四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

ニホンカワトンボ

2018-04-21 14:20:00 | 南多摩
4月19日

町田市の谷戸でカワトンボを撮影しました。


ニホンカワトンボ淡橙色翅型メス オスの未成熟個体(4月24日訂正)


神奈川県を中心としたカワトンボ属の分布(1)によると、カワトンボには3種あり、外観は互いに似ていますが、遺伝子配列が異なります(形状の違いも検討されている)。神奈川県付近では3種の分布が入り組んでいます。


神奈川県周辺のカワトンボ属3種の分布(1)

ニホンカワトンボ
相模原台地、多摩丘陵西部~藤沢北部、大磯丘陵
アサヒナカワトンボ
八王子市高尾、神奈川県北部(旧津久井町、旧藤野町)など
伊豆個体群
箱根~丹沢南麓(伊勢原市、秦野市、南足柄市)など


今回の撮影地は多摩丘陵西部なのでニホンカワトンボとなります。見分けの難しいカワトンボの種名が観察地で判明(^^♪

文献(1)では、調査した範囲ではニホンカワトンボの♀はすべて無色型だったと報告されています。 
淡橙色翅型♀は新発見なのかもしれません。⇒縁紋が白いのは淡橙色翅型♂の未成熟個体のようです。



撮影した谷戸風景

この報文では、フィールドで知り合った守屋博文氏が共同研究者であり、昆虫写真家の尾園暁氏が採集者の一人になっていました。

著者の守屋さんからニホンカワトンボ淡橙色翅型♀ではなく、淡橙色翅型♂の未成熟個体ではないかと教えていただきました。ご教示有難うございました。
(4月24日本文一部訂正)

文献
(1)苅部治紀,守屋博文,林 文男(2010) 神奈川県を中心としたカワトンボ属の分布. Bull.Kanagawa prefect. Mus. (Nat.Sci),(39),25-34.

※「神奈川県 カワトンボ属」で検索すればすぐに見つかります。



ヤマトシジミがベニシジミに誤求愛

2018-04-18 20:42:00 | 南多摩
3月15日

ヤマトシジミ♂がベニシジミ♀に誤求愛していました。







短時間でしたが、事の顛末を以下のURLにアップしますので
ご覧ください。

1枚目の画像をクリックして画像を拡大表示させ、Play slide show をクリックすれば連続して見られます。
ステージ状の葉上で1周追いかけられたベニシジミ♀は隣の細い葉に移り、懸命に上へと逃げましたが、ヤマトシジミ♂は執拗に求愛を。。。そののちベニシジミは飛び去りました。

https://1drv.ms/f/s!AvkOxrkZyqzIhOoOYnoCibSO_2CCJw

そのヤマトシジミ♂は、近くにいたヤマトシジミ♀に
接近していました。


午後から日が陰り、スイバのたくさん自生する草地では多くのベニシジミが活動を止め、開翅して休憩していました。









コツバメとミヤマセセリ

2018-03-29 20:29:00 | 南多摩
3月23日

タチツボスミレの咲く林縁草地ではミヤマセセリが2,3頭巡回するように飛んでおり時々小競り合いしていた。そのうち、コツバメと争い、コツバメ撮影のチャンスが先に訪れました。初見です。


コツバメ A

ミヤマセセリは思うように撮れませんでしたが、やっと止まったところで撮影。こちらも初見です。


ミヤマセセリ

別の場所に移動、昨年もコツバメを撮影したところで2頭が縄張り争い中でした。すぐに丸太杭でテリ張りするので撮影はしやすい。


コツバメ B


コツバメ C

この個体は、丸太杭断面の舞台で踊っているようだ、と仲間から評されました。前脚を上げ、触角を揺らしているようで流石の優れた着眼と感心!

アセビの場所に移動しましたが、この日はコツバメは見つかりませんでした。


3月24日
キブシにルリタテハが来ていないかと7,8本のキブシを巡りましたが出会えませんでした。最後のチャンスでコツバメが来ているのを発見。



菜の花でようやくベニシジミを初見することができましたが、この1頭しか見つかりませんでした。


ベニシジミ

アカネスミレの近くで弁当を広げているとミヤマセセリがアカネスミレにやってきました。


アカネスミレとミヤマセセリ

今年はミヤマセセリの当たり年のようで、今日だけでも5カ所で確認しました。

畑近くを歩くと、スモモが咲いており、テングチョウでもいないかなと見上げると、テングチョウが飛んできて吸蜜を始めました。


スモモとテングチョウ



これからはウメ、サクラ、スモモの類をもう少し丹念に見上げる方がいいなと反省。

ルリタテハの観察については後日に。。。

撮影機材:
Nikon D7500; AF-S NIKKOR 300mm 1:4E PF ED VR


キタキチョウの越冬観察

2018-03-06 19:54:00 | 南多摩
1月16日、晩秋にキタキチョウが好んで飛んでいる谷戸林縁の膝より低い位置にキタキチョウが潜んでいないか探すと1頭(♀)見つかりました。


