20日(水)。わが家に来てから今日で3262日目を迎え、米ニュージャージー州のマンモス大学が現地時間12月18日に発表した世論調査結果で、バイデン大統領の支持率は今月過去最低の34%に低下したことが分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
朝日調査の岸田内閣支持率23%に比べればまだ高い でも相手はトランプ 油断禁物
昨日、夕食に大学時代の友人で勝浦市在住のS君が送ってくれた大振りの「赤尾鯛」を塩焼きにして、「生野菜・アボカド・シラスのサラダ」「豆腐とワカメの味噌汁」と一緒にいただきました 赤尾鯛は焼くか煮るか迷いましたが、煮るのは大量に調味料を使うので、塩を振るだけの焼く方にしました 脂が乗っていて美味しかったです
昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第990回定期演奏会(Bシリーズ)」を聴きました プログラムは①キラール「前奏曲とクリスマス・キャロル」、②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」、③ペンデレツキ「交響曲第2番 ”クリスマス・シンフォニー” 」です 演奏は②のピアノ独奏=反田恭平、指揮=アント二・ヴィトです
アント二・ヴィトは1944年ポーランド生まれ。1971年カラヤン指揮者コンクールで入賞 ワルシャワ・フィル総芸術監督、スペインのナバラ響音楽監督などを歴任。クラクフ・フィル桂冠指揮者
1曲目はキラール「前奏曲とクリスマス・キャロル」です この曲はヴォイチェフ・キラール(1932-2013)が1972年に作曲した弦楽とオーボエのための作品です キラールと言ってもピンときませんが、ロマン・ポランスキー監督「戦場のピアニスト」の音楽を手がけた作曲家だそうです 増田良介氏の「プログラム・ノート」によると、この曲は「長めの休止で区切られた3つの部分(前奏曲、古いポーランドのクリスマス・キャロルに基づくカノン、コーダ)から構成されています
オケの編成は作曲者の指定通り、第1ヴァイオリン12,第2ヴァイオリン12,ヴィオラ8,チェロ8,コントラバス8を扇型に配置し、オーボエの4人をオケの後方に等間隔で配置しています コンマスは山本友重です
指揮台に上った白髪のアント二・ヴィトを見て、同じポーランド出身の指揮者スクロヴァチェフスキ(1923-2017)を思い出しました
ヴィトの指揮で演奏に入りますが、曲は弱音による静謐な曲想が中心で、正直言ってタイトルの「クリスマス・キャロル」の意味が良く分かりませんでした
2曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1900年から1901年にかけて作曲した作品です よく知られているように、1897年にラフマニノフは「交響曲第1番」の初演が大失敗に終わり、大スランプに陥ってしまいました 彼は催眠療法家ニコライ・ダーリ博士の診療を受け、次第に自信を取り戻し、「ピアノ協奏曲第2番」を完成させ、1901年の初演は大成功裏に終わりました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります
ピアノ独奏の反田恭平は2021年の第18回ショパン国際ピアノ・コンクールで日本人として初めて最高位の第2位を受賞 2018年には自身が創設したJapan National Orchestraのプロデュースを行い、株式会社として運営、奈良を拠点に世界に向けて活動を開始しています
冒頭、反田の力強いピアノにより鐘の音を思わせる演奏が繰り広げられ、次いでオケの情熱的な第1主題が高らかに奏でられます 都響の弦楽セクションは重厚感があります 第2楽章では、反田によるロマンティシズムの極致を行く演奏が展開します 第3楽章では独奏ピアノとオケとのアグレッシブなやり取りの末、力強くも華麗なフィナーレを飾りました
満場の拍手に反田は、シューマン/リスト編「献呈」を前半は淡々と、後半はドラマティックに演奏、再び大きな拍手に包まれました シューマン/リスト編「献呈」と言えば、私が初めてこの曲を聴いたのは松田華音のピアノ・リサイタルの時でした 何と素敵な曲なのだろう、と思い彼女のデビューCDを買ってしまいました 写真で紹介しようと、探してみたのですが4000枚の中から見つけ出すことが出来ませんでした どこに行ったんだろう
プログラム後半はペンデレツキ「交響曲第2番 ”クリスマス・シンフォニー” 」です この曲はクシシュトフ・ペンデレツキ(1933~)が1979年から80年にかけて作曲、1980年にニューヨークで初演された単一楽章の交響曲です
新日本フィル「60分ワンコイン講座」でお馴染みの小室敬幸氏がこの曲について「プログラム・ノート」に次のように書いています
「多楽章構成のようにも、ソナタ形式のようにもみなせそうでいて、なんらかの単一のフォーマットで全体を統一的に分析することはできないようになっているのがユニークだ 様々な要素が絡み合うなかで変質しており、まるで合成獣キメラのようなのである」
何ですか、この「合成獣キメラ」って ウルトラマンに出てくる怪獣の仲間ですか? 訳が分かりません 要するに音楽が複雑すぎて形式を「これだ!」とキメラれないということか
ヴィトの指揮で演奏に入りますが、冒頭のチェロとコントラバスの低弦による主題が印象的です その後は極めてハイテンションの演奏が続きます しかし「クリスマス・シンフォニー」のタイトルとは真逆に、「きよしこの夜」のメロディーは全体の中で2~3か所(しかも極く短く)しか登場しません 全体として苦渋に満ちたような曲想からは、タイトルを「クリスマス・シンフォニー」と言うよりも「クルシミマス・シンフォニー」とした方が相応しいのではないか、と思ってしまいます ただ、他の同時代の現代音楽と違い、暴力的(好戦的)な表現が多々あるにせよ、聴きやすい音楽であるのは救いです
最初から最後までテンション上がりっぱなしの曲想で、いささか疲れましたが、都響はヴィトの精力的な指揮のもと、伝統の弦楽セクションを中心に集中力に満ちた演奏を展開していました
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