S氏所有の99年サバーバン用エンジン続けます。
シリンダヘッドは取り外しましたので腰下を分解していきます。
まずはピストンを抜き取るのですがV8エンジンですので当然ピストンは8個使っています。
どこのシリンダーにどのピストンが入っていたかをマーキングしてばらしていきます。
「7」っていう打刻見えますか?コンロッドのベアリングキャップも組み合わせを変えないよう打刻しておきます。
取り出したピストンASSY、コンロッドメタルもチェックします。
使用感はありますが合格レベルです。(もちろん新品交換します)
メタルの裏側の番号を確認するとスタンダードサイズ、新車からオーバーホールされてないようです。
ここに違う部品が使われていたり、アンダーサイズのメタルに交換されていたりすると以前何かしらのトラブルが発生していることが予測できますがそれもなく、元気に走っていたエンジンだと想像できます。
ちなみに危険な臭いのするメタルは↓
以前オーバーホールしたTBIエンジンのクランクメタルですがガリガリになっています。
こうなっているとクランクの加工&アンダーサイズメタルを使用というコースになってしまいます。
8個のピストンを抜き取り確認、どれも状態は良くピストン自体は再使用の予定です(採寸後判断します)
続いてフリーズプラグを抜き取ります。
このエンジンは鋳鉄製です。
鋳鉄とは砂で作った型に溶けた金属を流し込み固めて作る製法です。
エンジンのように中空部分があるものは、その中空部分に入っていた砂を後で抜くための穴が必要です。
その穴をふさぐためにフリーズプラグが使われます。(その名のとおり冬場エンジン内の冷却水が凍って体積が増した際、フリーズプラグが抜けてエンジンが割れるのを防ぐ役割もあります)
エンジンオーバーホールの際は必ず交換したい部品の一つです。
上の写真のように外見はきれいでも抜き取った裏側はこんなです。
こうやって錆が進行していって最後はピンホールが開いて水漏れ→オーバーヒートです。
フリーズプラグの裏側がこうなっているのですから当然エンジンの中のウォータージャケット(冷却水通路)も錆が出ています。
エンジンの後ろ側は冷却水の流れも悪いのでしょうか、いつもドロドロの錆がたまっていますのでこちらもきれいに洗います。
折り返し地点は近いです。
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当方アメ車対応のスキャナーはあるのですが国産車、欧州車用はチープなものしか持っていませんでした。
ですが最近の自動車(プリウス等のメジャー車種でも)こういったものがないと整備が難しくなってきましたので導入しました。
故障診断が出来ないとかならまだしも通常整備時にもこういったツールを併用しないと消耗品の交換も出来なくなる時代が来たんですね、、、、
昔のメカニックのようにくわえタバコ、ドライバー1本でエンジン調整する時代はおわったんですねぇ、、、、、、、