四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

城ヶ崎海岸を歩く

2010-12-20 14:05:00 | 伊豆
曇り空の寒い日でしたが、城ヶ崎海岸の自然研究路を散策しました。
ルート : 伊豆高原駅-八幡野港--城ヶ崎自然研究路--蓮着寺-城ヶ崎海岸駅


はしだて吊橋

八幡野港から歩き始めてすぐにはしだて吊橋を渡ります。この辺は常緑樹に覆われ、明るいところにはクロマツが見られました。


タイワンリス

至る所にタイワンリスがおり、合計6匹に出会いました。以前鎌倉の住宅街で見たタイワンリスに比べて大きく感じました。食糧事情がよいのでしょうか。


城ヶ崎海岸の風景(1)

城ヶ崎海岸は、3,700年前の大室山噴火で噴出した溶岩が相模湾に流れ込んでできたものです。


城ヶ崎海岸の風景(2)

溶岩の流れた斜面はなだらかですが、海に到達して固まった所は20~30mの切り立った崖になっています。崖の上や斜面は常緑樹で覆われています。


こさいつな(手前)、おおさいつなの柱状節理

溶岩が海水で急冷却された崖の下側には柱状節理が形成され、手前の波打ち際の海食棚では断面が五角形か六角形の亀甲紋様が並んでいます(こさいつな)。次の機会には海岸まで下りて詳しく観察してみたい。


釣り人たち

海岸の岩では釣り人が多く見られました。アジがよく釣れるそうです。



白花の椿が咲いていました。照葉樹が茂っている森でヒヨドリがたくさん集って鳴き交わしているエリアが2箇所ありました。
ヒヨドリは10月から11月にかけて北から南へ、東から西へと日本列島内を移動する習性があります。真鶴半島の先端の三石では、毎年多い日には何千羽ものヒヨドリの群れが一斉に飛び立ち、海の彼方へと飛んでいく光景が見られます。大島か初島に向かい、大島では椿の実を食べるとのこと。
ここ城ヶ崎海岸も気候温暖なので、北方のヒヨドリたちが来訪しているのだと思います。あの賑やかさは各地のヒヨドリが集って集会を開いているようでした。
北海道のヒヨドリは本州へ、本州の北のヒヨドリは南方西方へ移動するのが各地で観察されていますが、移動の詳細については未解明で調査段階にあるようです。


俎岩(まないたいわ)と日蓮崎

俎岩(まないたいわ)は、1261年に日蓮上人が鎌倉から流されて置き去りにされた場所といわれています。向こうに利島が見えます。


蓮着寺

日蓮上人はその後1年9ヶ月をこの地で過ごしました。蓮着寺は室町時代に正乗院日云上人が日蓮大聖人伊豆法難の霊場として開いたものです。
   ☆ ☆ ☆
城ヶ崎海岸は温暖なので常緑樹が多く、下草はシダやツワブキで青々としていました。神奈川の雑木林は落葉して明るく、下草は笹などが多いのと比べると、随分南に来たな、との印象を受けました。
崖や岩はすべて溶岩が形を変えたもので、火山帯の中を歩いていることを実感しました(12月16日)。

気象データ(稲取、12時) 曇り 9℃ 
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相模原公園のフユシャク

2010-12-13 17:11:00 | 
12月3日に相模原公園の雑木林でイチョウの落ち葉が積もっている上をたくさんのフユシャクが飛んでいるのを観察しました。12月10日に再び観察すると、3日よりも飛ぶ数は半分以下に減っている感じでしたが、あちこちでフユシャクがヒラヒラと舞っています。



前の日(9日)に黒川地区の雑木林でフユシャクが静止する瞬間を4度目撃した経験から目で追っていくと、藁にでもすがるようにして細く枯れた蔓に止まりました。



やがて、風で蔓が右に移動して枝に接した際に、フユシャクは枝に乗り移りました。


クロスジフユエダシャク♂ 12月10日 11:26

この個体も黒川地区で目撃したのと同じクロスジフユエダシャクの雄だと判りました。3日に観察したときにはまったく静止する場面を観察できなかったのですが、かれこれ1週間経つと静止するのを比較的容易に見付けられました。
3日は一斉に羽化したばかりで元気良く飛び続けていたものの、一切の食事を摂ることなく雌を探して飛び続けるうちに体力の消耗が進み、数も減り、生存しているものも飛ぶ途中で小休止するようになったのかもしれません。



