十月中旬を迎えていますが、レイキャビクでは平均十度くらいだった気温が、六度程度になる日が三日おきくらいに出てくるようになりました。木の葉の色もすっかり赤黄色系になりましたし「秋」ですね。
それでもまだ、私はシャツは半袖のものを着用していますし、冬には至っていません。そういえば、去年もたしか暖かい十月だったような気がします。地球温暖化の影響なのでしょうか?以前は十月は結構厳しい月で、いきなりドカ雪が来たり、気温零度以下の日が続いたりしたものなのですが。
そういえば、今ちょうどハルパ(ダウンタウンにあるコンサート兼会議用施設)で、地球温暖化問題を、特に北極圏プラスアルファに焦点を当てて考える大きな国際会議をやっています。行きませんけど。
私はそのようなグローバルな人間ではなく、自分とその界隈の有り様に引きずられている輩(やから)です。そういう輩の過ぎた夏から続く苦労話しを少々。
この六月に、ここ十五年くらいで初めてホームドクターのところへ行きました。特に病気ではなく「私が着任してから、一度も会っていないから、一度来なさい」とドクターから召喚されたのです。
血液検査等の一応の検診を受け、すべて問題ない健康体だったのですが、唯一「血圧がちょっと高い」とのこと。上が140、下が95くらいだったので、確かに少し高かったのです。
若い方など、血圧のことなど考えたこともない方も多いでしょうが、上が140、下が90を超えると「高血圧第一群」に入ってしまいます。深刻な域ではありませんが。
夏 高気圧と高血圧
で、この日を境にして食生活が変わりました。塩分を控えるようになったわけです。高血圧対策のいの一番に出てくるのが「減塩」ですからね。
日本人は全体として塩の摂取量が多く、男性は平均すると一日に10,8グラムの塩を摂取しているそうです。望ましいのは9グラムとか。それが「高血圧」の人たちに関しては一日6グラム未満、というのが万国共通の目標とされています。
私もこの「一日6グラム」を限度としての「塩分控え目」生活に入りました。わりと凝るタイプなので、家庭用の血圧計も買いましたし、毎日使う食材、だし、調味料等、すべてどのくらいの量にどのくらいの塩分が入っているかを調べ、その一覧を冷蔵庫のドアに張り出しました。ある意味、新しい「趣味」かも。
何にどのくらい塩が含まれているか?知っていても損はなし
Myndin er ur Eiyoukeisan.com
面倒ではありましたが、カロリー計算と同じで、一度表にして使い始めると、しだいに頭にインプットされるので、だいたいのイメージは苦労しなくとも浮かぶようになってきます。
ただ塩というものは、パンや乾燥もの等、思わぬものにも使われていますし(「ふえるわかめちゃん」にも!)、実際にどのくらいの塩を摂取しているのかを、正確に計算するのは至難の技だと思います。私は「塩の摂り過ぎが即死に繋がる」ような深刻な状況ではないので、その点は大いに助かっています。
とにかく毎日、その日の塩摂取量を書き出すようにしました。始めたのが六月の20日。食生活の変化が、結果として現れ始めるまでに三ヶ月はかかるというので、ともかく三ヶ月は続けてみようと思いました。
毎日のように食べていたカップラーメン(塩の塊)は、以来一個も食べていません。インスタントラーメンもゼロ。とにかく麺類は好きなのですが、悲しいかな、麺類こそ塩分が多いメニューなのです。
いや、麺類というか、そのスープや麺つゆが塩分高いのです。というのは「出汁類」が塩分が高いからで、顆粒のほんだしなどは、43%くらいが塩分ですよ。
六月以来、私の「減塩作戦」にとっての課題がはっきりとしてきました。「好きな麺類をどうやって食べるか?」そして「出汁をどのように使うべきか?」です。
もちろん、他にも控えざるを得ない食べ物はたくさんあります。漬物類、梅干し、塩昆布、味噌汁、等々。ですが、これらはラーメン、そば、うどん、カレーに比して、ワタシ的には「まあ、なくても大丈夫」のグループなのでした。
さて、「減塩作戦」遂行の第一歩は、お金はかかるけれども避け得ないもので、基本の調味料や出汁類をもともと「減塩」してあるものにスウィッチすることでした。
ラッキー!なことに、こちらのアジア食料品店にキッコーマンの減塩醤油が入荷してありました。それを少しまとめ買いし、あとは「やさしお(塩分50%オフ)」、無塩出汁の類をネット通販で日本から購入。ストックしてあった通常の出汁類は子供達へパス。
新しい同志たち
これらの減塩食材を元にして、作り置きしている麺つゆの作り変え。かくして出来上がった「新」お手製麺つゆ(濃縮)は50ccで3,7グラムの塩を含んでいます。以前は4,8グラムだったので、かなりの減塩度。
