だ、ああ、復讐とは楽しみだ」も素晴らしかったし、マルチェリーナを歌った藤井麻美の迫力にも圧倒されました
さて、この公演を成功に導いたもう一つの大きな原因は、河原忠之の指揮と粟國淳による演出です モーツアルトの歌劇、とりわけ「フィガロの結婚」の一番肝心な要素は”小気味の良いテンポ”です
河原の指揮はテンポ感が良く、前へ前へ音楽がグングン進みます。それに合わせるかのように、粟國による舞台転換は速く無駄がありません。舞台は左右に移動するだけなのですが、左、中央、右のスペースをうまく使って演出を施します
例えば、第2幕で伯爵夫人とスザンナがケルビーノを女装させているところに伯爵が帰ってくるシーンで、伯爵と夫人が部屋の外に出て行ったあと、スザンナは衣裳部屋に隠れていたケルビーノを逃がして、自分が衣裳部屋に隠れるわけですが、オーソドックスな演出では、衣裳部屋に隠れたスザンナの様子は聴衆には見えないのですが、この公演の演出では、見えるようにしています
さらに、この公演のもう一つの特徴は、第1幕と第2幕を続けて演奏し、休憩を入れ、第3幕と第4幕を続けて演奏していることです これが独特のスピード感を醸し出しています
このオペラの正式なタイトルは「フィガロの結婚。または狂おしき一日」です。観ていると、次から次へと事件が起こるので 何となく長い日時の物語のように思いがちですが、たった1日のことを描いています それで「狂おしき一日」なのです。フランス語では「ラ・フォル・ジュルネ」です。5月の3連休に東京国際フォーラムを中心に開かれる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(熱狂の日 音楽祭)はここから採られました
昨日から先行抽選販売の受付が始まりました。今日にでも、聴きたい公演を選んで応募しておこうと思います
昨日は 生でモーツアルトのオペラが観られる幸せをかみしめることが出来た 熱狂の日でした
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