野辺山駅の標高は1,345.67m。小諸駅から782.67m登ってきたことになります。そして、JRグループの駅及び日本の列車が通る普通鉄道の駅としては日本一高い地点に位置します。
なお、列車が通らない鉄道としては、トロリーバスなど普通鉄道以外の鉄道を含めると、立山黒部貫光立山トンネルトロリーバスの室堂駅が2,450mで日本一、ロープウェイを含めると駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅が2,611.5mで日本一となります。
野辺山駅の一駅一名物は「JR最高駅の木製碑」。駅の入口に建っています。
ホームには、ミニ標が建っています。
このほかにも、駅周辺には標柱が立っています。
駅スタンプの絵柄は、野辺山駅舎と清里駅と野辺山駅の間にある標高1,375mの「鉄道最高地点」の碑です。
鉄道最高地点へはここから2.3km。歩くと30分程かかりそうなので、レンタサイクルで向かいます。
平らに見えますが、標高差29.33mを上っていきます。ペダルを踏み続けないと自転車が止まります。
踏み続けること10分少々。最高地点に到着です。
踏切警報機のそばにある勾配を表す白い標識「勾配標」のあるところが最高地点です。
そこはには鉄道神社があります。
ご神体の正体で、レール。
祀られている車輪は、かつて実際に小海線を走っていたSLの前輪
お参りする時の鈴は、レールを固定する犬釘と、鉄道に縁があるものばかりです。
線路を挟んで反対側には「JR鉄道最高地点」と刻まれた石碑と共に、幸せの鐘が設置されています。
野辺山駅に戻って記念入場券を購入し、小海線の旅を続けます。
1番線のホームには、小海線で週末を中心に運行されている「HIGH RAIL 1375」という観光列車をお出迎えするパネルなどが設置されています。
列車を待っているときに見つけた「ナゾ」。
あの廃屋は民家だったのでしょうか…。
ワンマン乗車口の表記。「小淵沢」が「小渕沢」になっていた…。
正字と異体字の違いと言えばそれまでですが、どっちでも良いわけでは無いと思うのですが…。
「平成おじさん」と言われた当時の官房長官「小渕恵三」。「小淵恵三」じゃまずいよね。
やってきました。小海線上り 普通 小淵沢行。
始発 小諸14:51
野辺山 16:53着 16:54発
出発してまもなく左手に、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡が見えます。
前方を見ると「JR鉄道最高地点」の踏切が見えます。踏切から先の線路が見えないことからも、ここが最高地点であることがよく分かります。
22‰勾配で下り始めると間もなく、山梨県に入ります。
急勾配の33‰の勾配で下っていきます。
清里 17:01着 17:03発
一駅一名物は「箱庭と標柱」。観光のシンボル「八ヶ岳」の石造りの箱庭に標高1,274.694m(JR線2番目の標高)の標柱が下りホームに作られています。
JRの駅の中で標高が高い1番目から9番目までの駅は、小海線沿線です。
甲斐大泉 17:10着 17:11発
駅周辺には、別荘が点在しているそうです。
甲斐小泉 17:17着 17:20発
駅前には、平山郁夫シルクロード美術館があります。
(外部データ)
25‰の勾配を下っていきます。
周囲が開けて、通称「大曲がり」で180度近く回ります。
天気が良ければ甲斐駒ヶ岳などが見えるはずでした。
下には中央本線が見えます。
標高差458.97mを33分掛けて下ってきました。
小淵沢 17:27着
天気が良くなく、高原列車の旅を満喫とは言えない、消化不良の車窓でした。
小海線ホームには、すでに営業時間は終了していましたが、山小屋風の駅弁売店があります。
隣の待合室も同様に山小屋風。中の照明はランプ風。
小淵沢駅は小海線の起点なので0キロポストがあるのですが、それはホームから外れたかなり先にあります。
ホームや跨線橋は従来の物ですが、駅舎は新しくなっています。
小淵沢駅のある北杜市小淵沢町は、いくつもの乗馬クラブが点在する「馬のまち」でもあります。
駅前ロータリーには「馬の親子」。
駅舎屋上は展望台になっています。
残念。
ここからは中央本線に乗ります。
中央本線は、東京駅を起点に、新宿駅、長野県塩尻市の塩尻駅を経由して、名古屋駅を終点とする路線です。
このうち東京駅・塩尻駅間は東日本旅客鉄道の管轄で「中央東線」とも呼ばれ、塩尻駅・名古屋駅間は東海旅客鉄道の管轄で「中央西線」とも呼ばれることもあります。
また、御茶ノ水駅・三鷹駅間を「中央線快速」、東京駅・高尾駅間を「中央・総武緩行線」とも呼んだりもします。
なお、国土交通省鉄道局が監修する、日本の鉄道を概観するうえで最も基礎的な資料の一つである『鉄道要覧』上は、重複する東京駅・神田駅間は東北本線、代々木駅・新宿駅間は山手線となっています。
中央本線は吉祥寺駅から当駅までが八王子支社の管轄であり、塩尻・松本方面は長野支社の管轄です。
