神戸県知事が公益通報者保護法違反

2024年11月20日 07時07分41秒 | 社会・文化・政治・経済
公益通報者保護制度
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公益通報者保護法

 

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回答

Q1公益通報者保護法とはどのような法律ですか。
A

公益通報者保護法は、労働者・退職者・役員が、役務提供先である事業者における法令違反を認識し、事業者の内部や外部(権限を有する行政機関等や報道機関等)へ公益通報をした場合に、公益通報をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへどのような内容の通報を行えば公益通報として法的に保護されるのかを明確にするとともに、公益通報者の保護と法令の規定の遵守のために必要な措置等について定めた法律です。

Q2公益通報とはどのようなものですか。
A

公益通報とは、労働者・退職者・役員が、役務提供先の不正行為を、不正の目的でなく、一定の通報先に通報することをいいます。

Q3公益通報の主体となるのはどのような者ですか。
A

公益通報の主体となるのは、労働者・退職者・役員です。

  • 労働者とは、労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者のことをいいます。正社員、派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどのほか、公務員も含まれます。
  • 退職者とは、通報の日前1年以内に雇用元(勤務先)で働いていた労働者であった者又は通報の日前1年以内に派遣先で働いていた派遣労働者であった者をいいます。
  • 役員とは、法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人のほか、法令の規定に基づき法人の経営に従事している者(会計監査人を除く。)をいいます。

なお、取引先事業者の労働者・退職者・役員については、役務提供先である事業者の労働者等には当たりませんが、次の場合には公益通報の主体となります。

  • 労働者・退職者→現に請負契約その他の契約に基づく事業に従事し、又は通報の日前1年以内に従事していた場合。
  • 役員→現に請負契約その他の契約に基づく事業に従事する場合。
Q4本法における「役務提供先」とはどのような者を指しますか。
A

本法における「役務提供先」とは、労働者や役員が役務を提供している(退職者の場合は提供していた)事業者を指し、具体的には、通報の主体や勤務形態に応じて、それぞれ以下の者を指します。

  1. 労働者
    • 雇用元で働いている場合→雇用元の事業者
    • 派遣労働者として派遣先で働いている場合→派遣先の事業者
    • 雇用元・派遣先の事業者と取引先事業者との請負契約等に基づいて当該取引先事業者で働いている場合→取引先事業者
  2. 退職者
    • 雇用元で働いていた場合→雇用元の事業者
    • 派遣労働者として派遣先で働いていた場合→派遣先の事業者
    • 雇用元・派遣先の事業者と取引先事業者との請負契約等に基づいて当該取引先事業者で働いていた場合→取引先事業者
  3. 役員
    • 役員を務めている事業者で働いている場合→役員を務めている事業者
    • 役員を務めている事業者と取引先事業者との請負契約等に基づいて当該取引先事業者で働いている場合→取引先事業者
Q5どのような事実についての公益通報が保護されますか。
A

本法の規定による公益通報の対象となる事実(通報対象事実)は以下のいずれかを指します。

  • 本法及び個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む。以下同じ。)に規定する罪の犯罪行為の事実又は本法及び同表に掲げる法律に規定する過料の理由とされている事実
  • 別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが上記に掲げる事実となる場合における当該処分の理由とされている事実(当該処分の理由とされている事実が同表に掲げる法律の規定に基づく他の処分に違反し、又は勧告等に従わない事実である場合における当該他の処分又は勧告等の理由とされている事実を含む。)

なお、別表についてはe-Govに掲載の本法条文を、通報対象となる法律一覧については、消費者庁ウェブサイトの「公益通報者保護法において通報の対象となる法律について」ページを御覧ください。

