Environment as the third teacher「環境は第3の先生」(第1、第2は教育者、保護者)をいう考え方が、レッジョエミリアアプローチにはあります
これは子供達の目線で興味関心に合う環境設定をする事により、子供達は自主的に活動に取り組み、その時に必要な発達を促す事につながる。という考え方です
また、複数の子達が一緒に過ごす際の家具の配置などもその1つで、子供達の動線を考え、適度なスペースを確保する事で 不必要な衝突事故を防ぐ事もできます。
私が頭の中で描くような、いくつかのゾーンを常設して設定できるようなスペースが作れる広さは残念ながら我が家の自宅スペースでは実現できないのですが
我が家のデイケアは1日の大半を外で過ごしています
室内よりも活動スペースも広く、子供達も好きな事を見つけてあっという間に時間が過ぎていく日々。
庭先には、ブランコ、滑り台、乗れる車、軽く走り回れるくらいのスペースがあり
ドライブウェイにブランケットを広げ、そこでその日に遊びたいリクエストがあったおもちゃを室内から持ってきて広げています。
ブロック、車、電車、クッキング、パズル、絵本などからが多いです
疲れたらゴロゴロしてる子もいる。
テーブルを2つ用意し、そこでお絵描き、工作、粘土、ハサミやシール貼り、マイクロスコープなど机があった方が作業しやすい遊びができる場所。
その他の空いているスペースにその時に興味を持ちそうな物を置いています
根っこ筆&容器
手前右:チョーク、石&はけ(ウォーターペイントなどに使える)
手前左:ミニパプキン、松ぼっくり、大きな虫眼鏡風の物、調理器具、石や枝の入った一輪車
子供達はそれぞれ興味を持った場所に行って遊びます
話し始めの子達が多いので、私はできるだけ子供達から その子達が伝えたい言葉を引き出す事、語彙や表現を増やせる事を意識して会話をするようにしています
片言の子が何かを言ったときは、可能な限りキャッチして、伝えたかった言葉+表現を使って応えています
例えばサイレンが聞こえた事に気がついた子が、「あ!」とジェスチャーで教えてくれたときは「あ!サイレンが鳴ってるね。なんの音かな?消防車かな?救急車かな?」など。
今日の設定で、子供達がどのように遊んでいたかというと
チョークでは、地面にお絵描きの他に木片や、石にも描いたり、色をつけていました。
ここでは大半の子達が容器にお水を入れて欲しいと言ってきて
このように描いたり、水を垂らして、地面にお絵描き
ドライブウェイが斜めなので、しばらくすると道路の方へ水が流れていく様子に気がついた子が「みて!お水!」とその様子を教えてくれました
「本当だ!お水が道路の方へ流れていくね!」などと応えます。
これはまた面白い。2枚の木には真ん中にミニパンプキンが置かれ、長い木には少しパターンも感じられるような並びで松ぼっくりとミニパンプキンが並んでいます。
そして、チョークで何か描かれている。
綺麗に並んでいるので、私はこれは何かの食べ物なのかな???と思いましたが、作った子に聞いてみたら「マグマ」とのこと。
なるほど。
「これがマグマということは、ここは火山なのかな?」と聞くと
「そう火山だよ」と言って、別のコンテナを間のスペースに起き、それを火山に見立て、周りの装飾はマグマだとのことでした。
そして、パターンのような並びを見ると、そういった遊びを取り入れても興味を持つかもしれないな。。。という案が浮かびます。
虫眼鏡に見立てて作った物は、顔を出して「見えるよ」と言うと「何が見えるかな」と質問して、その子の意見を引き出します
この時はピニャータのように、ぶら下げてある鉢を叩いて、戻ってきた鉢をまた叩いてと遊んでいました。これも簡単そうに見えて、戻ってきたタイミングとスピードに合わせて自分に当たらないように打ち返す動きを調整する力が必要です
これらは枝や石を使ったキャンプファイヤー。
「ここで何する?」と聞いてみましたが、これに対してはまだ答えが得られず。
そう言った様子から、実体験できるのが一番ですが、残念ながら庭で火は炊けないので、キャンプファイヤーに関する絵本や写真を見せると、創造が膨らむかなというプランが私に浮かびます
こちらの子達はまだ 言葉で説明ができる段階ではないので、なかなか聞き出せないのですが、この一輪車に色々積んで運んで下ろしたり、この時は土を入れて混ぜているような、私の想像ではクッキングをしているように見えますが、工事作業かもしれないし、全然私の予想外かもしれないし、真相には辿り着けず。。いつか子供達の方から説明してくれる日が楽しみです
マイクロスコープでは今日はお花やミニカボチャを観察
乗り物用の車達は、横に倒してお店屋さんになったり(アイスクリーム屋さんと、パンケーキ屋さんが人気)
作業用のテーブルの下は、猫さん達のお家になって、ハイハイしながらニャーニャー鳴いて、一人が猫になると、2匹、3匹と増えていって、井戸端会議をしたり、猫のご飯を誰かが持っていったり。
そして、思い切り走りたい子達がいる時は、場所を少し移動して、思い切り走ったり、ジャンプをしたり。
みんな元気いっぱい。あっという間に1日が過ぎていきます。
子供達がその時に興味を持ちそうな環境を準備すると、子供達は自分で遊びを見つけ、工夫して探究していきます
この年齢の子達にはビデオやYouTubeがなくても、自分自身の感覚や感性を使い、好奇心を刺激し、それを満たす活動を通して、時間があっという間に過ぎていき、身体も頭も発達させている。そして複数の子達と関わる事で社会性や情緒の成長も発達させている事を感じます