今回はこの秋、こちらの政界を揺るがす「政変」を引き起こすきっかけを作ったふたりの男、ヒャルティとロベルトのうち、ロベルトの方について書いてみます。気が進みませんが、こういう人間も実際にここにはいるんだ、ということは伝えたいと思いますので。
ロベルトはアイスランドでの本名をロベルト·アルトニ·フレイザースソンといいます。七十一歳になります。ただ最近ではロバート·ダウニーRobert·Downeyと名前を変えた、と自称してるようで、メディアも基本的にはロバート·ダウニーとして扱っています。
どこかで聞いたことがあるような?とお思いになる方もあるでしょう。そうです、Robert·Downey Jr.といえば「 Iron man」シリーズや 「U.S.Marshals」等々に出演しているハリウッドの人気俳優さんです。はじめは私も「冗談かいな?」と思ったのですが、実はロベルトの父親はアメリカ人でWilliam·G·Downeyという名前だそうで、結婚したアイスランド人のお母さんもDowney姓だそうです。
ということで、名前をアメリカ版の本名にスイッチしたというのが真相のようで、ハリウッド俳優に身を寄せてはぐらかしを測ったわけではないようです。
ロベルトは学生時代から独立党の青年部などで積極的に活動していたようで、学生新聞の編集長とかもやっていたことがあるそうです。こちらでは政党の青年部で活躍することは、かなり確実に政界への道を開けてくれます。だからギラギラした連中が集まってきます。
その頃に大学を出て法律家になりました。実際弁護士になったのです。なんでも「スター弁護士」を標榜していたようで、これはつまり「スターたちのお気に入りの弁護士」を夢見ていたようです。
で、そんなことからも感じられるように、かなり自分自身がメディアに登場することも多く、また著名人、特に政治家等とは多々関係を持っていたと書かれています。
まあ、これは「表の顔」というわけです。お分りいただけると思いますが、馬鹿ではなく、かなりのインテリです。そして、その分「裏の顔」がおぞましいものになります。
メディアで紹介されている限りでは、ロベルトが犯した最初の(分かっている)児童猥褻犯罪は、2001年にハトラさんという十四歳の女の子に対して始まったものです。ロベルトはIrcidとかいうSNSのアプリを駆使したりして、彼女に近づきそそのかしていったようです。この時彼は五十一歳ですよ。自分の子供の歳ですよね。オエッ!
そういう関係がハトラさんが十七歳になった時まで四年間続きました。その間に別のニーナさんという別の十四歳の女の子にも手を出しました。ロベルトとの性関係は彼女に甚大なトラウマを与えました。
彼女は焼身自殺を図り、若者専用の精神病施設に収容されました。自害傾向が身についてしまい、それ以降も彼女自身、それに家族にとっては本当に困難な状況であった、と家族の方が語っています。
ロベルトの場合、身体的暴力で女性を襲うわけではなく、あの手この手で女の子たちをたぶらかして性的関係に引き摺り込んでいくというのが手管だったようです。何しろ「インテリ」です。
警察が捜査を始めた後、押収した携帯二機からはなんと335人の少女たちの名前や連絡先、その他の備考メモが発見されました。マニア、とうか完全にプロの児童猥褻犯ですね。オエッ!の二乗。
2005年から10年にかけて、ロベルトは九件の自動猥褻容疑で訴えられましたが、そこでは六人の未成年少女(全員が十四歳から十五歳)に対する性犯罪が含まれています。そして八件で有罪となりました。
このうち慰謝料の支払い等で済まされたものを除いて、三人の少女に対する犯罪で実刑宣告を受けましたが、刑期は三年。前回書きましたように、アイスランドでは性犯罪での判決は軽い、軽すぎるのです。
多くの人が納得できないのですが、最初の被害者のハトラさんの訴えに対する判決は、上述の三人の少女に対する犯罪への判決の後に下さられました。判決は有罪だったのですが、実刑はなく賠償金三十万のみ。何故かというと、その三人の少女の事件の判決ですでに科刑されているから、というのです。変な話しです。
最高裁 適当な写真が思い浮かばないので...
Myndin er ur Haestirettur.is
さて、以上がこのゲスのロベルトが犯した性犯罪の、超簡略化した荒筋です。しかし、どうしてまた、このゲス野郎が今年になって注目を浴びるようになったのでしょうか?そして、さらには政変を引き起こす要因を呼び込んだのでしょうか?
初めの方に書きましたが、ロベルトは弁護士です。公判中はまだ資格を剥奪されず、性犯罪の被告の弁護などをしていた、と新聞に書いてありました。「類は友を呼ぶ」なのか、あるいは「同じ穴の狢」がかばい合っている、ということなのでしょうか?
