阪神崖っ縁…最短30日にも自力V消滅 佐藤輝は野手最悪タイ53打席連続無安打 再び先発落ちの可能性も

2021年09月29日 06時08分39秒 | 野球

9/29(水) 5:30配信

スポニチアネックス

<神・広(19)> 7回1死、佐藤輝は三振に倒れる(撮影・平嶋 理子)                      

 ◇セ・リーグ 阪神0-2広島(2021年9月28日 甲子園)

 阪神は28日の広島戦で2安打しか打てず今季10度目の零敗を喫し、連勝は2で止まった。佐藤輝明内野手(22)は2回の先制機で見逃し三振に倒れるなど3打数無安打で53打席連続無安打となり、2リーグ制以降の野手ワースト記録に並んだ。敵地での巨人戦に2勝1分けと勝ち越し、戻って来た甲子園で勢いを持続できなかった。首位ヤクルトが勝ってゲーム差は1に広がり、30日にも自力優勝の可能性が消滅する正念場を迎えた。

 打倒巨人に燃え、敵地で際立った粘りを最後まで本拠で見せることはできなかった。前カードの巨人戦を2勝1分けと勝ち越し19日以来、9日ぶりに戻ってきた甲子園。首位奪回に向け、格下の広島相手にさらに勢いをつけるはずが、わずか2安打に封じられ今季10度目の零敗で取りこぼす始末。うち5度が甲子園で本拠成績も24勝24敗3分けと地の利を生かせず、矢野監督の言葉も沈んだ。

 「点を取らんとね。どうしようもない。内容自体がちょっと寂しい」

 相手先発の床田に、前回8月29日の対戦と全く同じ6回2安打無得点に封じられた。2回は四球と右前打で無死一、二塁の先制機を築いたが、サンズのライナー性の打球は左翼正面を突いた。佐藤輝は3球で見逃し三振に倒れ、梅野も空振り三振。逆に床田に勢いを与える結果となり、指揮官も思わず嘆いた。

 「そりゃ、そう(序盤に得点していれば展開も変わっていた)よ。(サンズの左飛も)アンラッキーではない。それが野球やん」

 0―2の6回には先頭の近本が左翼線二塁打。続く中野は一塁線に自らも生きようとするバントを敢行したが、結果的には犠打となった。マルテの四球で一、三塁も大山は投ゴロ、糸原も投直に終わって好機を逃すと、7回以降は相手救援陣に無安打に封じられた。

 復調への一本が待たれ、再昇格後、5試合連続で先発出場した佐藤輝は3打席無安打。甲子園では9日以来の登場だったが、5回先頭では一ゴロ、7回1死は空振り三振で53打席連続無安打となり、93年トーベ(オリックス)に並ぶ2リーグ制以降の両リーグ野手ワースト記録に並んだ。試合後、今後の起用を問われた矢野監督は「わからへん」とだけいい、再び先発落ちする可能性も出てきた。

 勝った首位ヤクルトとのゲーム差は1となり、条件次第であす30日にも自力優勝の可能性が消滅する。ただ、自力でまだまだ未来を変えられる。カギは12試合連続で1桁安打が続く打線。怪物ルーキーの一本が、きっかけになる可能性も、また十分にある。(山本 浩之)

 《セ最長 大石正彦の57打席まであと「4」》佐藤輝(神)は3打数無安打に終わり、8月22日の中日戦からの連続打席無安打を53打席に更新。2リーグ制以降の野手最長、93年トーベ(オ)に並んだ。投手の記録を含めても、セ・リーグ最長の55年大石正彦(大洋)57打席まで、あと4打席に迫っている。

 《ヤクルトに「18」点灯の可能性》阪神は30日にも自力優勝の可能性が消滅する。29日からの広島2連戦に2敗ならヤクルトがDeNAに2連勝か1勝1分け、阪神が1敗1分けならヤクルトが2連勝でヤクルトに優勝へのマジック18が初点灯する。阪神が10月1日以降の残り20試合に全勝しても勝率.625で、ヤクルトが阪神との直接対決5試合以外に全勝した時の勝率.630を超えられないため。

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塩野義、コロナ治療薬の最終治験開始

2021年09月28日 21時04分01秒 | 医科・歯科・介護

9/28(火) 20:01配信

時事通信
 塩野義製薬 <4507> は28日、開発中の新型コロナウイルス治療薬について、初期の臨床試験(治験)で安全性の問題が認められなかったとして、中間に当たる第2・最終の第3段階の治験を27日から国内で始めたと発表した。医療機関の入院患者のほか、宿泊療養者などを対象に実施する。 


同和地名、ネット差し止め命令 「プライバシー侵害」 東京地裁

2021年09月28日 21時04分01秒 | 事件・事故

毎日新聞 2021/9/27 21:06

判決後、「勝訴」などと書かれた紙を掲げる弁護士ら=東京都千代田区の東京地裁前で2021年9月27日午後2時48分、長谷川直亮撮影 拡大
判決後、「勝訴」などと書かれた紙を掲げる弁護士ら=東京都千代田区の東京地裁前で2021年9月27日午後2時48分、長谷川直亮撮影
 地区の地名リストをインターネットに掲載され、プライバシー権が侵害されたなどとして、解放同盟と地区出身者ら234人が川崎市の出版社「示現舎」側に地名リストの掲載差し止めなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、一部の掲載差し止めを命じた。成田晋司裁判長は「リストの公表により結婚や就職で差別を受ける恐れがある」と述べ、大半の原告のプライバシー侵害を認めた。同社代表には計約490万円の賠償を命じた。

 判決によると、同社は2016年2月、地名リストを掲載した書籍を出版すると告知。この頃、ウェブサイトで地名リストの他に、解放同盟の幹部らの名前や住所などのリストを公開した。東京法務局が同年3月に掲載をやめるよう求めたが、同社代表は地名リストを新たにネットに掲載し、幹部リストを約2週間削除しなかった。


 判決は「歴史的経緯に照らせば、住所や本籍が地区内にあることを知られれば、差別や中傷を受ける恐れがある」と指摘。地名リストが公表されると、地区出身者かどうかを調べることが容易になるとした。その上で「結婚や就職で差別を受け、事後に回復を図ることは不可能か著しく困難になる」とし、出版とネット掲載を禁じることが必要と判断した。被告側は「出版、掲載の差し止めは学問の自由の侵害」と主張したが、「公益を図る目的がない」などと退けた。

 賠償額は1人当たり4万4000~5500円とした。一方、住所や本籍が地区内にあることを公表している一部原告のプライバシー侵害は認めなかった。このため、ネットに掲載された41都府県の地名リストのうち、16県分は差し止めの対象外となった。原告側は控訴する方針。


 解放同盟は、訴訟とは別に出版やネット掲載の差し止めを求める仮処分を申し立て、裁判所が16年3~4月にいずれも認めたことから、同社側は既に対象の地名リストを削除している。同社の代表は判決後、動画配信サイトで「一部でも非公開とされるのは敗訴で、控訴する」と話した。【遠山和宏】

「煮え切らない」との声も

判決の内容を集まった関係者らに説明する弁護士(中央)=東京都千代田区の東京地裁前で2021年9月27日午後2時49分、長谷川直亮撮影 拡大
判決の内容を集まった関係者らに説明する弁護士(中央)=東京都千代田区の東京地裁前で2021年9月27日午後2時49分、長谷川直亮撮影
 地区の地名リストのインターネット掲載により「差別が助長される」と訴えてきた原告側は、大筋で勝訴とした東京地裁判決に一定の評価をした。ただ、掲載差し止めが一部で認められず、「煮え切らない」と複雑な表情も見せた。


 判決言い渡し後、弁護団は地裁前で「勝訴」と書かれた紙を掲げ、支援者ら約100人に判決内容を説明した。一部で掲載差し止めが認められていないことが伝えられると、「なんで」と不満の声が上がった。

 書籍の出版差し止めを巡る訴訟は判例により、プライバシー権や名誉権の侵害の有無が判断基準となる。原告には、自ら個人情報を明かして活動する解放同盟の幹部らもいた。プライバシー侵害が認められない懸念は当初からあり、原告側は「差別されない権利」という新たな考えを訴えに盛り込んだが、判決は「内容が不明確」と退けた。


 判決後に記者会見した弁護団の指宿昭一弁護士は「判決は地区に住所や本籍があることはプライバシー情報に当たると踏み込んだ」と評価した。一方、差し止め対象かどうかが県によって分かれたことに、河村健夫弁護士は「まか不思議な判決だ」と批判した。

