「弱い者の世話をしていた」 ルカによる福音書 2章8~20節
羊飼いとは、イエスさまの時代においては社会的に弱い立場の人たちでした。けれども、イスラエルの人々にとって、羊飼いは、弱い者を助け、導き、世話をする「牧者」の姿と重なる信仰の理想像でもありました。人は、往々にして強くなったり裕福になると、やがて権力を求めたり、更に富を求めて上へ上へと行くようになったりするものです。その結果、弱い者を顧みなくなってしまいます。だから、逆説的に質素な暮らしを求め、奉仕に専念することが信仰的に優れていると考えられたりもしています。
夜空に現れた「天の軍勢」は、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」と歌いました。その歌を通して、前半で「天におられる神さまにこそ栄光がある。」と教え、後半で「信仰的に優れている人に平和がある。」と教えています。それは、栄光とは神さまにこそあるものだから、人は信仰的に優れた生き方をして、互いに平和に暮らすようにすることが幸せなんだよと教えられているのではないでしょうか。
人間には、神さまのようになろうとする上昇志向があります。聖書のメッセージのように、栄光は神さまのものだから、人は信仰的に優れた生き方をして平和に暮らしなさいと教えられたとしても、なかなか受け入れられるものではありません。それが人間の考え方なのです。信仰者と言われている人たちでさえも、そのような人間の考え方を持っています。それでも聖書のメッセージを心に留めて忘れないようにして、いつでもどこでも思い出して考えることができるようでありたいと、自らを戒めたいと思います。
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