とにかく、有罪が確定してからはもちろん弁護士資格は剥奪されました。
ところがです。今年の夏になって、このロベルトが「弁護士資格の返還を求めている」という情報がメディアに流れてきました。そこで各メディアが一斉に聞き耳を立てるようになったわけです。
そしてその過程で、当然のことながら「弁護士資格の返還?では『名誉回復』はもうなされたのか?」という疑問が出されました。そして、前回書きましたことの始まりへと繋がっていったわけです。
それと並行して、ロベルトの弁護士資格再取得問題は、最高裁にまで持ち込まれ、今年の6月15日に最高裁判決で「ロベルトは弁護士資格を再取得して良し」ということになりました。
この判決にまたまた一般市民は呆れたというか、怒りを露わにしました。ですが、現行法上ではそれを妨げる要因は何もない、というのが法務大臣のコメントでした。
(*ちょっと混乱させられる話しなのですが、弁護士資格の再取得は、本人が弁護士協会に申請する必要があるのですが、ロベルトは七月の段階ではまだ申請をしていなかったです。よって、七月下旬の時点では、まだ弁護士復帰はなされていませんでした。その後は特に報道がないので不明)
ロベルトの性犯罪の被害者、その家族は相当数に上りますが、その人たちはロベルトが咋秋に「名誉回復」したことも「弁護士復帰」がプロセスに乗っていたことも知らされていなかったそうです。
ですから、一連の報道は被害者とその身内にとっても相当なショックでした。ですが、これは私は良いことだと思うのですが、被害者の彼女たちの多くが立ち上がってメディアに登場したのです。実名、顔を隠すこともしないで。
そして、彼女たちがどんなに難しい日々を強いられたか、どのような負の影響を自分たちの人生に与えたか、そして今どのように感じているかを、正直に話してくれています。
彼女たちをからかったり変な目で見るような人は、ひとりも(私の勘ですが)いません。皆が賞賛の目で見ていると思います。
国会が急な選挙のために閉会になる最後の日。現行の「名誉回復」に関する法律が改変されました。今回は時間の関係で、今までのような仕方では「名誉回復」はできない、とするだけに留まり、きちんとした新条文は選挙後の新国会で決めることとな理ました。
最後に個人的な感想をつけさせていただきますが、私も五十代後半になりましたが、十代の女の子にそういう性的な刺激を感じる、とかいうのは「まったく」理解できません。
私なんぞは十代どころか二十代でさえも、「子供の年齢」に思えてしまって「枠外」ですね。ロベルトのような輩は完全に犯罪を犯していますから、また別の範疇ですが、そういう年齢の少女に気を引かれる中年、初老というのは、いったいどのくらい世に蔓延しているのでしょうか?
...知らない方がいいか...?
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
ロベルトはアイスランドでの本名をロベルト·アルトニ·フレイザースソンといいます。七十一歳になります。ただ最近ではロバート·ダウニーRobert·Downeyと名前を変えた、と自称してるようで、メディアも基本的にはロバート·ダウニーとして扱っています。
どこかで聞いたことがあるような?とお思いになる方もあるでしょう。そうです、Robert·Downey Jr.といえば「 Iron man」シリーズや 「U.S.Marshals」等々に出演しているハリウッドの人気俳優さんです。はじめは私も「冗談かいな?」と思ったのですが、実はロベルトの父親はアメリカ人でWilliam·G·Downeyという名前だそうで、結婚したアイスランド人のお母さんもDowney姓だそうです。
ということで、名前をアメリカ版の本名にスイッチしたというのが真相のようで、ハリウッド俳優に身を寄せてはぐらかしを測ったわけではないようです。
ロベルトは学生時代から独立党の青年部などで積極的に活動していたようで、学生新聞の編集長とかもやっていたことがあるそうです。こちらでは政党の青年部で活躍することは、かなり確実に政界への道を開けてくれます。だからギラギラした連中が集まってきます。
その頃に大学を出て法律家になりました。実際弁護士になったのです。なんでも「スター弁護士」を標榜していたようで、これはつまり「スターたちのお気に入りの弁護士」を夢見ていたようです。
で、そんなことからも感じられるように、かなり自分自身がメディアに登場することも多く、また著名人、特に政治家等とは多々関係を持っていたと書かれています。
まあ、これは「表の顔」というわけです。お分りいただけると思いますが、馬鹿ではなく、かなりのインテリです。そして、その分「裏の顔」がおぞましいものになります。
メディアで紹介されている限りでは、ロベルトが犯した最初の(分かっている)児童猥褻犯罪は、2001年にハトラさんという十四歳の女の子に対して始まったものです。ロベルトはIrcidとかいうSNSのアプリを駆使したりして、彼女に近づきそそのかしていったようです。この時彼は五十一歳ですよ。自分の子供の歳ですよね。オエッ!