 問題に詳しい福岡県立大の森山沾一(せんいち)名誉教授は「地名リストがネットで入手できれば、同和問題に関心が薄い若い世代にまで新たな差別意識が広がる可能性もある。差別されない権利が認められず不十分だ」と指摘した。【遠藤浩二、遠山和宏】

 

 

 


阪神 打線沈黙わずか2安打で今季10度目の零敗 虎党からはため息が漏れる

2021年09月28日 21時04分01秒 | 野球

9/28(火) 21:02配信

スポニチアネックス

<神・広(19)> 6回、好機も無得点に終わり塁上に残った大山(左)とマルテは悔しげな表情を見せる(撮影・大森 寛明)

 ◇セ・リーグ 阪神0-2広島(2021年9月28日 甲子園)

 阪神は攻撃陣が沈黙。わずか2安打で今季10度目の零敗となった。

 打線は0―0の2回に先頭の大山が四球。糸原が右前打を放ち、チャンスを拡大させたが、サンズ、佐藤輝、梅野と下位打線が倒れ、得点できなかった。0―2の6回も先頭の近本が左翼線二塁打。1死からマルテが四球を選び、一、三塁としたが、大山が投ゴロ。糸原も投直に打ち取られ、1点が遠い展開が続いた。

 一方の先発・秋山は0―0の4回1死から鈴木誠に中越えソロ本塁打を被弾し先制点を献上すると、6回も守備の乱れもあり、犠飛で1点を失った。7回2失点と先発の役目を果たしたが、報われなかった。

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阪神痛恨黒星 佐藤輝は野手最長53打席連続無安打の屈辱 首位ヤクルトと1差に

2021年09月28日 21時04分01秒 | 野球

9/28(火) 20:55配信

デイリースポーツ

7回、三振に倒れベンチに戻る佐藤輝(撮影・高部洋祐)

 「阪神0-2広島」(28日、甲子園球場)

 阪神は打線が沈黙し、広島に完封負けを喫した。痛恨の敗戦で、勝利した首位ヤクルトとのゲーム差は1と広がった。

【写真】矢野監督の前を佐藤輝が通過

 打線が床田を打ち崩せなかった。六回に1死一、三塁の好機を作りながら、大山が平凡な投ゴロ。糸原は力のない投直に倒れた。

 7番で出場した佐藤輝は3打数無安打2三振。ついに野手のワースト記録となる93年・トーベ(オリックス)の53打席連続無安打に並んだ。これで、28年ぶりにNPB野手ワースト記録に名を刻んでしまった。

 先発・秋山は7回6安打2失点。四回1死から鈴木誠に先制のソロを被弾。五回はマルテの悪送球も絡み、上本に犠飛を浴びた。

 今季の甲子園勝敗は51試合で24勝24敗3分けの五分に。過去5度の優勝は全て本拠地・甲子園では勝ち越している。

 一方で首位・ヤクルトはDeNAに快勝。ゲーム差が1に広がった。ヤクルトが29、30日のDeNA戦に連勝し、阪神が広島に連敗か1敗1分けだった場合、阪神の自力優勝の可能性が消滅。ヤクルトに優勝へのマジック「18」が点灯する。

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最終更新:

【ヤクルト】青木宣親が39歳8か月での球団最年長満塁弾 古田敦也氏の38歳5か月を更新

2021年09月28日 21時04分01秒 | 野球

9/28(火) 19:25配信

スポーツ報知

5回2死、青木宣親が6号満塁弾を放ち祝福される

◆JERAセ・リーグ ヤクルト―DeNA(28日・神宮)

 ヤクルトの青木宣親外野手が、6号満塁弾を放った。自身通算6本目で、39歳8か月での満塁弾は04年の古田敦也氏の38歳5か月を抜く球団最年長記録となった。

 「2番・左翼」で先発出場。両チーム無得点の5回2死満塁で、相手先発・東のカットボールを捉えて左翼席に運んだ。19日の広島戦(神宮)以来7試合ぶりの一発で先発の奥川を援護し、「奥川がこれだけ頑張って、チャンスも広げてくれてなんとしてでも援護したかった。最高の形になって良かったです」とコメントした。

報知新聞社

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ついに…阪神・佐藤輝 屈辱の記録に並ぶ 2リーグ制以降の野手では最長タイの53打席連続無安打

2021年09月28日 21時04分01秒 | 野球

9/28(火) 20:13配信

スポニチアネックス

<神・広(19)> 2回1死一、二塁、空振りして渋い表情の佐藤輝(撮影・大森 寛明)

 ◇セ・リーグ 阪神―広島(2021年9月28日 甲子園)

 阪神・佐藤輝明内野手(22)が、28日の広島戦で3打席無安打となり、93年にトーベ(オリックス)が記録した53打席連続無安打に並んだ。2リーグ制以降の野手では最長記録で、不名誉な記録についに並んでしまった。

【写真】7回1死、三振に倒れた佐藤輝とベンチの矢野監督

 この日は広島先発の床田に対して、2回の第1打席で見逃し三振、5回の第2打席では一ゴロに倒れていた。さらに7回の第3打席では、広島2番手の島内に対して空振り三振と、快音が聞かれなかった。

 佐藤輝は23日の中日戦で1軍復帰するも、以降12打数無安打。この試合前までに、1軍では8月22日の中日戦以来、50打席無安打でセ・リーグ野手記録を更新していた。

 不振脱出に向けて、この日は全体練習を前に早出特打を敢行してバットを振り込んでいた。

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創作 別れの予感

2021年09月28日 19時35分23秒 | 創作欄

坂田勉は、自宅の電話で「今日は、熱があるので休みます」と会社に伝えた。
電話に出たのは、経理の大畑峰子だった。
彼女は、「お熱ですか。お大事にしてください」と丁重だった。
その彼女が何故か経理のコンピュータ化に反対していたのだ。
同僚たちは、コンピュータを単なる電算機と理解していた。
ところが大畑は「経理の内容が分かってしまう」と同僚の河田菜緒に懸念する気持ちを伝えていた。
「経理内容が分かると困るの?」河田は不信を募らせる。
大畑は「まずいことを言ってしまった」と自身の迂闊さを省みる。

坂田はこの日、取引先へ行くことになっていたので、面談相手の人へも断りの電話をする。
電話に出た相手の武井市蔵は気心の知れた仲なので「坂田さん、何時もの二日酔いかな」と揶揄する。
「まあ、そんなところです」坂田は声を立て笑う。
「明日は、来られるでしょう。待ってますよ」と武井も朗らかに応対する。

受話器を置いた時に手帳から写真がこぼれ落ちたのだ。
「この人誰なの?」勉は手帳に挟んでいた和服姿の女の写真を妻に咎めらた。
気性が激しい妻は、その写真を拾うと「こんな写真持っているなんて、頭がどうかしている」と4つに切り裂き、夫の顔に叩きつける。
勉は弁解できず、すごすごと部屋を出る。

「生理が止まっているの」昨夜、片山美登利に告げられた。
「そんなはず、ないけどな」勉はとぼける。
「私、凄いこと、考えている」酔いにまかせて美登利は意味深な口ぶりだった。
「凄いこと?!」勉は美登利の想い詰めた険しい表情から目を背けた。


最終的には<視野狭窄>となる

2021年09月28日 14時03分17秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

危機の時代の今こそ、他者のために自分ができることに挑戦したいものだ。

自ら死を選ぶ人は、自我が弱い。
つまり、自己肯定感も低い。
感情や行動のバランスを図る能力やストレス耐性が低い。
最終的には、視野狭窄となる。

自ら熟考し、苦悩し、葛藤の末に<生の道>を開くことをしないで死を選ぶのだ。

生きるとは目標に向かって歩むこと―哲学者・オルテガ

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自我の弱さ、極論で支配 過激派、自爆テロリスト養成

2021年09月28日 13時28分48秒 | 社会・文化・政治・経済

毎日新聞 2021/9/27

インタビューに応じたハーレトさん。自爆を迫られながら、ぎりぎりのところで振り切ってISを脱出した=トルコ南部シャンルウルファで2015年
インタビューに応じたハーレトさん。自爆を迫られながら、ぎりぎりのところで振り切ってISを脱出した=トルコ南部シャンルウルファで2015年
 約20年に及んだアフガニスタン戦争は2001年9月11日の国際テロ組織「アルカイダ」による自爆テロで始まり、首都カブールで8月26日に起きた過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力による自爆テロで幕を閉じた。自爆テロは古典的な戦術と見られがちだが、専門家の間では「最強の人間兵器」とされる。そのメカニズムを検証する。【大治朋子】


