「三河雑兵心得」という時代小説にはまっている。
作者は、井原忠政。徳川四天王、酒井忠次、榊原康政、本多忠勝、井原直政から一字ずつ取ったペンネーム。
主人公は、作者の創作で、渥美半島の付根の辺りにあった植田村の百姓、惣兵衛だ。
惣兵衛は、夏目治右衛門の足軽となって、一向一揆側に組みして家康側と戦うが、許されて家康の家来となる。
物語は、双葉文庫の書下ろしで、6月現在次のように出版されている。
1.足軽仁義 2.旗指足軽仁義 3.足軽小頭仁義 4.弓組与騎仁義 5.砦番仁義 6.鉄砲大将仁義 7.伊賀越仁義 8.小牧長久手仁義
私は、柏市沼南図書館を通じて7冊目まで読み進んできた。伊賀越えは、家康にとって人生の一つの危機。わずか50人ほどの供で堺に取り残されている。どう岡崎城に逃げ切るか!
「あかん、9時だがや」文庫本を読みふけって不覚にも寝坊した。
「たあけ、ぼやぼやしとるとゴミもっていかれるぞ!」誰かに𠮟り飛ばされているように感じた。まさか、本田平八郎ではあるまい。
慌てて、突っ掛けをひっかけゴミ集積場に走った。(間に合ったがや)
ホッとして帰ると妻が言った。
「あんた、今朝はホットケーキを焼くんじゃあなかったかん」
「ほっか、ほんなことを言ったかん。今日はやめた」
妻が作った雑炊に生卵と生ネギを入れて、朝刊の数独を解きながら朝食をとっていると電話が鳴った。図書館だ。
いよいよ「小牧長久手」か、と期待を持って出かけると、別に注文した「百年厨房」村﨑なぎこ・小学館だった。
「小牧長久手」はまだかと聞いてみると、「先客がいて、あなたは2人め」とのたまった。