そういう関係がハトラさんが十七歳になった時まで四年間続きました。その間に別のニーナさんという別の十四歳の女の子にも手を出しました。ロベルトとの性関係は彼女に甚大なトラウマを与えました。
彼女は焼身自殺を図り、若者専用の精神病施設に収容されました。自害傾向が身についてしまい、それ以降も彼女自身、それに家族にとっては本当に困難な状況であった、と家族の方が語っています。
ロベルトの場合、身体的暴力で女性を襲うわけではなく、あの手この手で女の子たちをたぶらかして性的関係に引き摺り込んでいくというのが手管だったようです。何しろ「インテリ」です。
警察が捜査を始めた後、押収した携帯二機からはなんと335人の少女たちの名前や連絡先、その他の備考メモが発見されました。マニア、とうか完全にプロの児童猥褻犯ですね。オエッ!の二乗。
2005年から10年にかけて、ロベルトは九件の自動猥褻容疑で訴えられましたが、そこでは六人の未成年少女(全員が十四歳から十五歳)に対する性犯罪が含まれています。そして八件で有罪となりました。
このうち慰謝料の支払い等で済まされたものを除いて、三人の少女に対する犯罪で実刑宣告を受けましたが、刑期は三年。前回書きましたように、アイスランドでは性犯罪での判決は軽い、軽すぎるのです。
多くの人が納得できないのですが、最初の被害者のハトラさんの訴えに対する判決は、上述の三人の少女に対する犯罪への判決の後に下さられました。判決は有罪だったのですが、実刑はなく賠償金三十万のみ。何故かというと、その三人の少女の事件の判決ですでに科刑されているから、というのです。変な話しです。
最高裁 適当な写真が思い浮かばないので...
Myndin er ur Haestirettur.is
さて、以上がこのゲスのロベルトが犯した性犯罪の、超簡略化した荒筋です。しかし、どうしてまた、このゲス野郎が今年になって注目を浴びるようになったのでしょうか?そして、さらには政変を引き起こす要因を呼び込んだのでしょうか?
初めの方に書きましたが、ロベルトは弁護士です。公判中はまだ資格を剥奪されず、性犯罪の被告の弁護などをしていた、と新聞に書いてありました。「類は友を呼ぶ」なのか、あるいは「同じ穴の狢」がかばい合っている、ということなのでしょうか?
とにかく、有罪が確定してからはもちろん弁護士資格は剥奪されました。
ところがです。今年の夏になって、このロベルトが「弁護士資格の返還を求めている」という情報がメディアに流れてきました。そこで各メディアが一斉に聞き耳を立てるようになったわけです。
そしてその過程で、当然のことながら「弁護士資格の返還?では『名誉回復』はもうなされたのか?」という疑問が出されました。そして、前回書きましたことの始まりへと繋がっていったわけです。
それと並行して、ロベルトの弁護士資格再取得問題は、最高裁にまで持ち込まれ、今年の6月15日に最高裁判決で「ロベルトは弁護士資格を再取得して良し」ということになりました。
この判決にまたまた一般市民は呆れたというか、怒りを露わにしました。ですが、現行法上ではそれを妨げる要因は何もない、というのが法務大臣のコメントでした。
(*ちょっと混乱させられる話しなのですが、弁護士資格の再取得は、本人が弁護士協会に申請する必要があるのですが、ロベルトは七月の段階ではまだ申請をしていなかったです。よって、七月下旬の時点では、まだ弁護士復帰はなされていませんでした。その後は特に報道がないので不明)
ロベルトの性犯罪の被害者、その家族は相当数に上りますが、その人たちはロベルトが咋秋に「名誉回復」したことも「弁護士復帰」がプロセスに乗っていたことも知らされていなかったそうです。
ですから、一連の報道は被害者とその身内にとっても相当なショックでした。ですが、これは私は良いことだと思うのですが、被害者の彼女たちの多くが立ち上がってメディアに登場したのです。実名、顔を隠すこともしないで。
そして、彼女たちがどんなに難しい日々を強いられたか、どのような負の影響を自分たちの人生に与えたか、そして今どのように感じているかを、正直に話してくれています。
彼女たちをからかったり変な目で見るような人は、ひとりも(私の勘ですが)いません。皆が賞賛の目で見ていると思います。
国会が急な選挙のために閉会になる最後の日。現行の「名誉回復」に関する法律が改変されました。今回は時間の関係で、今までのような仕方では「名誉回復」はできない、とするだけに留まり、きちんとした新条文は選挙後の新国会で決めることとな理ました。
最後に個人的な感想をつけさせていただきますが、私も五十代後半になりましたが、十代の女の子にそういう性的な刺激を感じる、とかいうのは「まったく」理解できません。
私なんぞは十代どころか二十代でさえも、「子供の年齢」に思えてしまって「枠外」ですね。ロベルトのような輩は完全に犯罪を犯していますから、また別の範疇ですが、そういう年齢の少女に気を引かれる中年、初老というのは、いったいどのくらい世に蔓延しているのでしょうか?
...知らない方がいいか...?
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