自爆テロのメカニズムとは<暴力的過激主義を追う>
9/19(日) 15:53配信

毎日新聞

「テロ対策」とアフガニスタンの中央集権型「国づくり」を掲げて約20年を費やし撤退した米軍=アフガニスタン南東部パクティカ州で2009年6月、大治朋子撮影

 ◇「究極のスマート爆弾」

 約20年におよぶアフガニスタン戦争は2001年9月11日の国際テロ組織「アルカイダ」による自爆テロで始まり、首都カブールで先日起きた過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力による自爆テロで幕を閉じた。自爆テロは古典的な戦術に思われがちだが、テロリズム研究者の間では今も「最強の人間兵器」とされる。

 イスラエルのシンクタンク「国家安全保障研究所(INSS)」によると、世界で起きた自爆テロの総数は18年以降は減少傾向にあるが、それでも20年に17カ国で計127件発生し、その大半がアフガンを統治するイスラム主義組織タリバンやアルカイダ、ISやその支援勢力によるものだ。

 「自爆テロリストは究極のスマート(精密誘導)爆弾だ。カネがかからず容易だが成功率が高い」

 18年夏、テロリズムの研究で知られるブルース・ホフマン米ジョージタウン大学教授はイスラエルの大学院でテロのメカニズムについて講義し、そう強調した。

 自爆テロは人間がその五感を鋭敏に研ぎ澄まし、標的に気づかれないよう細心の注意を払って距離を縮め、直前のさまざまなハプニングにも臨機応変に対処しながらタイミングを見計らって遂行される。そんな人間の判断力や柔軟性には、最新鋭の人工知能(AI)搭載兵器もいまだ遠く及ばない。

 今回カブールで起きた自爆テロも、ISの広報機関によると実行犯はタリバンや米軍の警備をかいくぐり、米兵たちに「5メートル弱の距離」にまで近づき自爆したという。米国のシンクタンク「ランド研究所」によると、自爆テロはその他の手段を使ったテロ攻撃に比べ平均で4倍の死傷者を出す。

 テロ組織にしてみれば、まさに「最強の人間兵器」(ホフマン氏)なのだ。

 ◇自爆テロの歴史

 自爆テロは1980年代にレバノンの首都ベイルートで起きた事件に端を発するとされる。81年12月にイラク大使館、83年4月と10月には米仏両軍事施設などが標的にされ計360人以上が死亡した。

 いずれも後にイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ」(アラビア語で神の党)軍事部門最高幹部に就任するイマド・ムグニエ(08年に暗殺)らが指揮したとされる。後に「自爆テロの父」と呼ばれた人物だ。00年から05年にかけてのパレスチナによる第2次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)でも自爆テロが頻発した。

 だが自爆テロはイスラム教系の過激派に限られた戦術ではない。1980年から2005年にかけて世界各地で起きた自爆テロ315件(自爆テロ犯462人関与)を各種文献(アラビア語、ヘブライ語、ロシア語や英語)で分析したロバート・ペイプ米シカゴ大学教授の論文によると、マルクス主義系組織や世俗主義の組織も活用してきた。その大半は「占領者である外国部隊の追放」を動機に掲げており、まさに今回のカブール・テロと同じモチベーションだ。

 ちなみに自爆犯はレバノンやパレスチナ、イラクでは8割以上が男性で、特にパレスチナやイラクでは高校卒業以上の学歴、中産階級以上の家庭出身が目立つとされる。

 ◇「人間兵器」を発掘し製造する

 冷徹なテロ攻撃に、なぜ人は突き進んでしまうのか。

 2015年1月、ISが日本人男性2人を誘拐し殺害した事件に関し、私は当時ISが拠点を構えたシリアの隣国トルコに滞在しISの元戦闘員8人に個別に取材した。

 統計的な傾向が言える数ではもちろんないが、驚いたことにテロ組織が喧伝(けんでん)するような「イスラムVS西洋社会」のようなイデオロギー論を口にした青年は一人もいなかった。彼らが語った参加の動機は「ISが給料をくれると言った」「破壊された国を再建したかった」「武器をもらえたので家族を守ることができると考えた」など。狂信的なイスラム教徒かと思いきや、彼らの視線はもっと実践的で日常的で、言うなれば「就職」に近い感覚だった。

 もっとも、欧米諸国で生まれ育ったイスラム教徒の移民2世、3世がシリアに渡ってISに参加したケースなどでは、「イスラムVS西洋社会」といったイデオロギーや自己実現的な動機が目立つとの指摘もある。これについては別の機会に改めて書くとして、ともかくここでは、少なくとも紛争地においては「生きるため」に過激派組織に入る人々がいるという認識を共有しておきたい。

 組織はそんな青年らを取り込み、自爆テロをもいとわない「人間兵器」に仕立て上げるが、「生きるため」の就職的感覚で参加した者にとっては自爆へのハードルは高い。

 私がインタビューしたシリア人のハーレト(当時17歳)も迷い続けた一人だった。小柄できゃしゃ、長いまつ毛と黒い瞳が印象的な青年だった。インタビューは半日近くにおよんだが少しも集中力が落ちることはなく、記憶を淡々とたどり続けた。

 ハーレトは13年6月、当時シリア北部ラッカにあった自宅を訪ねてきたIS戦闘員と名乗る30代のチュニジア人の男に勧誘された。給料として月に数百ドル、戦闘に勝てば500ドル以上の一時金も出すという。農家を営む一家の月収は約250ドル(約3万円)。だが戦闘で廃業状態になっていた。それでも躊躇(ちゅうちょ)していると「これで家族を守れ」とカラシニコフ銃をくれた。

 男は何度も訪ねてきて、そのたびに「元気か?」「顔色がすぐれないね」と気遣う。ちょうど兄のように慕っていたいとこ(20)が紛争で亡くなったばかりで「信頼とか愛とか尊敬という言葉を使うところが好きになり」、IS入りを決意した。

 だがいったん組織に入ると、男は自爆テロを促すようになった。「天国に行けるぞ」「英雄になれる」と繰り返す。ISの過酷な「トレーニング」は連日のように続く。重い荷物を抱えて走らされたり、武器を清掃したり。それは自爆テロの事前練習だと後で気づいた。同時期に入った近所の友人は次々と姿を消し、自爆したと聞かされた。ハーレトは「疲労とプレッシャーで落ち着いて考える体力も気力もなくなった」と振り返った。

 ◇運命を分けるもの

 自爆テロへと突き進む人とそうはならない人。その違いを分けるものは何か。

 イスラエル・テルアビブ大学のアリエル・メラリ教授らはその違いに注目してある調査を実施した。イスラエルに服役中の自爆テロ犯(未遂)と、自爆テロを側方支援した組織のメンバー(通称・ハンドラー、ハーレトに自爆を迫った男のような人物)、そして自爆テロ以外のテロ活動に従事し拘留された者(対照群)という3者に心理学的なインタビューをして違いを検証した(10年発表)。

 それによると、自爆テロ犯は自我が弱く、自分の感情や行動のバランスを図る自己コントロール能力やストレス耐性などが対照群に比べて低かった。このため依存心が強く他者に影響されがちな傾向が見られた。一方、ハンドラーらは自我が対照群より強く自己コントロール能力やストレス耐性も高い傾向が目立った。

 ISは言葉巧みに影響力を行使するチュニジア人の男をハンドラーに使い、小柄で一見、支配されやすそうに見えるハーレトを自爆テロ候補者にと期待したのかもしれない。

 また、メラリ教授は別の論文で、81年から04年までに起きた自爆テロに関するデータを分析。組織が「人間兵器」を製造する過程には三つの段階があると指摘した。①教え込み(Indoctrination)②集団としての誓い(Group Commitment)③個人の誓い(Personal Commitment)――だ。

 ①は、新規参入者がすでに抱いている怒りや願望を組織の戦略に合う形に整理して再注入する段階。②では、そうした感情をグループで共有させ「誓い」にする。これが互いを引き寄せ、仲間意識を高め、同時に同調圧力にもなる。最終段階の③では、組織が自爆予定者の「遺言ビデオ」を撮影し、自爆後に公表することで新たな勧誘材料にする。

 これは特にイスラム系の過激派組織に目立つセレモニーで、自爆予定者の多くは動画の冒頭、銃を片手に「私は〇〇(名前)、生きる殉教者(living martyr)です」などと語る。この段階ではもう引き返すのは至難の業だ。カブール・テロの実行犯とされる青年も自爆ベストを身に着けてライフル銃を持ち、人さし指を立て(タウヒード=「神の唯一性」を意味する)た生前の写真が拡散されている。

