米でデルタ株拡大 入院患者が一日あたり10万人超

2021年08月31日 21時36分41秒 | 医科・歯科・介護

8/31(火) 11:58配信

テレビ朝日系(ANN)

 新型コロナウイルスのデルタ株の拡大で、感染者が再び増加しているアメリカでは一日あたりの入院患者数が10万人を超えました。

 30日付のニューヨーク・タイムズによりますと、全米で新型コロナに感染した入院患者の数が2カ月前から500%増加し、29日時点の7日間平均は一日あたり10万人を上回りました。

 デルタ株の拡大を受けて入院患者数が急増し、2月の水準に逆戻りする形になりました。

 2割の病院でICU(集中治療室)の95%が埋まり、一部では新型コロナ以外の通常の医療対応ができなくなっているということです。

 また、ICUに入る重症患者の多くがワクチンを接種しておらず、全米の死者は一日あたり1000人を超えています。

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デルタ株より感染力が強いかも? 海外メディアが「東京株」と報じる「新種デルタ株」が登場!

2021年08月31日 19時37分44秒 | 医科・歯科・介護

8/31(火) 19:20配信 

ついに新型コロナウイルスで、国内初の新たなデルタ株の変異が登場した。海外メディアの中には、「東京五輪の開催が『東京株』を生んだ」かのように報じるところもある。
新種のデルタ株の危険性はまったくわかっていない。しかし、デルタ株そのものの恐ろしさはどんどんわかってきた。従来株より体内に入るウイルスの量が1000倍も多いというのだ。「東京株」の名前が世界に広がる前に抑えることはできるのか。
研究者「デルタ株より感染力が増大する可能性はある」
デルタ株の新たな「新種」が登場したというショックなニュースをNHK(2021年8月30日付)「新たな変異ある『デルタ株』検出 感染力への影響分からず」が、こう伝える。
「新型コロナウイルスの流行の主流となっている感染力の強い変異ウイルス、『デルタ株』について、新たな変異があるウイルスが国内で初めて検出されたと、東京医科歯科大学の武内寛明准教授らグループが発表しました。感染力などに影響があるかどうかはわかっていないということで、グループはさらに解析を進めるとしています」
8月中旬に大学の附属病院を受診した患者からデルタ株の変異ウイルスを採取し、遺伝子を詳しく調べたところ、デルタ株にみられる「L452R」変異に加え、英国系のアルファ株に似た「N501S」変異などを持っていた。
この変異は世界で8例しかなく、国内で確認されたのは初めてだ。患者に海外渡航歴はなく、市中感染だった。遺伝子の特徴などから国内で変異した可能性が極めて高いという。グループでは引き続き解析を進める。
NHKなどによると、オンライン会見に応じた武内准教授は、こう語っていた。
「新たなデルタ株の感染力についてはわかっていませんが、アルファ株やデルタ株よりもさらに増大する可能性は十分に考えられます。感染が広がると国内でも次々と新たな変異株が出る可能性があるので、なんとか感染を抑える必要があります。遺伝子を解析するウイルスの監視体制もさらに拡充しないといけません」
韓国紙「『東京株』登場... 日本は非常事態」と皮肉
この日本由来の新しい「変異ウイルス」、海外メディアの中にはさっそく「東京株」と名付けるところが現れた。韓国の大手紙、中央日報(8月31日付)が「デルタが変異した『東京株』登場...感染者の爆発で日本『非常事態』」という皮肉たっぷりの見出しで、こう伝えた。
「デルタ株がまた変異した。デルタ株の変異株が日本で初めて確認された。 東京医科歯科大学研究チームが、同大学付属病院で診療受けた患者から採取したデルタ株の遺伝子分析を通じて新たな変異株を発見した。研究チームの武内寛明・准教授は『感染が広がると国内でも次々と新たな変異株が出る可能性があるので、なんとか感染を抑える必要がある』と話した」
と危機感を露わにしたうえで、いかにも東京五輪を開催したことが「東京株」の登場に関係があるかのように、こう結んでいる。
「日本は東京五輪以降、新型コロナウイルスの増加傾向が落ち着かないでいる。8月30日、重症患者は18日連続で最多記録を更新している。30日には1万3638人の感染者が新たに報告された。重症感染者は2075人に達する」

海外メディアが「東京株」と報じる(写真は東京の街)
東京五輪開催によって多くの外国人が訪れて「ウイルスのカクテル化」が進み、「新型デルタ株」が登場したのかどうかは不明だが、最近、デルタ株の恐ろしさがますます明らかになってきた。
毎日新聞(8月28日付)「デルタ株『感染力最強』 高い細胞への結合力、体内増殖従来の1000倍」が、その怖さをこう伝える。
「『これまで知られた中で、最も感染力の強いウイルスの一つだ』。米疾病対策センター(CDC)のワレンスキ所長は米CNNのインタビューで、デルタ株は新型コロナ以外のウイルスと比較しても、かつてない強い感染力を持つと危機感をあらわにした。デルタ株はなぜそれほど感染力が強いのか。多くの専門家が着目するのが『L452R』という変異だ。感染する際に、人の細胞表面の受容体に取りつく突起状の『スパイクたんぱく質』にこの変異が生じたことで、細胞への結合力が強まったとみられる。米国の研究チームが今年6月に発表した論文によると、L452Rの変異があるスパイクたんぱく質と受容体との結合力を実験で確認したところ、『受容体との親和性が従来の2倍高まる可能性がある』との結果が出た。デルタ株は重症化リスクも高めている可能性がある。以前は重症化しづらかった40代や50代の入院患者が目立つようになった」
ウイルス量が1000倍、しかも細胞にくっつきやすい

医療のひっ迫で搬送先にも困る救急車
確かに現在、40代や50代の入院患者どころか、20代~30代でも短期間で重症化。なかには亡くなるケースが続出している。千葉県内でも8月18日、一人で自宅療養中の20代男性の死亡が確認された。男性は40度の発熱があり、陽性を確認したが、受診した医療機関が軽症と判断、「入院の必要なし」とされた。保健所が一度も直接連絡を取らないまま、2日後に急速に容体が悪化したらしい。「連絡が取れない」という家族からの通報で救急隊が駆け付け、死亡しているのが見つかった。
20代の死亡は千葉県だけでも2人目で、全国的に珍しいことではなくなった。このようになぜ若い世代でも急速に悪化するのか。毎日新聞が続ける。
「デルタ株のスパイクたんぱく質にはL452R以外にも複数の変異がある。東京大医科学研究所などの研究チームはそのうちの一つ、681番目のアミノ酸がプロリン(P)からアルギニン(R)に変異した『P681R』に注目。(この変異は)感染した細胞は周囲の正常な細胞と融合し損傷させやすくなり、損傷した細胞の範囲は従来株の平均の2.7倍に広がった。また、このウイルスをハムスターに感染させたところ、従来株より体重が減少し、肺機能が低下することも判明した。佐藤佳・東大医科研准教授は『変異によって細胞膜と融合する能力が上がったため、感染細胞が周りの細胞とくっつきやすくなった。ウイルスが体内に広がりやすく重症化につながっていると考えられる』と話す。実際、中国の研究グループは7月、患者の体内のウイルス量をPCR検査で調べた結果、デルタ株の感染者の体内のウイルス量が従来のウイルスに比べ平均1000倍以上で、増殖スピードも速かったとする研究論文を公表した。体内のウイルス量の増加が重症化と関係している可能性がある」
この従来株より「1000倍もウイルスの量が多い」という衝撃的な研究が発表されると、テレビ番組でも取り上げられた。TBS系の「サンデーモーニング」(8月29日付)では、司会の関口宏さんが驚きを隠せず「これはホントですか?」と、元国立感染症研究所主任研究官の小坂健氏に聞くと、こう答えた。
「やっぱりデルタ株は従来の株より増殖が早いし、ウイルス量も多いと言われている。そうすると、今までは感染しなかった場合でも、1000倍以上のウイルスを持っているとあっという間にうつってしまう。今までうつらなかったような人でもうつることがありうるわけです。デルタ株、特に夏の対策としてはワクチンとマスクと換気の3つが柱になる。夏はエアコンでほとんど換気がされない。暖房と違って風が下に落ちてくるので、より感染しやすい。やっぱり換気できちんと回してあげることが非常に大事になります」
と、部屋の換気の重要性を訴えていた。
(福田和郎)

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新変異株に勝てるか!? 交差接種「最強の組み合わせ」は 英研究では「アストラ→ファイザー」で中和抗体により高い数値

2021年08月31日 19時37分44秒 | 医科・歯科・介護

8/31(火) 16:56配信

夕刊フジ
 猛威をふるう新型コロナウイルスのデルタ株が、国内で新たに変異したことが確認された。南米由来のラムダ株の本格的な日本上陸も懸念されている。政府は異なるタイプのワクチンを併用する交差接種が検討されているが、変異株にも勝てる「最強の組み合わせ」はあるのか。

