レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ちょっと遅れましたが「Gledileg jol!」

2023-12-26 06:58:53 | 日記
こんにちは/こんばんは。

Gledileg jol グレージィレーグ・ヨウル(喜ばしいクリスマスを)というのが、アイスランド版の「メリークリスマス」なのですが、このご挨拶をするタイミングを逸っしてしまいました。




ブレイズホルトゥス教会
今回のピックはすべてBy MEです


この辺がアイスランド「ボケ」なんですが、こちらではクリスマスは一月の六日まで続く13日間の「祭りの期間」です。ですから「まあ、焦んなくてもいいか」みたいなエアポケットにハマってしまいました。

日本ではクリスマスは一晩限り、あるいは長く見ても一晩と一日のイベント。それが終われば「年越しとお正月」という大イベントにサッと入れ替わってしまいますね。先日、そのことについてこちらの雑誌に紹介したばかりだったのに... 老人だな。

そういえば、今日(25日)の日本のニュースのYoutube版で見たのですが、ウクライナでは今年からクリスマスの祝日を、アメリカや西ヨーロッパと同じ12月25日に変えたそうですね。これは全然知りませんでした。

ウクライナ正教会を含む、いわゆる「Orthodox」教会の群れはクリスマスを年が明けた1月の7日に祝います。これは正教会ではクリスマスをユリウス暦での12月25日で祝うからです。カトリックやプロテスタントでは、ユリウス暦に取って変わったグレゴリウス暦での日付でクリスマスを祝います。つまり、ユリウス暦の12月25日か(正教会)、グレゴリウスの12月25日か(カトリック、プロテスタント)という違いです。




クリスマス前のレイキャビク ホテルBorg前


ウクライナ正教会はロシア正教会からわりと最近の2018年に独立したばかり。確か2014年のロシアのクリミア併合という出来事を受けて、教会においてもロシアから距離をおきたい、という政治的要因によるものだったはずです。

今回のクリスマスの日付の変更も、明らかにロシアから離れることを念頭に置いたものでしょうし、同時に西側諸国との精神的一体感も高めたかったのでしょうね。

私も牧師ではありますが、現実の世の「教会」というものが、世俗のもろもろのしがらみの中でいろいろな「罪」を(歴史を通じて)背負っていることは認めます。ですが、ロシア正教会の主教が復活祭のミサの中で、プーチンに祈りだのなんだのと役割りを持たせたのを見て呆れてしまいましたよ。

まあ、正教会の信徒の皆さんのすべてが加担しているとは考えませんので、それ以上は言いませんが。

さて、クリスマスと言えばクリスマス・プレゼントを思い浮かべる人も多いはず。何かプレゼントをもらいましたか?日本ですと、そういうプレゼントは、例えばお父さんが子供さんにあげたり、あるいは恋人同士がお互いにあげたりして、数的には限定されているものでしょう。




これはダウンタウンのライキャトルグ


ですが、こちらではクリスマスは家族(一族郎党的な意味で)のお祭りなので、クリスマスに会うであろう親戚の子供達みんなプレゼントを用意したりします。息子の職場の同僚には、30いくつかのプレゼントを用意しなければならず、二十万だか三十万という額のお金をプレゼントに費やした人もいるとか。まじか!?

その点、私のような移民は気楽なもので、子供たちふたりと、孫、子供たちのお母さん(前の奥さん)、娘の旦那さん、それに知り合いの子供用にふたつ、の計七個のみ。逆にもらったのはみっつだけ。(^-^;

まあ、ずーっとそういう状態だった気がしますが、それでもコロナ以前には何人かのこちらに在住している邦人の「姪」たちがなにかしらプレゼントしてくれたこともありました。コロナで関係が薄まってしまったまま、それが「新日常」となっていることの残念な一断面です。

ですが、そんなことを考えているうちに、ふと気がつたことがありました。私の西街の古アパート。六世帯が入っており、私は四階の通りに面して左側。二階の右側にはシリアからの難民だった家族が入居しています。




インゴウルブル広場の出店


もう八年も前になりますが、私がまだ赤十字のボラをしていた頃、この家族と知り合いました。その時はお父さん、お母さんと小さな二人の娘さん。お母さんは三人目を身籠っていました。

ギリシャを通ってきたことから、難民申請は拒否され、どうしようかという事態になったのです。周囲にいた多くの人が、それなりの手助けをしたとお思います。私も滞在許可を求めるぺティションをオルガナイズして数千単位の署名を集めました。

お父さんは英語ができたのですが、お母さんはダメで、ただただ泣き腫らしていたのを、どう慰めればいいやら、と思案したものです。このケースはメディアでも結構取り上げられました。

数ヶ月して、経過はよくわからないのですが、この一家は滞在を認められました。私に対してもきちんと謝意を表してくれました、何度も何度も。しばらくして三人目が無事誕生し、わりと近所のアパートを借りて暮らし始めました。

それから、とりわけのお付き合いはなかったのですが、一年前に私の西街のフルアパートに越してきたのです。まったくの偶然。その時には子供がもう一人増えていました。初めて会った時に小さかった女の子二人は、すっかり少女に。




クリスマス期間限定特設スケートリンク


で、それからは同じアパートの住人なので、もちろん顔を見る機会は頻繁にあります。別にもう「難民」とかということはまったく頭に浮かびませんし、そうあるべきだとも考えています。

そして「せっかく同じアパートにいるんだし、今年もささやかなクリスマスプレゼントをしよう」と思って気がついたのです。「この家族が、いまこうして当たり前のように日常の風景の一部となっていることって、嬉しいことだよね」

なんというか、それこそ神が私にくれたかけがえのないプレゼントのような気がしたのです。別にクリスマスにもらったわけではないけれども、間違いなく私の毎日の生活を豊かにしてくれているプレゼントです。

「クリスマスにプレゼントもらった?」とか「バレンタイン、チョコレートいくつもらった?」とか、今も昔も気にする人や若者もいるかもしれません。でも、人生のプレゼントって、もっとスケールの大きいものかもしれませんよ。

気がつかないうちに、周りの人が羨望するようなものを持っているかもしれません。すでに手にしていると、見えなくなってしまうんですよね、自分では。

このことに、なぜかクリスマスの時期に改めて気が付かさせられたことを不思議に思います。そう言えば、私もオータニさんの契約金のニュースを毎日のように見ながら羨ましがったからなあ。(^-^;

きっと神様が「オマエにはちゃんとオマエ用のものをあげてるよ」と知らせてくれたのでしょう。タシカニー。感謝いたします。(*^^*)


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2023-12-26 21:00:39
ガザのことや今のベスレヘムのことを考えると、クリスマスとはと考えてしまう今年ですね。でもそんな年に「オマエ用のものをあげてるよ」という話を聞くと、私も素敵なプレゼントをもらったそんな気がします。ありがとうございます。よいお年を!
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ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2023-12-27 06:37:36
Unkownさん、

コメントありがとうございます。
ブログから、そのようにご自身への何かを感じ取っていただけたのなら、本当に嬉しく思います。
良い年の瀬、お正月をお迎えください。m(_ _)m
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