 ◇自爆直前の「微笑」 

 話をハーレトに戻そう。彼は自爆を迫られ混乱していた時、たまたま母親と携帯電話で久しぶりに話した。自爆テロのことは何も言わなかったが母親は突然、すべてを察知したように「死んではダメ、ハーレト、逃げるのよ」と叫ぶように言ったという。彼は覚醒したように、命がけでISを脱出した。

 彼と自爆してしまった青年らの運命を分けたものがあるとすれば、それは何か。

 暴力的過激主義についての取材や研究を続けてきた私から見ると、それは最後まで迷い、悶絶(もんぜつ)しながらも自ら思考することを捨てなかったことのように思える。ハーレトは最後まで自分の頭で考え、思考のハンドルを誰かに明け渡すことはなかった。人はさまざまな苦難や不条理に遭遇すると被害者意識を強め、心に落ちるストーリーが欲しくなる。

 過激派組織はそんな人々に勧善懲悪の単純なストーリーを授け、その疲弊した思考をハイジャックする。もともと人間の脳は単純な善悪二元論に魅せられやすい傾向があるため次第に視野狭窄(きょうさく)となり、暴力的過激主義、つまり暴力で相手をねじ伏せればすべて解決するといった思考に陥りやすくなる。

 自爆犯は自爆する直前、周囲にほほ笑みかけるとされる。イスラエルなどさまざまな場所で被害者らがその「最期の笑み」を目撃している。テロ組織はそれを「歓喜の微笑」と呼び、「正義の聖戦士」となる殉教者だけが浮かべる最高の微笑だと誇らしげに言う。

 だがそれは自ら熟考し、悶絶し、さまざまな葛藤の末に進むべき道を自力で切り開く者の笑みとは違うはずだ。【大治朋子】

 

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イスラム過激派テロの潮流の変化と対応

板橋 功

jiia.

はじめに

最近、「アルカーイダ」という言葉がメディアに氾濫しているように感じる。9.11米中枢同時テロ事件以降は、その犯行組織の名称ゆえにこの言葉がメディアで氾濫するのも無理も無いことであるが、イラク戦争を契機にその傾向が一層顕著となっていることに、著者は違和感を感じてならない。
イラク国内や中東諸国等において武装攻撃事案やテロ事件が発生する度に、「アル
カーイダ」もしくは「アルカーイダと関連する」という言葉が、必須の引用名称となり、報道がなされているように感じるのは著者だけであろうか。

アルカーイダ及び関連するテロリスト・ネットワークによる主なテロ事件としては、2001
年9月11日の9.11事件をはじめ、1993年2月のニューヨーク世界貿易センター爆弾テロ事件、
1998年8月のケニア・タンザニアにおける米国大使館爆破事件、2000年10月のイエメン・アデン港における米国駆逐艦コール号の爆破事件等がある(資料1参照)。また、日本人や日本権益も例外ではなく、アルカーイダ及び関連するテロリスト・ネットワークによるテロ事件の被害を受け
ている。

資料1 アルカーイダ及び関連するテロリスト・ネットワークによる主なテロ事件

1992年 12月 イエメンのアデンにおける3件の爆破テロ事件
8
1993年 2月 ニューヨーク世界貿易センター爆弾テロ事件
1993年 10月 ソマリアでの米軍兵士殺害事件
1994年 12月 フィリピンを訪問中のローマ法王暗殺計画
1994年 12月 在フィリピン米国・イスラエル大使館爆破事件
1994年 12月 フィリピン航空機内爆弾テロ事件及び米国航空機同時爆破計画
1996年 6月 アル・コバール米軍施設(サウジアラビア)爆破事件
1998年 8月 ケニア・タンザニア米国大使館爆破事件
 (米国、アフガニスタン、スーダンをミサイル攻撃)
2000年 10月 米国駆逐艦コール号爆破事件(イエメン・アデン)
2001年 9月 9.11事件(ニューヨーク世界貿易センタービル、国防総省に対するテロ
攻撃)
2002年 4月 チュニジア・ジェルバ島シナゴーグ爆破事件
2002年 5月 パキスタン・カラチにおける海軍バス爆破事件
2002年 10月 イエメン沖仏タンカー爆破事件
2002年 10月 インドネシア・バリ島ディスコ爆破事件
2003年 5月 サウジアラビア・リヤド外国人居住区爆破事件
2003年 5月 モロッコ・カサブランカにおける自爆テロ事件
資料2 日本人・日本権益が被害にあったアルカーイダ及び関連するテロリスト・ネットワークに
よるテロ事件
1993年 2月 ニューヨーク世界貿易センタービル爆破事件
1994年 12月 フィリピン航空機内爆弾テロ事件及び米国航空機同時爆破計画
1995年 11月 在パキスタンエジプト大使館爆弾テロ事件(ジハード)
1997年 11月 ルクソール外国人観光客襲撃テロ事件(武装イスラム集団)
1998年 8月 在ケニア・タンザニア米国大使館爆破事件
1999年 8月 キルギスJICA専門家誘拐事件(ウズベキスタン・イスラム運動)
1999年 12月 インディアン航空機ハイジャック事件(ハラカト・ウル・ムジャヒディン)
2001年 9月 9.11事件(ニューヨーク世界貿易センタービル、国防総省に対するテロ
攻撃)
2002年 10月 インドネシア・バリ島ディスコ爆破事件
2003年 5月 サウジアラビア・リヤド外国人居住区爆破事件

