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人間の体は6ボルト?

2025年04月11日 07時51分42秒 | 医科・歯科・介護

生体電位(せいたいでんい)とは生体信号の一種で動物植物生命活動に伴って生じる電位

概要

[編集]

菌類単細胞生物も含めてあらゆる生物の活動で生体電位が生じるとされる。従来は据え置き式の装置でなければ生体電位の計測、取得は困難で用途は研究や医療診断関係に限られていたが、近年ではBITalinoのように測定装置の小型軽量化により応用範囲が広がり、ウェアラブルコンピュータにセンサが接続されて生体信号の取得、蓄積、分析が行われ、多様なアプリケーションが開発され、高齢者、障害者の自立支援等、適用範囲が拡大しつつある[1][2]

計測項目

心電図

拍動に伴う微小電流。

脳波

の活動に伴う微小電流。

筋電図

筋肉の活動に伴う微小電流。

皮膚電位

皮膚に生じる微小電流。


人間の体に電気が流れているって本当?

2025年04月11日 07時25分30秒 | 医科・歯科・介護

本当だよ。みんなの体の中には、いつも弱い電気が流れているんだ。

例えば野球をしている時、転がってきたボールを目で見たら、体の中で何が起こると思う? 

見たことやしたいことを弱い電気の信号にして、神経(しんけい)が脳(のう)に伝えてるんだ。

例えば「ボールが来たぞ」と伝える。そして「ボールを取れ」という脳からの電気信号を神経が手や足の筋肉(きんにく)に伝えれば、ボールが取れるというわけだ。

そんな風に体を流れる電気の状態(じょうたい)で、体の具合が分かったりもするんだ。

例えば、脳波という脳の電気信号や、心臓(しんぞう)の動きでできる電気信号で心電図という図を描(えが)くことができる。そうした図を見ることで、病気を調べることができるから便利なんだ。

 
 
 
 

人間の体の電位は?何ボルト

2025年04月11日 07時20分20秒 | 医科・歯科・介護

ヒトの体から出ている電気を測ってみよう

2012.3 vol26

岡崎市立北中学校の生徒さんが体の電気信号について学びました。

ヒトの体もデンキウナギのように電気を発生します。摩擦電気や、1円と10円硬貨でできる電気など、電気にもいろいろありますが、もともとは同じものです。電気の共通点を、みんなの心臓からの電気を測って考えてみよう。

世界ではじめてつくられた電池(ボルタの電池)をためしてみよう!

アルミと銅と塩水でできる「ボルタの電池」をつくってみました。            

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●キッチンペーパー
●アルミのコイン(1円玉など)
●銅のコイン(10円など)
●食塩水
 

 

 

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■作り方

 ボルタの電池は銅と亜鉛の板と薄い硫酸を使用しますが、ここでは簡単に銅とアルミニウムのコイン、食塩水を使用しました。 銅のコイン→キッチンペーパー→アルミのコイン→キッチンペーパー→銅のコイン・・・・・・と順番に重ねて固定します。そしてキッチンペーパーに食塩水をしみこませます。murakami-setumei.jpg

自分の心臓から発生する電気(心電図)を測ってみよう!

  ヒトの体は、電気や化学物質(神経伝達物質)によって信号を伝達しています。筋肉を動かす時に発生する筋電位信号ではありませんが、筋肉が興奮すると周囲に電流が流れることにより電圧の差(電位差)が発生します。sindenzu-seito1.jpg

 心臓は刺激が心臓の筋肉(心筋)に伝わることで拍動(収縮と弛緩)を繰り返しますので、心臓が拍動するときにも心電図と呼ばれる電気的な活動が見られます。
 心電図は、1903年に、ウィレム・アントホーフェン教授(オランダ)によって測定されましたが、この業績によって1942年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

 

 

sindenzu-seito2.jpg

心電図の記録方法はいろいろありますが、ここでは最も一般的な心電図である双極肢誘導という電極のつけ方をしました。
 電極は、右手首に赤色、左手首に黄色、右足首に黒色(アース)、左足首に緑色の電極をつけます。両手の電極間で計測した電圧の差(電位差)をⅠ誘導、右手を足の間の電位差をⅡ誘導、左手を足の間の電位差をⅢ誘導といいます。
※心臓の詳しい仕組みは、せいりけんしみん講座の項を参照してください。

 『未来の研究者』に夢をたくす -岡崎市立北中学校の生徒さんの感想ー

 生理学研究所で、僕は2つの実験をさせていただきました。1つは、身近なもので電気を発生させる実験で、もう1つは心電図をとりました。この心電図では、心拍数などがわかり、医療の場でも利用されていると知りました。他にも人の体にも電気が流れており、その電気はかなり小さいなど、色々な話を聞かせていただきました。その中で多くの発明家の話も聞きました。どの発明家も生活の中で感じた疑問を研究しているということが分かりました。僕も身近な疑問を調べていきたいと思いました。
(中根直哉)

 人間の体から出ている電気をとらえるというのは、体にたくさん機械をつけるのかと思いました。しかし、手首と足首に電極をつけるだけで、電気がとらえられることがわかりました。体に電気が流れる仕組みはイオンの移動が関係していて、電気ウナギはこれをうまくコントロールしているのには驚きました。今回の見学はすごく貴重で楽しい体験でした。
(西 淳平)

 

 生理学研究所で、イオンやミトコンドリアなど専門的な話を聞きました。難しい内容でしたが、新しい知識を知る良い機会でした。学んだことを、もう一度調べて理解を深めたいと思いました。これから人体にもっと興味を持って生活していきたいと思いました。
(中根詩歩子)

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 生理学研究所で「人体に流れる電気信号について」のお話を聞かせていただき、改めて人体のしくみはすごいと思いました。
 電池は、金属がとけたイオンの+、-によって電流が流れるしくみになっていて、また似たようなしくみで、人体に電流が流れていることを知りました。そして、電気は細胞で作られ、心臓まで伝わり、心臓が動いていることも知りました。
 私は、今回学んだ細胞の働きをもっと深めていき、これからは不思議と思ったことは調べていきたいと思います。
(挟土沙詠)

 

 

【速報】医療搬送ヘリ事故 心肺停止の女性患者

2025年04月07日 04時16分40秒 | 医科・歯科・介護

(86)が死亡 医師や看護師など6人が搭乗 対馬から福岡の病院に向かう途中

テレビ西日本


心のSOS

2025年04月03日 09時35分35秒 | 医科・歯科・介護

こころのSOSサインに気づく

毎日ゆかいで、楽しく、うきうきしながらすごしたいもの。
でも、現実にはなかなかそうはいきません。
友達とうまくいかなかったり、先生や親とケンカしてしまったり……。
そんなストレスから、気分が落ち込んで元気がなくなったり、イライラして怒りっぽくなったりするのは、ごく自然なことです。

しかし、こうしたつらさがいつまでも消えずに、こころの中にとどまって、そのために体の調子も悪くなってくることがあります。

そんなときは、「こころの病気」の始まりである可能性も考えてみましょう。

また、こころの病気であっても、体調面の不調が中心のこともあります。病院に行っても原因がわからないときは、ストレスが原因かもしれません。
こころや体の不調に気づいたとき、つらい状態が長く続くときは、こころがSOSサインを出していると考えてみましょう。



国立健康危機管理研究機構(JIHS)

2025年03月29日 11時02分39秒 | 医科・歯科・介護

感染症その他の疾患に関する
調査・研究の実施や医療の提供を通じて
安心できる社会の実現に貢献

「国立健康危機管理研究機構(JIHS)」が誕生します。「JIHS」は世界トップレベルの「感染症総合サイエンスセンター」として、感染症をはじめとする様々な疾患、健康危機から人々を守ります。

2025年4月
「JIHS」がスタートします。

【JIHSの理念】

MISSION

JIHSの使命

感染症その他の疾患に関する調査・研究の実施や医療の提供を通じて安心できる社会の実現に貢献する

VISION

JIHSの将来像

世界トップレベルの感染症対策を牽引する「感染症総合サイエンスセンター」として、基礎、臨床、疫学、公衆衛生にわたるすべての領域研究を統合的に推進し、最先端の医療と公衆衛生対策を提供する

CORE VALUE

JIHSの信条

Global
常に世界的な視野で
Resilient
強くしなやかに
Innovative
革新的に
Integrity
公正かつ誠実に
Professional
高度な専門性に基づき
職責を果たしてまいります。

【国立健康危機管理研究機構の4つの機能】

1.情報収集・分析・リスク評価機能(Disease Intelligence)
サーベイランスや情報収集・分析の実施、国内外の関係機関との協働・連携により、感染症インテリジェンスにおけるハブとしての役割を担います。科学的知見を政府に迅速に提供するとともに、国民にわかりやすい情報提供を行っていきます。
2.研究・開発機能(Research, Development and Innovation)
平時より世界トップレベルの研究体制を確保し、基礎研究、シーズ開発から臨床試験まで戦略的に進められる組織を目指します。感染症危機の際には、国内外の機関等と連携し、臨床試験を含め研究開発のネットワークハブとして迅速に対応します。
3.臨床機能(Comprehensive Medical Care)
感染症危機にJIHSの持つ機能を十分に発揮するためには、高度な臨床能力が不可欠です。そのため、国立国際医療研究センターが担ってきた総合病院機能を引き続き備え、さらに高めていくことにより、人々の健康を守ります。
4.人材育成・国際協力機能(Human Resource Development, International Cooperation)
産官学連携や国際的な人事交流などを通して、医療従事者・研究者・公衆衛生実務者など多様な専門家の育成・確保に努めます。また、グローバルヘルスに貢献する国際協力を進めていきます。