 ◇

 東京医科歯科大は30日、デルタ株にみられる「L452R」変異に加え、英国由来のアルファ株に似た「N501S」変異を持つ新たなデルタ株を初確認したと発表した。国内で変異した可能性が極めて高いとみられ、さらに感染が広がる恐れもある。

 7月には、感染力が強くワクチンも効きにくい恐れがあるラムダ株も国内で確認されている。

 コロナ禍の長期化も予想されるなか、海外ではワクチンの交差接種について研究が進んでいる。

 英オックスフォード大などのチームは、米ファイザー製と英アストラゼネカ製のどちらを先に打っても、アストラ製を2回打った場合よりも中和抗体について高い数値が得られた。特にアストラ製を先に打った方が、良い結果だったという。

 アストラ製の「ウイルスベクターワクチン」は、新型コロナの遺伝情報を投与する点で、ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」と同系統だが、運び屋役となるウイルスに入れて投与する点を特徴とする。

 交差接種の効果はどこまで期待できるのか。

 東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「ワクチンはウイルスや遺伝情報の一部を投与するため、実際に感染した場合と比べると免疫も不十分な状態になる。メーカーごとに対応できるパターンが異なるように作られているため、交差接種をすることで補強できる可能性がある」と語る。

 30日公表時点で国民全体の44・6%が接種を完了しているが、大半がmRNAワクチンだ。

 政府は2回接種を終えた人に対し、2022年に3回目の接種を行う検討に入った。ワクチンについてはファイザーやモデルナに加え、米ノババックスとも22年初頭から1億5000万回分の供給を受けることを前提に、国内生産する武田薬品工業との間で協議を進めている。ノババックス製は「組み換えタンパクワクチン」だ。

 ほかにも「DNAワクチン」や「ペプチドワクチン」、中国製で使われている「不活化ワクチン」などの種類が実用化または開発中だが、有望な組み合わせは存在するのか。

 児玉氏は「mRNA系統のワクチン接種後に、不活化ワクチンや組み換えタンパクワクチンなど、ウイルス(抗原)自体を投与することで、変異株にも対応しやすくなるなど高い効果が見込まれるかもしれない。ただ、海外で動物実験などは進んでいるが、その効果と人での効果が必ずしも一致しないので、実現には未知数の部分も多い」と指摘した。

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CSとBSテレビが映らない!

2021年08月31日 19時37分44秒 | 日記・断片

先日は業者が来たが、雷が鳴っていたのでアンテナは確認できなかった。
それでも、プラグを抜いたりの確認中にt突然、復帰したのだ。
2階の二男のテレビも映らないのでアンテナの向きの関係かと思った。
大風が吹いた日で、家人は「アンテナが上向き過ぎるのでは」というが、固定されているので、手で簡単にアンテナの向きを動かすことはできなかった。
今日も雷がなり、スカパーは映のに、CSとBSテレビが映らない。
肝心な、野球放映を見ることができないのだ。


CSとBSテレビが映らない!

2021年08月31日 19時37分44秒 | 日記・断片

先日は業者が来たが、雷が鳴っていたのでアンテナは確認できなかった。
それでも、プラグを抜いたりの確認中にt突然、復帰したのだ。
2階の二男のテレビも映らないのでアンテナの向きの関係かと思った。
大風が吹いた日で、家人は「アンテナが上向き過ぎるのでは」というが、固定されているので、手で簡単にアンテナの向きを動かすことはできなかった。
今日も雷がなり、スカパーは映のに、CSとBSテレビが映らない。
肝心な、野球放映を見ることができないのだ。


ウレタンマスクは「無意味」! 科学者が教える「本当に効果的なマスク」

2021年08月31日 11時51分34秒 | 医科・歯科・介護

8/31(火) 8:54配信

週刊SPA!

写真はイメージです

―[コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」]― 

 新型コロナの感染拡大が止まらない!一貫して科学者の視点から日本のコロナ対策のおかしさを指摘し続け、東京都の感染者数急増も的確に予想したコロラド博士こと牧田寛氏。『誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか』を上梓した牧田氏に、科学者目線で見た「本当に効果的な感染症防護」について緊急寄稿してもらった。

⇒【写真】KF94は、必ずこの文字がパッケージに書かれている

エピデミックの激化する日本
 東京オリンピックと同時に東京ではいよいよエピデミックが加速し、8/27現在で3万5000人を越える人々が自宅療養という名目で医療から排除され、自宅で苦しんでいます。

 筆者は、SNS等で東京における8月末から9月始めの感染率は人口の5~8%程度であろうと論じてきました。東京新聞が報じたように*、東京都は独自のモニタリングPCR検査を行っておりこの結果、東京都の感染状況がかなり明らかになってきました。
<*東京都のモニタリング検査、コロナ陽性率が2ヶ月で18倍に…感染気付かず出歩く人が急増2021/08/27東京新聞>

 次に東京新聞記事を一部引用します。(都の資料へのリンクを筆者が加えました。)

”都の資料によると、7月第1週の感染者数の割合は0.05%で、検査したおよそ1992人に1人が感染している計算だった。翌週から0.09%、0.15%と割合は上昇し、8月の第3週では0.89%となった。検査したおよそ113人に1人が感染している計算で、7月第1週の約18倍になった”(引用終わり)

 このモニタリング検査結果から、東京では8月第三週時点でおよそ100人に1人の人が潜在的感染力を持っている事になりますが、実際は、唾液PCR検査の臨床感度(検体採取成功率)や検査対象者の抽出法などから、その2.5倍に当たる2.2%=50人に1人がウイルスを人に移す能力を持ちながら出歩いている可能性があるという事になります。

 更に7週間で0.05%から0.89%に増加しているという事は、7週間で18倍ですから、倍加時間は11~12日(実際にはお盆休み中の人流の低下があるので10日程度)となりますので、9月1日頃には街行く人々の2~5%がウイルスを人に移す能力を持っている可能性があることになります。これは小中高等学校では一クラスに1~2人の感染能力を持つ人が居ることになります。そしてこれはこれまで筆者が推測してきた8月末から9月始めに5~8%とよく合っています。

 以下に計算の根拠を示します。

 東京都モニタリング調査では、唾液検体PCR検査を行っており、これは無症状者への検査に限っていますので、臨床感度は低くなっています。ここでは有症状者も含めた唾液検体PCR検査の臨床感度として見積もられる40%をとります*。
<*唾液検体は、COVID-19発症日と数日間は臨床感度90%程度となる。発症から日が経つと急速にウイルスが唾液からいなくなり10日目以降は採取不能となる。その為、頻回検査や発症直後の検査には簡便さもあってたいへんに有効とされている>

 従って、0.89%の感染者が見つかった場合、実際には感度40%の逆数で2.5倍にすれば良く2.2%(50人に1人)となります。倍加時間については既述の通りです。

 東京都の日毎新規感染者数統計は、8/1以降、「急ブレーキがかかった」と言う人が居ますが、これは前回記事「COVIDー19、感染拡大! 日本の統計がすでに破綻している、これだけの理由」 で指摘したように7/30厚労省連絡で検査対象を変えたために過ぎず全くの誤りです。モニタリング調査では7月からの増加率がお盆休みを除き全く衰えていません。

 月末時点で既に満員電車一両(200人)の中に10人近いスプレッダ(感染能力のある人)が存在する可能性があり、通勤通学などの日常生活で感染するリスクが極めて高い状況となっています。

 東京都モニタリング調査からは、9月上旬*から中旬にかけて感染飽和によってピークとなり、第5波収束に向かうと考えられます。一方で既に第5波エピデミックは収束過程とする考えもあって、現在意見は割れています。

 筆者は、9月中旬をピークに第5波収束に向かうと考えていますが、合衆国の保健指標評価研究所(IHME)は、2021/08/25更新の予測で年内は収束しないと予測しています。

 いずれにせよ10月以降には昨年同様に「秋の波」=第6波エピデミックの来襲がほぼ確実視されています。

収束に転じなければロックダウンしかないが、国にその意思なし
 本邦は既に百万人あたりの新規感染者数が欧州平均を超える状況で、検査抑制政策による統計の異常を補正すると合衆国を抜いて世界最悪の可能性もあります。このまま感染状況が悪化すると、ロックダウン以外に終息させる術はありません。ロックダウンは違憲という人が居ますが、実際は損失の補償を直接給付すれば合憲とされます。例えば1人20万円の直接給付に要する25兆円は、現在実際に余らせている昨年度予算のコロナ対策費繰越金30兆円でおつりが来ます。

 本邦は、ここで収束に転じなければ、90日ロックダウンが必要ですが、直接給付金や医療・防疫拡充費用で合計60兆円(今年度予算分30兆円)あれば確実に第5波エピデミックを収束できます。これは中国に始まり、合衆国や英国でも大成功しています。最近では、インドが見事に制圧しており、韓国でも遂にロックダウンに踏み切り、見事に感染拡大を止めています。