2.アルカーイダの概要と現状
(1)アルカーイダ(Al-Qaida)の概要
アルカーイダは、UBLテロリスト・ネットワークの中核をなす組織であり、米国を主な標的としており、常に米国本土での攻撃、すなわち9.11事件に相当するテロ攻撃の機会を伺っているものと考えられる。
アルカーイダは、1980年代終わりに、アフガニスタンにおいてソビエト連邦に対して闘ったアラブ人を結集するために、オサマ・ビンラーディンによって創設され、アフガン抵抗運動のためにスンニ派イスラム教過激派に資金、メンバーの募集、輸送、訓練などの支援を行った。
現在の目標は、同盟するイスラム過激派グループと協力して「非イスラム的」と同組織がみなす政権を転覆させ、イスラム諸国、特にサウジアラビアから西洋人や非イスラム教徒を追放することを通じて世界中に汎イスラム主義のカリフ統治国(Caliphate)を樹立すること。
1998年2月「ユダヤ人と十字軍に対する聖戦のための世界イスラム戦線」の名で、あらゆる場所において米国国民(民間人・軍人を問わず)及び彼らの同盟者を殺害することが全イスラム教徒の義務であるとの声明を発表、2001年7月には、「エジプト・イスラミック・ジハード(ジハード)」と統合した。
世界中にセルを有しており、スンニ派過激派ネットワークとの連携によって勢力が強化されている。
2001年のアフガニスタン攻撃によりタリバン政権が崩壊するまではアフガニスタンを本拠としていたが、現在では東南アジア及び中東などの世界各地に小さなグループで散らばっており、米国の権益に対するテロ攻撃の機会を伺っているものと思われる。
1998年8月、ケニアのナイロビ及びタンザニアのダルエスサラームの米国大使館爆破テロ事件、2000年10月12日のイエメンのアデン港における米軍艦コール号のテロ事件、2001年9月11日の米国における同時多発テロ事件等、米国本土及び在外の米国権益をターゲットにしたテロ事件を起こしている。
また、2001年12月には、アルカーイダとの関係者と疑われるリチャード・リードがパリ発マイアミ行きの航空機内で靴爆弾を爆破させようとした。
さらに、1994年のマニラ訪問中のローマ法王暗殺計画、1995年のフィリピン訪問中のクリントン大統領暗殺計画、1995年の米国航空機同時爆破計画、1999年のロスアンゼルス国際空港爆破計画など、アルカーイダによる数々のテロ計画が明らかになっている。
(2)アルカーイダの現状米国を始めとした国際的なアルカーイダ封じ込め作戦により、アルカーイダ幹部の多数が死亡し、また逮捕され、UBLを始めその他の幹部の多くも逃亡生活を余儀なくされている状況から、
ルカーイダの中枢部隊そのものによる9.11規模のテロ敢行は困難な状況にあるものとの分析もあるが、常に米国本土への大規模テロ攻撃の機会を伺っているものと見られる。
一方、アフガニスタンでは、アルカーイダとタリバンの動きが活発化しており、アルカーイダメンバーが、パキスタンやイランへ浸透し両国で勢力を温存し、テロ攻撃の立案を継続しているとの見方があるなど警戒を要する兆候もある。
また、アルカーイダ・ネットワークは、聖戦を遂行しているイスラム過激派の前衛としてあり続けるために、イラク国内に新たな戦線を構築したとの情報もあり、昨年8月以降イラク国内で発生した一連の自動車爆弾を使用した大規模同時多発自爆テロは、アルカーイダのテロの形態と酷似していること等から、アルカーイダの浸透若しくは影響が強く窺える。
アルカーイダの組織は、アフガニスタンやパキスタン、チェチェンだけでなく中東及びその他の地域で、従前よりはるかに世界中に勢力を拡大していると見られる。
(3)現状の問題点
現状の問題点はUBLが、単にアルカーイダの指導者であるだけでなく、反米感情や反イスラエル感情を有するイスラム原理主義者、殊にこれらの中の若者の間で、精神的な父としての存在となりつつあることである。イラク戦争を契機に、世界のイスラム諸国の中での反米感情が急速に高まったのに伴い、UBL及びアルカーイダ幹部の声明等は、対米及びその同盟国並びに米国に協力する勢力に対するテロ行動のモチベーションを高めるものとなっている。
インターネットの普及は、テロリストの世界にも大きな変革をもたらしている。
UBL等のアルカーイダ幹部の声明が、リアルタイムで世界を駆け巡り、現実にネット上で「異教徒と戦うためにイラクに行こう」という呼びかけが行われている。
インターネットの普及やイスラム各国に所在するイスラム寄宿学校の存在は、イスラム過激派の主張及び勢力拡大の一つの有効な手段となっており、イスラム過激派勢力の裾野が広がりを見せている。
これらの現状は、テロリストの新世代のリクルートを容易なものにしており、これらイスラム過激派の影響を受けたテロ発生の可能
性が世界各地に拡散していると言える。3.アルカーイダに関連する各テロ組織について
(1)アデン・イスラム軍(Islamic Army of Aden:IAA)
この組織は、1998年にUBLに対する支持を表明し、イエメン政府の打倒とイエメンにおける米国等西側諸国の権益に対する攻撃を呼びかける声明を出した。メンバーの多くがアフガニスタン戦争から帰還した旧義勇兵やアフガニスタンの訓練キャンプでの訓練経験者であり、アルカーイダとも密接な関係を持つとされるテロ組織である。また、同組織はロンドンに在住し、過激な説法を行っていたイエメン系英国人アブ・ハムザ・アル・マリスとも密接な関係があるとされている。
なお、このような過激な説法が行われるモスクやイスラム系団体の事務所が、アフガニス
タンのテロリスト養成訓練キャンプ等に送りこむ若者のリクルート活動の場にとなっていたとみられる。
同組織の資産は2001年9月に米国の行政命令13224により凍結され、また国連安保理決議
1333に基づく制裁の対象に指定された。
同組織は、爆弾テロや誘拐等のテロ活動を行っており、1998年12月にはイエメン南部で英
国人及び米国人、オーストラリア人の旅行者16人を誘拐している。
1999年10月の同グループの指導者Zein al-Abidine al-Mihdar(別名Abu Hassan)の処刑以降、同組織と連携する個人が多く、これらの者がテロ活動を行ってきた。2000年10月に発生したサナアにおける英国大使館爆破テロ事件に関与したとして、同組織のメンバー1人と連携者3人が逮捕され有罪判決を受けている。
イエメン当局者は同組織の活動は消滅したとしているが、2002年に仲介者及びインターネットを通じて、同組織のものとされるいくつかの報道声明が出されている。
(2)神の使いと戦いのためのサラフィスト・グループ
(Salafist Group for Call and Combat:GSPC Salafist Group for Call and Combat:GSPC)
1998年9月に「武装イスラム集団(GIA)」の方針に不満を持つ分子により創設された組織であり、GIAより活発に活動している。首都アルジェの近郊及び東部のカビリア地方を主な活動拠点にしており、現在ではアルジェリア国内で最も活発にテロ活動を組織となっている。
主として、政府や軍、警察関係者や施設を攻撃対象としており、GIAとは対照的にアルジェリア国内における民間人の攻撃を避けるとの公約により、一般大衆の支持を得てきたが、時には民間人も殺害している。
海外における支援者は、欧州、アフリカ、中東全域などで活動しており、GIAの海外ネットワークをほとんど吸収したとされている。
これらのアルジェリア人在外居住者及び海外の同グループメンバーは、主として資金及びロジスティックス面で支援を行っている。
また、欧州におけるメンバーの一部は、「アルカーイダ」に共鳴する他の北アフリカの過激派との関係を維持しており、2002年には、アルジェリア国内で同組織のメンバーと接触していたイエメン人の「アルカーイダ」活動家を殺害したことをアルジェリア当局が公表している。さらにアルジェリア政府は、イランとスーダンが過去数年においてアルジェリアの過激派を支援していると非難している。

(3)ウズベキスタン・イスラム運動( (3)ウズベキスタン・イスラム運動(Islamic Movement of Uzbekistan:IMU Islamic Movement of Uzbekistan:IMU)
ウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領の世俗政権に反対し、ウズベキスタンのフェルガナ地方にイスラム国家を建設することを目的に、ウズベキスタン及び他の中央アジア諸国のイスラム過激派が連合した組織である。
主たる目標は、カリモフ政権を打倒してウズベキスタンにイスラム国家を樹立することであるが、同組織の政治的・イデオロギー的な指導者であるタヒール・ユルダシェフ(Tohir Yoldashev)は、活動の標的をイスラムの敵と同人がみなすすべての人々に拡
大した。
同組織のメンバーは南アジア、タジキスタン及びイランに散らばっており、アフガニスタン、イラン、キルギスタン、パキスタン、タジキスタン、ウズベキスタン等で活動を行っている。
1999年2月には、ウズベキスタンの首都タシケントで発生した5件の自動車爆弾事件に関与したとされ、また1999年及び2000年には相次いで外国人の誘拐事件を起こしている。
この誘拐事件の中には、1999年8月の日本人鉱山技師4人等を誘拐した事件も含まれている。
アルカーイダや旧タリバン政権と軍事的に密接な繋がりを持っていたが、9.11事件以降の米国等によるアフガニスタン攻撃により、アフガニスタンでタリバンとともに戦っていた多くのIMUのメンバーが拘束されたり、殺害され、また追い散らされたことから、崩壊に近い状況にあるとも言われている一方、依然として勢力が残存している可能性も指摘されている。
また、野戦司令官であったジュマ・ナマンガニ(Juma Namangani)は、2001年11月のアフガニスタン空爆により死亡したとされているが、指導者タヒール・ユルダシェフは逃走中である。
(4)アブ・サヤフ・グループ( (4)アブ・サヤフ・グループ(Abu Sayyaf Group:ASG Abu Sayyaf Group:ASG)
フィリピンからの分離独立を標榜するイスラムテロ組織であり、フィリピン南部で活動するテログループの中で最も暴力的である。
幹部やメンバーの中には、アフガニスタン戦争から帰還した旧義勇兵やアフガニスタンの訓練キャンプでの訓練経験者がおり、過激なイスラムの教えを受け、それを擁護している。
同組織は、1991年にイスラム原理主義を伝導するための運動組織「タブリーグ(伝導の
意)」の若者達を中心に、アブバカール・ジャンジャラニが創設したが、その創設段階からUBLが関わっていたとされる。
アブバカール・ジャンジャラニは、1998年12月にフィリピン警察との銃撃戦により死亡した。同組織をその後弟のカダフィ・ジャンジャラニが後継して以降は、身代金目的の誘拐を繰り返しており、政治性が薄れ、盗賊化しているとの指摘もある。
主としてバシラン州及び隣接するスールー諸島のスールー州、タウィタウィ州、サンボアンガ半島等で活動しており、身代金目的誘拐、爆弾テロ、暗殺、恐喝などを行っている。

