日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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『ボローニャ紀行』のメモ書き(6)

2018-08-17 | 学んだこと、政策のこと

 築地市場を壊そうとする動きがある中で、私の心に突き刺さっている言葉です。

 築地市場だけではありません。古いものをしっかりと次代に継承していくことは現代を生きる人たちの責任だと思います。

 いつでしたか、ある高名な建築家に、「世界中からこの日本に、たくさんの観光客を集めるにはどうしたらいいでしょうか」と訊ねたことがありました。評判のよい建築物を世界のあちこちに次から次に発表していた建築家は、一と一を足したらいくつ、と聞かれたときのように、じつにあっさりと答えてくれました。

「東京のどこでもいい、あるいはあなたの故郷の山形の田舎でもいい、いま現にある建物や街並みを、そっくりそのまま百年間、保存してごらんなさい。日本の百年前を観るために、それこそ世界中から人が集まってきます。保証しますよ」

 ボローニャに限らず、イタリアの都市の美しさに感じ入ったとき、いつも思い出すのはこの言葉です。

 これまでわたしはしきりに、「世界に喧伝されているボローニャ方式とは、街並み再利用の方法のことだ」という台詞を連発していますが、この台詞に、右の建築家の言葉を加味してもっと厳密に言い換えると、「ボローニャ人は、何百年も前の建物や街並みをそっくりそのまま保存しながら、その上、いまの生活にも役立てる方法を知っている。その知恵をまとめたものがボローニャ方式である」ということになるでしょうか。(87〜88ページ)

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