こんにちは/こんばんは。
十一月も半ばとなりました。こちらでは、イギリスやドイツと同様にコロナの逆襲が続いています。ここのところ、新規感染者数が毎日のように200人前後。十万人あたりの感染者指数は過去ダントツの469,3にまで達しています。
清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Tom_Vining@unsplash.com
一千万人に換算すると46900人ということになりますね。病院入院中の人 –つまりは容態が相当悪い方– も増えてしまい20人。うち4人の方がICUに収容されています。
「クリスマス前になんとかしないと」というわけで、一般の集会規制がまた50人まで強化されました。つい三週間前に2000人にまで緩和されたばかりで、本来なら今から一週間後には「制限の完全撤廃」の青写真だったのですが...
日本でも「Goトラ」復活を求める声が強いと聞いていますが、緩和すれば、まず間違いなく次の波がやってくるようです。よーく備えをされますよう。
さて、今回は一週間ほど前に経験した出来事についてです。まあ、笑い話し的なものなのですが、その中にちょっと「??」と感じざるを得ないものがありましたので、その辺を皆さんにシェアしてみたいと思います。
先週の月曜日は私の誕生日でした。なんと63回目。中途半端な?数なので特になにもしませんでした。っていうか、ワタシ的にはアイスランド人のおっさんのような「バースデーはしゃぎ」はどうも恥ずかしく思われてしまいます。
ところが、その前日の日曜日、教会の礼拝の後のお茶の時間に、参加者の皆さんがサプライズ的にケーキを用意してくれたり、歌を歌ってくれたりしました。全然気が付かなかったので、それはそれなりに嬉しかったです。
相方の若い女性牧師さんが音頭を取ったらしいのですが、参加者一同から、ということでプレゼントまで用意してくれました。
開けてみると、私とメッシ(あのサッカーのスーパースターのMessiです)が二人並んだショットが、ちゃんと枠に入って。もちろん合成写真です。結構うまくできていて、本当にふたり並んでいるみたいにみえます。
「メッシ、オレの友だちだから!」
これには前史があり、最近のオープンハウスでの雑談の際に、私が「メッシは控えめで感じのいい青年みたいだね、ロナウドと違って」みたいなことを言ったのです。
するとその場にはロナウドファンもいて、この合成写真を作ってくれたのは、その中のロナウド崇拝者の青年だったのでした。「私はメッシではなくて、ロナウドとのツーショットを提案したんだけど...」と相方の女性牧師。やれやれ、ブラックなユーモアの持ち主。
とにかく面白かったので、後でこの写真をFacebookに載せてみたのです。「オレ、メッシと友だちだぜ!」みたいなノリのジョークです – ジョークのつもりでした。
ところがです。世間にはメッシを知らない人もいるのです。とりわけ、彼がサッカーのユニフォームを着ていない時には、メッシと気がつかない人もいるのです。
そこで私は説明書きに付け足しました。「気がつかない人もありましょうが、私のこの友人は、あの『メッシ』ですよー」
ところがそれでも話しが通じない人もいます。ある年配の女性の方なのですが、この方はFacebookだけでの知り合いで、実際には面識のない人なのですが、コメントに「(あなたは)棚から出てきたということなの?」
はー!??
「棚から出てくる」とは「隠れるのをやめて表に出てくる」ことで、カミング・アウトの意味なのですが、こちらでは「棚から出てくる」とは十中八九「私はゲイです」ということを公にすることに使われます。
いやいや、そういうわけじゃないから。
ユニフォーム姿なら誰でも知っていよう、メッシ
Myndin er ur FCbarcelona.com
私はその婦人の方に「これはメッシというスーパースターです」とわざわざ彼のオフィシャルHPのリンクまで付けて返事してあげました。
それでもこの婦人はお構いなし。「それで、この人はあなたの『恋人』なの?」
まいったな... メッシが恋人なら一生お金には困らないだろうけど、そういうことじゃないから。
結局、私は「こりゃだめだ」とこの写真の投稿を削除しました。
実は、もう二十年以上もゲイの人たちの権利の拡充と偏見打破の運動に加担してきましたし、その過程で「オマエもゲイだろう?」みたいなことを言われたことは何度もあります。
ですが、ゲイであることが良いとか悪いとかいうことの議論とはまったく別なこととして、私はゲイではありません。そう思われたくもありません。そう思われたくない、というのは、ゲイの人に対してネガティブな考えがあるからではないですよ。
独り身のワタシとしては、寄り添ってくれる麗しき女性がいてくれた方が嬉しいのです。ですから「ゲイ誤解」の故にそういうチャンスを失いたくはない、という実利的というか、身勝手というか、打算というか、そういう理由のためです。
Gay Pride プライドとは人の在りようを映すもの?