2000年4月には、マレーシアのリゾート地で外国人観光客10人を含む21人を誘拐、さらに同年外国人ジャーナリスト数人、マレーシア人3人、米国人1人を誘拐した。また2001年5月27日には、フィリピンのパラワン諸島にあるリゾート観光地から米国人3人、フィリピン人17人を誘拐し、米国人1人を含む人質数人が殺害されている。
身代金及び恐喝により資金の大部分を自ら調達しており、また中東及び南アジアのイスラム過激派から支援を受けている可能性もある。
(5)モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front:MILF)
ミンダナオ島を中心にモロ族共和国建設を目指し、フィリピンからの分離独立を標榜するテロ組織で、1978年に「モロ民族解放戦線(MNLF)(同組織は1996年9月に政府との和平が成立)」から分派して設立された。同組織もフィリピン政府と和平交渉を断続的に行っているものの、未だ合意には至っていない。
公共機関に対する爆弾テロ、政府・軍・警察施設等への襲撃などのテロ活動を行っている。また、アルカーイダやジェマ・イスラミア(JI.下記参照)との関係が強いとされ、メンバーにはアフガニスタンのテロリスト訓練キャンプで訓練を受けたものがいる。また最近では、同組織とJIの協力・連携が強化されており、ミンダナオ島にJI訓練基地が設けられているとの指摘もある。
(6)ジェマ・イスラミア(Jemaah Islamiya:JI)
1990年代初頭に、アブドゥラ・スンカルがアフガニスタンでUBLと会談した後に設立したとされ、「アルカーイダ」との結びつきを持ち、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン南部及びタイ南部からなる理想的なイスラム国家の樹立を目的とした、南東アジア一帯で活動するテロリスト・ネットワークである。同組織も、アルカーイダと同様に、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン及びタイ南部にまたがってセル(細胞組織)を有し、国境を超えて活動するネットワーク型の組織である。
正確な数は現在不明であるが、シンガポール当局者はJIメンバーの総数を5,000人と推計している。
少なくとも100人のメンバーがアフガニスタンのアルカーイダ訓練基地で訓練を受けたと
されており、実際にテロ作戦を志向するメンバーは数百人いると言われている。
2002年10月12日のバリ島爆弾テロ事件、2003年8月5日のジャカルタ・マリオットホテル爆破事件は、同組織による犯行とされる。

(7)その他
上記のテロ組織以外にも、エジプトのジハード(Al-Jihard)、パキスタンを本拠とするハラカト・ウル・ムジャヒディン(Harakat ul-Mujahidin:HUM)、イラク北部で活動するアンサル・アル・イスラム(Ansar-al-Islam:AI)等、アルカーイダと関連する多数のテロ組織が世界各地で活動を行っている。
4.フセイン体制崩壊による国際テロ情勢の潮流の変化
(1)イスラム社会に無力感と閉塞感の普遍
イラク戦争における米・英連合軍の圧倒的な軍事的勝利及びその後のフセイン元大統領の無様な拘束シーンは、アラブ・イスラム世界に対し、最早正規軍による戦闘では米英軍に勝利することはできないという現実を思い知らせる結果となった。
一方で勝ち馬に乗るか若しくは静観せざるを得ないイスラム諸国の為政者側の現実と市民感覚の間に乖離現象が生じ、イスラム社会に無力感と閉塞感が広がる結果となった。
これらのフラストレーションは、嫌米感情の高まりとなって現れ、反米テロを助長する土壌として影響を与えているものと見られる。
(2)イスラム諸国における原理主義・過激派勢力の台頭化
世界的な経済格差による貧富の差の拡大とともに、世界的な貧困層の増大が深刻な社会問
題となっているが、これら貧困層の拡大は、イスラム圏内においてイスラム原理主義勢力拡大の一つの土壌となっている。
加えて今回のイラク戦争の結末は、イスラム社会に大きな衝撃を与えるとともに、米国の一国支配への強い警戒感を引き出す結果となった。
イラク情勢は、イスラム原理主義及び過激派勢力を強く刺激し、反米・イスラエル行動を過激化させるとともに、米・イスラエルのみならず両国に協力的である国家・体制・勢力に対してもテロの矛先が拡大する結果となっている。
トルコやパキスタンを始めとしたイスラム世俗主義国家はもとより、サウジ、イラン等
の原理主義国家にあっても、イスラム過激派によるテロが頻発するなど、体制側はこのような動向が、各国の内政上の混乱を招くおそれがあるとして強い警戒感を有している。
(3)ジハード「聖戦」・自爆テロを助長する勢力の拡大
今回の米国等によるイラク攻撃を、イスラム世界への侵略と捉えるイスラム勢力にあっては、従来型の正規軍の戦いでは最早勝利し得ないとの覚知から、テロ行為をジハード「聖戦」という大義名分の下に位置付けて、直接行動に走る若者等の増加傾向が見られる。特に最近のテロ情勢の特徴として、自爆テロの増加が挙げられるが、イラク国内だけでも昨年5月以降1月末現在までに、22件発生している。その殆どが自動車爆弾を使用したアルカーイダ型の自爆テロである。
しかし、犯行形態がアルカーイダの手口に似ているからといって、直ちにアルカーイダ
が関与していると決め付けるのは早計であろう。自爆攻撃は、アラビア語では、通常「殉教作戦」と呼ばれている。
このほか、今回のイラク戦争で1万人を越えると言われるイラク人死亡者の遺族は、米・英両国に対し強い怨恨を有しており、憎悪と絶望の膨張が、イスラム過激派の信仰とイスラムの地への侵略に対する「聖戦」というレトリックと相乗し、自爆テロを助長する土壌が形成されている。
テロ対策側にとっては、最も対処が困難なテロ形態となっており、自爆テロを防ぐためには粘り
強い情報活動を積み重ねない限り困難との見方が大方の見解である。
(4)UBL等アルカーイダ幹部によるテロの慫慂
イラク戦の経緯は、UBLの従来からの主張を一面で裏付ける結果となり、反米感情の高まりと相乗してアルカーイダ・ネットワークのみならず世界のイスラム過激派、殊に不公平や抑圧と闘うには暴力しかないと感じる若者層にシンパシーを与え、対米テロにインセンティブを与えているものと見られる。
昨年のリヤド事件では、15人の犯人が自爆したが、その中の1人は19歳であっ
た。
イラク戦争から米国に対抗するには、テロしかないという考え方がアラブ社会の中で広がっており、実行できるのはUBLとその仲間だけであるとの求心力が働いているように見受けられる。
(5)テロの無差別化
アルカーイダ中枢の弱体化は、9.11テロ事件のような高度な組織的テロの敢行を難しくしているものと思われ、その攻撃態様がリヤド事件やカサブランカ事件に見られるように、攻撃が容易で且つ政治的インパクトの強いソフト・ターゲットに対する無差別テロを敢行する傾向が見られる。
5.今後のテロ情勢を左右する要因
(1)国家支援テロに対する歯止め効果~シリア・イラン・北朝鮮に対する牽制
今回の米国主導の同盟国軍が、圧倒的な軍事力によりイラクに屈辱的な敗北を与えたことは、イラクと同様にテロ支援国家として指定されているシリア、イラン、北朝鮮、リビア等に対し、強烈なシグナルを送りつけたことになり、これらの国の支援を背景とした国家支援テロ(スポンサーテロ)が、敢行しにくい状況が醸成された牽制効果は大きかったと見られ、リビアの豹変振りはまさにその典型と言えるものである。

(2)テロ対策に関する国際協力
アルカーイダ・ネットワークに対する国際的な包囲網形成及び検挙攻勢による幹部の拘束などにより、アルカーイダの主体的テロ攻撃敢行能力は低下したと見られる。また、アルカーイダ・ネットワークを始めとしたテロ組織に対する資金源凍結対策も進められており、2003年の米国務省の年次報告によれば、2002年のテロ発生件数は、199件と2001年の355件から大幅に減少した。
しかし、民間の統計資料によれば大規模テロ(死者10人以上)は、2002年に21件であったのが、2003年には59件と2倍以上に増加し、特にイラクにおける大規模戦闘終了後の5月以降、2003年末までに47件が発生するなど、イラク戦争を契機に大規模テロが急増し、テロの脅威が世界に拡散するといった皮肉な結果となっている。
(3)テロ組織の聖域の減少と拡散 (3)テロ組織の聖域の減少と拡散
アフガン地域でのアルカーイダ・タリバン勢力に対する集中的掃討作戦により、これら勢力が自由に行動できる聖域が大幅に減少している。
従来、テロ組織にトレーニングキャンプ等を提供してきたとされてきたイエメンやスーダン、リビア等も米国の圧力により、テロ対策に協力を示して
おり、テロ組織にとっての聖域が減少する結果となっている。
一方、米国のアフガニスタン作戦でアルカーイダの本拠地を壊滅させることはできたが、その結果、新たな危険が世界各地に拡散した側面も見られる。

 