令和7年4月「JIHS ジース」がスタートします

  

令和7年4月、国立国際医療研究センター と 国立感染症研究所が統合し,「国立健康危機管理研究機構(JIHS:Japan Institute for Health Security)」が設立されます。JIHSは、政府に科学的知見を提供する新たな専門家組織として、感染症等の情報分析・研究・危機対応、人材育成、国際協力、医療の提供等を一体的・包括的に行います。
 

画像をクリックすると国立健康危機管理研究機構(JIHS)のページへジャンプします。

 

国立健康危機管理研究機構(JIHS)の概要

  

JIHSの役割(4つの機能)

  1. 情報収集・分析・リスク評価機能: サーベイランスや情報収集・分析の実施、国内外の関係機関との協働・連携により、感染症インテリジェンスにおけるハブとしての役割を担います。科学的知見を政府に迅速に提供するとともに、国民にわかりやすい情報提供を行っていきます。
  2. 研究・開発機能: 平時より世界トップレベルの研究体制を確保し、基礎研究、シーズ開発から臨床試験まで戦略的に進められる組織を目指します。感染症危機の際には、国内外の機関等と連携し、臨床試験を含め研究開発のネットワークハブとして迅速に対応します。
  3. 臨床機能: 感染症危機にJIHSの持つ機能を十分に発揮するためには、高度な臨床能力が不可欠です。そのため、国立国際医療研究センターが担ってきた総合病院機能を引き続き備え、さらに高めていくことにより、人々の健康を守ります。
  4. 人材育成・国際協力機能: 産官学連携や国際的な人事交流などを通して、医療従事者・研究者・公衆衛生実務者など多様な専門家の育成・確保に努めます。また、グローバルヘルスに貢献する国際協力を進めていきます。

トピックス

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中期目標・計画等

ただいま準備中です。しばらくお待ちください。

関連法令等


温熱と電位治療器のエナジートロン 「体験」が全てである。

2025年03月26日 10時18分41秒 | 医科・歯科・介護

関東各地に体感型ショウルーム「ハピネスプラザ」を設置しています。プラザは電位治療器などヘルスケア製品の効果を心ゆくまで体感できる場所です。

人生100年を見据え、健康で楽しい生き方を提案する健康サロン「ハピプラ」

ハピプラでは、治療器などヘルスケア製品の効果を心ゆくまで体感できます。
足を運ぶことで楽しく健康になり、 通えば通うほどに元気になる。
お越しいただいた皆様の健康増進に貢献できる体感型健康サロンを目指しています。

人間関係が希薄になっている時代、隣り合わせた人たちが互いに雑談ができる時間帯が提供されている。

友人を去誘ってみたが、ほとんど人は来ない。

「体験」が全てである。

 


花粉症患者が増加

2025年03月25日 08時21分33秒 | 医科・歯科・介護

わが国では、1960年代にブタクサ花粉症、次いでスギ花粉症、イネ科の花粉症などの報告がされており、その後花粉症は年々増加傾向にあります。
 花粉症は、花粉によって引き起こされるアレルギー疾患で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等のアレルギー性鼻炎や目のかゆみ、流涙などのアレルギー性結膜炎が最も多く見られます。また、まれに喘息やアトピーの症状を併発することがあります。わが国で最も多い花粉症は、地域差はありますが、春先に見られるスギ花粉症です。花粉症は日常生活に与える影響などによる社会的損失も大きい疾患です。
 花粉症問題の解決に向けては、さまざまな関係府省庁が協力して、スギ花粉の発生源対策や花粉観測体制の整備、治療法の開発、発症の仕組みに関する研究などを進めています。
 このマニュアルは、保健師など保健指導にかかわっている方々をはじめ、多くの一般国民の方々に、花粉症に対する新しい科学的知見や関連情報をご紹介するために作成しています。今般、最新の知見を踏まえて2022年版として改訂しました。多くの方々に本マニュアルが広く活用され、花粉症対策の一助となることを期待いたします。
環境省環境保健部環境安全課

1.花粉症のメカニズム
人の鼻では侵入してきた物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、これを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)がおこります。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出てくる病気をアレルギー性鼻炎と言います。花粉症は体内に入った花粉に対して人間の身体が起こす抗原抗体反応です。つまり、体内に侵入した花粉を異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体を作り、再度侵入した花粉を排除しようとする反応です。一般的には免疫反応は身体にとって良い反応ですが、時には免疫反応が過剰になり、生活に支障が出てしまいます。このように身体にとってマイナスに働いてしまう場合がアレルギーになります。
花粉症の場合には花粉を排除しようとして、くしゃみや鼻水、涙という症状がでますが、これらの症状が強く出過ぎるために生活の質が低下してしまいます。また、花粉症では花粉によって皮膚が荒れる、咳や喘息が起きる、特定の果物や野菜を食べると口の中が腫れたり、かゆくなったりすることがあります。スギ花粉症ではトマトによる口腔アレルギーが知られています。

 アレルギー性鼻炎のメカニズム(鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版)

2.花粉症を発症するまで
 花粉が体内に入ってもすぐに花粉症になるわけではありませんし、アレルギーの素因を持っていない人は花粉症にはなりません。身体の中に花粉が入ると、アレルギー素因を持っている人はその花粉(抗原)に対応するための抗体を作ります。この抗体はIgE 抗体と呼ばれるもので、花粉によって異なった抗体が作られます。この状態を感作が成立したと言います。感作が成立してもすぐに全ての人が発症するわけではなく、人によって期間が違いますが数年から数十年花粉を浴びるとやがて抗体が十分な量になり、花粉が身体の中に入ってくると何かのきっかけで、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙目などの花粉症の症状が出現するようになります。
これが花粉症の発症です。近年は飛散する花粉量の増加や体質の変化により、感作までの期間、発症するまでの期間が短くなり、小さな子供でも花粉症にかかるようになりました。

3.花粉症増加要因と症状を悪化させるもの
 花粉症患者が増加している要因として、飛散する花粉数の増加、食生活の変化、腸内細菌の変化や感染症の減少などが指摘されている他、最近の研究では花粉症の症状を悪化させる可能性があるものとして、空気中の汚染物質や喫煙、ストレスの影響、都市部における空気の乾燥などが考えられています。
 また、欧米では昔から枯草熱などの類似疾患が多く報告されていたのに対し、日本では1970年代前半から急に報告が増えたこともあり、食生活など生活習慣の欧米化による人間側の変化の影響を指摘する意見もあります。*
 また、花粉症の症状と関連性の強いものの一つとして喫煙を指摘する報告がある他、換気の悪い部屋でのストーブやガスレンジなどの燃焼による室内環境の汚染も花粉症の症状悪化に関係するとの指摘もあります。さらに春先の黄砂が花粉症の症状を悪化させる可能性が指摘されています。*
 なお、シラカンバ花粉症を発症した人の中でリンゴやモモなどを食べると口の中がかゆくなる口腔アレルギーを併発するケースが多くなっています。スギ花粉症でもトマト、ブタクサ花粉症ではスイカなどで同じ症状を起こす人もいます。

4.花粉症の患者数
日本において花粉症を有する人の数は、正確なところは分かっていません。全国的な調査としては、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査が1998年、2008年、2019年とほぼ10年おきに3回実施されています。それによると、花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、2019年には42.5%で10年ごとにほぼ10%増加しています。スギ花粉症も同様の傾向で増加しており、2019年には38.8%でほぼ3人に1人がスギ花粉症と推定されています。スギ花粉症以外のイネ科やブタクサ花粉症も増加しており、2019年には25.1%になっていました。
スギ花粉症に関する調査では、環境省が2002年から2年間、約5000人の小学生を対象におこなった大規模調査で、スギ花粉症の有病率とスギ花粉の飛散数や両親のアレルギー歴との間に関連があることが認められています。

2019年の全国疫学調査によると、年齢層別有病率はスギ花粉症では10代から50代で45%以上と高くなっており、この年齢層ではスギ以外の花粉症の有病率も30%前後と高くなっています。

スギ以外の花粉症

同様に全国の眼科医とその家族を対象にアレルギー性結膜炎の有病率を調査した結果があります。それによるとアレルギー性結膜炎の有病率は48.7%、スギ花粉を原因とする季節性アレルギー性結膜炎では37.4%、それ以外の季節性アレルギー性結膜炎は8.0%、通年性アレルギー性結膜炎は14.0%でした。

