ペシャワール会(Peshawar-kai)は、パキスタンでの医療活動に取り組んでいた医師の中村哲を支援するために1983年に結成された非政府組織。
現在はパキスタン北西辺境州および国境を接するアフガニスタン北東部で活動している。
中村は当初、主にハンセン病の治療に取り組んでいたが、2000年の大干ばつ時の赤痢患者急増をきっかけに、清潔な飲料水の確保にも取り組むようになった。
また、自給自足が可能な農村の回復を目指し、農業事業にも取り組んでいる。
2001年の米軍によるアフガニスタン空爆の際には「アフガンいのちの基金」を設立、アフガニスタン国内避難民への緊急食糧配給を実施した。
日本の人々から募金が寄せられ、2002年2月までに15万人の難民に配給を行った。
後にこの基金をもとにした総合的農村復興事業「緑の大地計画」が実施されることとなった。
活動 : 医療事業、水源確保事業、農業計画から成る「緑の大地計画」
構成 : 約300名の現地職員、約12,000人のペシャワール会会員が支えている。
アフガニスタンからの大量の難民の発生の大きな原因は旱魃でもあり、ユニセフによると、アフガニスタンの子どもの6人に1人の幼児が5歳以下で死亡し、その多くが慢性的な下痢が原因で命を落としている。これは、水源が確保できないため、上下水共用の不衛生な水を飲料利用していることにある。(2004年10月)
ペシャワール会ではアフガニスタン北西辺境州の飲料水および農業用水の問題を改善するために、地元に伝わる昔ながらの工法を用いた井戸の設置やカナート(カレーズ)の復旧工事を進めている。また、2003年3月には灌漑用水確保15ヵ年計画として、全長27kmの大規模な用水路建設を開始した。2007年3月15日に第一期13kmが完成した。
農業支援
アフガニスタンにおける安定した生活基盤の回復を実現するため活動を行っている。
インフラ整備
紛争地帯の人々を井戸掘りなどのインフラ整備で雇用することによって、彼らが軍閥に職を求めることを予防している。