50ccに400ccのお湯を加えると、普通のかけそば用のスープになります。さて、そこで大切なのが「減塩作戦」の第二歩目で、「スープ、汁類は飲まないで残す」ことです。
これは以前から何度も聞いていましたが、なんというか、意地汚いというのとはちょっと違いますが、「せこい」「惨めっぽい」という感がどうしても拭えないでいました。
ところが実際にやってみると、かなりの違いが出ることがわかりました。例えば上述のように50ccの手製減塩麺つゆで、450ccのそばつゆを作りかけそばを食べたとします。
食べ終わって、多少汁を飲んだとしても、それでも残るつゆの量は250-280ccもあります。つまり実際にお腹に入ったつゆの量は170-200ccということで、摂取した塩分は1,64グラム程度に過ぎないのです。そばやうどんの麺自体にも塩は含まれていますので、それも合わせないといけませんが、茹でたそば·うどんの塩分は微々たるものです。一食1.8グラム程度なら、塩分を制限していても十分に食することができます。
生や乾燥麺ならラーメンも同様です。しかしラーメンには、ノンフライ麺や油で揚げた麺、さらにカップ麺等のバリエーションが多いので、これはさらに細かく見ていく必要があります。
こうして三ヶ月続けました。今、五ヶ月目に入ろうとしています。不正確さはあることを重々承知した上で、日々の塩摂取量は4,5グラム前後です。リミットの6グラムまで、ゆとりがあります。
食べる量が減っていますからね、この歳ですと。朝はバナナと果物のスムージ。昼もヨーグルトとシリアル、果物で十分。夕食だけがまともな?飯です。「食欲の秋」はもう来ないな〜。(*_*)
そして、やはり血圧は下がりました。上は130台、あるいは120台にもなりますし、なかなか下がらなかった下の数値も80台に収まっています。
私と同年代のホームドクターのおばさんは「食事制限はつまらないし、そんなに効果もないから」とかのたまわっていましたが、ちゃんと効果あるじゃん!
いやあ、でも知らない方がいいこともあるんですよねえ。なんにも考えないで、好きなだけカップラーメンやザーサイをぱくついていた「六月以前」に憧れます。
先を考えて、今日を生きる楽しみを減らすか、今日を目一杯楽しんで、先のことは先に任すか。現代人にとっての根本的な問いでしょうね。実際、キリスト教的にも大切な問いかけなんです。それはまた、別の機会に。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
それでもまだ、私はシャツは半袖のものを着用していますし、冬には至っていません。そういえば、去年もたしか暖かい十月だったような気がします。地球温暖化の影響なのでしょうか?以前は十月は結構厳しい月で、いきなりドカ雪が来たり、気温零度以下の日が続いたりしたものなのですが。
そういえば、今ちょうどハルパ(ダウンタウンにあるコンサート兼会議用施設)で、地球温暖化問題を、特に北極圏プラスアルファに焦点を当てて考える大きな国際会議をやっています。行きませんけど。
私はそのようなグローバルな人間ではなく、自分とその界隈の有り様に引きずられている輩(やから)です。そういう輩の過ぎた夏から続く苦労話しを少々。
この六月に、ここ十五年くらいで初めてホームドクターのところへ行きました。特に病気ではなく「私が着任してから、一度も会っていないから、一度来なさい」とドクターから召喚されたのです。
血液検査等の一応の検診を受け、すべて問題ない健康体だったのですが、唯一「血圧がちょっと高い」とのこと。上が140、下が95くらいだったので、確かに少し高かったのです。
若い方など、血圧のことなど考えたこともない方も多いでしょうが、上が140、下が90を超えると「高血圧第一群」に入ってしまいます。深刻な域ではありませんが。
夏 高気圧と高血圧
で、この日を境にして食生活が変わりました。塩分を控えるようになったわけです。高血圧対策のいの一番に出てくるのが「減塩」ですからね。
日本人は全体として塩の摂取量が多く、男性は平均すると一日に10,8グラムの塩を摂取しているそうです。望ましいのは9グラムとか。それが「高血圧」の人たちに関しては一日6グラム未満、というのが万国共通の目標とされています。
私もこの「一日6グラム」を限度としての「塩分控え目」生活に入りました。わりと凝るタイプなので、家庭用の血圧計も買いましたし、毎日使う食材、だし、調味料等、すべてどのくらいの量にどのくらいの塩分が入っているかを調べ、その一覧を冷蔵庫のドアに張り出しました。ある意味、新しい「趣味」かも。
何にどのくらい塩が含まれているか?知っていても損はなし
Myndin er ur Eiyoukeisan.com