Q6「不正の目的」での通報とはどのようなものですか。
A

「不正の目的」での通報とは、以下のような目的でなされる、社会通念上違法性が高い通報が考えられます。

  1. 不正の利益を得る目的
    公序良俗に反する形で自己又は他人の利益を図る目的。なお、報奨金や情報料を得る目的であっても、それが公序良俗に反する不正な利益といえるようなものでない場合には、ここにいう「不正の利益を得る目的」には当たりません。
  2. 他人に不正の損害を加える目的
    他の従業員その他の他人に対して、社会通念上通報のために必要かつ相当な限度内にとどまらない財産上の損害、信用の失墜その他の有形無形の損害を加える目的。

なお、「不正の目的でない」というためには、上記のような「不正の利益を得る目的」や「他人に不正の損害を加える目的」の通報と認められなければ足り、専ら公益を図る目的の通報と認められることまで要するものではありません。単に、交渉を有利に進めようとする目的や事業者に対する反感などの公益を図る目的以外の目的が併存しているというだけでは、「不正の目的」であるとはいえないことに留意が必要です。

Q7どこに対して公益通報できますか。また、内部公益通報と外部公益通報とは、それぞれどのようなものですか。
A

本法では、通報先として、1.事業者内部、2.権限を有する行政機関等、3.その他の外部通報先を定めています。

  1. 事業者内部は、役務提供先又は役務提供先があらかじめ定めた者(社外の弁護士や労働組合等)を指します。
  2. 権限を有する行政機関等は、通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関及び当該行政機関があらかじめ定めた者を指します。
  3. その他の外部通報先は、その者に対し通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け、又は受けるおそれがある者を含み、当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。)を指し、報道機関や消費者団体等が該当します。

また、1.事業者内部への公益通報(いわゆる1号通報)を内部公益通報といい、2.権限を有する行政機関等への公益通報(いわゆる2号通報)及び3.その他の外部通報先への公益通報(いわゆる3号通報)を外部公益通報といいます。

Q8本法における「事業者」とはどのような者を指しますか。営利法人のみが該当しますか。また、社長と従業員1名しかいないような小さな会社でも事業者に該当しますか。
A

本法における「事業者」とは、法人その他の団体及び事業を行う個人を指し、株式会社などの営利目的の法人だけでなく、公益法人、協同組合、特定非営利活動法人(NPO)、個人事業主、国、地方公共団体なども含まれます。
また、本法は事業者の範囲について規模による限定を設けてはおらず、社長と従業員1名しかいないような小さな会社でも「事業者」に該当します。

Q9公益通報が保護されるための要件はどのようなものですか。
A

公益通報者が保護されるための要件(保護要件)は、公益通報の主体や通報先に応じて、それぞれ以下のとおり異なります。

  1. 労働者・退職者
    事業者内部に公益通報を行おうとする場合は、「通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合」(本法第3条第1号)に保護されます。
    権限を有する行政機関等に公益通報を行おうとする場合は、通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合、又は通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていると思料し、かつ、必要な事項を記載した書面を提出する場合(本法第3条第2号)に保護されます。
    その他の外部通報先に公益通報を行おうとする場合は、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合であって、所定の要件のいずれかを満たす場合(本法第3条第3号)に保護されます。
  2. 役員
    事業者内部に公益通報を行おうとする場合は、「通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合」(本法第6条第1号)に保護されます。
    また、権限を有する行政機関等に公益通報を行おうとする場合は、調査是正措置をとることに努めたにもかかわらず、なお当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合(本法第6条第2号イ)に保護されます。
    その他の外部通報先に公益通報を行おうとする場合は、調査是正措置をとることに努めたにもかかわらず、なお当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、所定の要件のいずれかを満たす場合(本法第6条第3号イ)に保護されます。ただし、権限を有する行政機関等又はその他の外部通報先に公益通報を行おうとする場合において、個人の生命若しくは身体に対する危害又は個人(事業を行う場合におけるものを除く。)の財産に対する損害(回復することができない損害又は著しく多数の個人における多額の損害であって、通報対象事実を直接の原因とするものに限る。)が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合(本法第6条第2号ロ及び同条第3号ロ)には、重大な利益の保護のため速やかに不正行為の是正を図る必要があることから、調査是正措置がとられていなくとも保護されます。
Q10公益通報者はどのような保護を受けられますか。
A