地域的な調査としては、2016年度(11月~12月及び2017年3月)の東京都の調査で、スギ花粉症の推定有病率は、あきる野市48.5%、調布市47.7%、大田区49.1%で、調査区市間にほとんど差を認めなかったとの報告があります。東京都では昭和58年からほぼ10年ごとに同じ地域の住民に対して同様の調査を行っています。各回の調査では有病判定の基準や推計方法に一部変更点があるため、推定有病率の変化を単純に比較することはできませんが、前回2006年(10月~11月)の調査では、各地の推定有病率はあきる野市28.0%、調布市27.1%、大田区28.5%でした。

また、年齢区分別(0~14歳、15~29歳、30~44歳、45~59歳、60歳以上)
のスギ花粉症の推定有病率は、全年齢区分で前回調査と比べて上昇していました。

Ⅱ.主な花粉と花粉時期
1.日本に多い花粉症
 これまでに報告された花粉症は50種以上ありますが、大半は農家の方がハウス内で受粉作業などに行う場合の特殊なもので、一般に最も多い花粉症はスギ、ヒノキの花粉を原因とする花粉症です。樹木の花粉では他にシラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、ケヤキ、コナラ、クヌギなどがあります。また、草本ではカモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科の他にブタクサ、オオブタクサ、ヨモギなどのキク科、アサ科のカナムグラなどがあります。自分がどんな季節に症状が出るかで、原因となる花粉を推定できますが、耳鼻咽喉科、眼科、アレルギー科などの専門の医療機で、どんな花粉に感作されているか検査を受けることをお勧めします。
地域によっては内科や小児科でも検査や治療を受けることができます。

 スギ花粉の電子顕微鏡写真を見ると表面にオービクルスと呼ばれる小さな粒子がたくさん
ついています。花粉症の原因となる物資(抗原)は花粉の中だけではなく、表面のオービクル
スにも含まれています。

ハンノキ(カバノキ科)
シラカンバ(カバノキ科)
カモガヤ(イネ科)
ブタクサ(キク科)
ヨモギ(キク科)
カナムグラ(アサ科)

2.主な花粉の飛散時期
主な花粉の飛散する時期は、地域によって多少違いがありますが、スギやヒノキは春が中心で、秋にも少量の花粉が飛散することがあります。カモガヤやオオアワガエリなどのイネ科の花粉は種類が多いために春から初秋までの長い期間飛散します。ブタクサやヨモギなどのキク科とカナムグラの花粉は夏の終わりから秋にかけて飛散しています。

3.花粉量や種類の地域性
 日本で花粉量が圧倒的に多いのがスギ、ヒノキ花粉です。スギは北海道の南部から九州にかけての広い地域に植林されており、その面積はおよそ450万haですが、特に東北地方と九州に多くなっています。ヒノキは北海道と沖縄を除く各地に植林されていますが、東北から北陸には比較的少なく、東海地方から西に多くなっています。関東以西の地方では年によってスギ花粉よりヒノキ花粉が多く飛散することがあります。シラカンバの花粉は北海道では平野部でも多くなりますが、他の地域では標高の高い所に限定されます。オオバヤシャブシは太平洋沿岸の暖地に見られますが、特に関西地方で問題になっています。ハンノキは湿地に、ケヤマハンノキは林道沿いなどに多く見られる植物です。コナラ、クヌギは本州一帯で飛散していま
す。

スギ花粉について
<スギについて>
 スギは日本列島に広く分布していますが、現在のスギ林の多くは植林された人工林です。以前はスギ科に分類されていましたが、現在はヒノキ科スギ亜科スギ属になっています。雌雄同株で樹高は30~40mにも及び、鎌状針型の葉が螺旋状についた枝先に花粉を飛ばす雄花ができます。雄花は5~7㎜で米粒状の形態をしています。スギは樹齢が25年から30年に達する頃から多くの雄花をつけるようになります。

<花粉ができるまで>
スギやヒノキは4月以降新しい葉が伸びはじめ、5月下旬から6月にかけて雄花や雌花の細胞が分化します。そして例年6月から秋にかけて雄花を形成します。この時期の日照時間が長く、気温が高いと雄花の量が多くなります。逆に冷夏や長雨の場合は雄花が少なくなり、翌年の花粉量が減少します。スギの雄花は11月頃までに完成し、中に大量の花粉が作られます。
その後低温や昼間の時間が短くなることによって活動を休止する休眠に入ります。一定期間低温にさらされることで休眠から覚め、開花の準備期間に入り、この期間の気温が高い暖冬であれば早めに開花します。ヒノキの雄花の完成は翌年の2月から3月になります。

スギの雄花は休眠から覚醒して開花時期が近づくと、雄花が伸長して外側に亀裂が入り、花
粉を包む花粉嚢が見えるようになります。この花粉嚢のうすい膜が破れ花粉の放出が始まりま
す。スギは1つの雄花に平均しておよそ40万個もの花粉が入っています。スギの花粉量は気
象条件や前年の生産量、スギ林の樹齢など様々な条件によって毎年大きく変動します。

Ⅲ.花粉症の予防と治療
1.花粉のばく露を防ぐために
 花粉症の原因が花粉であることは、はっきりわかっています。このため花粉症の症状を緩和させ、発症を遅らせるためには花粉についての知識を持ち、いかに花粉を避けるかが予防の基本になります。花粉の飛散予測情報を有効に使いましょう。花粉は昼前後と夕方に多く飛散します。外出時の服装は花粉が付着しにくいものを選び、マスク、メガネなどで花粉を防ぎ、帰宅時には花粉を払うなどして家の中に花粉を持ちこまないようにしましょう。一般的な注意事項としては、睡眠をよくとること、規則正しい生活習慣を身につけることなどは正常な免疫機能を保つために重要です。風邪をひかないこと、飲酒、喫煙を控えることなども鼻の粘膜を正常に保つために重要です。

花粉の多い日
 スギ花粉は、飛散が始まって7日から10日後くらいから花粉の量が多くなってきます。
その後4週間程度が花粉の多い時期に当たり、この期間内に次のような天気になると花粉が
特に多くなります。
① 晴れて、気温が高い日
② 空気が乾燥して、風が強い日
③ 雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあと
• マスク
• メガネ
• 服装
• 手洗い、洗顔
• 室内の掃除、換気
• 花粉の多い時間帯の外出を避ける

<マスク>
マスクの装用は通常のマスクでもかなり花粉を減らし、鼻の症状を軽くする効果があります。
大事なことは顔にフィットするものを選ぶことで、横に隙間ができるとそこから花粉が入ってしまいます。使いやすいマスクは顔にフィットし、息がしやすいもの、衛生面からは毎日交換する使い捨てのものが推奨されます。なお、マスクの内側にガーゼを当てること(インナーマスク)でさらに鼻に入る花粉が減少することが分かっています。

ガーゼマスク 不織布マスク

<メガネやマスクの効果>
実験ではマスクをしない場合に比べて、通常のマスクでも花粉をおよそ70%削減し、花粉症用のマスクではおよそ84%の花粉を減少させる効果がありました。メガネでも、メガネを使用しない場合に比べて眼に入る花粉量は通常の眼鏡でおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少します。
花粉の飛散している季節にコンタクトレンズを使用すると、コンタクトレンズによる刺激が花粉によるアレルギー性結膜炎の症状を悪化させる可能性があるため、メガネに替えた方がよいと考えられています。

マスクやインナーマスクは毎日交換することが推奨されています。
インナーマスクの作成方法
材料:市販のガーゼと化粧用のコットン
① ガーゼを縦横10cm程度に切り、2枚用意
② 化粧用のコットンを丸めて、1枚のガーゼでくるむ(インナーマスク)
③ 市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてる
④ 鼻の下にガーゼでくるんだコットン(インナーマスク)を置く
⑤ ③のガーゼをあてたマスクを装着する
⑥ 息が苦しい場合にはコットンの厚さを半分にする

<服装>
一般的にウール製の衣類などは木綿や化繊に比べて花粉が付着しやすく、花粉を屋内に持ち込みやすいので、外出の際の服装にも気をつけることが必要です。また、同じ繊維でも織り方や用途によって花粉の付着の程度が大きく異なる場合があります。花粉飛散の季節の外出時の服装では外側にウール素材の衣服を着用することは避けた方がよいでしょう。人間のからだで花粉が付着しやすいのは露出している頭、顔、手などで、頭と顔はつばの広い帽子をかぶることで、手は手袋を使うことで花粉の付着量を減らすことが可能です。

日中屋外に4時間放置した時の各種繊維に付着したスギ花粉数を見ると、繊維の種類や織り方によって、花粉の付着量が大きく異なることがわかります。
花粉を家の中に持ち込まないために、洗濯物や布団を外に干さないようにしましょう。
<うがいと洗顔>
鼻の粘膜には繊毛があり、粘膜上の異物を輸送します。うがいは喉に流れた花粉を除去する効果があります。外出から帰ったらうがいをしましょう。
また、外出から帰ってきたら洗顔をして花粉を落とすとよいでしょう。しかし、丁寧に洗顔をしないと眼や鼻の周囲についた花粉が侵入し、かえって症状が悪化することがあります。また、水道水で洗うと粘膜を傷めることがありますので、生理食塩水(食塩を0.9%の濃度に溶かした蒸留水)を鼻の場合は体温程度に温めて、目は少し冷やして使用するとよいでしょう。
また、頭髪にも花粉が付着するので毎日シャンプーをするのも効果的です。