面倒ではありましたが、カロリー計算と同じで、一度表にして使い始めると、しだいに頭にインプットされるので、だいたいのイメージは苦労しなくとも浮かぶようになってきます。
ただ塩というものは、パンや乾燥もの等、思わぬものにも使われていますし(「ふえるわかめちゃん」にも!)、実際にどのくらいの塩を摂取しているのかを、正確に計算するのは至難の技だと思います。私は「塩の摂り過ぎが即死に繋がる」ような深刻な状況ではないので、その点は大いに助かっています。
とにかく毎日、その日の塩摂取量を書き出すようにしました。始めたのが六月の20日。食生活の変化が、結果として現れ始めるまでに三ヶ月はかかるというので、ともかく三ヶ月は続けてみようと思いました。
毎日のように食べていたカップラーメン(塩の塊)は、以来一個も食べていません。インスタントラーメンもゼロ。とにかく麺類は好きなのですが、悲しいかな、麺類こそ塩分が多いメニューなのです。
いや、麺類というか、そのスープや麺つゆが塩分高いのです。というのは「出汁類」が塩分が高いからで、顆粒のほんだしなどは、43%くらいが塩分ですよ。
六月以来、私の「減塩作戦」にとっての課題がはっきりとしてきました。「好きな麺類をどうやって食べるか?」そして「出汁をどのように使うべきか?」です。
もちろん、他にも控えざるを得ない食べ物はたくさんあります。漬物類、梅干し、塩昆布、味噌汁、等々。ですが、これらはラーメン、そば、うどん、カレーに比して、ワタシ的には「まあ、なくても大丈夫」のグループなのでした。
さて、「減塩作戦」遂行の第一歩は、お金はかかるけれども避け得ないもので、基本の調味料や出汁類をもともと「減塩」してあるものにスウィッチすることでした。
ラッキー!なことに、こちらのアジア食料品店にキッコーマンの減塩醤油が入荷してありました。それを少しまとめ買いし、あとは「やさしお(塩分50%オフ)」、無塩出汁の類をネット通販で日本から購入。ストックしてあった通常の出汁類は子供達へパス。
新しい同志たち
これらの減塩食材を元にして、作り置きしている麺つゆの作り変え。かくして出来上がった「新」お手製麺つゆ(濃縮)は50ccで3,7グラムの塩を含んでいます。以前は4,8グラムだったので、かなりの減塩度。
50ccに400ccのお湯を加えると、普通のかけそば用のスープになります。さて、そこで大切なのが「減塩作戦」の第二歩目で、「スープ、汁類は飲まないで残す」ことです。
これは以前から何度も聞いていましたが、なんというか、意地汚いというのとはちょっと違いますが、「せこい」「惨めっぽい」という感がどうしても拭えないでいました。
ところが実際にやってみると、かなりの違いが出ることがわかりました。例えば上述のように50ccの手製減塩麺つゆで、450ccのそばつゆを作りかけそばを食べたとします。
食べ終わって、多少汁を飲んだとしても、それでも残るつゆの量は250-280ccもあります。つまり実際にお腹に入ったつゆの量は170-200ccということで、摂取した塩分は1,64グラム程度に過ぎないのです。そばやうどんの麺自体にも塩は含まれていますので、それも合わせないといけませんが、茹でたそば·うどんの塩分は微々たるものです。一食1.8グラム程度なら、塩分を制限していても十分に食することができます。
生や乾燥麺ならラーメンも同様です。しかしラーメンには、ノンフライ麺や油で揚げた麺、さらにカップ麺等のバリエーションが多いので、これはさらに細かく見ていく必要があります。
こうして三ヶ月続けました。今、五ヶ月目に入ろうとしています。不正確さはあることを重々承知した上で、日々の塩摂取量は4,5グラム前後です。リミットの6グラムまで、ゆとりがあります。
食べる量が減っていますからね、この歳ですと。朝はバナナと果物のスムージ。昼もヨーグルトとシリアル、果物で十分。夕食だけがまともな?飯です。「食欲の秋」はもう来ないな〜。(*_*)
そして、やはり血圧は下がりました。上は130台、あるいは120台にもなりますし、なかなか下がらなかった下の数値も80台に収まっています。
私と同年代のホームドクターのおばさんは「食事制限はつまらないし、そんなに効果もないから」とかのたまわっていましたが、ちゃんと効果あるじゃん!
いやあ、でも知らない方がいいこともあるんですよねえ。なんにも考えないで、好きなだけカップラーメンやザーサイをぱくついていた「六月以前」に憧れます。
先を考えて、今日を生きる楽しみを減らすか、今日を目一杯楽しんで、先のことは先に任すか。現代人にとっての根本的な問いでしょうね。実際、キリスト教的にも大切な問いかけなんです。それはまた、別の機会に。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is