このような式もわりとよくあるアイスランド
Myndin er ur IcelandMonitor.mbl.is
まあ、そういう小話しで、それ以上のものではないのですが、ちょっと考えさせられました。
アイスランドは「性差別」に対して厳しい国ですし、いわゆるLGBTの問題に関してもかなりな先進国です。ですから、もちろん個人個人によって感情的なしがらみはありましょうが、自分のセクシャルオリエンテーションを公にできる環境は整備されつつあります。
そして、ゲイの人たちのカミングアップを、周囲が受け入れられるということも、基本的には良いことだと考えます。
ですが、その反面で、すべてをその視点から見る?というのもちょっと「オブセッション」ではないかいな?という気もします。
男子のツーショット写真や、女子のグループ写真を見て、それをストレートにその人たちのセックスオリエンテーションと結び付けるかー?「あなたたち、ゲイなの?」ってか? フツー、そういうことは頭に浮かばないだろう、とオイラは思うのだけど...
今回の小話しは、なにか「とんでもないことに出くわし」「まったく話しにならなん!」ということではなくて、むしろ「基本的には、そういう方向でいいんではないですか」という流れの中で、なんか足元をすくわれたというか、冷や水を引っかけられたような感じでした。
まあ、そうやって右に行きすぎてぶつかり、左に行きすぎて躓き、という風に前に進んでいくものかもしれないですね、世の中は。後戻りしないことが大切なのかも。
というわけで、今回は「ひょうたんから駒」ならぬ「サプライズのバースデーギフトから、これもサプライズの『思索の種』」の巻きでした。コロナ、油断されませんように。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
十一月も半ばとなりました。こちらでは、イギリスやドイツと同様にコロナの逆襲が続いています。ここのところ、新規感染者数が毎日のように200人前後。十万人あたりの感染者指数は過去ダントツの469,3にまで達しています。
清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Tom_Vining@unsplash.com
一千万人に換算すると46900人ということになりますね。病院入院中の人 –つまりは容態が相当悪い方– も増えてしまい20人。うち4人の方がICUに収容されています。
「クリスマス前になんとかしないと」というわけで、一般の集会規制がまた50人まで強化されました。つい三週間前に2000人にまで緩和されたばかりで、本来なら今から一週間後には「制限の完全撤廃」の青写真だったのですが...
日本でも「Goトラ」復活を求める声が強いと聞いていますが、緩和すれば、まず間違いなく次の波がやってくるようです。よーく備えをされますよう。
さて、今回は一週間ほど前に経験した出来事についてです。まあ、笑い話し的なものなのですが、その中にちょっと「??」と感じざるを得ないものがありましたので、その辺を皆さんにシェアしてみたいと思います。
先週の月曜日は私の誕生日でした。なんと63回目。中途半端な?数なので特になにもしませんでした。っていうか、ワタシ的にはアイスランド人のおっさんのような「バースデーはしゃぎ」はどうも恥ずかしく思われてしまいます。
ところが、その前日の日曜日、教会の礼拝の後のお茶の時間に、参加者の皆さんがサプライズ的にケーキを用意してくれたり、歌を歌ってくれたりしました。全然気が付かなかったので、それはそれなりに嬉しかったです。
相方の若い女性牧師さんが音頭を取ったらしいのですが、参加者一同から、ということでプレゼントまで用意してくれました。
開けてみると、私とメッシ(あのサッカーのスーパースターのMessiです)が二人並んだショットが、ちゃんと枠に入って。もちろん合成写真です。結構うまくできていて、本当にふたり並んでいるみたいにみえます。
「メッシ、オレの友だちだから!」
これには前史があり、最近のオープンハウスでの雑談の際に、私が「メッシは控えめで感じのいい青年みたいだね、ロナウドと違って」みたいなことを言ったのです。
するとその場にはロナウドファンもいて、この合成写真を作ってくれたのは、その中のロナウド崇拝者の青年だったのでした。「私はメッシではなくて、ロナウドとのツーショットを提案したんだけど...」と相方の女性牧師。やれやれ、ブラックなユーモアの持ち主。
とにかく面白かったので、後でこの写真をFacebookに載せてみたのです。「オレ、メッシと友だちだぜ!」みたいなノリのジョークです – ジョークのつもりでした。
ところがです。世間にはメッシを知らない人もいるのです。とりわけ、彼がサッカーのユニフォームを着ていない時には、メッシと気がつかない人もいるのです。
そこで私は説明書きに付け足しました。「気がつかない人もありましょうが、私のこの友人は、あの『メッシ』ですよー」
ところがそれでも話しが通じない人もいます。ある年配の女性の方なのですが、この方はFacebookだけでの知り合いで、実際には面識のない人なのですが、コメントに「(あなたは)棚から出てきたということなの?」
はー!??
「棚から出てくる」とは「隠れるのをやめて表に出てくる」ことで、カミング・アウトの意味なのですが、こちらでは「棚から出てくる」とは十中八九「私はゲイです」ということを公にすることに使われます。
いやいや、そういうわけじゃないから。
ユニフォーム姿なら誰でも知っていよう、メッシ
Myndin er ur FCbarcelona.com
私はその婦人の方に「これはメッシというスーパースターです」とわざわざ彼のオフィシャルHPのリンクまで付けて返事してあげました。
それでもこの婦人はお構いなし。「それで、この人はあなたの『恋人』なの?」
まいったな... メッシが恋人なら一生お金には困らないだろうけど、そういうことじゃないから。
結局、私は「こりゃだめだ」とこの写真の投稿を削除しました。
実は、もう二十年以上もゲイの人たちの権利の拡充と偏見打破の運動に加担してきましたし、その過程で「オマエもゲイだろう?」みたいなことを言われたことは何度もあります。
ですが、ゲイであることが良いとか悪いとかいうことの議論とはまったく別なこととして、私はゲイではありません。そう思われたくもありません。そう思われたくない、というのは、ゲイの人に対してネガティブな考えがあるからではないですよ。
独り身のワタシとしては、寄り添ってくれる麗しき女性がいてくれた方が嬉しいのです。ですから「ゲイ誤解」の故にそういうチャンスを失いたくはない、という実利的というか、身勝手というか、打算というか、そういう理由のためです。
Gay Pride プライドとは人の在りようを映すもの?
このような式もわりとよくあるアイスランド
Myndin er ur IcelandMonitor.mbl.is
まあ、そういう小話しで、それ以上のものではないのですが、ちょっと考えさせられました。
アイスランドは「性差別」に対して厳しい国ですし、いわゆるLGBTの問題に関してもかなりな先進国です。ですから、もちろん個人個人によって感情的なしがらみはありましょうが、自分のセクシャルオリエンテーションを公にできる環境は整備されつつあります。
そして、ゲイの人たちのカミングアップを、周囲が受け入れられるということも、基本的には良いことだと考えます。
ですが、その反面で、すべてをその視点から見る?というのもちょっと「オブセッション」ではないかいな?という気もします。
男子のツーショット写真や、女子のグループ写真を見て、それをストレートにその人たちのセックスオリエンテーションと結び付けるかー?「あなたたち、ゲイなの?」ってか? フツー、そういうことは頭に浮かばないだろう、とオイラは思うのだけど...
今回の小話しは、なにか「とんでもないことに出くわし」「まったく話しにならなん!」ということではなくて、むしろ「基本的には、そういう方向でいいんではないですか」という流れの中で、なんか足元をすくわれたというか、冷や水を引っかけられたような感じでした。
まあ、そうやって右に行きすぎてぶつかり、左に行きすぎて躓き、という風に前に進んでいくものかもしれないですね、世の中は。後戻りしないことが大切なのかも。
というわけで、今回は「ひょうたんから駒」ならぬ「サプライズのバースデーギフトから、これもサプライズの『思索の種』」の巻きでした。コロナ、油断されませんように。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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