「故郷(松阪市)にはシロバナタンポポがたくさん咲いていた、家の方で咲かせたいから種をもらえないか」ともといさんに頼まれたので、今朝庭の様子を見たところ、綿毛の状態のものがありませんでした。そこで、何年か前の採集場所に行くとたくさんの綿毛があったので、無事採集しました。
この採集場所は米軍住宅との境界付近の道路脇です。フェンスを隔てた向こう側は、初夏になるとカッコウも鳴く静かなエリアで、芝生が広がっており、家と樹がところどころに散在しています。日本側住宅地の密集した状態とのこの格差は一体何?
中間色のタンポポ(左)と黄色のタンポポ(右)
その芝生に、黄色と白の中間色のタンポポが咲いていました。そういえば以前も同じ場所で見たことがあります。フェンス越しなので、これ以上近づくことはできません。
黄色いタンポポの見分け方ですが、セイヨウタンポポは総苞片が反り返る、カントウタンポポ(在来種)は反り返らないというのが両者を見分ける基本です。我が家ではこの分類でいくとセイヨウタンポポしか生えていません。
ところが、最近の研究では、セイヨウタンポポと在来種の雑種がほとんどであることが分かってきたそうです。これは、酵素の違い、DNAの解析から解明されています。セイヨウタンポポは3倍体なので、通常は有性生殖しないのですが、まれに様々な染色体数の花粉ができて在来種との雑種を作るのだそうです。在来種ではないタンポポの8割から9割が雑種で、純粋なセイヨウタンポポは1,2割とのことです(新潟大学、森田先生)。
雑種になると、形質も中間的になって、総包片が中途半端に反り返るなどの特徴が見られるそうです。しかし、花の色はいずれも黄色なので、ちょっと見ただけでは雑種かどうかは見分けられません。
シロバナタンポポは、単一種で安定していて、雑種を作る話はまだ聞いていません。しかし、芝生では中間色のタンポポが咲いています。これは新発見?一体どうして生まれたのでしょうか。採取できれば、新潟大学に送って調べてもらうのですが。いつか連絡を取って見ようと思います。