今回は、日本の由緒ある文化、アイスランドの豊かな自然というかなりゴージャズなふたつの世界を、なんと私のプライベートライフに関わるトピックで結んでしまうという、かなり出すぎたお話しになります。
ですがそのきっかけは、何ということもないもので、娘が先日「家紋の上り藤の花は、ルピナだって知ってた?」とメッセージを送ってきたことなのです。実は全然知りませんでした。そして弱冠複雑な気分になりました。順を追ってお話ししてみたいと思います。
娘が「家紋」といっているのは私の家、藤間家の家紋のことです。娘は先の晩冬から初夏にかけて日本へ行っていたのですが、その際に法事とかにも出席して「藤間家の家紋は上り藤」と学んできたようです。
日本では「家紋」というのは普段はそんなにお目にかかる機会はないと思います。「この紋どころが目に入らぬか!?」はお馴染みでしょうが、自分の家の家紋など、それこそ墓石にお線香をあげる時くらいしか目にはしないものではないでしょうか? 私の娘は日本大好きで、いろいろ吸収している最中なので関心があったようです。
日本の家紋に相当するものとして、ヨーロッパには「紋章」(Coat of arms)というものがあるそうです。基本的には騎士の「盾」に紋を入れたものに、いろいろなアクセサリーをくっつけていってデザインされたもののようです。
同じ地域(領土)にふたつ同じ紋章があってはいけないそうで、紋章を持つ個人を特定するためにそう決まっていたそうです。ただ同じ紋章が代々受け継がれたりして、結局「家系」の紋章化したとのこと。
王侯から始まり、上級貴族に広まり、最後には普通の市民にも普及したようですが、やはり上流階級の皆様でないと日常的にはお目見えしないものという感じがしますね。
で、大陸の「貴族」的な意味での上流階級が存在しないアイスランドでは(成金、という意味での上流さんはいます、ここにも)、なんとか家の「紋章」というものを見ることはありません。調べたわけではないので断言はしませんが、少なくとも私は見たことがないと思います。
紋章とよく似たものにエンブレムがありますが、これは国章と言えるものだそうで、アイスランドにも国のエンブレムはあります。お土産屋さんで売っているグラスなどによく使われているやつです。
「下り(さがり)藤」の家紋
-Myndin er ur Freesozai.jp-
さて日本に戻って「家紋」ですが、苗字に「藤」の字がつく家の家紋は「藤の丸」のように「藤の花」にちなむものがメジャーだそうです。代表的なのはあの藤原家の家紋だそうな。
藤は皆さんご承知のように、公園の日よけ用のテラスなどから垂れ下がった紫色(あるいはフジ色)の小さな花が集まった房を持つ植物です。豆科というのはちょっと意外な感じがしますが、大きな豆も成るようで。
この藤は繁殖力が強く、「子孫繁栄」とかの願をかける意味からしても家紋にはもってこいなのでしょうね。で、家紋のデザインは、実際の藤の花を摸して、上から下へ花が向いている「下り藤」が多数派です、というかオリジナルです。
これとは逆に、藤の花が下から上へ向かっている家紋があります。これが「上り藤」で我が家の家紋がこれです。
斎藤さん、とか佐藤さんのように苗字の後半に「藤」があるお宅はだいたい「下り藤」なのではないかと推測します。私は藤間ですので、逆に「上り藤」の家紋に属する訳です。
なぜ「上り藤」が生まれたかというと -これはWikiからの受け売りですが- 「本家」「分家」の区別をつける必要性があったこと、または、「下へ向かう」デザインは縁起が良くないということで無理やり下から上へ持って行った、とかが「上り藤」誕生の由縁のようです。
もし、この理由が本当に「上り藤」の家紋誕生の由縁であるとすると、それは行政的?あるいは縁起的発想の故であり、自然界に存在する花の模写ではないことになります。つまり、上り藤の花は、自然界に存在する実際の花から取られたものではなく、単に「下り藤」のデザインを頭の中でひっくり返したもの、ということになります。
なぜこんなことをクドクドこだわるかというと、自然界の中に実際に下から上へ伸びて咲く「藤」の花にそっくりの花があるからです。日本ではルピナスと呼ばれます。色は何種もあるようですが、「フジ色」のものありまったくの公園の日よけテラスから垂れている藤の花の逆バージョンに見えます。そして実際にこれが「昇り藤」と呼ばれることもあるのです。
まさしく藤の花の逆ヴァージョン ルピナス
-Myndin er ur Icelandicreview.com-
ルピナスと藤の花、他人の空似ではなく、植物体系的にも近い親戚関係にあるようですが、それ以上は完全に私の守備範囲外になります。
そしてこのルピナス。これがあるのです、アイスランドにも。あるなんてものじゃない、満ち満ちているのです。満ち過ぎているのです。そしてここから日本の家紋「上り藤」とアイスランドの大自然が宿命的に結び付けられて行ってしまうのです。
というところでお時間となりました。続きはまた来週です。悪しからず。(^-^;
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