駅スタンプも、八王子支社スタイルです。絵柄は、今日は見ることができなかった八ヶ岳。
今日最後の列車、中央本線下り 普通 松本行に乗ります。
始発 甲府17:20発
小淵沢 18:08着 18:12発
右手に小海線が離れていきます。
信濃境 18:16着 18:16発
ここに来て、ようやく右手に八ヶ岳を見ることができました。
旧線にかかる立場川橋梁が見えます。
富士見 18:20着 18:21発
955.2m。JR線10番目の標高の駅です。
すずらんの里 18:24着 18:25発
駅右手奥、林の向こうにはセイコーエプソン諏訪南事業所があり、そこへのアクセス確保と鉄道の有効利用を目的にセイコーエプソン株式会社が設置を希望し、設置費用およそ2億円を負担して1985年(昭和60年)10月にできた駅です。
なお、「すずらんの里」という駅名も要請により付けられたもので、由来は、地元入笠高原の別名「すずらん高原」からだそうです。
ここからは、通勤客が乗ってきました。
青柳 18:27着 18:28発
ここには、エプソンの社員寮があるようです。
茅野 18:35着 18:42発
ここの一駅一名物は「八ヶ岳産の黒曜石」。黒耀石は八ヶ岳山麓や和田峠に産出し、旧石器時代から縄文時代まで狩猟道具や調理道具として珍重されました。島式ホームに黒曜石の原石が展示されています。これは1955年(昭和30年)頃、地元の住民が八ヶ岳冷山から運び出したものだそうです。
普門寺信号場 レ
ここより岡谷駅まで単線になります。
上諏訪 18:48着 18:49発
一駅一名物は「足湯」。1番線ホーム脇には上諏訪温泉がひかれています。かつてはこれを利用した露天風呂形式の公衆浴場が設置されていたが、2002年(平成 14年)にこれを足湯に改装した。入口と出口には、御柱をかたどったミニチュアの柱が2本ずつ建てられています。
通勤通学客で混んできました。
車内からの写真はここまで。
下諏訪 18:54着 18:56発
岡谷 18:59着
1日目の宿泊地、岡谷駅に到着。
ここはJR東日本管内ですが、JR東海管内の飯田線のほとんどの列車が辰野駅から当駅まで乗り入れています。
飯田線天竜峡行普通列車の乗り換えていく人も結構居ました。
岡谷駅の一駅一名物は「平和のナイスミディ像(裸婦のブロンズ像)」。塩嶺トンネル、駅前の開発事業の完成に伴って、かつて岡谷に栄えた製糸工業に携わった女性(製糸工女)が平和を願っている姿の彫刻がつくられました。うしろに組まれた手には生糸が握られています。
今日のお宿は、ホテル岡谷。
このお二人がお出迎え。
朝食込夕食別。サービス料込・消費税込大人1人6,100円です。
今日の夕食は、小淵沢駅で購入した「高原野菜とカツの弁当」。
駅弁ファンにとってはおなじみのパッケージですが、「おかげさまで丸政創業100周年」の文字が入った100周年記念バージョンとなっています。
創業大正7年丸政のホームページには次のように記されています。
<誕生秘話>
八ヶ岳山麓に広がる畑を見ながら、新鮮な高原野菜を活かした、生野菜の入った駅弁を作りたいと思ったことから始まりました。野菜は加熱してしまえば、菌を殺せるのですが、生野菜を入れるとなると、それはできません。新鮮さを保ちながら洗浄しか出来ないので、駅弁としては過酷な状況です。シャキシャキ鮮度を保つため何度も試行錯誤を重ね、現在のスタイルのシャキシャキ生野菜を提供できるようになったのです。また、豚のカツでは冷めたときに硬くなってしまうので冷めても美味しいカツということでチキンカツが採用されました。「駅弁は冷めて美味しい」を追及した一品です。
<こだわり>
「シャキシャキ感」
新鮮野菜が基本。ほぼ前日の採ったレタスを洗浄カットし翌日には店頭に並びます。また、畑から採ったばかりが新鮮というわけではなく、採取に適した採り頃がありそのいい時期に採取するようにしていただいております。
「駅弁は冷めて美味しい」
チキンカツは均一に火が入るようにカットし、筋きりをしっかり行うことでやわらかさを出しています。駅弁に大切なご飯はその季節ごとにブレンドを変更して一番駅弁としていい状態で提供しております。「駅弁は冷めて美味しい」がモットーのためご飯の美味しさもよく分かると思います。
ビックリするくらいシャキシャキしたセロリ・レタス・きゅうりです。
チキンカツも美味しい。
もう一つは、「元気甲斐」。
丸政のホームページには次のように記されています。
1985年、小淵沢名物駅弁「元気甲斐」、テレビ朝日「探検レストラン」の企画で誕生いたしました。経木折詰の二段重ねで、京都と東京の人気料亭が知恵を絞った東西の味比べが楽しめる「元気甲斐」。高級料亭の味を持ち込んだ駅弁の決定版として爆発的な人気を博し、多くの人に愛されてきた全国の名物お弁当のロングセラー商品。ネーミング岩永嘉弘、包みのイラスト安西水丸、ディレクション山本益博など豪華な顔ぶれが担当するなど味以外の楽しみも盛り沢山。
お品書きです。
今日の乗車距離895.0km、乗車時間8時間32分、乗換駅滞在時間は4時間4分でした。
つづく