 しかし現実を見ない菅政権や小池都政にそれを期待することは困難で、待っている間にも感染機会は10日で倍に増え続けます。そして人はお金を稼がないと生活できません。子供達には学習機会を提供せねばなりません。

 ならばどうするか? 可能な限りのテレワークや遠隔授業、時差出勤の励行は必須ですが、それらに加えてマスクのアップグレイドは必須と言えます。

より高性能のマスクを付けよう
 COVID-19パンデミックでは感染症防御に非常に効果が大きいものとして次がきわめて強く推奨されます。防疫のイロハのイであり、最優先の社会の責務である検査と隔離を筆頭に優先順に示します。

1) 検査・追跡・隔離
2) 社会的距離の確保
3) 屋内の換気
4) 高性能マスクの着用
5) ワクチン接種

 N95や、KF94のような高性能レスピレータ(高性能マスク)は、90~95%程度の感染抑制効果があり、二重マスク化した不織布マスクもそれに準ずる80~90%程度の感染抑制効果があります。

 第一世代COVID-19ワクチンは、感染抑制を開発目的に入れていません。またδ株に対しては、30~70%程度の感染抑制効果しかありません。但し、重症化回避と死亡回避には80~90%とたいへんに高い有効性を持っています。打っておけばとにかく死ぬことは避けられます。

 従って個々人の感染抑制には、社会的距離の確保が最も重要であり、換気を組み合わせることで相当程度感染防止できますが、COVID-19は、エアロゾルによって空気感染しますので*、煙草やお線香の煙のように長時間空中浮遊する粒子を遮蔽する為にとくに屋内では、高性能マスクが必須となります。ここが非常に重要なところです。飛沫対策では全く不十分です。
<*新型コロナはエアロゾル感染するか? 確定的な結論はまだないが、予防原則をもとに先見的対策を! 2020/04/25 井田真人 ハーバー・ビジネス・オンライン>

 しかしマスクは7days24hours(常時)着用できません。就寝時は外しますし、ものを食べるときも外します。ものを食べるときのマスクパカパカ(マスク外食)を本邦政府は推奨していますが、非科学的且つ極めて危険な行為で有害無益かつきわめて愚かです。従ってマスクは、社会的距離と換気を補完する位置づけとなります。

 社会的距離は、個々人で注意していても破綻することはままあります。またエアロゾル感染するために人が居なくてもウイルスが空中を漂っている可能性も十分にあります。従ってここは高性能マスクの出番です。

 国内では豊橋技科大の研究結果*、世界的には合衆国疾病予防管理センター(CDC)が公表しているように**、COVID-19感染対策には最低限不織布マスクが必要で、密着性改善のために不織布マスクの上からマスク押さえや布マスクで押さえつける二重マスクが強く推奨されています。
<*データから見るマスクの効果 豊橋技科大学>
<**Your Guide to Masks CDC 2021/08/13>

 そしてN95マスクは医療用資源として一般には使わないように求められています。

 マウスシールド、フェイスシールド、ウレタンマスク(スポンジマスク)は防御能力が皆無と言って良く、使ってはいけません。無意味です。布マスクもエアロゾルに対する防御能力が殆ど無いため、使うべきではありません。

 筆者は、二重マスク(不織布マスクの上から布マスク等で押さえる)、KF94、KN95マスクを強く推奨しています。先ずはお手軽マスク強化法をCDCの記事から要約します。

残暑はまだまだ続く、KF94で快適・安全マスクライフ
 お手軽マスクアップグレイドには、不織布マスクの上から使い道のなくなった布やウレタンマスクで押さえつける二重マスクが良いです。しかしマスクを着用していると呼吸が暑苦しく、とくに二重マスクは顔に張り付くために汗でマスクが駄目になります。N95やKF94を含む不織布製マスクは絶対に濡らしてはいけない、濡らしたら捨てるほかないので、残暑厳しいこの季節、不織布マスクは使いにくいです。

 筆者は、KF94マスクを強く推奨しています。KF94は、Korean Filter 94の略で、韓国での医療・一般用高性能マスクです。もともと韓流ファンが導入していましたが、とても装着感が良く、快適且つ高性能なので筆者も今年3月から推奨しています。また、昨年春のマスク危機の際、日本医師会へ12万枚が中国より寄贈されたこと*でも知られています。
<*新型コロナウイルス感染症の防疫に資する高機能マスクの譲渡式を挙行2020/04/05日医on-line>

 筆者はいろいろ試してみましたが、装着した状態での軽作業が連続100分程度可能で、30分で息が苦しくなってしまうN95やKN95よりもずっと楽です。

 価格も韓国製のMFDS(食品医薬品安全処)許可品で一枚35円程度とお手軽で、汚損・破損しない限り1日使えます。一方で不織布マスクは、長くても四時間程度で要交換です。

 またKF94は、顔に張り付かないので、口元に空間があり、呼気が涼しく、肌荒れしにくいです。このため、はじめはお化粧が崩れないとして、女性の間で流行っていました。

 但し、KF94と称していてもMFDS許可品でない、KF94類似品が多くあり、これらは1枚20円程度と安いのですが、KN95の生地を流用するなどで呼吸がやや苦しく、また品質保証に難があります。韓国規格であるKF94は、MFDSによって厳しく監督されており、規格逸脱品には回収命令が実際出されていますし、偽物の製造販売には罰金が課されています。

 韓国規格のKF94は下記の特徴があり、逸脱しているものはKF94規格準拠ではありません。

1)韓国製である(Maid in Korea)

2)MFDS許可品の表示が必ずある

3)一枚一枚個別包装(個包装)である

 KF94には、これら3つの条件を同時に満たしている必要があります。筆者が使っているKF94の写真を例示します。比較的珍しいブランドで、他にも沢山のKF94があります。実は筆者の使っているKF94は、使っている人が日本には殆どおらず、筆者はハングルが読めないので画像検索を駆使して調べたところMFDSの許可記録を見つけホッとしました。

 KF94は、N95にやや劣りますが、N95などのレスピレーター(呼吸器)と同様に着用者を守るために設計されており、着用後にユーザーシールチェックを行えば一般の実用上は十分な性能を発揮します。

 息苦しさもあまりなく、エアロゾル対策マスクなのに呼気が涼しくかなり快適と言えて、一度使うともう他のマスクに戻れません。

 なお、二重マスクやKF94、KN95であっても100%安全という事ではなく、あくまでウイルスが透過する確率を大きく下げるものです。δ株は、患者からのウイルス放出が在来株の数万倍ともされており、マスクだけでは危険です。マスクは、あくまで社会的距離の確保と換気を補完するものです。

類似品でも泣く必要は無い
 さて、間違えてMFDS許可でない類似品を買ってしまった人も多く居ると思います。実は筆者も見事に類似品を買ってしまいました。KF94類似品は、主に中国製ですがKF94の形でKN95の生地を使った中国の規格があるらしく、使い物にならないわけではないです。

 筆者は中国製のKF94類似品も使ってみましたが、ユーザーシールチェック後、密着感は高いです。しかし、やはりKN95の生地を使っているだけあってKF94に比較して息苦しく、軽作業は45分ほどしか出来ませんでした。

 防御能力は悪くないのですが、罰金や回収命令といった実効性のある規制があるわけではないので、その点不安があります。

 筆者は、MFDS許可品のKF94を実使用体験からも強くおすすめします。

ヒゲよさらば
 KF94やN95/KN95は、マスクが顔面に密着して着用者を保護します。その為マスクと干渉するヒゲがあっては、ヒゲからエアロゾルが出入りするので折角のマスクが台無しとなります。CDCがブログにてヒゲとマスクの干渉を説明していますので、ヒゲ自慢の方はヒゲをマスクにあわせるか、諦めて剃ってください。これは二重マスクでも言えることです。

 それでは皆さん、マスクをアップグレイドしましょう。

<取材・文/牧田寛> 

 ―[コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」]― 

【牧田寛】
まきた ひろし●Twitter ID:@BB45_Colorado。著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中

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国立病院機構と尾身茂氏が理事長のJCHOはもっとコロナ患者を受け入れるべきだ

2021年08月31日 11時34分40秒 | 医科・歯科・介護

(上昌広)
8/31(火) 9:06配信

日刊ゲンダイDIGITAL

尾身会長が理事長のJCHOの東京新宿メディカルデンター(C)日刊ゲンダイ

【どうする、どうなる「日本の医」】#12

 コロナの感染拡大が止まらない。8月2日、政府は感染者の療養方針の見直しを決めた。中等症以下の入院抑制だ。しかし、厚労省には患者切り捨てよりも先にやるべきことがある。それは、国立病院機構(国病)や地域医療機能推進機構(JCHO)などに、患者の受け入れを要請することだ。

コロナ第5波“出口なし”…米研究機関が予測した秋冬爆発「1日4万5000人感染」の最悪シナリオ

 実は、国病やJCHOが存在するのは公衆衛生危機に対応するためだ。例えば、JCHOの設置根拠法の第21条には、以下のような記載がある。

「公衆衛生上重大な危害が生じ、若しくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、機構に対し、(中略)必要な措置をとることを求めることができる」「機構は(中略)正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない」

