レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

Special Tours ホウェールウォッチング

2015-07-12 05:00:00 | 日記
先週は水曜日、木曜日と連日ホウェールウォッチングに行ってきました。以前、子供達が小さかった頃に連れていった以来のことで、十六、七年ぶりになります。

「またか」と言われそうですが、今回もまた赤十字のオープンハウスの野外版で、庇護申請中の難民の人たちと共に行くホエールウォッチングです。

ホウェールウォッチング屋さんというか、そういう業者の人は昔から一定数あるのですが、その中のひとつSpecial Toursという会社が難民の人を無料で招待してくれることになったのです。

実はその会社のマネージャーが(腕にはでかい刺青でバイクを乗り回すタフガイのおっさんですが)赤十字のボランティアもしていて、難民の青年の支援家族をしています。その関係で私とも以前からの知り合いだったのですが、毎日所在なく日々を過ごしている難民の人が多い、ということを聞いて今回のありがたい招待となったようです。

いつものオープンハウスの担当の赤十字のスタッフが夏休み中なので、私が代行で準備。難民の人に尋ねて見ると、やはり物珍しいのかホウェールウォッチングは人気があり参加希望者が多いようです。

そこでグループをふたつに分け、二回ツアーに出ることにしました。水曜日はアルバニア語とロシア語を話す人がメインで参加者十五人。木曜日はアラビア語、ペルシャ語、英語の人たちで三十人。これに赤十字のボラが四五人付き添いです。もちろんチャーターではなく、一般のツーリストの人たちに混ざっての参加。

午後五時出航。この会社は三種類のボートを使っていますが、私たちが乗ったのはAndreaという一番大きなボートで、二百人を収容できるそうです。建物でいえば二階建てで、屋上が展望デッキになります。ドリンクやグッズ販売のキオスクもついているし、また清潔なトイレも六ヶ所にあり快適な船です。

さらに下のキャビン後方にはずらりと暖かいジャンプスーツがつる下がっており、寒かったり雨天時には無料で使用できます。私も使いましたが、これはいいサービスですね。着るものの心配が不必要になります。




ロウアーデッキ 黄色と黒の暖かいジャンプスーツは備え付け


水曜日はすこし曇りでしたがとても穏やかな日で、海にも大きな波がありません。しかめ面(それが普通の顔なのですが)のスラブ系のおっさんたちがワクワクして船から身を乗り出して沖合を見つめている光景は、多少笑えるものがありました。

パンフレットによると、アイスランド近海には二十三種のクジラがいるのだそうですが、一般的なのはその中の十一種とのこと。皆大型種で、その中で一番小さいのがHrefnaフレプナというクジラ。これは普通にはミンククジラと呼ばれているやつです。

このフレプナが一番普通に見られるクジラで、同時に食卓にも乗るものです。スーパーに行けばステーキ用のパックになっています。ちなみにフレプナは、ごく普通に女性の名前です。Hrefnaさんは周囲に大勢います。

出航して三十分ほどすると、クジラが日常的に回遊している、いわゆる「ミーティングスポット」に入ります。ここまでくると船は速度を落とし、ガイドさんは一段高い見張り用の席に立ちます。キオスク担当の女の子も船尾に立って後方を見張ります。結構大型のボートなので、ガイドさんとの連絡はウォーキーを使います。

ガイドさんはマイクロフォンのヘッドセットを付けていて、アナウンスは船内全体に届きます。出航時からいろいろ説明をしてくれるのですが、一番の役目はクジラを見つけてどこにいるか船客に知らせることです。(それからクジラがいなかった時にお客さんを慰めること)。

ここでは周囲三百六十度を指すのに、時計の読み方を使います。船首が向いている方向が十二時、船尾が六時。左手は九時で、右手が三時です。クジラがいると「十時の方向、六十メートル先、ミンククジラ! 東の方向へ」のように指示を出してくれるのです。最後の東とか西とかは、船上では私にはほとんど見当もつきませんでしたが。

水曜日はかなりのあたり日で、クジラは何回も出てきましたし、イルカはさらにその三倍くらいたくさん泳いでいました。もっともレイキャビク近界ではクジラが息継ぎに上がってくるのを見れるか、多少ラッキーならジャンプするのを見ることができる程度が普通です。

北部のHusavikフーサビークのホウェールウォッチングだと、クジラがわざわざ寄ってきて、なんというか猫がじゃれてひっくり返るようなことをしてくれるそうです。クジラはバカではないので「この船は危なくない」とわかっているのだそうです。

前にも書いたことがありますが、レイキャビクでは捕鯨とホウェールウォッチングが同じ地域でなされています。ですから、こちらのクジラたちはフーサビークの連中のように安心できないのでしょう。

捕鯨とホウェールウォッチングについてはこちらも




沖合からボルガネス方面を覗む


さて、水曜日はかなり高得点のツアーでしたが、翌日木曜日は空振りでした。クジラたちはいっこうに姿を見せず、昨日はあんなにいたイルカたちさえどこかへ行ってしまっていました。

おまけに風が強く波が高くなって船が相当揺れることがありました。というわけであまり船旅の経験のない中近東などからの人たち、七八人は船酔い。あちこちで死んでいました。

面白かったのはイラン人で親しくしている青年が「トシキ、実は海の上に来るの、生まれて初めてなんだ」雪を初めて見た、という人とは以前に会ったことがありますが、海の上に来るのは初めて、と聞くのはそれが私には初めてのことでした。(^-^;

波止場に帰還すると、それでもみんな嬉しそう。クルージングを楽しんで嬉しい人もあれば、生きて帰ってこれたのが嬉しい人もあったことでしょう。中にはこれが最初で最後のホウェールウォッチング、という人もいるはず。

私自身は楽しみましたよ。そんなにクジラに関心はないし、波揺れも平気。売店担当の、明らかにアイスランド人ではない女の子が相当かわいい子であるのに水曜日に気がついていたので、クジラよりむしろそちらを眺めることに専念していました。(*^^*)

さて、今回はこのようにSpecial Tours の宣伝のような内容になってしまいましたが、書いたことにウソはありません。皆さんの中でアイスランドでのホウェールウォッチングを考えている方がありましたら、私はこの Special Tours を選ばれますようお勧めいたします。

Special Tours の詳細はこちら



応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is

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