<室内の換気と掃除>
花粉飛散シーズンに窓を全開にして換気すると大量の花粉が室内に流入します。花粉の最盛期に行った実験では3LDKのマンション一戸で、1時間の換気をした場合およそ1000万個もの花粉が屋内に流入しました。窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンをすることで屋内への流入花粉をおよそ4分の1に減らすことができます。流入した花粉は床やカーテンなどに多数残存していますので、掃除を励行し、カーテンは定期的に洗濯してください。
<花粉症関連グッズと民間療法>
花粉症関連グッズとして様々なものがありますが、実際に花粉症の症状を改善する十分なデータは得られていません。民間療法も有効と認められたものはありません。

2.花粉の観測予測について
 花粉の飛散量測定には、ダーラム法に代表される単位面積(1平方cm)あたりに落下する花粉数を計測する重力法とバーカード法や花粉自動計測器などのように単位体積(1立方m)に含まれる花粉数を計測する体積法の2種類があります。現在の花粉情報は主にダーラム法によって観測された花粉数を基準にしています。
右ダーラム型花粉捕集器で最も普及している自動花粉捕集器はKH3000型の自動花粉捕集器です。空気中の25~30ミクロンの粒子を観測しています。春先に空中を飛散する30ミクロン前後の粒子は大部分がスギやヒノキの花粉です。また、ダーラム型の花粉捕集器は、2枚の金属製の
円盤の間にワセリンを塗ったスライドガラスを置き、24時間の間にガラス上に落下した花粉を染色して光学顕微鏡で計測する方法。日本では最も一般的な花粉の観測法です。

<花粉総飛散量の予測>
スギは6月~8月にかけて雄花となる細胞が分化して成長を始めますが、この期間の日射量(日照時間)や気温などによって雄花の量が変動します。下図は東京における毎年のスギ・ヒノキの花粉量と前年7月の全天日射量との関係を示したもので、日射量が多いと翌年の花粉量が多いという関係から花粉の総飛散量の予測が可能になっています。日射量は観測していない地点もあり、その場合は日照時間や平均気温を代わりに用いています。なお、2001年度の「花粉予測のための基礎的研究」では気象条件と秋に行うスギ林での雄花生産量調査のデータを組み合わせることによって予測精度が高くなることが分かっています。

<飛散開始時期の予測>
スギ花粉がいつ頃から飛散を始めるかは、初冬期(11月~12月)の気温及び厳冬期(1月から2月)の気温によって変化します。スギの雄花は11月頃には昼間の時間が短くなることや低温の刺激で休眠に入ります。1カ月余りの期間低温にさらされると休眠から覚めて開花の準備に入ります。前述の「花粉予測のための基礎的研究」により、休眠から覚醒までの過程がかなり明らかになり、初冬期と厳冬期の気温の推移を組み合わせることによって開始時期の予測がより正確になることが分かりました。休眠中の気温が低いほど覚醒が早
くなり、その後の開花準備期間の気温が高いほど飛散開始が早くなります。

○飛散開始日とは

日本各地で2012年から2021年に観測されたスギ花粉数の10年間の平均飛散数、最大飛散数、最小飛散数を図3-12(1)~図3-12(3)に示します。スギは樹齢が25年から30年になると花粉の生産量が多くなります。多くのスギ林がすでに樹齢30年以上になっています。スギの品種は200種類以上あり、花粉の生産量は主に太平洋側で多く、日本海側で少なくなっています。スギ花粉の平均飛散数は東北から関東、東海地方で多く、近畿から西の地方では少なくなっています。しかし、飛散数が最大になった年には、西日本でも4000個から8000個と平均のほぼ2倍と非常に多くなります。一方、最小年を見るとスギ花粉の多い関東から北の地方では少ない年でも1000個から2000個になっています。

〇ヒノキ花粉飛散数
日本各地で2012年から2021年に観測されたヒノキ花粉数の10年間の平均飛散数、最大飛散数、最小飛散数を図3-13(1)~図3-13(3)に示します。スギと同様にヒノキも樹齢が25年から30年になると花粉の生産量が多くなります。多くのヒノキ林がすでに樹齢30年以上になっています。ヒノキの平均花粉数は関東北部と東海から西の地方で多く、東北や長野、北陸で少なくなっています。最大花粉数も同じような傾向で、関東北部と東海から西の地方で極めて多くなっています。ヒノキ花粉の特徴は、スギ花粉よりも変動が大きいことで最小の花粉数は西日本を含め、すべての地域で500個以下になっており、ヒノキ花粉の多い地域では最大と最小の花粉数の差が1万個以上になります。

 〇スギ・ヒノキ以外の花粉数
 スギ花粉症以外で多い花粉症はハンノキを含む北海道のシラカバ花粉症とイネ科花粉症、ブタクサ花粉症です。北海道ではスギやヒノキの植林は極めて少なくなっていますが、本州と違って平野部でもたくさんのシラカバが植えられています。このためスギ花粉症は少なくシラカバ花粉症の人が多くなっています。北海道の札幌や旭川ではスギ花粉の数倍ものシラカバ花粉が観測されていす。
その他の花粉で多いのは、イネ科の花粉とブタクサの花粉です。市街地の観測ではイネ科の花粉もブタクサの花粉もそれほど多くはありませんが、河川敷や手入れのされていない広場や野原ではかなり多いことが報告されていますので、注意が必要です。

5.花粉症の症状が出たら
最近は初期療法といって、花粉の飛散開始前または症状の極軽い時から薬物を予防的に服用することで、症状の発現を遅らせたり、症状を軽くしたりする方法が用いられることが多くなっています。市販薬も使われますが、花粉症の症状が重い場合には耳鼻咽喉科や眼科での受診をお勧めします。他に内科や小児科、アレルギー科などでも診療を受けられます。なお、花粉症の季節は風邪が流行する時期と重なっており、くしゃみや鼻水が出現するなど風邪の初期の症状に似ています。しかし、花粉症では眼のかゆみを伴うことが多く、風邪と違って熱が高くなることはありません。
医療機関では、薬物療法として経口薬、鼻噴霧薬、点眼薬を処方します。経口薬では第2世代の抗ヒスタミン薬がよく用いられていますが、鼻づまりが強い場合には抗ロイコトリエン薬も使われます。鼻は噴霧用の局所ステロイド薬、結膜炎の治療には抗ヒスタミン点眼薬やステロイド点眼薬が使われます。ステロイド点眼薬は眼圧上昇などの副作用があり、放置すると緑内障にいたる危険性もあるために、ステロイド点眼薬の使用中には定期的な眼科受診が必要です。症状の度合いや鼻づまりの程度によってどのような薬物を選択するかのガイドラインもできています。現在は薬物だけでは花粉症の症状を完全におさえることは難しく、自らが原因である花粉のばく露から身を守るセルフケアと薬物を用いるメディカルケアを同時に行うことが必要になります。

花粉症が完治する可能性があるのはアレルゲン免疫療法(減感作療法)だけですが、副作用や治療に長期の時間が必要なことなどの問題がある割には完治する率があまり高くありませんでした。近年、重篤な副作用が少なく、頻繁に医療機関を受診する必要のない舌下免疫療法が実用化され、良い治療成績をあげています。
 さらに細胞の中の情報伝達をコントロールする薬剤の研究や、アレルギーの原因となる蛋白に対する抗体を花粉症の治療に応用するといった、新しい治療法の開発も進められています。

舌下免疫療法は、舌の下においたスギ花粉アレルゲンが吸収され、口腔・咽頭・頸部のリンパ節が反応し、アレルゲンが認識され、これによって制御性T細胞の増加を介して制御系の免疫誘導がおきると考えられています。

Ⅳ.国や自治体の取り組み

1.国や自治体の取り組み
(1)花粉症に関する政府の取り組み
○取組の趣旨
 花粉症を有する者の数が約40%であるという報告もあり、花粉症は国民的な広がりを見せており、政府として関係省庁が一丸となって積極的に取り組む必要のある疾病である。
 近年、花粉症に対する国民の関心は高まっており、引き続きこれまで以上に的確かつ効果的に施策を実施する必要がある。このため、次に記載する事項について、政府として、総合的かつ一体的な花粉症対策を実施する。

 この基本指針の中で、「アレルギー疾患対策は、生活の仕方や生活環境の改善、アレルギー疾患にかかる医療の質の向上及び提供体制の整備、国民がアレルギー疾患に関し適切な情報を入手できる体制の整備、生活の質の維持向上のための支援を受けることができる体制の整備、アレルギー疾患にかかる研究の推進並びに研究等の成果を普及し、活用し、発展させることを基本理念として行わなければならない。」と示され、この基本理念に基づき、アレルギー疾患を有する者が前進して生活できる社会の構築を目指し、国、地方公共団体が取り組むべき方向性を示すことにより、アレルギー疾患対策の総合的な推進を図ることとしている。