 このような組織は、常識では考えられない厚遇を受けている。JCHOは社会保険病院や厚生年金病院の後継機関だが、発足時に土地・建物は無償で供与された。その中には飯田橋駅前に位置する東京新宿メディカルセンターなど都心の一等地にある病院も含まれる。

 さらに、設立時には854億円の政府拠出金まで提供されている。コロナ流行直前の2018年度の財務諸表では、固定資産は3395億円、資本剰余金は3624億円で、無借金経営だ。法人住民税、不動産取得税は非課税、これで利益が上がらないはずはない。2018年度の経常収益は3725億円で、当期純利益は21億円だ。

 2018年度、JCHOは理事長の尾身茂氏と4人の常任理事が在籍したが、尾身氏は天下り、2人の常任理事は厚労省の現役出向だ。

 JCHOや国病は、都内に複数の病院を運営する。JCHOの場合、5つの病院を保有し、総病床数は1532床だ。国病の場合、4つの病院で1968床だ。合計すると3500床。ところが、JCHOと国病のコロナ病床は、158床と128床で、全体の10.3%、6.5%にすぎない。

 さらに、7月31日現在、JCHO、国病が受け入れていたコロナ患者数は、それぞれ111人、84人で、コロナ病床稼働率は70%、66%にすぎない。この2つの組織の設立趣旨を考えれば、全ての病床をコロナ病床に転換してもおかしくない。

 世間からの批判を浴び、JCHOは城東病院のコロナ受け入れを増やした。ただ、その数はわずかに50床にすぎない。

 都内なら、JCHO、国病が一般診療を停止しても、他の病院で対処可能だ。東京都の確保病床数は5967床だから、大幅増となる。これに関しては、厚労省がその気になれば、対応する時間と法的権限は十分にあった。ところが、何もしなかった。

 8月20日、厚労省での閣議後記者会見で、法に基づき、JCHOや国病に受け入れ要請をする予定はあるかと聞かれた田村憲久厚労大臣は「感染症法のことか」と聞き返した。JCHOや国病が公衆衛生危機で果たすべき法的スキームを理解していないようだ。厚労省に任せる限り、病床確保は進まない。

(上昌広/医療ガバナンス研究所 理事長)

 
 
 
 
 
 

日の出 国木田 独歩 (著)

2021年08月31日 10時41分58秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

学ぶこと大。心に深く考えることあり
この本よむべし。讃嘆します。
教育の真髄がか語られています。
特に、青年に読んでもらいたい。

 

学ぶこと大。心に深く考えることあり
この本よむべし。讃嘆します。
教育の真髄がか語られています。
特に、青年に読んでもらいたい。


日の出を見よ

自身の心を師として生きるのではなく、心の師こそ必要でる。
師の心を我が心として生きることを再び思い返すことの出来る内容です。


欧米に留学したエリートたちが、意気揚々と母校を誇る。
オックスフォード大学、ハバード大学などと。
そのなかに、世間の注目を集めた新進気鋭の青年がいた。
彼は、こう聞かれた。
「貴殿は何処の御出身ですか」
「三田(慶応)ですか。早稲田ですか」
「違います」青年は微笑した。
「大島学校です」
『さうです、 故郷 ( くに ) の 小學校です、 私立小學校です』と 言っ 時、人々は笑い出した。
嘲りの色を浮かべる者もいた。
しかし、彼は毅然と続ける。
「僕はこれでも窃かに大島小学校出身ということを誇って居るのです。又た心から感謝しているので御座います」
彼は、愛する母校の創立者が、無名でありながら、どれほどすばらし人物であるかを、なみいるエリートたちに、堂々と語った。
その小学校の校訓はただ一言、「日の出を見よ」であった。
すなわち、<朝日が波を躍り出るような元気>をもて、堂々たる勢いと、あくまでも気高い心で、一日一日を、全力を尽くして働こう!という指針であった。
この創立の教えを胸に、青年は、同窓生とともに友情も固く生き抜いてきたのである。
その話を聞き、最後には皆、深く感銘し、ぜひ、その創立者に会ってみたい、口々に語る-そういう物語である。
相手が誰人であろうとも、怯んではならない。
臆してもならない。いわや、嫉妬など絶対にする必要はない。
「妬まない」ということが「一流の人格」の証である。

 

 


八ッ場ダムに反対した前政権

2021年08月31日 10時24分40秒 | 社会・文化・政治・経済

1952年(昭和27年)、八ツ場ダム計画が浮上し、町内は賛成派と反対派に二分。
親族や近隣同士の争いが続くなか、治水・利水の両面から下流都県のため、地元住民は断腸の思いで建設の賛成に大きくかじを切る。

ダム完成を前提に温泉街の再建策を練り上げ、ダムは地元住民の希望に変わっていきました。

しかし、この希望をムダと切り捨てたのが旧民主党政権。
八ツ場ダム建設をムダな公共事業のシンボルに仕立て上げ、現場の声も聞かず、建設中止を表明。

昨年の台風19号では、河川の堤防決壊や氾濫などで甚大な浸水被害が広がりましたが、試験的に水を貯めていた八ツ場ダムも大雨でほぼ満水。結果、下流の利根川で大きな氾濫を回避できたと分析され、地域住民からも感謝の声が上がりました。

そして、今年4月から八ッ場ダムは正式に運用が開始されています。
荒川で第一調節池が、神田川では環七の地下調節池があったおかげで、大きな被害が出なかった。

2008年8月、政権交代前の民主党幹事長であった鳩山由紀夫氏が八ッ場ダム建設予定地を視察訪問。
現場には旧知の地元関係者がいましたが、現地で話を聞くこともなく、現場に3分もいないで出発。その後、「凍結・中止を公約にする」と発表していました。
「現場を見た」と言うためだったのかも知れませんが、あの主張が不安と怒りをあおるだけの、中身のないパフォーマンスであったことが今明らかになっています。

そして今注目されているのは、八ッ場ダムと双璧をなし、長期化したダム事業の代表格とされてきた熊本県の「川辺川ダム」計画。
大災害が想定され、治水対策が待ったなしの状態であると指摘されていたにも関わらず、旧民主党政権は計画中止を表明。
今も止まったまま。そして今回の球磨川の氾濫。多数の死者・行方不明者とともに、大きな被害が出ています。
もし、「川辺川ダムが存在したらどうだったのか?」


令和2年度「防災週間」及び「津波防災の日」について

2021年08月31日 10時20分19秒 | 社会・文化・政治・経済

令和2年8月19日

中央防災会議決定

1.趣旨

 我が国は、その位置、地形、地質、気象等の自然的条件から、台風、豪雨、豪雪、洪水、がけ崩れ、土石流、地すべり、地震、津波、火山噴火等による災害が発生しやすい国土となっている。

 昨年度は、令和元年8月の前線に伴う大雨、令和元年房総半島台風(台風第15号)、令和元年東日本台風(台風第19号)等により全国各地で様々な被害が発生した。また、本年度に入ってからも令和2年7月豪雨による被害が発生している。

 こうした我が国の国土の特徴に鑑み、政府、地方公共団体等防災関係諸機関を始め、広く国民が、前述の災害についての認識を深めるとともに、これに対する備えを充実強化することにより、災害の未然防止と被害の軽減に資するよう、「防災の日」(9月1日)及び「防災週間」(8月30日から9月5日まで)を設けることとしている。更に、平成23年6月に「津波対策の推進に関する法律」が制定され、国民の間に広く津波対策についての理解と関心を深めるため、11月5日が「津波防災の日」と定められたところであり、この「津波防災の日」においては、国及び地方公共団体は、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めることとされている。

 平成27年9月には、各界各層の団体等のネットワークを活用し、幅広い層の国民の防災意識の向上を図ることを目的として、「防災推進国民会議」が発足するとともに、平成28年8月に「第1回防災推進国民大会」が開催されて以降、これまでに4回同大会が開催されてきたところである。

 加えて、平成27年12月には第70回国連総会本会議で11月5日を「世界津波の日」と定める決議が全会一致で採択され、津波の脅威について関心が高まり、その対策が進むことが期待されている。こうした背景を踏まえ、平成29年3月に「津波対策の推進に関する法律」の一部が改正され、津波対策に関する国際協力の推進に資するよう配慮する旨が追加されたところである。

 また、平成30年7月豪雨を教訓に、平成31年3月には、住民の主体的な避難行動を支援するため、風水害(津波を除く)、土砂災害における5段階の警戒レベルを用いて住民が的確な避難行動をとれるよう、「避難勧告等に対するガイドライン」を改定し、更に、令和元年東日本台風を教訓に、令和2年4月から、自宅の災害リスクや災害時のとるべき行動をあらかじめ確認いただき、避難への理解を深め、確実な避難行動につなげていただくキャンペーンを官民を挙げて実施しているところである。

