旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

三陸鉄道 鉄印の旅 6 『北三陸鉄道』へ

2020-10-17 12:00:00 | 三陸鉄道の旅
 ※写真は後方展望です。但し、一部前面展望があります。
 三陸鉄道リアス線は、岩手県大船渡市の盛駅と久慈市の久慈駅とを結ぶ延長163.0kmの、第三セクター鉄道では最長距離の路線です。
 これから乗車する宮古駅・久慈駅間71.0kmは、かつて「北リアス線」と呼ばれた区間です。
 沿線は「リアス」とは言うものの海岸段丘が続いており、津波の被害を考慮して山側に線路を敷いたことと、全区間の約半分がトンネルのため、決して車窓を楽しめるとは言えないのですが、逆にそのことによって、視界が開け青い海が見えたときには感動もある。とは言われていますが、今日はあいにくの雨模様で「青い海」は期待できません。
 ※古い路線図のため、新設されたいくつかの駅は載っていません。


三陸鉄道リアス線下り 普通 久慈行 113D
 車両は36-R1。宝くじ号、「さんりくしおさい」(レトロ列車)の愛称が付いています。


宮古 ミヤコ               13:18発
 駅を出ると右にカーブし、山田線と分かれ長根トンネルを抜けると、山口団地駅に着きます。
山口団地 ヤマグチダンチ    13:21着 13:22発

 16~20‰の勾配で登っていき、サミットの猿峠トンネルを抜けると一の渡駅に着きます。

一の渡 イチノワタリ      13:28着 13:28発   

佐羽根 サバネ         13:32着 13:33発   
 ホームや待合所には、三陸鉄道を勝手に応援する会の皆さんが寄贈した木彫りのクマ、シカ、タヌキ、ウサギ、ヨタカ、テン、サルの合計15匹があります。一度途中下車をしてじっくり見たいと思っています。


田老 タロウ          13:37着 13:37発   
 田老駅では上り普通宮古行と交換です。待っている車両は、写真ではよく分かりませんが、旧南リアス線用としてクウェートからの支援を受けた36-R3。レトロ列車です。


 まだまだ工事が続いています。

 隣の新田老駅までは500m。

新田老 シンタロウ       13:39着 13:39発
 2020年(令和2年)5月18日に開業した、築堤上にある単式ホーム1面1線の無人駅ですが、宮古市の田老総合事務所新庁舎と一体となって整備されているため、1階・2階には地元の行政機関や 商工団体、金融機関が入居し、駅ホームは3階部分にあり、駅と共に地域の活性化や住民交流の拠点として活用されることが期待されています。 
 愛称は公募で選ばれた「真崎の紺青(こんじょう)」。
  

 次の摂待駅までは、ほとんどがトンネル区間で、中でも最後の真崎トンネル6,532mは、非電化区間では日本最長のトンネルです。


摂待 セッタイ         13:47着 13:48発   
 摂待駅を出た列車は、摂待トンネルを抜けると、開業当時の鉄道橋としては世界で初めて採用されたPC斜張橋の小本川橋梁を渡ります。


岩泉小本 イワイズミオモト   13:52着 13:53発   
 久慈駅方面にある横取り線には、ラッセル装置が付いた軌道モーターカーが停まっていました。
 主に鉄道の保守作業に使用される小型の自走する動力付きの鉄道業務車両の一種ですが、法規上日本では作業用の「機械」扱いで「鉄道車両」ではありません。不思議ですね。


島越 シマノコシ        14:01着 14:01発   
 宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」に出てくる、火山島の名前にちなんだ「カルボナード島越」という名前と、メルヘンチックな外観の駅舎が人気で、「目の前に海が広がる、お洒落な南欧風の独特な駅舎」として、2002年(平成14年)、東北の駅百選に選定されました。
 しかし、2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災による大津波で駅舎は跡形もなく流失してしまいましたが、現在は、以前の南欧風の八角形のドーム屋根の面影をのこしている駅舎が再建されています。


 2013年(平成25年)4月から9月まで放送された、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で、畑野トンネルの出口でユイと大吉が目にし津波によって何もかもが破壊された景色は、当駅付近で実際に撮影されたものがそのまま使われています。
 旧駅舎の駅前広場には前述の津波にも流失しなかった宮沢賢治の詩碑(「発動機船 二」)及び旧駅舎よりホームへ向かうための階段が震災遺構として保存されています。


 かつて「北リアス線」と呼ばれた区間では数少ない「リアス式海岸」が見られる『ハイペ沢橋梁』。今日は観光徐行です。


 いよいよ『北三陸鉄道』に入ります。

 つづく


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