史上最年少で「三冠」、藤井聡太の飛躍の理由と「四冠」への期待

2021年09月28日 12時54分02秒 | 社会・文化・政治・経済

9/27(月) 12:01配信

JBpress

2021年9月13日、史上最年少での3冠を達成し、「三冠」と自筆した色紙を掲げる藤井聡太 写真=毎日新聞社/アフロ

 文=田丸昇

 棋士の田丸昇九段が天才・藤井聡太の実力を棋士の目線で分析するシリーズ。先日の叡王戦で豊島将之叡王を破り、史上最年少で「三冠」を獲得した藤井が驚異的な強さの理由と、「四冠」となる竜王戦への展望を2回にわたって紹介します。

■ 羽生善治の記録を28年ぶりに更新

 9月13日に藤井聡太二冠(19=棋聖・王位)は、豊島将之叡王(31=竜王と合わせて二冠)に挑戦した叡王戦5番勝負第5局で勝ち、豊島を3勝2敗で破って叡王のタイトルを初めて獲得した。

 その結果、藤井はタイトル「三冠」を19歳1ヵ月の「最年少記録」で取得した。

 羽生善治九段(50)は1993年1月6日、三冠(棋王・王座・竜王)を22歳3ヵ月の同記録で取得した。藤井は、それを28年ぶりに3年以上も大幅更新した。

 藤井が三冠を取得した翌日、大半の新聞がその快挙を一面などで詳しく報じた。テレビ各局の情報番組は藤井特集を組んだ。そうした報道は以前にもあったが、今回は「最年少記録」と「三冠」に焦点を当てた。

■ 三冠を取得した棋士は10人しかいない

 通常は大学1年生か社会人1年目である19歳の年齢で、藤井が将棋界でトップに迫るような大活躍をしているのは、やはりすごいことである。今年の年収は1億円に達するだろう。

 プロ野球の世界で、打者が本塁打・打点・打率の3部門で1位になると、「三冠王」として特別に表彰される。日本では過去に、野村克也、王貞治、落合博満、ランディ・バースなど、7選手しか達成していない。

 将棋界の「三冠」は、それとは意味が異なる。

 竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖の8タイトル戦のうち、3つのタイトルを獲得することである。

 過去には計10人の棋士が三冠を取得した。年代順に列記する。

 1957年に升田幸三実力制第四代名人(故人)、1959年に大山康晴十五世名人(故人)、1972年に中原誠十六世名人(74)、1984年に米長邦雄永世棋聖(故人)、1988年に谷川浩司九段(59)、1993年に羽生九段、2004年に森内俊之九段(50)、2013年に渡辺明名人(37)、2019年に豊島竜王、2021年に藤井三冠。

 1950年代の頃は、タイトルは名人・王将・九段だけで、升田と大山の三冠は「全冠制覇」でもあった。その後、タイトルは五冠~七冠と増えていった。1996年には羽生が前人未到の「七冠制覇」を達成した。

■ 藤井が注文したお菓子は完売

 2017年に八冠目のタイトル戦になった叡王戦は、IT関連企業の「ドワンゴ」が前期まで主催していた。今期からは、主に洋菓子を製造販売している食品メーカーの「不二家」に引き継がれた。

 将棋の対局では、棋士がエネルギー補給のために、チョコレートなどのお菓子を口に入れることはよくある。不二家は、「お菓子で棋士を応援したい」との観点から、プロ棋戦の主催を決めたという。

 藤井は叡王戦第5局で、柴犬の顔を絵柄にしたカップケーキ「コロコロしばちゃん」を、おやつに注文した。それがSNSで話題になると、不二家の販売店に多くの客が来て完売したという。

 ちなみに、明治時代後期に横浜で小さな洋菓子店を開いた不二家の創業者は、偶然にも藤井と同姓の藤井林右衛門だった。

■ 10月から始まる竜王戦でまた豊島竜王と対戦

 メディアが藤井の三冠を大きく取り上げた背景には、タイトル数をさらに増やしていくことへの期待があった。

 藤井三冠は、10月から始まる竜王戦7番勝負の挑戦者にすでに決まっていて、豊島竜王とまた対戦する。

 藤井は今年6月まで、公式戦の対局で豊島に1勝7敗と大きく負け越していた。豊島は「天敵」のような存在だった。その後、藤井は豊島の挑戦を受けた王位戦7番勝負で4勝1敗と下し、豊島に挑戦した叡王戦で3勝2敗で破った。

 両者の対戦成績は、現時点で藤井の8勝9敗だが、7月以降は7勝2敗と勝ち越している。藤井がこの勢いを駆って竜王戦でも豊島を破り、年内に「四冠」を取得する可能性は大いにあると思う。

■ 藤井の驚異的な飛躍の理由

 藤井は今年1月に高校を自主退学した。その後、対局以外の日は、自宅で将棋中心の規則正しい生活を送っている。

 AI(人工知能)を搭載した将棋ソフトを用いて研究していて、さらに「ディープラーニング(深層学習)」系の高性能のソフトも導入した。課題という序盤の精度を高めている。

 藤井の驚異的な飛躍は、「将棋中心の生活」と「高性能の将棋ソフト」が要因になっているようだ。

 そんな藤井は最近のあるインタビューで、「苦手なものがある」と語った。

 高校時代と違って運動不足になりがちなので、自宅の近くを散歩してみたら、同じコースを歩いて同じ景色を見るのが退屈で、「三日坊主」になったという。

 藤井は「下調べが必要です」と笑いながら語ったが、別にハイキングに行くわけでもない。たぶん散歩の先々で「藤井さん、がんばって」と声をかけられ、のんびりできなかったからだろう。

田丸 昇

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最終更新:
JBpress

藤井3冠“怪物”糸谷八段に快勝、最年少挑戦権&年度内5冠へ「上を目指す戦いできれば」

2021年09月28日 12時43分35秒 | 社会・文化・政治・経済

9/28(火) 5:30配信

スポニチアネックス

<第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦>糸谷八段(左)とともに対局を振り返りながら、感想戦を行う藤井3冠(撮影・平嶋 理子)

 将棋の第71期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは27日、大阪市の関西将棋会館で藤井聡太3冠(19=王位、叡王、棋聖)が糸谷哲郎八段(32)を82手で破り、2年ぶりの白星発進を決めた。すでに挑戦を決めた来月開幕の竜王戦に続き、年明け開幕の7番勝負で年度内最大5冠を目指す戦い。3期連続の参戦で本命視される今期こそ、豊島将之竜王(31)が持つ20歳8カ月の王将戦最年少挑戦記録の更新を狙う。

【写真】<勝者この一手>70手目△3七馬

 2年ぶりに白星発進を決めた19歳は穏やかな笑みを浮かべた。「いいスタートが切れた。今期は上を目指す戦いにできれば」と初挑戦への意欲を語った。渡辺明王将(37=名人、棋王)と並ぶ、最多タイトルホルダーの自覚は十分だ。

 糸谷の攻めを、未然に読み切っていたかのような先受けでしのいでいく。王頭を補強する42手目△6三銀、背後からの飛車打ちに備えた64手目△6二銀。

 「こちらの王が薄い。なるべく寄りづらい形を保てればと思った」。対して、攻めを継続するために駒損を受け入れるしかなくなった糸谷を「こちらが手を作れるかどうかの将棋。攻めが細くなってしまった」と嘆かせた。

 「怪物」の異名がある糸谷を退けて白星発進。リーグ初参戦の第69期は三浦弘行九段(47)との初戦を白星で飾り、タイトル初挑戦へ肉薄する4勝2敗で終えた。昨年の第70期は開幕3連敗が響いた。3連勝で盛り返したが同じ3勝3敗で順位1位の広瀬章人八段(34)がリーグ残留し、同成績で3位の藤井は陥落と順位差に泣いた。

 中学生デビューから快進撃を続ける藤井が知った、最大の挫折。1年前からの成長が時間管理だろう。「早見え早指し」の決断力で知られる糸谷が昼食休憩前に1時間6分の大長考。残り時間を上回った状態で、藤井が得意の終盤戦へ突入した。

 王将戦史における最年少挑戦を目指す戦い。豊島が挑戦した11年の第60期、当時の20歳8カ月が第71期を迎えた王将戦の最年少挑戦記録。年明け早々に開幕する7番勝負で今期、藤井が挑戦権をつかめば19歳5カ月で記録更新する。

 デビュー以来収集する最年少記録のコレクションに貴重なワンピースを加える戦いが始まった。

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藤井聡太三冠が糸谷哲郎八段に勝利で王将リーグ白星発進! 2度の銀打ちの補強で猛攻しのいで鋭く反撃を決める