公益通報をしたことを理由として、事業者が公益通報者に対して行った解雇は無効となります。
加えて、公益通報をしたことを理由として、事業者が公益通報者に対して行った解雇以外の不利益な取扱いをすることも禁止されます。
なお、公益通報者が役員の場合、公益通報をしたことを理由とした解任は無効とはなりませんが、公益通報者は解任によって生じた損害の賠償を請求することができます。
また、事業者は公益通報によって損害を受けたことを理由として、公益通報者に対して賠償を請求することはできません。

Q11令和2年改正のポイントはどのようなものですか。
A

令和2年改正においては、事業者が自浄作用を発揮し、法令違反を早期に是正する観点から、新たに、常時使用する労働者の数が300人を超える全ての事業者に対し、内部公益通報対応体制の整備義務が課されました。内部公益通報対応体制整備義務違反等の事業者に対しては、行政措置(助言・指導、勧告及び勧告に従わない場合、その旨の公表)をとる可能性があります。
さらに、より安心して通報できるよう、事業者に対し、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して公益通報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者を公益通報対応業務従事者(従事者)に指定する義務が課され、従事者に指定された者には違反した場合には刑事罰が科され得る守秘義務が課されました。加えて、事業者が、公益通報者に対して、公益通報をしたことを理由とする損害賠償請求をすることができないことについて、明記されました。
このほか、より多くの通報者を保護する観点から、保護される公益通報者の範囲について、従前の労働者に加え、新たに役員と退職後1年以内の退職者も含めることとされました。また、保護される公益通報の対象となる法令違反行為について、従前の犯罪行為に加え、新たに過料対象行為が含まれることになりました。さらに、権限を有する行政機関等への公益通報(2号通報)を行いやすくする観点から、権限を有する行政機関等への通報が公益通報として保護される場合として、従前の信ずるに足りる相当の理由がある場合に加えて、新たに氏名等を記載した書面を提出する場合が規定されました。

Q12令和2年改正により事業者に義務付けられた体制整備とはどのようなものですか。
A

常時使用する労働者の数が300人を超える事業者は、本法第11条の規定により、内部公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制(内部公益通報対応体制)の整備その他の必要な措置をとることが義務付けられました(常時使用する労働者の数が300人以下の事業者に対しては努力義務)。
内部公益通報対応体制の整備その他の必要な措置の具体的な内容は、「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(指針)において規定されています。
消費者庁では、「指針を遵守するために参考となる考え方や指針が求める措置に関する具体的な取組例」や「指針を遵守するための取組を超えて、事業者が自主的に取り組むことが期待される推奨事項に関する考え方や具体例」等を記載した「公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」(指針の解説)を消費者庁ウェブサイト上で公表しています。
常時使用する労働者の数が300人を超える事業者は、内部公益通報対応体制の整備その他の必要な措置をとるに当たって指針を遵守する必要があり、指針の解説も踏まえて対応することが求められます。
なお、指針の規定により、各事業者は体制整備の内容を内部規程として定める必要がありますが、民間事業者向けの内部規程例を消費者庁ウェブサイト上で公表していますので、内部規程の作成に当たって御参照ください。
また、行政機関については、行政機関向けのガイドラインや地方公共団体向けの内部規程例を消費者庁ウェブサイト上で公表しています。

Q13行政機関にはどのような体制整備が求められていますか。
A

行政機関も事業者として、内部公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制(内部公益通報対応体制)の整備その他の必要な措置をとることが義務付けられています(常時使用する労働者の数が300人以下の事業者に対しては努力義務)。
また、通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関等は、2号通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他必要な措置をとる義務が課されています。

Q14令和2年改正法はいつから施行されていますか。
A

令和4年6月1日からです。

担当:参事官(公益通報・協働担当)


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1 コメント

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マルテンサイト変態千年グローバル (元鉄鋼商事関係)
2024-11-27 08:09:46
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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