①病態解明(文部科学省・厚生労働省)
・理化学研究所生命医科学研究センターにおいては、免疫システムの基礎的・総合的な研究を実施し、ヒトのアレルギー等疾患の発症メカニズムの解明を目指した生命医科学研究を推進している。
・厚生科学研究における免疫アレルギー領域の研究は、昭和47年から開始され、現在では「免疫アレルギー疾患政策研究事業」及び「免疫アレルギー疾患実用化研究事業」として、それぞれ厚生労働省及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構において取り組まれている。
②研究拠点の整備(厚生労働省)
・国が推進する全国的な疫学研究、臨床研究等に協力するアレルギー疾患医療の全国
的な拠点となる中心拠点病院(国立成育医療研究センター及び国立病院機構相模原

病院)及び各都道府県でアレルギー疾患対策の拠点となる都道府県アレルギー疾患
医療拠点病院の整備をすすめている。
3)花粉症の対応策
①予防・治療法の開発・普及(農林水産省・厚生労働省)
・国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構は、スギ花粉症を緩和・予防することを目的として開発した米を民間企業に研究用試料として提供し、実用化の可能性を検討している。
・厚生科学研究における免疫アレルギー領域の研究は、昭和47年から開始され、現在では「免疫アレルギー疾患政策研究事業」及び「免疫アレルギー疾患実用化研究事業」として、それぞれ厚生労働省及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構において取り組まれている。
②花粉の少ない品種の開発・普及(農林水産省)
・花粉の少ないスギ・ヒノキの品種開発を進めるとともに、花粉の少ない苗木の供給量を増大させるための生産体制の整備を進めている。

③花粉の少ない森林への転換等の促進(農林水産省)
・花粉発生源対策として、スギ人工林等の利用を進めるとともに、花粉の少ない苗木への植替、広葉樹の導入により、花粉の少ない森林への転換を進めている。また、花粉飛散防止技術の開発を促進している。
・花粉の少ない苗木の利用拡大に向けた森林所有者等に対する普及啓発等を実施している。
④花粉症に対する適切な医療の確保(厚生労働省)
・法及び基本指針において、国立研究開発法人国立成育医療研究センターと独立行政法人国立病院機構相模原病院がアレルギー疾患医療の全国的な拠点となる医療機関とした。
・また、国は、アレルギー疾患に係る医療の提供体制について検討を行い、その検討結果に基づいた体制を整備すること等とされたことを受け、平成29年4月に「アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会」を設置し、平成29年7月に同検討会報告書をとりまとめた。同報告書に基づき、都道府県が、住民の居住する地域にかかわらず適切な医療や相談を受けられる体制整備を進めている。
・診療ガイドライン等の周知徹底を図る。
⑤花粉及び花粉症に関する情報の提供(厚生労働省・農林水産省・環境省)
・花粉症に関する関係省庁担当者連絡会議における情報交換を踏まえ、厚生労働省・農林水産省・環境省の花粉症関係サイトを相互にリンクし、引き続き関係省庁が連携して花粉症に関する情報提供の充実に努める。
・相談窓口の設置について、都道府県等に協力をお願いするとともに、各都道府県等の保健師等職員を対象に、花粉症対策に係る必要な知識を習得させ、地域における相談体制の確立のため、相談員養成研修会を実施している。
・花粉症に関する最新の科学的知見や関連情報を紹介した花粉症環境保健マニュアルを提供し、保健師などの保健活動に関わる方の活動を支援する。
・アレルギー相談センターにおいて、電話等により日常生活における注意や専門医療機関の所在等、花粉症に関する相談に応じる。
○その他
1)花粉症対策研究の総合的な推進(内閣府・関係省庁)
総合科学技術・イノベーション会議の下、関係省庁における花粉症対策研究の総合的な推進を図る。

(2)自治体等の取組
自治体等における花粉症に対する取組を紹介します。
 東京都は昭和60年から花粉の定点観測を行っており、昭和62年にはわが国で初めてスギ・ヒノキ花粉の飛散予測を開始しました。
また、スギ花粉症患者が増加している状況を踏まえ、平成17年度から総合的な花粉症対策を推進するため「東京都花粉症対策本部」を設置し以下の取組を行っています。


介護施設の倒産2024年「介護事業者」倒産が過去最多の172件 

2025年03月24日 08時40分20秒 | 医科・歯科・介護

「訪問介護」が急増、小規模事業者の淘汰加速

 

2024年「老人福祉・介護事業」の倒産調査


 2024年の介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産が、過去最多の172件(前年比40.9%増)に達したことがわかった。これまで最多だった2022年の143件を29件上回った。ヘルパー不足や集合住宅型との競合、基本報酬のマイナス改定などが影響した「訪問介護」が過去最多の81件、多様化したニーズに対応できなかった「デイサービス」も過去2番目の56件、有料老人ホームも過去最多の18件と、いずれも増加した。

 高齢化が進むなか、人手不足の解消は容易ではなく、介護事業者の経営効率化は一刻を争う問題になっている。コロナ禍で悪化した経営を立て直せず、物価高の中で多様化するニーズや人材確保が難しい事業者の倒産は2025年も増加する可能性が高い。

 介護保険法が施行された2000年以降の介護事業者の倒産を集計した。2024年の介護事業者の倒産(負債1,000万円以上)は、過去最多の172件だった。介護事業者の倒産は、2016年に年間100件を超えた。コロナ禍も利用控えなどで増加をたどり、コロナ関連支援で2021年は一時的に減少したが、支援縮小とともに再び増加に転じ、2022年はデイサービスグループの連鎖倒産も重なり143件に達した。2024年はさらに上回る172件発生し、事態の深刻さが深まっている。

 原因別では、最多が販売不振(売上不振)の125件(構成比72.6%)で、破産が162件(同94.1%)と利用者減少から破産を選択せざるを得ない苦境がうかがえる。
 また、個人企業他を含む資本金1,000万円未満が149件(同86.6%)、従業員10人未満が143件(同83.1%)、負債1億円未満が134件(同77.9%)と、小・零細事業者の淘汰が目立つ。
 業種別では、「訪問介護」が過去最多の2023年の67件を上回る81件(前年比20.8%増)発生。デイサービスなど「通所・短期入所介護」は、約30社の連鎖倒産が押し上げた2022年(69件)に次ぐ56件(同36.5%増)。「有料老人ホーム」は最多だった2018年の14件を上回る18件(同350.0%増)と、主な3業種でいずれも高水準だった。

 超高齢者社会が本格的に到来するが、介護事業者の倒産は介護難民が生じる可能性もあり、社会問題化している。地域に根ざした小・零細事業者と大手事業者の共存を見出す一方で、効率化や協働化などの支援が急務になっている。

※ 本調査は、「老人福祉・介護事業」を対象に集計した。内訳は、訪問介護事業、通所・短期入所介護事業、有料老人ホーム、その他に分類。本調査は、介護保険制度が始まった2000年から、負債1,000万円以上の倒産を集計している。

「老人福祉・介護事業」の倒産件数 年次推移


原因別、売上不振が35.8%増の125件

 原因別では、利用者の獲得遅れなどが響いた「販売不振(売上不振)」の125件(前年比35.8%増、前年92件)が最多。次いで、赤字累積の「既往のシワ寄せ」15件(同200.0%増、同5件)、無計画や無謀な経営など「事業上の失敗」14件(同366.6%増、同3件)だった。
 うち「訪問介護」では、最多は「販売不振(売上不振)」の66件(同22.2%増、同54件)。

形態別、破産が9割超

 形態別では、破産が162件(前年比38.4%増、前年117件)と構成比94.1%を占めた。その他は、民事再生法(同66.6%増、同3件)と特別清算(同150.0%増、同2件)が各5件だった。
 うち「訪問介護」は、破産が80件(同19.4%増、同67件)。

負債額別、負債1億円未満が約8割

 負債額別では、1千万円以上5千万円未満の110件(前年比32.5%増、前年83件)。次いで、1億円以上5億円未満が29件(同70.5%増、同17件)、5千万円以上1億円未満が24件(同26.3%増、同19件)と続く。負債1億円未満の小・零細事業者が134件と全体の約8割(構成比77.9%)を占めた。
 うち「訪問介護」は、負債1億円未満が74件(前年比19.3%増、前年62件)。

従業員数別、10人未満が8割超

 従業員数別では、5人未満の103件(前年比37.3%増、前年75件)が最多だった。次いで、5人以上10人未満が40件(同48.1%増、同27件)で続く。10人未満が143件と8割超(構成比83.1%)と高水準で、介護事業者の倒産は小規模事業者が大半だった。
 うち「訪問介護」は、10人未満が77件(前年比35.0%増、前年57件)。

資本金別、資本金1千万円未満(個人企業他含む)が8割超

 資本金別では、1百万円以上5百万円未満の84件(前年比15.0%増、前年73件)。次いで、1百万円未満が29件(同222.2%増、同9件)、1千万円以上が20件(同185.7%増、同7件)だった。資本金1千万円未満(個人企業他含む)の小・零細事業者が149件と全体の8割超(構成比86.6%)を占めた。
 うち「訪問介護」は、1千万円未満が70件(前年比9.3%増、前年64件)。

 

