レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

弱った時は... 自分に優しく、周囲にも優しく

2020-08-23 00:00:00 | 日記
酷暑お見舞い申し上げます。どれだけ暑いかということは、ネットの報道バラエティでイヤというほど見ていますが、実感は持てないですよね。すみません。

こちら、アイスランドでは先週は時折北部では二十度に達することもありましたし、レイキャビクでも十五度を超えることがありました。十六、七度ですら暑く感じます。

それでも夏は着実に盛りを超えてしまいました。今年の夏の特徴は、暑いか寒いかにかかわらず、「季節感のない夏」ということになってしまった点にあります。




本文とは無関係の「清涼感写真」その1
Myndin er eftir alex_he@unsplash


前々回、そしてその前の回でも触れましたが、例年ならイベント詰めのこの八月、Cちゃんのおかげで根こそぎそれらの催しがキャンセルまたは縮小されてしまいました。イベントというものが、自分で自覚していたよりも、それぞれの季節と強く結託していたようです。

そういえば、Cちゃんの第一波が来た春先には、パウスカ(イースター,復活祭)とかの大きな祭日も「Stay home」になってしまい、春らしさを欠いていたことを思い出しました。

季節感の喪失は「イベントなし」ということだけによるものではありません。パウスカの前後にはFermingフェルミングと呼ばれる、十四歳の若者たちを対象とした「堅信礼」という儀式が持たれます。

レイキャビクのお大きな教区では70〜90人ほどの若者たちがこの堅信礼に参加します。普通、一回の式で20人くらいが堅信します。よって、このフェルミング、時には日曜日あるいは土曜日の三回くらいにまたがることになる大きな催しなのです。

このフェルミングが、Cちゃんの影響で春から夏に延期されていました。その延期されたものを、この八月でそれぞれの教会が消化しているわけです。これも季節感的には、なんというか馴染みのない現象なのです。八月にフェルミング...

復活祭の都市伝説とフェルミング


しかもタイミングの悪いことに、こちらでもCちゃんの第二波の真っ最中。集会規制のレベルが上がってしまい、百人が限度。

ということで、各教会でのフェルミングも一回の式で堅信を受けることのできる若者の数も8人程度に制限されているようです。堅信礼には牧師さんの他、クワイアやオルガニストも入りますし、それぞれの若者のゲスト(親戚縁者)を10人と制限したとしても、トータルでは、え〜と、若者8人、プラス家族80人、プラス牧師ふたり、オルガニストひとり、クワイア8人、ハウスキーパーひとりとしても計100人。マックスとなります。

一回の参加者が少なくなるということは、全体としての式の回数が増えることとなります。私の友人の牧師さんのところでは、今日の日曜日から三回に渡って、それぞれの日曜日毎に三回のフェルミングの式を行う、と言っていました。

「計九回。すごい労働だな。それぞれのグループでリハーサルが必要でしょ?それも九回?」と訊くと「ウイ」

「エクストラ」な消化事業?(失礼!)に、各牧師さん方、相当時間を取られているようで、ご苦労様です。いやいや、オルガニストやクワイアのメンバーにとっても同じこと。お疲れ様です。

また、基本的に八月は翌年の春のフェルミングへ向けての準備が始まる月でもあるので、牧師さん方は一方で旧年度の堅信礼を行いながら、一方で新年度のクラスを受け持っているわけです。これまたご苦労様。




清涼感シリーズ その2 これも教会
zak_boca@unsplash


幸か不幸か(「幸」です、圧倒的に。私はこれらのガキンチョの相手が苦手)、特別職牧師の私は、フェルミングの義務からはフリーです。それでも先週の木曜日には、請われて丸一日新年度のフェルミングの集中クラスに手伝いに出かけました。