越冬場所

日に焼けたシダやヒサカキが前面にあり、その裏側の笹の葉に頭を下にして静止中でした。


1月16日



1月23日

ほぼ同じ位置です。


2月19日

2月11日には笹の葉裏を離れ、細い葉の草に移動、頭を上に向け静止。2月19日も同じ位置でした。



2月27日


2月28日

2月27日、28日も同じ細い草に止まっていましたが、微妙に止まる位置が変わっているように見えます。

3月1日

この日は大きな動きを見せました。奥まった所から歩いて外に出てきました。


13時47分11秒


13時47分22秒


13時50分


13時55分

草の折れ曲がったてっぺんまで来ると静止したのでこの場を離れました。



14時8分

現場に戻ると林縁を緩やかに飛んでおり、やがて元の場所から5歩東の笹の裏に静止しました。3月1日はここで睡眠したと思われます。しかし、飛び出しやすい場所だったので、翌朝には行方不明に。

キタキチョウは笹裏やイモカタバミ葉裏などで越冬するのを今まで見てきましたが、暖かい日には飛び出す例が多くありました。

今回のキタキチョウは奥まった場所に入り込み、ほとんど直射日光の当たらない位置だったので、観察し始めてから1か月半も越冬態勢を維持していたと思います。それでも、暖かい日には覚醒して微妙な位置替えをしている様子も確認できました。

2月と3月初めの最高・平均・最低気温の推移をみると、3月1日に最高気温が急に20度まで上昇したため、完全に覚醒、飛び出すに至ったようです。





雪翌日の多摩丘陵と越冬蝶

2018-01-25 09:45:00 | 南多摩
1月23日

雪の翌日、小田急多摩線終点の唐木田駅から雪の多摩丘陵を歩きました。


尾根道

尾根道は約20㎝の積雪で、25㎝の長靴では埋もれてしまう場所もありました。


ゴルフ場

ゴルフ場も一面銀世界で、スコップを持った作業員の方が忙しそうでした。


紅梅

畑地の一角で毎年今頃咲きます。


尾根の頂上付近

この斜面は初夏にノアザミが一面に咲きメスグロヒョウモン、キアゲハ、アゲハチョウなど色々な蝶たちが訪れるお気に入りの場所です。



ツバキと谷戸

越冬中ウラギンシジミのいるツバキと谷戸の風景。1月16日には2頭いましたが。。。


ウラギンシジミ

椿の葉裏にウラギンシジミ1頭がしがみつき、寒風に耐えていました。もう1頭は残念ながら行方不明に。


キタキチョウ♀

1月16日に発見のキタキチョウ♀も無事でした。


丸太橋

ルリタテハ4頭のいた丸太橋と雪景色です。


ルリタテハ4頭

ルリタテハ4頭がみな同じ南方向に向いて並んでいました。ウラギンシジミも越冬中は頭を南東~南西に向けて葉裏に止まります。越冬時に南に向いて静止するのには種類を超えた共通の法則があるのでしょうか。

1月16日にもっと翅を寝かせていた個体が翅を立て気味にしていました。越冬中も微妙に体を動かしている様子が伝わってきます。

🎼...大寒波到来...

1月25日

猛烈な寒波到来で、我が家では今朝7時前に最低気温-6.2℃まで下がりました。木造の自宅1階廊下は4.1℃、2階廊下は5.6℃と冷蔵庫並み。昨夜は初めて水道管破裂防止の対策をしました。

東京でも-4.0℃で40年ぶりの記録と報道されていました(八王子-8.0℃、練馬-7.0℃、小田原-4.0℃)。
娘のいるさいたま市では昨日朝-8.7℃まで下がり札幌よりも低くなりました。

追記(1月28日)
庭に設置の温度計で、1月26日はさらに下がり-6.6℃、1月27日は3日連続の-6℃以下(-6.3℃)になりました。