10日(土)その1.わが家に来てから今日で3070日目を迎え、米連邦大陪審は8日、政府の機密文書を不適切に持ち出した疑いでトランプ前大統領を起訴したが、女性問題に続く2件目の起訴となる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプのことだから ”魔女狩りだ”と言って支持者の同情を買って居直るんだろう
昨日はコンサートのハシゴだったため夕食作りはお休みしました。あしからず
昨日、14時からすみだトリフォニーホールで新日本フィル「第15回クラシックへの扉」定期演奏会を、19時から東京オペラシティで東京シティ・フィル「第361回定期演奏会」を聴きました ここでは新日本フィルのコンサートについて書きます
プログラムは①メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」序曲 作品21,②モーツアルト「交響曲第36番 ハ長調 K.425”リンツ”」、③パッヘルベル「カノン 二長調」、④ヘンデル:歌劇「セルセ」より「オンブラ・マイ・フ(懐かしい木陰)」、⑤同:歌劇「リナルド」より「涙の流れるままに」、⑥モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚 K.492」序曲、「恋とはどんなものかしら」、⑦同:歌劇「ポントの王ミトリダーテ K.87」より「執念深い父がやってきて」、⑧同:モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618」、⑨グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より「精霊の踊り」、「エウリディーチェを失って」です
演奏はカウンターテナー=藤木大地、指揮=デリック・イノウエです デリック・イノウエは1985年にヴィットリオ・グイ指揮コンクールで優勝、その後小澤征爾、ラインスドルフらに師事、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場とは長い間良好な関係にあります
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは西江王子、その隣は立上舞です。第2ヴァイオリンのトップには元クァルテット・エクセルシオの第2ヴァイオリン奏者・山田百子が客演しています
1曲目はメンデルスゾーン「劇音楽『夏の夜の夢』序曲 作品21」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)がシェイクスピアの戯曲を題材に17歳の時に作曲しました
イノウエの指揮で演奏に入りますが、弦楽器による高速テンポのキザミを中心に軽快な音楽が繰り広げられ、妖精が飛び回る様子が目に浮かびます まるで音によるドラマを聴いているように感じました
2曲目はモーツアルト「交響曲第36番 ハ長調 K.425”リンツ”」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1783年に作曲、同年リンツで初演されました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります
快速テンポによる心地よい演奏が始まって、あらためてオケの管楽器を見渡したらクラリネットがいません 考えて見たらこの曲はクラリネットなしで作曲されたのでした こういうのって、音楽素人にはライブで見て聴かないと案外分からないものです この曲で好きなのは第3楽章「メヌエット」におけるオーボエとファゴットによる「トリオ」です この曲に限らず、「交響曲第39番」第3楽章のトリオも素晴らしいと思います 第4楽章は再び快速テンポで演奏が進みます。爽快な演奏でした
休憩時間にパトロネージュ部の登原さんとお話ししました この日の午前中に聴講した小室敬幸氏の「60分ワンコイン講座 ~ バロックから古典派にかけてオペラはどう変わったのか?」が非常に分かりやすく参考になったので、その旨を伝えると、彼女は「小室さんは最近忙しくて、あちこちで引っ張りだこです コロナ禍で仕事が減ると心配されていましたが、オンライン講座などが好評を博し、名前が知れ渡って今では返って忙しくなったようです」と語っていました 新日本フィルの「扉シリーズ」のプログラムノートの執筆をはじめ、最近では 他のオーケストラのプログラム冊子や音楽関係の出版物で小室氏の名前を見る機会が増えています 「ワンコイン講座」にも毎回多くの聴衆が集まっています さっそく次回の予約をしておきました
また、東京シティ・フィルの定期演奏会の急な指揮者交代についてもお話しすると、「若手の指揮者にとっては、代役は大きなチャンスですね。コロナ禍で海外の指揮者が来日できなくなった時、日本人指揮者が代役を果たし、中でも若手の指揮者が活躍していました。頑張ってほしいですね」と語っていました 全く同感です。誰かのピンチは誰かのチャンスです
プログラム後半は「バロック音楽特集」。1曲目はパッヘルベル「カノン 二長調」です この曲はヨハン・パッヘルベル(1653-1706)が作曲した「3声のカノンとジグ」です 3つのヴァイオリンパートが2小節ずつずれて演奏されていきます
弦楽器とオルガンだけによる演奏です 何度も繰り返し聴いたように思いますが、それはCDであって、ライブで聴くのはこれが初めてかもしれません 心休まる音楽で、職場の同僚から結婚式の披露宴のBGMを頼まれたりした時は、この曲を真っ先に使いました 新日本フィルの弦楽セクションの洗練された演奏が会場を満たしました
次の曲からカウンターテナーの藤木大地の登場です 2017年にオペラの殿堂ウィーン国立歌劇場でライマン「メデア」ヘロルド役でデビューした時は大きな話題になりました 最近では新国立劇場のヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」トロメーオ役で出演し好演したのが記憶に残っています
最初の曲はヘンデル:歌劇「セルセ」より「オンブラ・マイ・フ(懐かしい木陰)」です この曲はゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)が1737年から翌38年にかけて作曲した歌劇の第1幕で歌われるアリアです かつてウィスキーのコマーシャルでキャスリン・バトルが歌ってセンセーションを呼び起こしました 次のヘンデル:歌劇「リナルド」より「涙の流れるままに」は1710年に作曲、1711年にロンドンのクイーンズ劇場で初演された歌劇で歌われるアリアです 藤木は透明感のある歌唱で歌い上げ、聴衆を魅了しました
ここで歌手の喉を休ませるためモーツアルト:歌劇「フィガロの結婚 K.492」序曲が演奏されます この曲は1785年から翌86年にかけて作曲、1786年にウィーンのブルク劇場で初演された歌劇の序曲です 快速テンポによる軽快な演奏が展開します 続いて同じオペラの第2幕のケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」が歌われます 藤木はレガートで歌うのではなくバロック的にメリハリをつけて歌い上げます
続けてモーツアルト:歌劇「ポントの王ミトリダーテ K.87」より「執念深い父がやってきて」を歌います この曲は1770年に作曲、同年ミラノのレージョ・ドゥカーレ劇場で初演された歌劇のアリアです 藤木はオペラの登場人物に成り切って歌いました
次にモーツアルト:モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618」を歌います この曲はモーツアルトの死の年=1791年6月に作曲されました 合唱のための作品ですが、今回初めてカウンターテナー独唱で聴きました。短い曲ですが合唱で歌ってもソロで歌っても名曲には変わりありません
最後の曲はグルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」よりオケによる「精霊の踊り」とカウンターテナーによる「エウリディーチェを失って」です この曲はクリストフ・グルック(1714-1787)が1762年にウィーンのブルク劇場で初演した歌劇です 私は新国立オペラで聴いたので、その時のことを思い出しながら聴きました 藤木はどこまでもクリアな歌唱で主人公の悲しみを歌い上げました
満場の拍手に藤木は、ヴォーン・ウィリアムズ(マーティン・カッツ編)「オルフェウスがリュートをとれば」を抒情的に歌い上げ、再び大きな拍手を浴びました
ボケっとしていて度忘れしていましたが、新日本フィルはカーテンコール時の写メが許されています 慌ててスマホのスイッチを入れて、何とかギリギリで写メに間に合いました
この後、東京シティ・フィルのコンサートを聴くため、初台に向かいました 「その2」に続きます
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