 災害からの被害を軽減するためには、これまで発生した大規模自然災害から得られた教訓を的確に活かし、平素より災害時における被害軽減につながる備えを充実強化するとともに、災害時に迅速かつ適切な防災活動を行い、被災後の円滑な復旧・復興を可能としていくことが重要である。

 平常時より災害に対する備えを心がけ、令和元年東日本台風等の経験を踏まえ、住民が「自らの命は自らが守る」意識を持って、発災時には自ら身の安全を守る「自助」とともに、地域住民や企業等が連携してお互いに助け合う「共助」の取組を行政による「公助」と連携して更に拡大させ「防災意識社会」を構築することが必要である。これによって社会全体における防災力を向上させるため、以下のとおり、国、関係公共機関、地方公共団体及びその他関係団体等の緊密な連携の下に、防災に関する各種の行事、「津波防災の日」の周知や広報活動等を全国的に実施する。

 なお、防災訓練の実施に当たっては、「令和2年度総合防災訓練大綱」(令和2年5月29日中央防災会議決定)で示している基本方針を参考にするものとする。

2.実施主体

国、関係公共機関、地方公共団体、その他関係団体

3.防災週間に関する取組

(1) 実施期間

令和2年8月30日(日)から9月5日(土)まで

(2) 実施事項

 国、地方公共団体等は、災害が発生した場合、災害応急対策から、災害復旧・復興までの一連の対策を迅速かつ円滑に行うための備えを十分に行う必要がある。一方、国民は、平常時より災害に対する備えを心がけ、発災時には自ら身の安全を守るとともに、地域住民や企業等が連携してお互いに助け合うことが非常に重要である。

 国、地方公共団体等は、こうした「自助」、「共助」、「公助」それぞれが適切に役割を果たすよう、「災害被害を軽減する国民運動の推進に関する基本方針」(平成18年4月21日中央防災会議決定)及び「令和2年度総合防災訓練大綱」に基づき、行政における十分な準備と訓練を行うとともに、国民に対する防災知識の普及・啓発を図り、災害被害を減らす取組を推進することが必要である。

 これらを踏まえて、防災週間においては、地域の実情に応じて、次に掲げるような、防災週間の趣旨にふさわしい内容の行事等を実施するものとし、国は、関係公共機関、地方公共団体及びその他関係団体等に対して協力を要請するものとする。

 ただし、新型コロナウイルス感染症対策が重要となっている現下の状況に鑑み、地域の行事、活動等の実施に当たっては、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日(令和2年5月25日変更)新型コロナウイルス感染症対策本部決定)を踏まえ、感染の状況等を注視しつつ、クラスターが発生することのないよう、感染防止対策の徹底、情報通信技術(ICT)等の手段の活用、日程・内容の変更、中止等、適切な対応をお願いする。

ア 実施する行事等

「防災週間」を中心とする期間内に実施する行事等は次のものとする。

  • ①実施主体は連携を強化し、より実践的な防災訓練等を行うものとする。
    • a 特に南海トラフ沿いで発生する大規模地震や首都直下地震等の大規模災害が想定される地域においては、広域的ネットワークを活用した訓練や地方公共団体間の緊密な連携の下に地方公共団体相互で締結されている協定等に基づく広域的応援・受援訓練の実施に努めるものとする。
    • b 風水害や土砂災害等各種災害の発生に備え、地域住民と地方公共団体等が連携し、ハザードマップ等に示された地域の災害リスクその他地域の実情を踏まえた避難訓練、大雨警報(土砂災害・浸水害)・洪水警報の危険度分布等の防災気象情報を受けた避難勧告等の発令・伝達、避難判断のために地域内で声かけにより避難する取組や、安全を確認する訓練の実施に努めるものとする。
    • c 避難勧告等の発令・伝達の訓練に当たっては、警戒レベルを用いて、防災情報からとるべき行動を直感的に理解できるよう伝達する。また、視聴覚障害者、訪日外国人等の情報が伝わりにくい要配慮者に対しては、デジタルサイネージ、字幕・手話放送、防災行政無線、多言語化等の災害情報伝達ツールを活用した訓練の実施に努めるものとする。
    • d 避難所における新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた訓練の実施に努めるものとする。
  • ②防災に関し、災害時の防災活動の実施、防災意識の普及又は防災体制の整備の面で貢献した団体や個人(ボランティアや企業等も含む。)への表彰を行う。
  • ③実践的な防災行動の促進のため、次のような活動等を実施する。
    • ・ 防災意識の向上や普及啓発の推進に係る活動
    • ・ 映画・ビデオ上映会、被災や災害対応の体験談を語る会、防災センター等における災害擬似体験、キャンプ等による避難生活体験、防災体験ツアー、防災マップづくり体験、非常食の調理体験、その他の教育啓発活動
    • ・ テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、広報誌、インターネット、携帯端末、コミュニティ放送、ポスター、屋外看板、懸垂幕等多様な手段の活用による広報活動
    • ・ パンフレット、リーフレット、災害の危険箇所や指定緊急避難場所・指定避難所等について明らかにした防災マップ等の配布
    • ・ 標語、図画等の募集
  • ④行事等の実施に当たっては、令和元年8月の前線に伴う大雨、令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風等による被害も踏まえ、災害への備えに関する次の事項について普及・啓発を行う。
    • ・ 様々な災害(地震・津波災害、風水害・土砂災害、高潮・高波・暴風災害、火山災害、雪害等)発生時における、様々な状況下(家屋内、高層ビル内、路上歩行時、自動車運転中、登山中等)においてとるべき行動(特に子供の指導にも留意すること)
    • ・ 警報・注意報、大雨・洪水警報の危険度分布等の情報、風水害(津波を除く)、土砂災害における5段階の警戒レベルを用いた避難情報等、南海トラフ地震に関連する情報等の発表時にとるべき行動の確認及び防災マップ等による指定緊急避難場所・指定避難所の位置や経路等の把握(特に子供の指導にも留意すること)
    • ・ 火山災害の発生に備え、登山者や火山周辺地域の施設管理者等が行うべき取組
    • ・ 家族内及び事業所内における安否確認の連絡方法の確認及び指定緊急避難場所等でとるべき行動(特に子供の指導にも留意すること)
    • ・ 非常用持出品(救急箱、懐中電灯、ラジオ、乾電池等)の準備
    • ・ 最低でも3日、出来れば一週間分程度の食料、飲料水等の備蓄
    • ・ ライフラインの途絶に備えた対応の確認(電気、ガス、上下水道、通信等)
    • ・ ペットの同行避難や指定避難所等での飼養等についての日頃からの準備
    • ・ 家具・家電製品等の固定による転倒防止対策や配置の見直し、収納物の落下に対する防止対策の重要性
    • ・ 建物の耐震診断及び補強の実施並びに耐震診断に対する地方公共団体等の助成制度、耐震化された公共建築物のリストの公表等公共建築物の耐震性に関する情報、被災建築物応急危険度判定活動等
    • ・ ブロック塀等建築物の既設の塀の安全点検
    • ・ 感震ブレーカー等の設置による出火の予防
    • ・ 地震保険加入の促進
    • ・ 緊急地震速報を広く一般の利用に供するため、緊急地震速報の特性と限界の周知、及び受信時に利用者がとるべき行動等(特に子供の指導にも留意すること)
    • ・ 自主防災組織や次の事業所等における防災のための施設、設備及び資機材の点検
    • - 危険物を有する石油コンビナート等の事業所
    • - 電気、ガス、上下水道、通信等のライフライン関係及び廃棄物処理関係事業所
    • - ターミナル駅、高層ビル、地下街、ホテル、百貨店、劇場、遊園地等不特定多数の者が出入りする施設や事業所
    • - 病院、社会福祉施設等の施設
    • ・ 自主防災活動の実施・参加及び消防団・水防団活動への参加・協力並びに地域住民と事業所従業員等と連携した防災訓練の実施
    • ・ 地区防災計画の作成及び地区防災計画に基づいた訓練等の実施
    • ・ 企業における、災害時に備えた中枢機能・情報システムのバックアップ、ライフライン系統の多重化、要員の確保等、事業継続計画(BCP)の策定及び事業継続マネジメント(BCM)の構築
    • ・ コンピュータ、情報通信ネットワークシステム等の保守点検及び機能停止に備えた代替手段の確認
    • ・ 初期消火、顧客の避難誘導、負傷者・要配慮者救助の心構えと準備

イ 行事等実施に当たっての留意事項

①地域における災害事例、防災体制、防災意識及び防災活動等の実情を踏まえ、かつ、東日本大震災を始めとする大規模地震・津波災害や近年の水害・土砂災害、火山災害、雪害等の経験と教訓を活かした効果的な行事等となるよう努めること。