ですがそのきっかけは、何ということもないもので、娘が先日「家紋の上り藤の花は、ルピナだって知ってた?」とメッセージを送ってきたことなのです。実は全然知りませんでした。そして弱冠複雑な気分になりました。順を追ってお話ししてみたいと思います。
娘が「家紋」といっているのは私の家、藤間家の家紋のことです。娘は先の晩冬から初夏にかけて日本へ行っていたのですが、その際に法事とかにも出席して「藤間家の家紋は上り藤」と学んできたようです。
日本では「家紋」というのは普段はそんなにお目にかかる機会はないと思います。「この紋どころが目に入らぬか!?」はお馴染みでしょうが、自分の家の家紋など、それこそ墓石にお線香をあげる時くらいしか目にはしないものではないでしょうか? 私の娘は日本大好きで、いろいろ吸収している最中なので関心があったようです。
日本の家紋に相当するものとして、ヨーロッパには「紋章」(Coat of arms)というものがあるそうです。基本的には騎士の「盾」に紋を入れたものに、いろいろなアクセサリーをくっつけていってデザインされたもののようです。
同じ地域(領土)にふたつ同じ紋章があってはいけないそうで、紋章を持つ個人を特定するためにそう決まっていたそうです。ただ同じ紋章が代々受け継がれたりして、結局「家系」の紋章化したとのこと。
王侯から始まり、上級貴族に広まり、最後には普通の市民にも普及したようですが、やはり上流階級の皆様でないと日常的にはお目見えしないものという感じがしますね。
で、大陸の「貴族」的な意味での上流階級が存在しないアイスランドでは(成金、という意味での上流さんはいます、ここにも)、なんとか家の「紋章」というものを見ることはありません。調べたわけではないので断言はしませんが、少なくとも私は見たことがないと思います。
紋章とよく似たものにエンブレムがありますが、これは国章と言えるものだそうで、アイスランドにも国のエンブレムはあります。お土産屋さんで売っているグラスなどによく使われているやつです。
「下り(さがり)藤」の家紋
-Myndin er ur Freesozai.jp-
さて日本に戻って「家紋」ですが、苗字に「藤」の字がつく家の家紋は「藤の丸」のように「藤の花」にちなむものがメジャーだそうです。代表的なのはあの藤原家の家紋だそうな。
藤は皆さんご承知のように、公園の日よけ用のテラスなどから垂れ下がった紫色(あるいはフジ色)の小さな花が集まった房を持つ植物です。豆科というのはちょっと意外な感じがしますが、大きな豆も成るようで。
この藤は繁殖力が強く、「子孫繁栄」とかの願をかける意味からしても家紋にはもってこいなのでしょうね。で、家紋のデザインは、実際の藤の花を摸して、上から下へ花が向いている「下り藤」が多数派です、というかオリジナルです。
これとは逆に、藤の花が下から上へ向かっている家紋があります。これが「上り藤」で我が家の家紋がこれです。
斎藤さん、とか佐藤さんのように苗字の後半に「藤」があるお宅はだいたい「下り藤」なのではないかと推測します。私は藤間ですので、逆に「上り藤」の家紋に属する訳です。
なぜ「上り藤」が生まれたかというと -これはWikiからの受け売りですが- 「本家」「分家」の区別をつける必要性があったこと、または、「下へ向かう」デザインは縁起が良くないということで無理やり下から上へ持って行った、とかが「上り藤」誕生の由縁のようです。
もし、この理由が本当に「上り藤」の家紋誕生の由縁であるとすると、それは行政的?あるいは縁起的発想の故であり、自然界に存在する花の模写ではないことになります。つまり、上り藤の花は、自然界に存在する実際の花から取られたものではなく、単に「下り藤」のデザインを頭の中でひっくり返したもの、ということになります。
なぜこんなことをクドクドこだわるかというと、自然界の中に実際に下から上へ伸びて咲く「藤」の花にそっくりの花があるからです。日本ではルピナスと呼ばれます。色は何種もあるようですが、「フジ色」のものありまったくの公園の日よけテラスから垂れている藤の花の逆バージョンに見えます。そして実際にこれが「昇り藤」と呼ばれることもあるのです。
まさしく藤の花の逆ヴァージョン ルピナス
-Myndin er ur Icelandicreview.com-
ルピナスと藤の花、他人の空似ではなく、植物体系的にも近い親戚関係にあるようですが、それ以上は完全に私の守備範囲外になります。
そしてこのルピナス。これがあるのです、アイスランドにも。あるなんてものじゃない、満ち満ちているのです。満ち過ぎているのです。そしてここから日本の家紋「上り藤」とアイスランドの大自然が宿命的に結び付けられて行ってしまうのです。
というところでお時間となりました。続きはまた来週です。悪しからず。(^-^;
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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