旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

普通列車で往復する東京の旅6~上野駅から水戸駅まで

2014-12-27 07:19:47 | 普通列車の旅
 7月31日。3日間の研修も終わり、復路になりました。


 今日は、福島県いわき市に泊まります。
 さて、いわきまで行く人は常磐線を使うのが一般的です。
 券売機でグリーン券を買っていたら、水戸まで行く老婦人に乗車券とグリーン券の買い方を訪ねられ、思わず常磐線経由でいいんですよね、と尋ねたら変な顔をしていました。
 今日は、宇都宮線(東北本線)で小山まで行き、小山から水戸線に乗って、友部から水戸に出て、いわきまで行きます。


なぜ水戸線に乗るのか。
今までに乗った(通った)ことがないのと、今年は水戸線開業120周年ということ、などなど…
 帰りの最初の電車は、上野13時51分発通称宇都宮線宇都宮行き普通列車。E231系1000番台15両編成。7番線からの発車です。


 お昼に買ったのは、「上野弁当」。最近、上野から駅弁を買って乗ることがないので、「上野駅限定」という言葉につられました。
 その内容はごく普通の幕の内でしたが、上野弁当ということで、とんかつが入っていました。
 一説によると、上野がとんかつ発祥の地と言われています。確かに、上野駅周辺にはとんかつ屋さんがたくさんあります。それに対して、銀座が発祥の地という人もいます。どちらも本当のようです。
 とんかつを初めてお客さんに出したのが銀座の店で、メニューに「とんかつ」という名前を初めて出したのが上野の店のようです。
 但し、どちらも明治初期の頃の話ではっきりとした記録が残っていないようです。



 今から30年以上前、上野駅が東北への玄関口として賑わっていた頃の話です。東京駅で売っている同じ弁当でも、上野駅で売る弁当の味付けは濃くしていたそうです。そうしないと評判が悪く売れなかったそうです。最近はそういうこともないようです。
目がテンという番組でやっていました。駅弁がおいしく感じるのは、車窓の動く風景が関係していると。
 しばらく食事タイム。
 車窓を楽しむと行っても、大宮までは都会の風景。大宮を過ぎ、元荒川を渡り久喜周辺になると何となく関東平野と思われる田園風景が見られました。動く電車から見ても、すでに穂が出て、少し垂れているのが分かりました。青森県とはかなり気温と日照時間が違うのだろうと思いました。


 小山までの車窓で一番見たかったのは、JRと東武日光線の特急が相互乗り入れをしている栗橋駅です。
 相互乗り入れをしているのですが、JR栗橋駅にも東武栗橋駅にも停まらない。では運転士さんたち乗務員は交代しない?
 写真のようになっていました。


交代する乗務員用の短いホームが造られていました。納得。
 栗橋を出ると、利根川を渡って茨城県へ。
この利根川に架かる最初に出来た鉄橋は、明治18年7月の大宮・宇都宮間の開通に間に合わなく、1年ほど渡し船でお客さんを渡したというエピソードが残っています。
 小山15時12分。11番線に到着。


 小山15時36分発水戸線、常磐線直通高萩行き普通列車。ロングシートのE501系5両編成。16番線からの発車。



15時27分到着の勝田からの電車の折り返しと言うことで、時間があるので水戸線開通120周年に関係する掲示物でもあるのかと、ホームを見渡せど皆無。
 それでは水戸線の紹介を。
水戸線は、1889年に水戸鉄道により小山・水戸間が開通しました。その後1892年に日本鉄道に買収され、1906年には鉄道国有法によって買収・国有化され、友部・水戸間が常磐線に編入されたため、小山・友部間が水戸線となりました。その後水戸線は、線名の変更が行われていないため、水戸線と名乗りながら水戸市を通らない、水戸駅にも行かない路線となりました。
水戸線は単線ながら電化されているので、電車です。外見もシートも都会っぽいものでした。
 電車が入ってきて、ある程度乗降が済んだところで、冷房効率のため3ドアのうち1つだけ開けて、あとは閉めるとのアナウンス。
 1両に20人弱の人を乗せ定刻に出発。
 小山を出発したところにデットセクションがあるため、左に大きなカーブをゆっくり進み、直線に入ってやっと電車らしい音を出して走り出しました。
 まもなく、栃木県から茨城県に入り、最初の駅は無人駅の小田林。地名は「おだばやし」駅名は「おたばやし」だそうです。小川原駅みたいなものですね。
 でも、無人駅ながらSuicaで乗降できるように、タッチセンサーがありました。ビックリ。


 次は、結城紬で有名な結城、東結城。このあたりまで線路はほぼ一直線。
 東結城を過ぎて、鮭が遡上する南限とされる鬼怒川を渡って川島、玉戸と過ぎると次は下館。
 左には、真岡鐵道。右には、関東鉄道常総線。どちらにも、カラフルな車両が停まっていました。  
下館は、第三セクターの栃木県茂木町までの真岡鐵道と、茨城県取手市までの関東鉄道常総線への乗り継ぎ駅です。常総線に乗ると、途中の守谷でつくばエクスプレスに乗り換えて、秋葉原まで行くことが出来ます。
 下館から4~5人の中年男性が乗ってきました。水戸へ飲みに行くらしくラフな格好なのですが、一人だけネクタイを締めていました。
 話を聞いていると、この男性の町内は今日がお祭り。ちょうど御神輿が通る時間帯なので、町内の人に、ちょっとまじめな会合に出るという雰囲気を漂わせて、家を出てきたようです。
 下館を出ると、新治、大和、岩瀬、羽黒、福原を通って、稲田に到着。
 「稲田御影」と呼ばれる花崗岩の産地で、都電の敷石に使われたことで有名です。又、浄土真宗発祥の地としても有名です。
 次の笠間では、電車行き違いのため3分間の停車です。 
発車するときには、ローカル線には珍しく、発車メロディーが流れました。曲は一般的な「一滴の風」と呼ばれるもので、青森駅と同じです。
 そう言えば、水戸線は今までの駅でも結構発車メロディーが流れていました。
次は宍戸。発車メロディーがなぜ流れるのか。分かりました。
 ホームの端にボタンがあって、車掌さんが押しているのでした。
 水戸線はすごいな。東北本線青森・八戸間で発車メロディーが流れるのは、青森と八戸だけなのに。ちなみに、八戸の発車メロディーは「水の冠」と呼ばれるもので、「一滴の風」と似ていると感じる人もいるようです。
次は、水戸線の終着駅、友部です。
この電車は、常磐線直通なので乗り換えることなく水戸まで行きます。
 友部では結構人が乗ってきました。縁日でもあるのか浴衣姿の人も見られます。
 「幸せなら手をたたこう」の発車メロディーが流れ、友部を発車し、内原、赤塚を通り、左に大きくカーブして偕楽園を左に見て、定刻17時1分に水戸駅3番線に到着しました。


 つづく