②若年層や要配慮者を含めた幅広い層の住民の防災意識や災害時の行動力の向上に資するため、新技術や災害時にも活用可能な機材等の積極的な活用や体験性・ゲーム性を加味した種々の行事を組み合わせ、多くの住民が興味や関心をもって参加・体験でき、身近な防災活動に活かせることができるような実践的な内容となるよう努めること。

③防災に係る既存の各種訓練や運動等の関係行事と有機的関連を保持しつつ、相互の効率を上げるよう努めること。
その一環として、自衛隊、海上保安庁等国の機関と地方公共団体及びその他関係団体等との連携や情報連絡の緊密化等が、地域の実情に応じて更に円滑に行われるよう配慮すること。

④高齢者、障害者、乳幼児等の要配慮者に十分配慮し、地域において要配慮者を支援する体制が整備されるよう努めること。
また、社会福祉施設、医療施設等に対する的確な情報提供や地域と一体となった警戒避難体制の確立等への取組が更に推進されるよう努めること。

  • ⑤自主防災組織やボランティア、企業等民間の活動との連携をすすめること。
    • a 災害時における企業の果たす役割(顧客・従業員の安全、二次災害の防止、経済活動の維持、地域社会への貢献)の大きさに鑑み、各企業がその役割を十分に認識して更に防災活動を推進するよう、企業の防災意識の高揚等に努めるとともに、行事の実施に当たっては、積極的に企業の参加を得るようにすること。
    • b 被災者支援を担う様々なNPOやボランティア等、これらの団体の活動調整を行う中間支援組織と連携を図るようにすること。
    • c 一般の国民が、復旧・復興や災害予防等の幅広い局面において、NPOやボランティア活動に参加する際の情報提供等の環境整備を行うこと。

ウ その他の留意事項

①「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(平成25年8月内閣府防災担当)を参考に、避難支援等関係者への事前の避難行動要支援者名簿の提供、具体的な避難方法等を定めた個別計画の策定、当該名簿等を活用した防災訓練、避難支援等関係者及び高齢者、障害者等への研修の実施などにより、地域における要配慮者への支援体制を整備すること。

②消防団・水防団及び自主防災組織の充実強化を図るとともに、防災訓練や防災教育の実施に当たっては、自治体・警察・消防・消防団・水防団・自主防災組織・学校・企業等が連携し、地域一体となった防災体制を構築すること。

4.津波防災の日に関する取組

(1) 実施期間

「津波防災の日(11月5日)」の前後の期間(主として、10月24日(土)から11月8日(日)までの16日間)

(2) 実施事項等

 国、地方公共団体等は、津波及び津波による被害の特性、津波に備える必要性等に関する国民の理解と関心を深めることが特に重要である。

 「津波防災の日」の趣旨を踏まえ、津波に対する日頃からの「備え」と更なる防災意識の向上を図るため、国、地方公共団体等は、「津波防災の日」の周知や、その前後の期間における津波避難訓練等の行事の実施、津波避難計画の策定など津波防災に関連した取組の推進に努めることとする。

 また、取組の推進に当たっては、特に下記の事項に留意するものとする。

 なお、行事、活動等の実施に当たっては、3(2)に記述のとおり新型コロナウイルス感染症対策として適切な対応をお願いする。

  • ア 一般国民の防災意識の向上と実践的行動の定着を促すため、「津波防災の日(11月5日)」に関する広報等を積極的に行い、津波に関するイベントを開催すること。また、平成27年12月に国連総会において同日を「世界津波の日」と定められたことを受けて、平成29年3月に改正された「津波対策の推進に関する法律」を踏まえ、「津波防災の日」には、津波対策に関する国際協力の推進に資するよう配慮しつつ、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めること。
    (参考)内閣府、防災推進協議会及び防災推進国民会議の共催により、令和2年11月5日(木)に「地域で津波に備える(仮称)」をオンラインにて開催予定
  • イ 地震や津波に関連して発生する障害をシナリオとして組み込んだ実践的な津波避難訓練の実施や、過去の災害の脅威や体験談等を語り継ぐ機会を設ける等、主体的な避難行動をとる姿勢を醸成するための防災教育を推進すること。
  • ウ 主体的な避難行動の徹底が図られるよう、以下のことについてしっかりと住民に周知すること。
    • ①津波からの避難については、住民等一人ひとりの主体的な避難行動が基本となることに鑑み、強い揺れや弱くても長い揺れがあった場合には津波の発生を想起し、津波警報等の情報を待たずに自らでき得る限り迅速に高い場所(津波到達までに想定している避難場所までに間に合わないと判断した場合は、その場で一番高い場所)への避難を開始すること。
    • ②大津波警報等を見聞きしたら速やかに避難すること。
    • ③家族の安否確認のために津波の危険性がある地域へ戻ったり、その場にとどまったりすることを避けるため、家族の安否確認の方法や、津波から避難した際の集合場所等の避難ルールを各家庭であらかじめ決めておくこと。
    • ④地震発生後、避難の妨げになることなどを防ぐため、住宅の耐震化、家具の転倒防止対策、食器等の落下防止対策等をしておくこと。
    • ⑤地震発生後、速やかに安全な場所まで避難できるよう、安全な高台の避難場所やそこまでの避難経路をあらかじめ把握しておくこと。
    • ⑥ペットと迅速な同行避難をするための避難経路を把握しておくこと。
    • ⑦地震発生後速やかに避難を開始できるよう、食料や飲料水、貴重品、医薬品、ペット用品等に加え、避難所における新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、マスク、消毒液等を非常用持ち出し品としてあらかじめ準備しておくこと。
  • エ 避難対象地域の指定や指定緊急避難場所の確保、避難指示(緊急)、避難勧告、避難準備・高齢者等避難開始の発令基準、津波情報の収集・伝達などを定めた市町村全体の津波避難計画の策定を進めるとともに、住民や自主防災組織等の多様な主体が参画する地域ごとの津波避難計画を策定すること。また、津波避難訓練で明らかとなった課題等に応じた計画の見直しを行うこと。計画の策定に当たっては、徒歩避難の原則と自動車避難の限界、避難誘導・避難支援等に関するルールの取り決め、避難誘導や防災対応を行う消防職員、消防団員、水防団員、警察官、市町村職員などの安全確保に係る事項を盛り込むこと。

5.その他

(1)参加者の防災意識の向上等が一過性のものとならないよう、1月17日の「防災とボランティアの日」等の防災に関する記念日の普及・啓発を行う等、「防災週間」及び「津波防災の日」終了後においても防災意識が定着するような内容となるよう努めること。
その際、3(2)に記述のとおり新型コロナウイルス感染症対策として適切な対応をお願いする。

(2)行事等を実施するに当たっては、令和2年8月3日付け事務連絡「防災に関する行事等調べについて(依頼)」に基づき、報告されたい。


米、アフガン戦争終結 20年の軍事駐留に幕 混乱残し、退避打ち切り

2021年08月31日 10時18分29秒 | 社会・文化・政治・経済

8/31(火) 5:50配信

時事通信

30日、ビデオ回線を通じて記者会見する米中央軍のマッケンジー司令官(EPA時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は30日、声明を発表し、「20年に及んだアフガニスタンでの米軍駐留は終わった」と宣言した。

【写真特集】アフガニスタン 泥沼の戦場

 これにより、2001年以降続くアフガン戦争は終結した。イスラム主義組織タリバンの復権に伴う混乱により、各国政府による自国民やアフガン人協力者の退避支援は難航。それでもバイデン氏は期限通り退避作戦を打ち切り、自らの手で「米史上最長の戦争」に幕を引くことにこだわった。

 バイデン氏は「各軍トップと現地司令官が(テロの脅威から)兵士の命を守るため、全員一致で退避作戦の終了を進言した」と説明した。その上で、アフガン撤収に関し、米東部時間31日午後(日本時間1日午前)に国民向けに演説を行うと述べた。

 これに先立ち、中央軍のマッケンジー司令官は、駐アフガン米大使らを乗せた最後のC17輸送機が米東部時間30日午後3時半(同31日午前4時半)ごろ、カブール空港を離陸したと発表。「すべての兵士が退去した」として、「史上最大かつ最も困難な空輸作戦」(バイデン氏)の終了を表明した。

 また、空港に対するロケット弾攻撃やさらなるテロの脅威があったため、最後の12時間は在留米国人が空港にたどり着けなかったと指摘した。いまだ米国民100~200人がアフガンに残っているとみられ、「国外退避を希望するすべての人々を出国させられなかった」と述べた。 

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自宅療養20代男性死亡 医師 入院不要と診断

2021年08月30日 19時33分36秒 | 医科・歯科・介護

8/30(月) 19:18配信 FNNプライムオンライン

千葉県で新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中だった20代の男性が死亡したことがわかった。