2024(令和6)年 老人福祉・介護事業 都道府県別倒産状況


フレイルの予防

2025年03月21日 10時31分16秒 | 医科・歯科・介護

さまざまな疾患や領域へ
期待される幹細胞治療の可能性

幹細胞治療の可能性

幹細胞治療は、組織の修復・再生に関わる「幹細胞」を補充することで、傷ついた組織や失われた機能の回復を目指す、再生医療のひとつです。

幹細胞は、体の修復に重要な役割を果たしており、重大疾患の治療・予防から、育毛や肌改善などの美容医療まで、さまざまな領域で臨床・研究が進められています。

東京ミッドタウン先端医療研究所では、幹細胞の可能性に注目し、重大疾患の予防と身体機能の改善を目的に、「動脈硬化症」「関節痛」「フレイル」に対する幹細胞治療をご提供しています。

※フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。
人は加齢とともに体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってきます。
このように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイル(虚弱)と呼びます。

当施設の幹細胞治療は、このような方にご提供しています。

血圧

血糖

脂質

の数値を指摘された

高血圧

糖尿病

腎臓病

と診断されたことがある

心筋梗塞

脳梗塞

のリスクや後遺症がある

関節痛

体の衰え

がつらい

上記のような不調や不安に加え

将来を見据えた

身体機能の維持

機能低下への備え

 

まずはお気軽にお問い合わせください

03-5413-7920 月曜 〜 金曜 9:00-17:00 ※土・日・祝祭日除く

医師によるカウンセリング受付中

WEB予約はこちら

当施設の幹細胞治療

重大疾患の早期対策~身体機能の維持・対策に
動脈硬化症」関節痛」フレイル」の治療・予防

重大疾患を引き起こす
「動脈硬化症」の治療・予防

動脈硬化症は、血液中の悪玉コレステロール増加や高血圧などにより、血管の内側を覆う内皮細胞が傷つくことで起こります。「心筋梗塞」「脳梗塞」「脳出血」など、さまざまな病気を引き起こす血管疾患のひとつです。

特に、中高年者や、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病の疑いがある方は、早期発見・早期治療により早めの対策を行うことが大切です。

日本人の死因上位を占める「心疾患」や「脳血管疾患」などの重大疾患につながる動脈硬化症

日本人の死因上位を占める「心疾患」や「脳血管疾患」などの重大疾患につながる動脈硬化症。

※厚生労働省「令和元年(2019) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」参考
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai19/dl/ gaikyouR1.pdf

動脈硬化症への幹細胞治療

動脈硬化症とは、血管内が損傷している状態です。
当施設の幹細胞治療では、患者様ご本人の体から採取した幹細胞を体外で培養し、数を増やして体に戻すことで、血管を修復・再生して症状の改善を狙います。血管内の炎症を抑えることで、症状の悪化や進行を防ぐ効果が期待できます。

加齢に伴う「関節痛」の治療・予防

加齢に伴う「関節痛」は、放っておくと痛みが強くなり、日常生活にも支障をきたし、体を動かすことに消極的になりがちです。

当施設では、こうした辛い「関節痛」に対し、炎症や痛みの改善を目指した幹細胞治療をご提案しています。

辛い「関節痛」に

加齢による「フレイル」の治療・予防

歩行速度の低下、疲れやすさ、活動性や筋力の低下、体重の減少など、加齢に伴って身体機能が低下することを「フレイル」といいます。人生100年時代を、健康で自由に謳歌するためには「フレイル」に早めに備え、対策を講じることが重要です。
当施設では、こうした「フレイル」に対する身体機能の維持や、機能低下の予防を目指した幹細胞治療をご提案しています。
フレイルの進行と対策

東京ミッドタウン先端医療研究所の幹細胞治療(厚生労働省へ届出)

再生医療等の分類 第二種 治療
提供する再生医療等 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた動脈硬化症に対する治療 PB3200149
身体的フレイル進行抑制および身体的フレイル予防を目的とした自己脂肪由来間葉系幹細胞の静脈投与治療 PB3220167
自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた関節痛、変形性関節症治療 PB3220189
自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた靭帯・腱損傷治療 PB3220190

※厚生労働省「届出された再生医療等提供計画の一覧」参考
https://saiseiiryo.mhlw.go.jp/published_plan/index/2


妻が死亡 医療過誤訴え産業医科大を提訴

2025年03月18日 01時05分51秒 | 医科・歯科・介護

3/17(月) 19:15配信 九州朝日放送

多発性子宮筋腫を患った妻が医療過誤により死亡したとして、北九州市の男性が産業医科大学を提訴しました。 訴状によりますと2021年、多発性子宮筋腫を患った男性の妻(当時46)は、産業医科大学病院を受診し、女性ホルモンを抑制する薬を処方されたのち、「ジエノゲスト」という黄体ホルモン剤を処方されました。

そしてそのおよそ3ヵ月後に、くも膜下出血を発症し、1週間ほどで死亡したということです。

男性は、このジエノゲストを使った治療法が医療過誤だったとして、病院側に対しおよそ1億1000万円の損害賠償を求め、17日に福岡地裁小倉支部に提訴しました。

今月4日に行われた調停では病院側が、治療と死亡に因果関係はないなどと主張し不成立となっていました。

KBCの取材に対し産業医科大学は「訴状が届いていないのでコメントを差し控える」としています。

 


背中の痒い出血 全身も痒い

2025年03月13日 06時02分23秒 | 医科・歯科・介護

結節性痒疹の主な特徴

  • 径5mm~2cm程度の孤立した結節ができる
  • 強いかゆみがある
  • 腕や脚にできることが多い(体の広範囲にできる場合もある)
  • 掻きむしりにより症状がひどくなり、症状が数年にわたって続く場合がある

痒疹・結節性痒疹ようしん・けっせつせいようしん

痒疹は、かゆみを伴うブツブツしたもの[丘疹(きゅうしん)]や結節ができる皮膚の病気です。赤くはれたブツブツ、盛り上がりのある水っぽいブツブツがみられ、強いかゆみを伴います。虫刺されに伴って生じる痒疹は数日から1週間程度で治ることが多いです。

一方、数週間以上、時には数か月、数年にわたって慢性に経過する痒疹もあります。

痒疹ができる素因として、糖尿病、腎臓や肝臓の病気、アトピー性皮膚炎、薬剤や金属アレルギーなどが知られていますが、原因が不明なものも多いです。代表的な慢性的に経過する痒疹には次の2つがあります。

日本の成人のおよそ9割の方が
帯状疱疹の原因となるウイルスを
持っているといわれています

子どもの頃に水ぼうそうにかかったことがある人だけでなく、かかっていても自覚がない人もおり、日本の成人のおよそ9割は体内に水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスを持っていると考えられています1)。そのため、このような方は帯状疱疹になる可能性があります。また、50歳以上になると発症率が高くなり、日本では80歳までに3人に1人が帯状疱疹になると言われています。
 
帯状疱疹の原因は水ぼうそうと同じウイルスです

帯状疱疹は、体内の水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症します。
主に子どもの頃に、このウイルスにはじめて感染すると、水ぼうそうを発症します。そして、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜んでいます。

普段は体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられているため発症することはありませんが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。そして、ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹(ほっしん)が出る帯状疱疹を発症します。


高額療養費費上限引き上げに慎重な対応を

2025年03月12日 09時36分35秒 | 医科・歯科・介護

高額療養費制度 負担上限額 ことし8月の引き上げ見送りへ 政府

高額療養費制度の負担上限額の引き上げについて、政府は与野党からさらなる見直しを求める意見が出ていることから、ことし8月の引き上げを見送る方針を固めました。

医療費が高額になった患者の自己負担を抑える高額療養費制度の見直しについて、政府は物価や賃金の上昇を踏まえ、ことし8月の負担上限額の引き上げは予定どおり行う一方、来年8月以降の制度のあり方は改めて検討し、ことし秋までに決定するとしていました。

しかし立憲民主党などの野党やがん患者らが引き上げの凍結を強く求めていることに加え、与党の参議院側を中心に国民の理解が十分に得られていないとしてさらなる見直しを求める意見が出ていたことから政府内で対応を協議してきました。

その結果、ことし8月の引き上げを見送り、制度のあり方を再検討する方針を固めました。

具体的な対応は、来年8月以降の制度のあり方とあわせて検討し、ことし秋までに結論を出したいとしています。

一方、政府・与党内では、引き上げの見送りに伴う新年度予算案の取り扱いについても慎重に調整が進められています。

石破総理大臣としては、7日中にもがんや難病の患者団体と面会し意見を交わしたい考えです。

石破首相「患者団体の話も聴いて政府として判断」

石破総理大臣は参議院予算委員会で「今の時点で方針は決まっていない。きちんと患者団体の人たちの話も聴いて政府として判断する。今日に至るまでの審議の過程や見直しの意義、それに、これから先の展開を視野に入れながら決まるものだ」と述べました。

また「ことし夏の参議院選挙が戦えないという声があるから見直すのではないか」と問われ「与党の中のいろいろな意見は当然、尊重して聴いていかなければならないし、野党の指摘も踏まえながら政府としてよく判断していく。選挙目当てで決めることはない」と述べました。