椿が咲いています。椿の葉に日が照り輝いて見えます。

気象データ(海老名、11時) 快晴 12℃ 

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黒川地区で見たフユシャク

2010-12-11 15:08:00 | 
黒川地区の雑木林の山道の至る所に、薄茶色の小さい蛾がヒラヒラと飛んでいたので、そこで昼食を取りながら止まるまでひたすら待つことにしました。



一番初めに止まった個体は、枯葉の裏側に隠れるように静止しました。隠れ方は実に巧みで、上下に重なった枯葉の隙間にスッと入り、枯葉を屋根にしたようにして止まりました(写真中央)。


クロスジフユエダシャク♂(1)

2番目の個体は笹の葉の上に静止。接近してもフラッシュを光らせても逃げませんでした。


クロスジフユエダシャク♂(2)

近くの笹の葉表面の白い模様は虫にでもかじられたのか、象形文字のようで面白い。



4番目の個体は開けた日向で見かけました。先ほどの個体と茶色の筋の入り方がいくらか異なっているように見えます。調べたところ、フユシャクの一種で、スジグロフユエダシャクというシャクガ科エダシャク亜科の蛾であることが分かりました。模様には個体差がみられるようです。


クロスジフユエダシャク♂(3)

フユシャクは、天敵の活動時期を避けて冬季に発生します。雄は、雌の出す弱いフェロモンを頼りに雌を捜し求めて飛び回ります。フユシャクは口が退化し、食事することなく短い寿命を終えます。活動のすべてが雌を探すことに特化・集中しているなんて、実に健気ですね。雌は翅も退化し、ひたすら雄の到来を待っています。
フユシャクは種類によって発生時期が晩秋のものから早春のものまであります。スジグロフユエダシャクは、11月下旬から12月にかけて羽化し、昼間に雑木林の地面付近を飛びます。12月上旬が活動のピーク(寿命は約2週間)とのことです。
次の機会には相模原公園での観察を行ないたいと思います。
KAZさん、冬に飛ぶのはフユシャクではないかと教えていただきありがとうございました。

気象データ(府中、12月9日 12時) 快晴 11℃ 
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川崎市黒川の里地を歩く

2010-12-10 14:11:00 | 南多摩
冬晴れの日、川崎市麻生区の黒川地区の里地を散策しました。黒川地区は、南西側に東京都町田市小野路、北西側に神奈川県多摩市と接する、川崎市北西端の地域で、豊かな森林と農作地が残されています。



谷間には田んぼ、畑、果樹園(リンゴ、柿など)が広がるのどかな田園風景が続きます。







谷戸の一番奥まで行くと森の遊歩道「よこやまの道」となり、雑木林と笹の山道には落ち葉が積み重なり、こもれ日がやわらかに射し込んでいました。ここでも薄茶色の小さい蛾の一種がたくさん飛んでいました。



雑木林の山道を抜けると、標高の一番高い一帯になり、展望広場からは多摩ニュータウン方面の団地が近く遠くに望まれました。



帰り道の畑で目に付いた唐辛子です。



もみじの広場を通り、再び雑木林の中をなだらかに下って行きます。



途中の山間の畑では、枯葉を焼いているのか、煙が上がっていました。
好天に恵まれ、里地の田園風景と雑木林の散策を堪能しました。

見かけた蝶:モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ヒメアカタテハ
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相模原公園のメタセコイア

2010-12-06 16:15:00 | 相模原公園・北公園
強風の次の日の朝、メタセコイア並木の紅葉を見に相模原公園を訪れました。

    
12月4日 8:46

噴水広場の三方を囲むように、樹齢30年、高さ30mのメタセコイアが約100本植えられ、ちょうどこの時期が紅葉の見頃です。
紅葉の時期に合わせて12月1日から5日までの17~20時、メタセコイア並木がライトアップされるとのことで、公園管理の方々が暴風雨で散らかった落葉や泥水の清掃に追われていました。






温室とメタセコイア並木

メタセコイア並木を見上げながら爽やかな気分で公園内を散策していました。
やはり気になるのは蝶たちの姿ですが、ムラサキシジミやムラサキツバメは、どこにも見当たりませんでした。9時前だと気温が低すぎてまだ目覚めていないようです。
最近、薄茶色の蝶か蛾が雑木林の地面近くのイチョウの落葉や枯葉の上辺りを多数ちらちらと飛んでいます。一度に5,6頭が見えるほどの密度でした。大きさはムラサキツバメ程度です。いくら追いかけても止まることなく絶えず移動しており、未だ撮影できていません。正体が気になります。次の機会には距離を固定して何とか飛行中の個体を撮影したいものです。
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