この男性は、8月中旬に40度の発熱があり、16日に陽性が判明したが、医師から、軽症で入院の必要はないと診断を受けていたという。

2日後の18日に、別居中だった家族から「本人と連絡が取れない」と119番通報があり、救急隊が駆けつけたが、自宅で死亡が確認された。

千葉県で20代が新型コロナウイルスで亡くなったのは2例目。

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9・11から20年、泥沼化する対テロ戦争 見えぬ出口

2021年08月30日 19時23分32秒 | 社会・文化・政治・経済

ニューヨーク=中井大助 ワシントン=高野遼2021年8月20日 16時00分

2001年9月11日。4機の旅客機がハイジャックされ、米ニューヨークの高層ビルなどに突入した。前代未聞の同時多発テロ事件は世界に大きな衝撃を与え、米国は「対テロ戦争」へと突き進んだ。あれから20年。

今年8月、米軍の支援を受けてきたアフガニスタンで政権が崩壊し、反政府勢力タリバンが国家運営の主導権を奪回した。米同時多発テロは米国を、そして世界をどう変えたのか。(肩書は当時)

犯人らがいるコックピットを襲撃した乗客たち
 「9・11」は2001年9月11日、米国で起きた同時多発テロ事件を指す。国際テロ組織「アルカイダ」のメンバー19人が、4機の旅客機をハイジャックし、高層ビルに突入させるなどした前代未聞の事件は、世界に大きな衝撃を与えた。

 米同時多発テロではまず、ボストン発ロサンゼルス行きのアメリカン航空11便と、ユナイテッド航空175便が乗っ取られた。午前9時前後、両機はニューヨークの世界貿易センター(WTC)の北棟と南棟に突っ込んだ。金融機関が集中するマンハッタン南端に位置し、それぞれ110階建てだったWTC両棟は73年の完成時には世界で最も高い建物で、米国の経済的繁栄の象徴だった。

 両棟とも、約1時間後に崩落。ビルにいた人々に加え、飛行機の乗員乗客や救助にあたっていた消防士や警察官など、計2753人が亡くなった。

 ワシントン近郊のダレス空港からロサンゼルスへ向かっていたアメリカン航空77便も乗っ取られ、午前9時37分にバージニア州の国防総省ビルに突っ込んだ。この現場では計184人が死亡した。

 ニューヨーク近郊のニューアーク空港からサンフランシスコへ飛ぶ予定だったユナイテッド航空93便も午前9時30分ごろにハイジャックされた。しかし、携帯電話で地上と通信した乗客らは、他の飛行機がビルへの突撃に用いられたと知り、犯人らがいるコックピットを襲撃。同機は約30分後、ペンシルベニア州の畑に墜落し、乗員乗客が全員死亡したが、その他の被害は免れた。犯人たちは、ワシントンのホワイトハウスや連邦議会議事堂を標的にしていたとされる。(ニューヨーク=中井大助)

「想像力、政策、能力、マネジメントの失敗」
 予兆はいくつもあった。事件を受け、米政府が設けた独立調査委員会(9・11委員会)は04年7月の最終報告書で、アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者が米国の中東政策などに反発し、90年代から何度も攻撃を呼びかけていたと指摘。実際、アルカイダはアフリカで米国大使館を爆破したり、イエメンで米海軍のイージス艦に自爆攻撃したりしていた。

 米国内でもイスラム過激派によるテロ事件は起きていた。93年には同じWTCの地下駐車場に爆弾が仕掛けられ、6人が死亡。その後にはニューヨーク周辺のトンネルなどを爆破する計画も、警察の捜査によって摘発された。

 米国の情報機関も米同時多発テロの前からアルカイダのメンバーの動きを追い、01年8月にはブッシュ大統領に「ビンラディン、米本土への攻撃を決意」と報告していた。しかし、中央情報局(CIA)と連邦捜査局(FBI)の情報共有のまずさもあり、有効な手立てはとられなかった。9・11委員会の報告書はこう指摘する。「想像力、政策、能力、マネジメントの失敗だった」

 20年を経ても、解明されていない謎がある。特にビンラディン容疑者のほか、実行犯19人のうち15人がサウジアラビア出身だったことから、サウジ政府との関係は注目され続けている。

 米議会は02年、報告書でFBIなどからの情報とし、「実行犯の数人が米国で、サウジ政府と関連する可能性のある個人と連絡を取り、支援を受けていた」とし、引き続き捜査することを求めた。しかし、ブッシュ政権の意向でこの部分は非公開となり、16年にようやく機密解除された。

 米議会は16年、テロに関与した外国政府を相手に訴訟を起こすことを認める法律を成立させた。ニューヨークの連邦裁判所では遺族らによるサウジ政府相手の集団訴訟が続く。裁判官は20年、サウジ王室の関係者らの証人尋問を認めたが、まだ実現していない。(ニューヨーク=中井大助)

泥沼化した戦いの道、見えない出口
 「9・11」を機に、米国は対テロ戦争の幕を開けた。あれから20年、テロ根絶を目指した戦いは泥沼化の道を歩み、いまも出口を見つけるのに苦戦を強いられている。

 2001年10月7日。ブッシュ大統領がホワイトハウスで星条旗を背に宣言した。「テロ組織アルカイダの訓練基地と軍事政権タリバンに対し、攻撃を開始した」。自国を守るためには、先制攻撃も辞さない。テロとの全面戦争の始まりだった。

 戦いは拡大の一途をたどる。03年3月、ブッシュ政権はイラク戦争を開戦。フセイン政権が大量破壊兵器を持っているとし、放置すれば核や生物化学兵器がテロ集団の手に渡ってしまうことを理由に挙げた。

 イラクでは開戦から21日目にフセイン体制が崩壊。5月には戦闘終結を宣言した。だが、肝心の大量破壊兵器は見つからなかった。

 戦争が長期化するにつれ、米国内ではイラクからの撤退を求める声が高まるようになった。だが、軍事介入により中東での反米感情は高まり、いったん始めた対テロ戦争を終えるのは容易ではなかった。

 イラクでは手製爆弾などによる米軍への攻撃が続いた。撤退すれば、再びテロリストの温床になるとの恐れは拭えない――。イラク戦争の終結を宣言したのは、オバマ政権となった11年のことだった。

 それでも、イラクでの戦いは終わらない。次に過激派組織「イスラム国」(IS)が現れた。イラクで支配地域を広げるISに対し、オバマ政権は14年に空爆を再開。対テロ戦争の出口は遠のいた。

 アフガニスタンでの戦闘も泥沼化した。01年の攻撃開始後すぐに首都カブールは陥落した。だが拡大するイラク戦争の陰でタリバンが盛り返し、抵抗を続けていた。米軍撤退を目指しつつ、治安が安定しないジレンマに陥った。

 そんな中で17年に就任したのが「米国第一」を掲げるトランプ大統領だ。「何千億ドルも使い、戦うべき場所でない所で米軍は戦っている」。成果の出ない海外での対テロ戦争より国内課題を優先する考えを強調し、支持を集めた。

 実際、この20年で米国は対テロ戦争に多大なコストをかけてきた。米ブラウン大の研究チームによると、「9・11」後の戦争にかかった費用は20年度予算までに6・4兆ドル(約700兆円)。イラクとアフガニスタンを中心に、戦地で死亡した兵士は7千人近くに達した。

 今年1月に就任したバイデン大統領もこうしたコストを強調し、今後は対中国や新型コロナウイルス対策など新たな課題に向き合うべきだとの考えを示す。8月末にはアフガニスタンの米軍を完全撤退させ、年内にイラクでの戦闘任務も終えることを決めた。

 米軍撤退を尻目にアフガニスタンではタリバンが勢力を拡大。ガニ大統領は8月15日、首都カブールを包囲した反政府勢力タリバンへの抵抗を断念し、国外に脱出した。米同時多発テロを契機に始まった米軍の駐留が終了するのを前に、ガニ政権は崩壊した。アフガニスタンがイスラム過激派の温床になりかねないとの懸念が国際社会で強まっている。20年前に始まった「米史上最長の戦争」を本当に終えられるのか、先行きは見通せない。(ワシントン=高野遼)

 

 


岐路に立つ米国の民主主義 社会の矛盾に噴出した怒り

2021年08月30日 19時13分32秒 | 社会・文化・政治・経済

潮流・深層

古本陽荘・北米総局長

2020年6月6日

米中西部ミネソタ州で5月25日に起きた白人警察官による黒人男性の拘束死事件に対する抗議デモはあっという間に全米に広がった。

トランプ大統領は「法と秩序」の維持のため連邦軍の投入をちらつかせ、暴力的なデモや略奪の取り締まりを優先する姿勢を強調。

被害者の男性や黒人社会への共感は示さず、デモ参加者の怒りを増幅させた。一連の騒乱で露呈したのは、社会の多様な意見や要求を吸収することができなくなった米国の民主主義の制度疲労だ。

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『政治経済のトリレンマ』から見る世界政治


独立行政法人経済産業研究所 伊藤 宏之 客員研究員

変化する世界政治

今、多くの国々で政治的変革が起きている。 2017年に政権についた米国トランプ政権は、自国利益を最優先し、貿易相手国が同盟国であろうとなかろうとなりふり構わず関税増税をちらつかせながら、米国にとって有利な条件を交渉から引き出すというスタイルを貫いている。自国第一主義、反グローバリズムを大きく掲げることに対してなんのためらいも恥じらいもない。

自国第一主義は米国にとどまらず、EU離脱をとおして自国の主権回復を図る英国にも共通する。他の多くの国でも、政治的主張の左右を構わず自国第一主義を掲げるポピュリスト政権が生まれ、行き過ぎたグローバル化に歯止めをかけ、グローバル化によって失われたと主張する自国民の経済的利益を回復しようとしている。

貿易や金融市場の自由化によるグローバル化を「外のグローバル化」であるとすると、難民や移民の流入増加は「内のグローバル化」であり、それに対するバックラッシュ(反発)もヨーロッパ諸国や米国、南米などで起こっており、難民や移民による社会保障などのフリーライド(利益便乗)をとめ、自国民への利益分配を優先する政治的勢力に対する支持が上がってきている。

このような新しい政治的勢力の台頭は今までの世界政治の潮流とはかなり違ったものである。

例えば、ヨーロッパは、第二次世界大戦後、自国利益を多少犠牲にしても民主主義的なプロセスを保ちながら域内の政治、経済の統合を図ってきた。そんなヨーロッパにとって、自国民の利益優先や反グローバリズムの考えが台頭してきたことは、戦後のパラダイムの転換を意味しており、今まで築き上げてきたヨーロッパ統合が岐路に立たされている。

さらに、もともと比較的民主主義であった国においても、政権側と国民との間に軋轢が両者の対立を生み、政権側が非民主主義的、強権的な手段をもって国民を押さえつけようとする例も見られる。現在の香港や、ベネズエラ、そしてトルコなどがそれにあたる。
Rodrikの「政治経済のトリレンマ」

このような現在起こっている政治情勢の変化を「国家主権」、「民主主義」、「グローバリゼ-ション」の3つの観点から包括的に見ることができる。それが、Dani Rodrik(2000)の言う、「政治経済のトリレンマ」である。

「トリレンマ」と聞くと、国際経済に精通している人は「国際金融のトリレンマ」を思いつかれるかもしれない。

「国際金融のトリレンマ」とは、「為替の安定性」、「資本の自由な移動」、「金融政策の自立性」の3つの政策目標のうち、一度に2つは達成できるが、3つをすべて満たすことはできない、という理論で、Mundell(1960)やFleming(1961)に紹介され、それ以降、国際金融の中心的な理論となっている(図1-a)。

図1:『国際金融のトリレンマ』と『政治経済のトリレンマ』

Dani Rodrikはその理論を政治経済に当てはめ、「国家主権」、「民主主義」、「グローバリゼ-ション」の3つの政策目標・統治形態のうち、一度に2つは達成できるが、3つをすべて実現することはできない、とした。

例えば、ヨーロッパ連合(EU)加盟国は、それぞれ民主主義的な政体をもち、かつグローバル化されて国際経済や市場に対して開かれている。しかし、そのために加盟国は、自国の利益のみを追求し国家主権を(他の加盟国以上に)主張したりすることができない。つまり、加盟国はEUという『国際的連邦制』に属しているといえる(図1-bの三角形の右下の角)。

現在、EUからの離脱を進めている英国は、まさに自国の利益を追求するために国家主権を再獲得しようとしているのである。Rodrikの「政治経済のトリレンマ」によると、英国は自国の主権をより一層追及するには(つまり、図1-bの三角形の右下の角から「国家主権」の辺に向かうためには)、ある程度民主主義的な政策決定を制限するか、グローバル化した経済の開放度を下げるかをしなくてはならない。ジョンソン政権が厳格に民主主義のプロセスをとりながら行動していることを考えると、英国のEU離脱はグローバル化を犠牲にすることによってのみ実現されると言える。つまり、今後自国の利益追求をはかればはかるほど、国際市場へのアクセスを縮小しなくてはならないということになる。

自国の国家的主体性を保ちながら経済のグローバル化を図る国もある。そのような国は、自国のルールや基準を作る際に国際的なルールや基準に合わせようとし、必ずしも民主的なプロセスで政策決定をするとは限らない。つまり、そのような国は、自国民が民主的に決めた政策やルールよりは、多国的企業や国際機関が決めたルール、あるいは他国と行政機関(つまり、民主的に選ばれるわけではない官僚)が交わした条約や取り決めなどが国内基準を作るときのベースになる。この状態をトーマス・フリードマンは、“Golden Straitjacket(金の囚人服)”と名付けた(図1-bの三角形の頂点)。彼曰く、Golden Straitjacketとは「経済が強くなり、(民主)政治がなくなる」状態なのである。

このように国家主権が強く、グローバル化の利益を享受している国は、民主主義の感覚を強める、あるいはグローバル化の度合いを弱めることでGolden Straitjacketから解放される。

国益優先の政策を民主主義国家の下で選択することも可能である。しかしその場合は、グローバル化の利益を享受することはできない(図1-bの三角形の左下の角)。1944年から1971年まで続いたブレトン・ウッズ体制は、加盟国が国家間の資本移動に規制をかけることを許容し、現在よりも国際貿易も規模が限られていたので、政治経済トリレンマの観点からすると、民主主義と国益優先の政策組み合わせであるといえる。

このように、「国家主権」、「民主主義」、「グローバリゼ-ション」の3つの政策目標・統治形態のうち、一度に2つは達成できるが、3つをすべて満たすことはできない。
「政治経済のトリレンマ」の証明

しかし、それは本当にデータによって説明できるのであろうか?

Aizenman and Ito (2019)は、「国家主権」、「民主主義」、「グローバリゼ-ション」の3つを数値化し、1975-2016年、139カ国分作成した。そしてその数値の加重平均が定数になれば、その3つの数値は直線関数の関係にあるといえる、つまり、「国家主権」、「民主主義」、「グローバリゼ-ション』の3つの変数はトリレンマの関係にあると仮定し、それを計量数学的に証明できるか分析した。

回帰分析の結果、先進国では、民主主義の度合いがサンプル期間一貫して高く安定していることから、3つの変数のトリレンマではなく、グローバル化と国家主権のジレンマ、つまり二者一択の関係にあることがわかった。また発展途上国は、Rodrikが主張するように、トリレンマの状態にあることが分かった。

3つの変数を注意深く見てみると、全般的に、先進国では民主主義のレベルは安定して高留まりしているのに対し、国家主権の度合いが下降トレンドにあり、グローバル化の度合いが上昇基調にあることがわかった。発展途上国では、国家主権の度合いが低下しており、民主主義とグローバル化の度合いが上昇基調にあり、現在は3つすべての指数が中程度のレベルに集まっている状態にあるということもわかった。
3つの政策目標・統治形態が政治・経済に与えうる影響

では、これらの「国家主権」、「民主主義」、「グローバリゼ-ション」の3つの政策目標・統治形態は、実際の政治・経済にどういった影響を与えるのであろうか? 特に、これらが政治的安定性と経済・金融危機の発生確率を従属変数として回帰分析を行ってみた。

その結果、民主主義の度合いが高い先進国ほど政治的不安定を経験する傾向が強く、発展途上国は、民主主義の度合いが高いほど政治的に安定する傾向が強いことがわかった。また、先進国では、国家主権の度合いが低いほど政治的安定性が高く、発展途上国ではその逆が見られた。グローバル化に関しては、その度合いが高いほど、先進国・発展途上国ともに政治的安定性、経済的安定性が高いことがわかった。

現在、先進国では特に米国と英国が国家主権を主張しながら自国優先政策と反グローバル化を掲げていることを考えると、この回帰分析の結果が正しいとすれば、このような政策は、政治的不安定を高め経済的危機が起こる確率をあげると考えられる。また、発展途上国の間では、反民主主義的な政策または反グローバル化を主張する国があるとすれば、政治的にも経済的にも不安定性が増すと考えられる。

果たしてこのような結果が実際に起こるのであろうか? 2020年のうちにその答えが出るかもしれない。


新たなデルタ株を初確認 アルファ株の類似変異も 東京医科歯科大

2021年08月30日 19時03分35秒 | 医科・歯科・介護

8/30(月) 14:54配信

時事通信

東京医科歯科大学医学部付属病院=東京都文京区

 東京医科歯科大は30日、流行する新型コロナウイルスのデルタ株について、英国由来のアルファ株に類似した変異を持つ新たなタイプを国内で初めて確認したと発表した。

【図解】ワクチンを「接種しないつもり」と答えた人の割合(6月)

 世界では8例の報告があるが、感染力の強さなどは不明という。

 同大によると、新たなデルタ株は今月、同大付属病院の患者から検出された。デルタ株に特徴的な「L452R」変異に加え、アルファ株に特徴的な「N501Y」に類似した「N501S」変異があった。患者に海外渡航歴はなく、市中感染だったという。同大は、この変異は国内で起きた可能性が極めて高いとみている。 

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