こんにちは/こんばんは。
八月の第二週に入りました。八月初めのVerslumannahelgiヴェルスルマンナへルギ「商人の週末」を越えると、突如「晩夏」になるのがいつものアイスランドです。
ちなみに、国語の得意な皆さんはお気づきだったと思いますが、私はこれまで「月のはじめ」をいう時には、いつも「初め」ではなく「始め」と書いてきました。普通には「初め」であることはもちろん承知していましたが、「理屈から言って『始まり』だろ?」と考え、逆らってきたのです。
ちらっと調べたところ「時に関連する『はじめ』は『初め』を用いる」というのが国語の正論であるようです。「『はじまる』ということはすべからず時に関係しているだろうが?」と納得はしていないのですが、べつに執着する理由もないので、流れに身を任せることにしました。老化... (^-^;
清涼感アップ用ピック
Mateusz_Klein@unsplash.com
それはともかく、八月のレイキャビクは太陽が雲隠れ。気温も肌寒くなり、夜も10時を回るとしっかりと暗くなり始め、まさしく「晩夏」です。ワタシはこの時期から「晩夏ブルー」というメランコリーに取り憑かれたりします。気をつけないといけないですね。普通はも少し遅い時期 -九月くらい- からなんですが、今年は「晩夏化」が特に早いみたいです。
この時期、周囲には先日のGay Prideフェスティバルやケフラビク近郊での火山の再爆発(というかマグマの再噴出)とか、いろいろニュースネタはあるのですが、今回私が書きたいと思っているのは「焼き魚」についてです。
もう一月以上前になりますが、「マツコ有吉のかりそめ天国」で、「魚の食べ方はいろいろありますが、『煮魚』ってメインにならないですよね」みたいな投稿がありました。
マツコさん、有吉さんともキレ気味で反論。マツコさんなどは「金目鯛の煮付けは、魚料理全部の中で一番美味しいわよ!」
番組が実施した「どんな調理法で魚を食べることが多いか?」というアンケートでは、焼き魚がトップで、二位は刺身でした。三位はたしかフライだったかな?
でも、まあ、これはわかりますよね。刺身で食べられる魚よりは、焼いて食べられる魚の種類の方がずっと多いでしょうから。どちらが美味しいという問題は別として。私は両方好きです。
この番組で「焼き魚」が頭にインプットされたのと同じくらいの時期に、今度は「有吉くんの正直さんぽ」で、有吉さんが昔行ったという定食屋さんで、サバの塩焼きが紹介されました。これを見て、完璧に「焼き魚が食べたい」という私的願望に火がついてしまったのでした。
こちらでの最近のホットニュース マグマ再び
Myndin er ur Visir.is/VILHELM
あとひとつ伏線がありました。大根おろしです。私の行きつけのスーパーでは近年大根も入れてくれています。時々買って煮物に入れたりしていましたが、常食というわけではありませんでした。そのかたはら、昨夏、料理熱が再発した時にフードプロセサーを買っていたのですが、なんだか使い方が複雑で「置きっぱなし」になっていました。
この夏、一念発起して、その使い方を調べた結果、チョー微塵切りというか、野菜とかをめちゃ細かくするには単純な扱いで良いことが判明。さっそく大根おろしにトライしたのですが、大成功。もちろん、手でおろしたって大根おろしはできます。でも、けっこうな労働。プロセサーの方が、楽に大量におろせます。
そして、大根おろしを目の前にすると、やはり「焼き魚」が頭の中で輝いてしまうのでした。
ところがです。焼き魚なんて、日本の皆さんには日常生活の一部でしょうが、こちらではそう容易いことではないのです。こちらのキッチンでは直火を使いません。全部電気。
直火を使うとしたら、グリル用のコンロがありますが、これはBBQ用のでかいもので、基本戸外での使用です(それにワタシは持っていないし...)。 使い捨ての簡易グリルもありますが、これも屋内使用は危険です。一度つけたら、燃え切るまでどうしようもないですから。加えて煙も大変。
キッチンの標準設備で魚を焼くとしたら、オーブンで焼くことになります。ですが、オーブンでの魚焼きは、まず「熱源」と魚の距離が短くないので美味しく仕上げるのが難しいです。さらにオーブンに魚の匂いが付いてしまったりして、あまり好ましいことではないのです。
日本から魚焼き用のロースターを買おうか?ということも考えました。ところが運の悪いことに、今現在、日本からアイスランドへは、大型の航空郵便を送ることができないのです。大型というのは重さでいえば2キロ以上のもの。
これが救い主 スモークト・サバ
これ、もしかしたら皆さんにも関係するかもしれないので、気をつけてくださいね。航空輸送手段が諸々の事情で不足しているからだと思うのですが、日本からアイスランドへ、EMS、航空便荷物、SAL便荷物を送ることは、8月9日現在ではできません。アイスランドに限ったことではありませんので、詳細が必要な方は日本郵便のホームページでご確認を。
小型の2キロ以内のものであれば、E-packetという小型航空便で送ることができます。大型の荷は船便で送る以外の方法はありません。DHL、FedEx等はもちろん代替手段ですが、値段がすごい。自分で持っていく方が安いかも、と思うくらい。
いろいろ考えながら、アジアの食材も多く扱っている魚屋さんをうろついていると、見つけました、サバの燻製。結構大きいサバが二尾、冷凍になっています。値段も1000クローネちょっと。試してみっか?