石破首相 きょう患者団体と面会で調整

石破総理大臣は、午後の参議院予算委員会で、高額療養費制度をめぐり、7日に患者団体と面会する方向で調整していることを明らかにしました。

また、高額療養費制度のことし8月の負担上限額の引き上げに理解を求める立場を変えたのか問われ「いろいろな可能性はある。高額療養が、医学の進歩に伴ってさらに増えていく中で、制度を維持するために何をすべきかということについて国会で答えてきた。その思いは今も変わっていない」と述べました。

「まずは安心した」 がん患者の受け止めは

高額療養費制度について政府がことし8月の負担上限額の引き上げを見送る方針を固めたことについて、がん患者からは「まずは安心したが、いつか患者の負担が増えるのではないかという不安を感じる」などという声も聞かれました。

東京・小平市に住む水戸部裕子さん(50)は、肺がんが最も進行した状態の「ステージ4」と診断され、これまで何度も高額療養費制度を利用してきました。

それによって自己負担は多い時でも、月に8万円ほどに抑えられていましたが、もし8月に負担上限額が引き上げられた場合、8000円ほど増える可能性がありました。

水戸部さんは高校生と中学生の息子がいて、教育にかかる支出も増えている中で、政府が負担上限額の引き上げを見送る方針を固めたことを知り、まずは安心したといいます。

一方で、ほかの患者からは「制度の見直しが白紙撤回されるまで安心できない」などといったメッセージがSNSで送られてきています。

水戸部さんも「引き上げはいったん見送られたものの、今後、制度が見直され、いつか患者の負担が増えるのではないかという不安を感じる」と話しています。

その上で「医療保険の財政が悪化し、その対策が必要だという考えはわかるが、一番苦しい状況にある患者が最初に追い込まれるのはやはりおかしいと思う。ほかに見直すべきものは無いか、じっくりと議論することが必要で、その際には患者の意見も聞く場を国が設けてほしい」と話しています。

なぜ見送り?政治部 長谷川デスク解説

<iframe src="https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250307/movie/k10014742201_202503071102_202503071103.html" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe>

Q.反対の声なども出ていた中、なぜこのタイミングで引き上げ見送る方針固めた?

野党第1党の立憲民主党が、がん患者の要望を踏まえて負担上限額の全面的な凍結を求めていました。

これに加えて、与党内からも見送りを求める声が強まっていました。

6日の参議院予算委員会で公明党から国民の理解が十分得られていないと強く見送りを迫る声がありました。

自民党内でも、参議院側を中心にこのまま引き上げれば与党に強い批判が向かうという声が出ていまして、少数与党の政権運営に苦慮する政府としては与野党からのこうした声に応じる必要があると判断したものとみられます。

Q.与野党の反応は

立憲民主党からは、大きな成果だという声が出ています。
ある幹部は、予算委員会で野田代表が強く求めていたということを踏まえ、粘り勝ちだという声も出ています。

与党内からも「地元を回っていると引き上げに厳しい反応が多かった」「このまま引き上げれば選挙で大敗するところだった」など、とりあえずことし夏の東京都議選や参議院選への影響を回避されたとして安どする声が広がっています。

Q.新年度予算案の再修正、今後どうなっていくか

まだ決まったわけではなく、政府与党内では、たしかに修正が必要ではないかという指摘が出ています。

今回の見送りを受けて、どういう対応が可能かということを与党内で協議が行われているものとみられます。

新年度予算は衆議院で教育無償化の具体策などを反映した形で修正を行って可決され、現在参議院で審議されているわけですが、再度修正となると、衆議院に予算を戻してまた予算審議をする必要があるのではないかという指摘もあります。

与党内が目指す年度内成立は、今の段階でもタイトなスケジュールですが、これが予算の再修正となるとさらに厳しくなります。

与党内で慎重に対応を検討するものとみられます。

高額療養費制度 これまでの協議の経緯

「高額療養費制度」は、高額な治療を受けた際に、患者の負担が重くならないよう、ひと月あたりの医療費の自己負担に上限を設けるものです。

政府は、高額な薬の利用などによって、医療保険の財政が悪化していて、支え手となる現役世代の保険料負担を軽減していく必要があるとして、去年12月、負担上限額を、ことし8月から再来年にかけて段階的に引き上げる方針を決めました。

これに対し、患者団体などから「治療の継続を断念しなければならなくなる」などと反対の声が上がったことを受け、政府は方針を一部修正して、長期的に治療を続ける患者の負担については、いまの金額のまま据え置くことを決めました。

その後、衆議院での新年度予算案の修正協議をめぐり、立憲民主党が負担上限額の引き上げを全面的に凍結するよう強く求めたことから、石破総理大臣は、さらに修正して、ことし8月からの引き上げは予定どおり行う一方、来年以降の制度のあり方については患者団体などの意見も聴いた上で改めて検討し、ことし秋までに決定する方針を示しました。

しかし、予算審議の舞台が参議院に移っても、批判はやみませんでした。

野党に加え与党からも、ことし8月からの引き上げについて「国民の理解が十分に得られていない」などとして、石破総理大臣にさらなる見直しを求める意見が出ていました。

公明 斉藤代表「国民の理解いただけるよう努力」

公明党の斉藤代表は記者会見で「私は、まだ方針を何も聞いていないが、この制度の重要性について、これからも国民の理解がいただけるようにしっかり政府・与党として努力していかなければならない」と述べました。

立民 野田代表「熟議の国会の1つの成果」

立憲民主党の野田代表は記者会見で「もし本当に8月からの引き上げが凍結されるなら、これまで総力戦で凍結のために奮闘してきたので熟議の国会の1つの成果になるのかなという思いだ」と述べました。

その上で「参議院の予算委員会の質疑でも与党内から不安の声が出ていたので、政府・与党が再検討に追い込まれたのではないか。われわれも粘り強く主張してきたし、関係団体もあきらめずに来たので、ようやく成果になりつつあり、戦い続けることの必要性を改めて感じることができた。石破総理大臣はもっと早い段階で英断を下すべきだった」と述べました。

維新 吉村代表「引き上げ反対という考え 今も変わっていない」

日本維新の会の吉村代表は大阪府庁で記者団に対し「引き上げを見送る方針には賛成だ。高額療養費の制度は、いざという時、大病にかかった時のためのものであり、上限の引き上げに反対という考えは今も変わっていない」と述べました。

国民 玉木代表「衆議院で審議をやり直せといいたい」

国民民主党の玉木代表はNHKの取材に対し「患者の不安に応えていくという意味では評価するが、なぜ衆議院の予算審議の段階でその判断ができなかったのか。判断が遅く、ぶれていると言わざるを得ない」と述べました。

その上で「高額療養費制度における負担上限額の引き上げを前提とした新年度予算案に自民・公明・日本維新の会は賛成したわけだが、方針を変えるのであれば、もう1回、衆議院で審議をやり直せといいたい」と述べました。

共産 山添政策委員長「そもそも引き上げが間違っている」

共産党の山添政策委員長は記者会見で「与党の議員からも『国民の理解が得られていないのではないか』といった指摘が出されるほどの状況で、衆議院で行われた修正が、いかに当事者の思いなどからかけ離れたものだったかということを示している。衆議院の審議で予算案に賛成した自民・公明両党と維新の会の責任は重い」と述べました。

その上で「怒りの世論を今になってようやく受け止め、ことし8月からの負担上限額の引き上げをやめるのは当然だが、遅すぎるというか、そもそも、引き上げることが間違っている。全面的な白紙撤回を求めていきたい」と述べました。

 


高額医療費増 8月見送り

2025年03月09日 09時28分47秒 | 医科・歯科・介護

高額療養費制度 負担上限額 ことし8月の引き上げ見送りへ 政府

高額療養費制度の負担上限額の引き上げについて、政府は与野党からさらなる見直しを求める意見が出ていることから、ことし8月の引き上げを見送る方針を固めました。

医療費が高額になった患者の自己負担を抑える高額療養費制度の見直しについて、政府は物価や賃金の上昇を踏まえ、ことし8月の負担上限額の引き上げは予定どおり行う一方、来年8月以降の制度のあり方は改めて検討し、ことし秋までに決定するとしていました。

しかし立憲民主党などの野党やがん患者らが引き上げの凍結を強く求めていることに加え、与党の参議院側を中心に国民の理解が十分に得られていないとしてさらなる見直しを求める意見が出ていたことから政府内で対応を協議してきました。

その結果、ことし8月の引き上げを見送り、制度のあり方を再検討する方針を固めました。

具体的な対応は、来年8月以降の制度のあり方とあわせて検討し、ことし秋までに結論を出したいとしています。

一方、政府・与党内では、引き上げの見送りに伴う新年度予算案の取り扱いについても慎重に調整が進められています。

石破総理大臣としては、7日中にもがんや難病の患者団体と面会し意見を交わしたい考えです。

石破首相「患者団体の話も聴いて政府として判断」

石破総理大臣は参議院予算委員会で「今の時点で方針は決まっていない。きちんと患者団体の人たちの話も聴いて政府として判断する。今日に至るまでの審議の過程や見直しの意義、それに、これから先の展開を視野に入れながら決まるものだ」と述べました。