ネス教会という、十年間居候していた教会からの頼みだったので、例年断り切れないで「出向」しています。私にとっては毎夏、年一回の「勤行」(ごんぎょう)です。

まあ不思議なもので、終わってみれば、それなりに満足感がありますし、子供たちもそれほどひどくはなかった。っていうか、結構まじめだったな。BLM(BlackLivesMatter)運動とか、言及しても関心持ってたし。決めつけは良くないですね。反省。

ところで、その第二波中のアイスランドなのですが、前々回の続報があります。ちなみに、日本と同じく、こちらでも重篤者の患者さんの比率が、春先からはずいぶん顕著に下がっていますので、このCちゃんの再来を「第二波」として位置付け始めたようです。Cちゃんの性質も変わったような。

それでもCちゃんはCちゃんですので、政府当局は慎重に対応しています。先週の始めから、また入国時の検査が厳しくなりました。

一時は、入国時にPCR検査を受けるか、もしくは二週間の自主隔離生活。アイスランド在住の人は五日くらいにPCR二回目の検査。それまで自宅待機。ツーリストの場合は、PCR検査を受ければ、普通に観光にでて良い、とされていました。

ところが、先週からは、ツーリス トも含めて五日後にPCR再検査、そしてそれまでは自宅、もしくはホテル待機が義務付けられました。

この決定には、観光業会から失望と文句の声が上がりました。そりゃ、そうですよね。アイスランドまでやってきて、入国後五日間もホテルに缶詰にされるのを良しとする観光客はいないでしょう。

案の定、観光の予約はキャンセルの洪水。せっかく持ち直し始めていた観光業会は、再び夏の「真冬」と化してしまいました。

ニュースで見た、空港でのインタビューでは、五日間の隔離があっても、それでもアイスランドに来たツーリストは例外なく「長い休暇だから、五日くらいはOK」という皆さんでした。

観光業界の文句と言いながら、実は国民全体にとっての利益の損失ですからね。国だって税収入が減るし、財源の確保ができない。そのツケは我々みんなに回ってきます。困ったもんです。

本当に、毎回Cちゃん関連の愚痴になってしまい、こちらもイヤなのですが、はっきり言って、それ以外にはあまり、巷で話題になるようなことがないんですよ〜。悲しいかな。

そうだ、ひとつだけ。結構かわいい観光及び産業大臣のソルディスさん。たまの休暇で女友達の皆さんとはじけてしまい、「女子会」の集合写真をSNSにアップしてしまいました。




はじけて、うっかりしてしまったソルディス観光及び産業大臣
Myndin er ur DV.is


それを見た国民、急に総自粛警察化して「密!」と非難の大合唱。ソルディスさん、「ずーっと待っていた休暇だったんで...」と多少フテながらも、最終的には謝罪。ワタシはこの「フテる」正直さがむしろ気に入っていて、ソルディスさん弁護派です。

さて、実のないブログの最後に、ワタシ自身の身の周りのことを付け加えておきましょう。

私自身が責任を持つ集会も再開されましたが、春からの集会規制によるZOOMミーティングや、その後もソーシャルディスタンス集会、夏休み等々の後ですので、やはり集会そのものがダメージを受けています。

人の集まりは生き物ですし、そこに集まってくるひとりひとりがCちゃんの不利益を被っていますので、当然全体としてのロスの和も無視できないものになります。

もう、これは嘆いても仕方ないので、集会に関しては一から積み直すつもりでいます。失ったものだけ眺めてると、仕事が楽しくなくなりますからね。

私自身がそうですし、皆さんの多くが同じではないかと思うのですが、やはり私たちの中に、相当のがっかり感、フラストレーション、疲れが鬱積しているはずです。

そのことを無視せずに「自分は今は弱っているんだ」ということを覚えながら生活していくのが大切だと考えます。自分も弱ってるけど、あの人も、この人も、状況は同じなんだ、と理解することが大切だろうと考えます。

自分に優しく、そして周囲にも優しく。今週はこのスローガンでやっていきたいですね。




今週の清涼感シリーズ その3
Myndin er eftir nathan_hulsey@unsplash



*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
コメント
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