実を言うと、燻製魚はあまり好きではありません。スモークサーモンはまだいいのですが、一度試したニシンの燻製(英国産)は、スモークが強すぎて美味しくなかったです。
今回もたいして期待していませんでした。解凍し、パックから一尾取り出すと... やっぱりスモークの匂いがぱっと広がってきました。だろうな...
ですが、肉厚なので、とにかくお腹から開いてみると、身は柔らかく美味しそう。頭と大きな骨を取り除くと、かなりいい感じの開きになりました。そして、驚いたことに開いちゃうと、そんなにスモーク臭がしないでではありませんか!
これを、200度のオーブンに十五分ほど入れて温めるというか、炙り焼きのようにしてみました。大きめの皿に移して、醤油といっぱいの大根おろしで実食。
美味しい。本当の焼き魚のようなパリパリ感はありませんが、箸で目一杯つまめるほどの身があります。これは嬉しい。そして、大根おろしとともにいただくと、ほとんどスモークの匂いは感じられないほどでした。
これがサバのスモークの開き形 美味しい
これは結構いいものを見つけた。焼き魚ではありませんが、「焼き魚欲」を鎮めるくらいの満足度はあります。っていうか、相当満足しましたよ、ワタシは。まさしく「かりそめ天国」。
難を言えば、大き目のサバが二尾入った冷凍パックなので、買いだめするには相応の冷凍庫のスペースが必要。そして「買いだめ」は必要なことなのです。これは経験から学んだことですが、アジア系の食材をはじめ「マイナー・ストリーム」にある食材は、年に何度か仕入れるもので、在庫が尽きるとそれっきりになってしまうものが多いのです。
だから、「食」を確実にするにはある程度の「買いだめ」は必要悪。そういえば大使館スタッフのNさんは四国出身だそうなのですが、地元産の半生うどんをアジア系スーパーで見つけ、涙を流しながら「買い占めた」と激白し、懺悔していました。いや、激白止まりで懺悔はしていなかったか?(^-^;
私の西街の古アパートの冷蔵庫の冷凍室には、大きなスモークト・サバを何尾もキープしておくようなスペースはありません。しかし教会の大きな冷凍庫にはあります。時々使う裏技です。ということで、しばらく教会に預かってもらうことを当て込んで、買いだめに走る予定です。
ドイツとかでは、魚のスモークはごく一般的だということを聞きました。ドイツはやっぱり海洋国家ではないから、魚は酢漬け、塩漬け、燻製等で保存する文化があるのでしょうね。
また、別のソースから聞いたところでは、スモークにもいろんな種類があって、燻製度の高いものから浅いものまであるそうな。私が食したサバの燻製は、わざわざ冷凍にしてあるくらいですから、多分燻製度が浅いものだったのでは?と思います。前に食べたニシンの燻製は普通の冷蔵保存でしたから、燻製度も高かったのでしょう。
というわけで、焼き魚って、決して当たり前のメニューではございません、ここでは。食べるにはそれなりの覚悟が必要です。でも、その価値はありますよね。
この顛末、まだ続きがありますので、それはまたの機会にご紹介したいと思います。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
八月の第二週に入りました。八月初めのVerslumannahelgiヴェルスルマンナへルギ「商人の週末」を越えると、突如「晩夏」になるのがいつものアイスランドです。
ちなみに、国語の得意な皆さんはお気づきだったと思いますが、私はこれまで「月のはじめ」をいう時には、いつも「初め」ではなく「始め」と書いてきました。普通には「初め」であることはもちろん承知していましたが、「理屈から言って『始まり』だろ?」と考え、逆らってきたのです。
ちらっと調べたところ「時に関連する『はじめ』は『初め』を用いる」というのが国語の正論であるようです。「『はじまる』ということはすべからず時に関係しているだろうが?」と納得はしていないのですが、べつに執着する理由もないので、流れに身を任せることにしました。老化... (^-^;
清涼感アップ用ピック
Mateusz_Klein@unsplash.com
それはともかく、八月のレイキャビクは太陽が雲隠れ。気温も肌寒くなり、夜も10時を回るとしっかりと暗くなり始め、まさしく「晩夏」です。ワタシはこの時期から「晩夏ブルー」というメランコリーに取り憑かれたりします。気をつけないといけないですね。普通はも少し遅い時期 -九月くらい- からなんですが、今年は「晩夏化」が特に早いみたいです。
