「身を削る」の一言で、比例代表の定数を80削減する民意削減計画は絶対にやるべきではありません。しかも、消費税増税とセットというところにことの深刻さがあります。
そもそも、与野党でおこなってきた選挙制度に関わる協議を無視する形で、政府・民主党がこれをすすめようとしていることは、おかしな話です。
そもそも、比例定数を削減することでだれが得をするのかを考えなければなりません。
1月29日号の「しんぶん赤旗」日曜版でも特集されていますが、あの「政権交代」した09年総選挙で民主党が獲得した比例得票率は42・4%。小選挙区をプラスした議席占有率は64・2%。仮に比例定数を80削減すれば議席占有率は68・8%になるのです。現行の議席で計算をすると、比例定数を削減して議席占有率が増えるのは民主党以外にはありません。
たとえば、09年総選挙の比例得票率は自民党は26・7%で議席占有率は24・8%、公明党は11・4%で議席占有率は4・4%、共産党は7・0%で議席占有率は1・9%となっています。
比例得票率で示された民意が正確に議席に反映しないのが小選挙区制の弊害であり、民意を反映する比例定数の削減はまさに「民意の切り捨て」に他なりません。
◆「身を削る」なら政党助成金こそ削るべき
また、国民一人あたり250円の政党助成金は、山分けになるのですが、議席占有率に応じてであるため民主党が受け取る助成金は増えることになります。「身を削る」どころか「身が肥える」」という人がいましたがその通りです。
いろいろな試算がだされていますが、比例定数80を削って削減できるのは56億円です。政党助成金は総額320億円ですから、身を削るというならばまずは政党助成金こそ削るべきです。
◆国会議員の数は実は多くない
定数削減を言う人は、「日本の国会議員が多すぎる」といいますが、決してそうではないことがデータは示しています。
欧州などでは10万人に1人の国会議員という比率です。
◆税の使い方を暮らしよくするために使うことが最大の仕事なのに
国民に選ばれた代表として、政策を提案し国民の暮らしを?よくする仕事にとりくまなければならない国会議員のなかから、本当のムダにメスを入れず、自分た?ちの身を切る定数削減を最大の売りにしているのは本末転?倒もいいところだと思います。定数を減らせばすべてが解決するかのよ?うな言い方をする方もいますが、きちんと政策提案をして、税金の使?い方と集め方をどうするのかということこそ必要です。
だれのための定数削減なのか──ここを突き詰めて考えていけば、その結果得をするのが誰かが見えてきます。
┏┓池川友一(日本共産党町田市議会議員)
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