また「ことし夏の参議院選挙が戦えないという声があるから見直すのではないか」と問われ「与党の中のいろいろな意見は当然、尊重して聴いていかなければならないし、野党の指摘も踏まえながら政府としてよく判断していく。選挙目当てで決めることはない」と述べました。

石破首相 きょう患者団体と面会で調整

石破総理大臣は、午後の参議院予算委員会で、高額療養費制度をめぐり、7日に患者団体と面会する方向で調整していることを明らかにしました。

また、高額療養費制度のことし8月の負担上限額の引き上げに理解を求める立場を変えたのか問われ「いろいろな可能性はある。高額療養が、医学の進歩に伴ってさらに増えていく中で、制度を維持するために何をすべきかということについて国会で答えてきた。その思いは今も変わっていない」と述べました。

「まずは安心した」 がん患者の受け止めは

高額療養費制度について政府がことし8月の負担上限額の引き上げを見送る方針を固めたことについて、がん患者からは「まずは安心したが、いつか患者の負担が増えるのではないかという不安を感じる」などという声も聞かれました。

東京・小平市に住む水戸部裕子さん(50)は、肺がんが最も進行した状態の「ステージ4」と診断され、これまで何度も高額療養費制度を利用してきました。

それによって自己負担は多い時でも、月に8万円ほどに抑えられていましたが、もし8月に負担上限額が引き上げられた場合、8000円ほど増える可能性がありました。

水戸部さんは高校生と中学生の息子がいて、教育にかかる支出も増えている中で、政府が負担上限額の引き上げを見送る方針を固めたことを知り、まずは安心したといいます。

一方で、ほかの患者からは「制度の見直しが白紙撤回されるまで安心できない」などといったメッセージがSNSで送られてきています。

水戸部さんも「引き上げはいったん見送られたものの、今後、制度が見直され、いつか患者の負担が増えるのではないかという不安を感じる」と話しています。

その上で「医療保険の財政が悪化し、その対策が必要だという考えはわかるが、一番苦しい状況にある患者が最初に追い込まれるのはやはりおかしいと思う。ほかに見直すべきものは無いか、じっくりと議論することが必要で、その際には患者の意見も聞く場を国が設けてほしい」と話しています。

なぜ見送り?政治部 長谷川デスク解説

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Q.反対の声なども出ていた中、なぜこのタイミングで引き上げ見送る方針固めた?

野党第1党の立憲民主党が、がん患者の要望を踏まえて負担上限額の全面的な凍結を求めていました。

これに加えて、与党内からも見送りを求める声が強まっていました。

6日の参議院予算委員会で公明党から国民の理解が十分得られていないと強く見送りを迫る声がありました。

自民党内でも、参議院側を中心にこのまま引き上げれば与党に強い批判が向かうという声が出ていまして、少数与党の政権運営に苦慮する政府としては与野党からのこうした声に応じる必要があると判断したものとみられます。

Q.与野党の反応は

立憲民主党からは、大きな成果だという声が出ています。
ある幹部は、予算委員会で野田代表が強く求めていたということを踏まえ、粘り勝ちだという声も出ています。

与党内からも「地元を回っていると引き上げに厳しい反応が多かった」「このまま引き上げれば選挙で大敗するところだった」など、とりあえずことし夏の東京都議選や参議院選への影響を回避されたとして安どする声が広がっています。

Q.新年度予算案の再修正、今後どうなっていくか

まだ決まったわけではなく、政府与党内では、たしかに修正が必要ではないかという指摘が出ています。

今回の見送りを受けて、どういう対応が可能かということを与党内で協議が行われているものとみられます。

新年度予算は衆議院で教育無償化の具体策などを反映した形で修正を行って可決され、現在参議院で審議されているわけですが、再度修正となると、衆議院に予算を戻してまた予算審議をする必要があるのではないかという指摘もあります。

与党内が目指す年度内成立は、今の段階でもタイトなスケジュールですが、これが予算の再修正となるとさらに厳しくなります。

与党内で慎重に対応を検討するものとみられます。

高額療養費制度 これまでの協議の経緯

「高額療養費制度」は、高額な治療を受けた際に、患者の負担が重くならないよう、ひと月あたりの医療費の自己負担に上限を設けるものです。

政府は、高額な薬の利用などによって、医療保険の財政が悪化していて、支え手となる現役世代の保険料負担を軽減していく必要があるとして、去年12月、負担上限額を、ことし8月から再来年にかけて段階的に引き上げる方針を決めました。

これに対し、患者団体などから「治療の継続を断念しなければならなくなる」などと反対の声が上がったことを受け、政府は方針を一部修正して、長期的に治療を続ける患者の負担については、いまの金額のまま据え置くことを決めました。

その後、衆議院での新年度予算案の修正協議をめぐり、立憲民主党が負担上限額の引き上げを全面的に凍結するよう強く求めたことから、石破総理大臣は、さらに修正して、ことし8月からの引き上げは予定どおり行う一方、来年以降の制度のあり方については患者団体などの意見も聴いた上で改めて検討し、ことし秋までに決定する方針を示しました。

しかし、予算審議の舞台が参議院に移っても、批判はやみませんでした。

野党に加え与党からも、ことし8月からの引き上げについて「国民の理解が十分に得られていない」などとして、石破総理大臣にさらなる見直しを求める意見が出ていました。

公明 斉藤代表「国民の理解いただけるよう努力」

公明党の斉藤代表は記者会見で「私は、まだ方針を何も聞いていないが、この制度の重要性について、これからも国民の理解がいただけるようにしっかり政府・与党として努力していかなければならない」と述べました。

立民 野田代表「熟議の国会の1つの成果」

立憲民主党の野田代表は記者会見で「もし本当に8月からの引き上げが凍結されるなら、これまで総力戦で凍結のために奮闘してきたので熟議の国会の1つの成果になるのかなという思いだ」と述べました。

その上で「参議院の予算委員会の質疑でも与党内から不安の声が出ていたので、政府・与党が再検討に追い込まれたのではないか。われわれも粘り強く主張してきたし、関係団体もあきらめずに来たので、ようやく成果になりつつあり、戦い続けることの必要性を改めて感じることができた。石破総理大臣はもっと早い段階で英断を下すべきだった」と述べました。

維新 吉村代表「引き上げ反対という考え 今も変わっていない」

日本維新の会の吉村代表は大阪府庁で記者団に対し「引き上げを見送る方針には賛成だ。高額療養費の制度は、いざという時、大病にかかった時のためのものであり、上限の引き上げに反対という考えは今も変わっていない」と述べました。

国民 玉木代表「衆議院で審議をやり直せといいたい」

国民民主党の玉木代表はNHKの取材に対し「患者の不安に応えていくという意味では評価するが、なぜ衆議院の予算審議の段階でその判断ができなかったのか。判断が遅く、ぶれていると言わざるを得ない」と述べました。

その上で「高額療養費制度における負担上限額の引き上げを前提とした新年度予算案に自民・公明・日本維新の会は賛成したわけだが、方針を変えるのであれば、もう1回、衆議院で審議をやり直せといいたい」と述べました。

共産 山添政策委員長「そもそも引き上げが間違っている」

共産党の山添政策委員長は記者会見で「与党の議員からも『国民の理解が得られていないのではないか』といった指摘が出されるほどの状況で、衆議院で行われた修正が、いかに当事者の思いなどからかけ離れたものだったかということを示している。衆議院の審議で予算案に賛成した自民・公明両党と維新の会の責任は重い」と述べました。

その上で「怒りの世論を今になってようやく受け止め、ことし8月からの負担上限額の引き上げをやめるのは当然だが、遅すぎるというか、そもそも、引き上げることが間違っている。全面的な白紙撤回を求めていきたい」と述べました。

 


介護職の処遇改善

2025年03月05日 11時07分44秒 | 医科・歯科・介護

令和7年4月からの処遇改善加算の取得準備はお済みですか?
引き続き加算を取得したり、より上位の加算に移行できるよう、
計画的に準備を進めていきましょう。

既に加算を取得されている事業者も、
必要なご準備をお願いします。

介護職員等処遇改善加算の全体像

事業所の収入をベースにさらに下記の加算率を追加

介護職員等処遇改善加算は、事業所内で柔軟に配分することが可能。
※1 28項目から選択。○:7項目以上を実施。◎:13項目以上を実施し、かつ、取組みの見える化を実施。
※2 資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組みの整備。
※3 改善後の賃金年額440万円以上が1人以上。
※4 経験・技能のある介護職員を事業所内で一定割合以上配置。訪問介護の場合、介護福祉士30%以上等。

令和6年度介護報酬改定での見直しの概要

処遇改善加算の一本化・制度概要の説明


まずはこちらをご覧ください。

一本化リーフレット[1.1MB]

PDFダウンロード

一本化概要・
全体説明資料
[1.2MB]

PDFダウンロード

一本化詳細説明資料
(実務担当者向け)
[830KB]

PDFダウンロード

その他の参考資料(令和6年度改定以降)