この時期、周囲には先日のGay Prideフェスティバルやケフラビク近郊での火山の再爆発(というかマグマの再噴出)とか、いろいろニュースネタはあるのですが、今回私が書きたいと思っているのは「焼き魚」についてです。
もう一月以上前になりますが、「マツコ有吉のかりそめ天国」で、「魚の食べ方はいろいろありますが、『煮魚』ってメインにならないですよね」みたいな投稿がありました。
マツコさん、有吉さんともキレ気味で反論。マツコさんなどは「金目鯛の煮付けは、魚料理全部の中で一番美味しいわよ!」
番組が実施した「どんな調理法で魚を食べることが多いか?」というアンケートでは、焼き魚がトップで、二位は刺身でした。三位はたしかフライだったかな?
でも、まあ、これはわかりますよね。刺身で食べられる魚よりは、焼いて食べられる魚の種類の方がずっと多いでしょうから。どちらが美味しいという問題は別として。私は両方好きです。
この番組で「焼き魚」が頭にインプットされたのと同じくらいの時期に、今度は「有吉くんの正直さんぽ」で、有吉さんが昔行ったという定食屋さんで、サバの塩焼きが紹介されました。これを見て、完璧に「焼き魚が食べたい」という私的願望に火がついてしまったのでした。
こちらでの最近のホットニュース マグマ再び
Myndin er ur Visir.is/VILHELM
あとひとつ伏線がありました。大根おろしです。私の行きつけのスーパーでは近年大根も入れてくれています。時々買って煮物に入れたりしていましたが、常食というわけではありませんでした。そのかたはら、昨夏、料理熱が再発した時にフードプロセサーを買っていたのですが、なんだか使い方が複雑で「置きっぱなし」になっていました。
この夏、一念発起して、その使い方を調べた結果、チョー微塵切りというか、野菜とかをめちゃ細かくするには単純な扱いで良いことが判明。さっそく大根おろしにトライしたのですが、大成功。もちろん、手でおろしたって大根おろしはできます。でも、けっこうな労働。プロセサーの方が、楽に大量におろせます。
そして、大根おろしを目の前にすると、やはり「焼き魚」が頭の中で輝いてしまうのでした。
ところがです。焼き魚なんて、日本の皆さんには日常生活の一部でしょうが、こちらではそう容易いことではないのです。こちらのキッチンでは直火を使いません。全部電気。
直火を使うとしたら、グリル用のコンロがありますが、これはBBQ用のでかいもので、基本戸外での使用です(それにワタシは持っていないし...)。 使い捨ての簡易グリルもありますが、これも屋内使用は危険です。一度つけたら、燃え切るまでどうしようもないですから。加えて煙も大変。
キッチンの標準設備で魚を焼くとしたら、オーブンで焼くことになります。ですが、オーブンでの魚焼きは、まず「熱源」と魚の距離が短くないので美味しく仕上げるのが難しいです。さらにオーブンに魚の匂いが付いてしまったりして、あまり好ましいことではないのです。
日本から魚焼き用のロースターを買おうか?ということも考えました。ところが運の悪いことに、今現在、日本からアイスランドへは、大型の航空郵便を送ることができないのです。大型というのは重さでいえば2キロ以上のもの。
これが救い主 スモークト・サバ
これ、もしかしたら皆さんにも関係するかもしれないので、気をつけてくださいね。航空輸送手段が諸々の事情で不足しているからだと思うのですが、日本からアイスランドへ、EMS、航空便荷物、SAL便荷物を送ることは、8月9日現在ではできません。アイスランドに限ったことではありませんので、詳細が必要な方は日本郵便のホームページでご確認を。
小型の2キロ以内のものであれば、E-packetという小型航空便で送ることができます。大型の荷は船便で送る以外の方法はありません。DHL、FedEx等はもちろん代替手段ですが、値段がすごい。自分で持っていく方が安いかも、と思うくらい。
いろいろ考えながら、アジアの食材も多く扱っている魚屋さんをうろついていると、見つけました、サバの燻製。結構大きいサバが二尾、冷凍になっています。値段も1000クローネちょっと。試してみっか?
