人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林壱成 ✕ 鈴木康浩 ✕ 辻本玲 ✕ 清水和音でブラームス「ピアノ四重奏曲第3番」他を聴く ~ 第45回 芸劇ブランチコンサート『これがドイツロマン派』

2023年12月21日 00時01分12秒 | 日記

21日(木)。新交響楽団から来年1月8日(月・祝)に東京芸術劇場コンサートホールで開かれる「第264回演奏会」の案内が届いたので、申し込みはがきを出しておきました プログラムは①シュレーカー「あるドラマへの前奏曲」、②マーラー「交響曲第10番 嬰へ長調」(クック版 第3稿 1989年 全曲)です 指揮は寺岡清高です

未完に終わったマーラーの「交響曲第10番」の補筆による全曲版をライブで聴くのは貴重な機会です。今から楽しみです

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3263日目を迎え、米西部コロラド州の最高裁は19日、2024年の大統領選に向けた共和党候補を決める州の予備選に関し、トランプ前大統領の参加を認めない判決を下したが、21年の連邦議会占拠事件を扇動したことを理由に挙げた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの野望を砕き 世界の平穏と平和を守るため 他州もコロラドに続くべきだ

 

         

 

寒さが厳しくなってきたので、昨日の夕食は「札幌味噌鍋」にしました 材料は豚バラ肉、シメジ、キャベツ、ニラ、シメジ、モヤシ、ニンジン、豆腐です 鍋なので「浦霞」の冷酒を解禁しました 最近、禁酒がなし崩しのような気がしますが、なし崩しです

 

     

     

     

 

〆はいつものラーメンです 満腹です

 

     

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「第45回 芸劇ブランチコンサート『これがドイツロマン派』」を聴きました プログラムは①シューベルト「ソナチネ第2番 イ短調」、②シューマン「アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70」、③ブラームス「ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60」です 演奏はヴァイオリン=小林壱成(東響コンマス)、ヴィオラ=鈴木康浩(読響ソロ・ヴィオラ)、チェロ=辻本玲(N響首席)、ピアノ=清水和音です

 

     

 

この日も多くの聴衆が集まりました 出演者の顔ぶれを見れば納得です

1曲目はシューベルト「ソナチネ 第2番 イ短調」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1816年に作曲したヴァイオリンとピアノのための作品です シューベルトの「ソナチネ」は3曲ありますが、いずれも家族や友人たちの家庭音楽会で演奏するために作曲されたと言われています 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

小林壱成と清水和音により演奏が開始されます 短調の曲ですがシューベルトらしく歌心に満ちた音楽です 小林は美しいヴィブラートで流麗な演奏を繰り広げました

 

     

 

2曲目はシューマン「アダージョとアレグロ  変イ長調 作品70」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)がホルンとピアノのための作品として1849年に作曲しましたが、「チェロまたはヴァイオリンで演奏しても可」としており、今回はヴィオラで演奏されます

鈴木康浩と清水和音により演奏が開始されます 鈴木のヴィオラによる甘美な旋律がゆったり流れます 詩情豊かな演奏に耳を傾けていると、この曲は元々ヴィオラとピアノのために書かれたのではないか、と思ってしまいます それほど味わい深く素晴らしい演奏でした

 

     

 

最後の曲はブラームス「ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1855年に全3楽章の作品として作曲、その後1873年から75年にかけて本格的に改訂し4楽章の作品として完成、1875年にハイデルベルクで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コモード」の4楽章から成ります

演奏前に清水と鈴木のトークがありましたが、清水が「ブラームスのピアノ四重奏曲は第1番が人気があり頻繁に演奏されるのに、第3番はあまり演奏されない 良い曲なんだが、とにかく全体的に暗い印象がある  演奏してもあまり拍手が来ない」と話すと、鈴木が「この曲の背景には”死”の影がありますから」と答えていました これは、ブラームスが最初にこの曲を完成させた1855年という年は、恩師ロベルト・シューマンが自殺未遂事件を起こし精神病院に入院した年であり、翌年に死亡したことが背景にあります

4人が登場し、さっそく第1楽章に入ります 冒頭、清水の強打から悲壮感漂う音楽が開始されます 中盤で心和む音楽が奏でられる箇所があり、小林と鈴木がお互いに笑顔を向けて「このフレーズとてもイイね」という表情を見せたところは微笑ましく思いました 第2楽章では清水のリズミカルなピアノに乗せて3人のアグレッシブな演奏が展開します 第3楽章では、辻本玲のチェロがロマンティックなメロディーを流麗に演奏し、聴衆を魅了しました 次いで、小林のヴァイオリンが同じメロディーを甘美に演奏し、その後鈴木のヴィオラが加わり、完璧なアンサンブルを奏でます 第4楽章は冒頭、ピアノによりベートーヴェンの「交響曲第5番 ハ短調」の"運命の動機(タタタ・ター)"が奏でられ、その後も同じ動機が弦楽により演奏され、この楽章全体を支配します 言うまでもなく、ブラームスのこの曲も「ハ短調」で書かれています 下手な演奏だと「破綻調」になってしまいますが、そこは東響コンマス、読響ソロ・ヴィオラ、N響首席チェロの演奏です これ以上ない素晴らしいアンサンブルで締めくくりました

これだけハイレベルの演奏が2400円で聴けるなんて超ラッキーです

ところで、以前このブログにも書きましたが、この公演の進行方法で気になる点があります この公演は「芸劇ブランチコンサート 清水和音の名曲ラウンジ」というタイトルで明らかなように、ホスト(進行役)は清水氏であり、自らピアノを弾いてゲストと共演し、公演全体の進行を仕切る役割を果たしています 気になるのは演奏と演奏の間のトークです 清水氏は「この公演に呼ぶ演奏家は口下手が多く、とにかく話したがらない そこで自分が話すことが多くなる」ということのようです。しかし、皆が皆そういうことではありません この日のトークでも、鈴木氏が話そうとすると、それを遮って自分の考えを話す場面が何度かありました ホストはあくまでもゲストの話を上手に聞き出すのが本来の役割であって、聴衆も毎回出演する清水氏の話よりも、ゲストの知られざる話を聞きたいと思っていると思います 清水氏はピアニストとしての役割は十分果たしているのですから、ホストとしての役割もしっかり果たしてほしいと思います 「話し上手は聞き上手」と言われます 清水氏には「聞き上手」になってほしいと思います

ということで、公演終了後、ロビー入口脇の臨時チケット売り場で、来年4月・6月・8月の公演チケット3枚セット券を取りました 4月24日は日本を代表するヴィオラのトップ3人(佐々木亮=N響、鈴木康浩=読響、中恵菜=新日本フィル)が揃い踏みです 6月はN響のコンマス郷古廉と佐々木亮が出演します 8月はトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団コ・コンサートマスターの藤江扶紀が出演します どの公演も魅力的で、今から楽しみです

 

     


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