2021年09月28日 12時18分08秒 | 社会・文化・政治・経済

9/28(火) 12:11配信

マイナビニュース

受けに回った後、鋭く反撃して快勝

強すぎる内容で糸谷八段を破った藤井三冠(提供:日本将棋連盟)

第71期ALSOK杯王将戦(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)の挑戦者決定リーグ、▲糸谷哲郎八段-△藤井聡太三冠戦が9月27日に関西将棋会館で行われました。結果は82手で藤井三冠の勝利。3期目の王将リーグで白星発進を決めました。

【図表】第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ表

3期連続で王将リーグに挑む藤井三冠。第69期では勝てばタイトル初挑戦となる最終局で、広瀬章人八段に敗れ、挑戦ならず。第70期は開幕から羽生善治九段、豊島将之竜王、永瀬拓矢王座に相次いで敗れて3連敗。その後3連勝で星を五分に戻したものの、順位の差でリーグ陥落となってしまいました。

それでも藤井三冠は、今期二次予選で石田直裕五段、稲葉陽八段に勝利して、再びリーグ入りを果たしました。そして迎えたリーグ初戦、対戦相手は糸谷八段です。

リーグ戦のため先後はあらかじめ決まっており、糸谷八段が先手番。戦型は両者得意の角換わりになりました。

早繰り銀を繰り出していく糸谷八段に対し、藤井三冠は腰掛け銀で対抗します。糸谷八段は1時間を超える長考の末、5五の地点で銀をぶつけて銀交換を迫る積極策。藤井三冠も強く銀を取りました。

相手に銀を持たれると、藤井陣には飛車金取りに銀を打たれる隙が生じます。その隙をどう解消するのかと思われた局面で、藤井三冠はなんと桂を跳ねて攻め合いに打って出ました。

当然、糸谷八段は銀を打って金を入手。藤井玉の周りには金銀が1枚もいない状態になってしまいました。しかし、これでも大丈夫というのが藤井三冠の卓越した大局観でした。

まず、玉の頭に銀を打ち、ヘルメットを被るのが銀を使った補強の第1弾。これで5筋からの攻めに備えています。

それでもなお、5筋に飛車を配置し、糸谷八段は一転突破を目指します。そして角と銀の協力で、藤井三冠の飛車を入手。丸裸の藤井玉は、相手に飛車を持たれてはひとたまりもなさそうに見えます。

ところがここで、今度は玉の下に銀を打って補強したのが絶妙な一手。これで不思議と藤井玉に先手から迫っていく手が難しいのです。見かけの危なさに惑わされない、藤井三冠の正確な読みと形勢判断が光ります。

糸谷八段は藤井陣一段目に飛車を打ち下ろしますが、次に厳しい狙いがあるわけではありません。ここまでは受けの手が目立っていた藤井三冠ですが、ここで一気にギアチェンジをします。

香で桂を入手したあと、その桂を飛車取りに打ち、飛車が逃げたところで、馬を切ったのが決め手でした。馬で手に入れた桂を王手で打ち、その桂の利きを足掛かりにして金を打って飛車を入手。これで糸谷玉に詰めろがかかりました。

一方の藤井玉には詰みはありません。受けても一手一手と判断した糸谷八段は、ここで投了を告げました。

相手の攻めを剣先ギリギリのところでしのぎ、相手の攻めが止まったら紫電一閃の反撃で斬る。まるで剣の達人のような内容での藤井三冠の勝利でした。

この勝利で藤井三冠は王将リーグ白星スタート。叡王戦、竜王戦に続いてのタイトル挑戦へ向けて好発進です。リーグ2戦目は10月4日に行われる広瀬八段戦です。

一方敗れた糸谷八段の次戦は9月30日の豊島竜王戦。もし連敗を喫してしまうと、挑戦権争いから脱落するのみならず、残留も危うくなってしまいます。

浅井広希(将棋情報局)

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激化する両リーグの新人王争い。記録で見ると有利なのは?…過去には意外な大差も【プロ野球記録ノート】

2021年09月28日 12時05分46秒 | 野球

9/28(火) 11:02配信

週刊ベースボールONLINE
セは佐藤輝の失速で混戦模様

当初は阪神・佐藤輝がセの新人王争いで抜け出していたが……

 各チームともに残り30試合を切り、ペナントレースも大詰めを迎えている。優勝の行方もまだ見えない状況ではあるが、新人王争いも混沌としている(記録はすべて9月27日現在)。

【選手データ】佐藤輝明 プロフィール・通算成績・試合速報

 セ・リーグは前半戦大活躍し話題を独占した阪神の佐藤輝明。後半戦スタートとなった8月13日の広島戦(京セラドーム)で3安打、17日のDeNA戦(東京ドーム)では2ホーマーを放ち、新人王レースでもこのまま独走と思われたが、21日の中日戦(バンテリンドーム)でヒットを放ってからまったく打てなくなった。9月中旬には初の二軍落ちを経験。

23日には復帰したが、26日の巨人戦(東京ドーム)ではセ・リーグの野手としてはワーストとなる50打席連続ノーヒットを記録。これまでの記録は1959年の中日・吉沢岳男と2016年の同じく中日の荒木雅博の47打席。日本記録は1993年のオリックス・トーベの53打席。ルーキーの最多三振に続き、ワーストでも記録を作り、話題作りには欠かせないルーキーではあるが……。


20本塁打にもあと1本と迫っているDeNA・牧

 打者で佐藤輝を追っているのはDeNAのルーキー・牧秀悟。開幕戦からスタメンで起用されると、レギュラーに定着。6月6日のロッテ戦(横浜)では2ケタの10号を放った。通常だったらかなり話題になるのだが、佐藤輝の陰に隠れた存在になってしまった。そんな牧が一躍脚光を浴びたのが8月25日の阪神戦(京セラドーム)。ルーキーとしては史上初のサイクル安打を達成(史上70人目、75度目)したのだ。9月には4本塁打を放ち20号に王手をかけている。両者の成績は以下のとおり。

     試合 打率 本 点 盗
 佐藤輝  109 .246 23 60  5
  牧   115 .286 19 62  1

 成績だけを比較すれば、どちらに転ぶか分からない。

 投手でも有力な選手がいる。ルーキーながら東京オリンピックで2勝3セーブを挙げ金メダルに大きく貢献した広島の栗林良吏だ。栗林は開幕から22試合連続無失点のルーキー新記録を樹立し、リーグ2位の26セーブをマーク。防御率0.43は5セーブ以上挙げている投手の中ではダントツだ。また現在盗塁トップの阪神の中野拓夢も規定打席には到達しており、可能性がある選手だ。

 

 

 

 


変異株出現の抑制に「ワクチン接種を」 米CDC所長

2021年09月28日 11時47分48秒 | 医科・歯科・介護

9/27(月) 16:31配信

CNN.co.jp

アイダホ州の病院の集中治療室で新型コロナ患者に対応する医療従事者=8月31日

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は26日、新型コロナウイルスワクチンの接種率が十分な水準になれば、ワクチン接種を繰り返さざるを得なくなるような変異株の出現の抑制につながる可能性があると述べた。

CDCと米食品医薬品局(FDA)は先ごろ、一部の米国人に対してブースター(追加)接種を認めた。

ワレンスキー所長によれば、今回の追加接種の承認は人々がワクチンを接種し続けなくてはならないということを必ずしも意味しないという。

ワレンスキー所長は「われわれの現在の目標は新型コロナウイルスの先を行くことだ」と指摘。国内外で感染が減少すれば、将来さらに追加接種を必要とするような変異株が増えることはなくなるだろうし、それを期待していると述べた。

アイダホ州では多くの人々が新型コロナウイルスによって死亡しており、一部の葬儀場では遺体を置く場所が少なくなりつつある。

同州エイダ郡の検視官を務めるドッティ・オーエンズ氏は「休みなしで働いている。疲れ切っている。いら立っている」と述べた。葬儀場や病院がひっ迫しつつあるという。

アイダホ州で起きていることは悲劇だが、驚くことではないのかもしれない。

アイダホは全米でも最もワクチン接種率が低い州のひとつで、CDCによれば、25日時点でワクチン接種を完了した住民の割合は41.3%となっている。

アイダホよりもワクチン接種率が低いのは、ウェストバージニア(同40.3%)とワイオミング(41%)の2州だけとなっている。

CNNの最近の分析によれば、新型コロナウイルスのワクチン接種率が最も低い10州は、接種率が最も高い10州と比較して、新型コロナウイルスによる平均死亡率が4倍超となっている。

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