実を言うと、燻製魚はあまり好きではありません。スモークサーモンはまだいいのですが、一度試したニシンの燻製(英国産)は、スモークが強すぎて美味しくなかったです。
今回もたいして期待していませんでした。解凍し、パックから一尾取り出すと... やっぱりスモークの匂いがぱっと広がってきました。だろうな...
ですが、肉厚なので、とにかくお腹から開いてみると、身は柔らかく美味しそう。頭と大きな骨を取り除くと、かなりいい感じの開きになりました。そして、驚いたことに開いちゃうと、そんなにスモーク臭がしないでではありませんか!
これを、200度のオーブンに十五分ほど入れて温めるというか、炙り焼きのようにしてみました。大きめの皿に移して、醤油といっぱいの大根おろしで実食。
美味しい。本当の焼き魚のようなパリパリ感はありませんが、箸で目一杯つまめるほどの身があります。これは嬉しい。そして、大根おろしとともにいただくと、ほとんどスモークの匂いは感じられないほどでした。
これがサバのスモークの開き形 美味しい
これは結構いいものを見つけた。焼き魚ではありませんが、「焼き魚欲」を鎮めるくらいの満足度はあります。っていうか、相当満足しましたよ、ワタシは。まさしく「かりそめ天国」。
難を言えば、大き目のサバが二尾入った冷凍パックなので、買いだめするには相応の冷凍庫のスペースが必要。そして「買いだめ」は必要なことなのです。これは経験から学んだことですが、アジア系の食材をはじめ「マイナー・ストリーム」にある食材は、年に何度か仕入れるもので、在庫が尽きるとそれっきりになってしまうものが多いのです。
だから、「食」を確実にするにはある程度の「買いだめ」は必要悪。そういえば大使館スタッフのNさんは四国出身だそうなのですが、地元産の半生うどんをアジア系スーパーで見つけ、涙を流しながら「買い占めた」と激白し、懺悔していました。いや、激白止まりで懺悔はしていなかったか?(^-^;
私の西街の古アパートの冷蔵庫の冷凍室には、大きなスモークト・サバを何尾もキープしておくようなスペースはありません。しかし教会の大きな冷凍庫にはあります。時々使う裏技です。ということで、しばらく教会に預かってもらうことを当て込んで、買いだめに走る予定です。
ドイツとかでは、魚のスモークはごく一般的だということを聞きました。ドイツはやっぱり海洋国家ではないから、魚は酢漬け、塩漬け、燻製等で保存する文化があるのでしょうね。
また、別のソースから聞いたところでは、スモークにもいろんな種類があって、燻製度の高いものから浅いものまであるそうな。私が食したサバの燻製は、わざわざ冷凍にしてあるくらいですから、多分燻製度が浅いものだったのでは?と思います。前に食べたニシンの燻製は普通の冷蔵保存でしたから、燻製度も高かったのでしょう。
というわけで、焼き魚って、決して当たり前のメニューではございません、ここでは。食べるにはそれなりの覚悟が必要です。でも、その価値はありますよね。
この顛末、まだ続きがありますので、それはまたの機会にご紹介したいと思います。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki