クツワムシは、本州、四国、九州、壱岐、対馬、韓国、中国などに分布します。その仲間にタイワンクツワムシというのがいることを知りました。静岡以南の太平洋側(西伊豆、天竜川河口付近、愛知県、広島県の一部など)、四国南部、九州、八丈島、南西諸島、台湾、アジア熱帯域などに生息しています。
愛媛県での調査によると、タイワンクツワムシの分布は県の南西部の海岸沿いに局限されており、クツワムシの分布域とは明確な境界線で区切られています。その様子は、四国全体のクツワムシに押されギリギリ海岸線で踏みとどまっているようにも見受けられます。しかし、クツワムシが飛べないのに対してタイワンクツワムシは飛翔能力に長けていて、八幡浜市ではクツワムシが減りタイワンクツワムシの分布が拡大しているという研究報告もあるそうです。
両者の共存域がほとんど認められないことから、その鳴き声がお互いを敬遠しているのではないかと勝手に想像するのですが、なぜ分布が重ならないかの解明は今後のテーマのようです。
蝶の世界では、ギフチョウとヒメギフチョウが棲み分ける分布の境界線が有名で、リュードルフィア・ラインと呼ばれています。
ギフチョウは、コシノカンアオイを食草(幼虫が主に食べる植物の種類)とし、静岡及び山形より西の地方に分布するのに対して、ヒメギフチョウはウスバサイシンを食草とし、神奈川県、長野県、福島県、山形県より東側・北側に分布しています。この両種もほとんど共存域がなく、姫川流域など一部が知られるに過ぎません。
クツワムシとタイワンクツワムシ、ギフチョウとヒメギフチョウは近縁種のため雑種が生まれると種の保存上不利になり共存しないのだと思います。
それに対して、クマゼミとミンミンゼミとはさほど近縁種とは思われませんがほとんど共存していません。この両者の声の質が類似するから共存できないのだとの説があります。
また、アブラゼミとクマゼミは、場所的に棲み分けることなく同じ場所に生息していますが、小田原での観察では早朝にクマゼミ、10時半以降にアブラゼミという風に時間による「棲み分け」がなされます。
場所により棲み分けるほどではないが、「あいつらとは一緒に鳴きたくない」のでしょうか。
似たもの同士の平和共存は、種の保存においては難しい問題のようで、様々な方法で棲み分けを行っていて興味深いものがあります。
ヒガンバナの季節も終わり、近くではセミの声も聞かれなくなりました。
愛媛県での調査によると、タイワンクツワムシの分布は県の南西部の海岸沿いに局限されており、クツワムシの分布域とは明確な境界線で区切られています。その様子は、四国全体のクツワムシに押されギリギリ海岸線で踏みとどまっているようにも見受けられます。しかし、クツワムシが飛べないのに対してタイワンクツワムシは飛翔能力に長けていて、八幡浜市ではクツワムシが減りタイワンクツワムシの分布が拡大しているという研究報告もあるそうです。
両者の共存域がほとんど認められないことから、その鳴き声がお互いを敬遠しているのではないかと勝手に想像するのですが、なぜ分布が重ならないかの解明は今後のテーマのようです。
蝶の世界では、ギフチョウとヒメギフチョウが棲み分ける分布の境界線が有名で、リュードルフィア・ラインと呼ばれています。
ギフチョウは、コシノカンアオイを食草(幼虫が主に食べる植物の種類)とし、静岡及び山形より西の地方に分布するのに対して、ヒメギフチョウはウスバサイシンを食草とし、神奈川県、長野県、福島県、山形県より東側・北側に分布しています。この両種もほとんど共存域がなく、姫川流域など一部が知られるに過ぎません。
クツワムシとタイワンクツワムシ、ギフチョウとヒメギフチョウは近縁種のため雑種が生まれると種の保存上不利になり共存しないのだと思います。
それに対して、クマゼミとミンミンゼミとはさほど近縁種とは思われませんがほとんど共存していません。この両者の声の質が類似するから共存できないのだとの説があります。
また、アブラゼミとクマゼミは、場所的に棲み分けることなく同じ場所に生息していますが、小田原での観察では早朝にクマゼミ、10時半以降にアブラゼミという風に時間による「棲み分け」がなされます。
場所により棲み分けるほどではないが、「あいつらとは一緒に鳴きたくない」のでしょうか。
似たもの同士の平和共存は、種の保存においては難しい問題のようで、様々な方法で棲み分けを行っていて興味深いものがあります。
ヒガンバナの季節も終わり、近くではセミの声も聞かれなくなりました。