柏図書館沼南分室から、「リクエストの本が届いた」との連絡があった。
2か月ほど待ったので、有難く拝読した。
表紙絵で、馬に乗っているのは植田茂兵衛。渥美半島の付け根、植田村の百姓だった茂兵衛は、17歳で三河一向一揆の一揆側の足軽だったが、主人の夏目治右衛門(実在の人物)が許されて家康の家来となり、自分も徳川軍の足軽となる。
作者の井原忠政が、2020年からこの小説を”足軽仁義”から書き始め、9冊目の「上田合戦仁義」では、鉄砲大将で立派な馬に乗っている。一種の出世物語だ。
この本の目次は次のようになっている。
序章 三河殿は律義者で
第1章 於義丸
第2章 天下人の城
第3章 上田合戦前哨戦
第4章 上田攻め
終章 茂兵衛、 討死ス
えっ、主人公死んじゃうの?意外な展開に私は驚いた。「上田合戦仁義」は、2022年7月17日第1刷発行と奥付に書いてあるが、まだ家康は天下を取らぬうちにここで終わるのかよ!とがっかりしたが、ネットで色々調べてみると、実は、茂兵衛は上田城の土牢で生きていて徳川軍に復帰するらしい。
10冊目の{馬廻役仁義」が、11月10日ごろ発行予定だそうじゃないか。ああ、ビックリした!
「この歴史時代小説がすごい!2022年文庫書下ろしランキング第1位」で50万冊も売れたそうで、ここでおしまいにするわけはない、ということでした。作者の写真を見たけれど、元気いっぱいの大橋巨泉を思わせた。