不憫な怪獣・バラン

 2004年公開のゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃で護国聖獣と
してバラゴン・モスラ・キングギドラの3匹が登場するのだが、実は当初の
予定ではキングギドラとモスラではなくアンギラスとバランの予定だった
らしい。

 たしかにアンギラスとバランよりキングギドラとモスラの方がメジャーでは
あると思えるが、アンギラスはともかくバランは出して欲しかった。

 ちなみにアンギラスは今のところ最終作品となっているFINAL WARSに
登場しているのに対し、バランは58年製作の大怪獣バラン以外では怪獣総
進撃でラスト1カット登場しただけという不憫な扱いを受けている。

 58年公開の大怪獣バランでは北上川上流の秘境・岩屋村で婆羅陀魏山神
として住民から崇め奉られ湖に住んでいた。
 筋骨隆々とした上半身を誇り頭の角が武器で体表はゴムのように柔らかい
ため弾丸や砲弾を直撃されてもダメージを受けないというもの。

 しかもムササビのように飛膜を広げて滑空するので陸・海・空を制すると
いう事でポスターのキャッチコピーにも‘ゴジラ・ラドンを凌ぐ’と書かれている
ぐらい凄い存在だった。

 とはいえ自衛隊の通常兵器は効かないものの光る物を飲み込む習性が
あったので特殊爆薬を取り付けた照明弾を飲み込んで内側から爆破されて
倒される。

 銚子沖に出現して漁船を襲って掃海艇の爆雷攻撃をものともしなかった
が、羽田空港に上陸したところで倒されているので東京で暴れまわるという
定番シーンもなかった。

 その後は怪獣総進撃に怪獣ランドに生息する10大怪獣に名を連ねて
いたが、キングギドラとの最終決戦でもバラゴンと共に出番がなくラストで
1シーン登場しただけの地味な扱いだった。

 そんなワケでゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃では護国聖獣の
1頭として久しぶりに登場するという事で楽しみにはしていた。
 なにせオリジナルでは婆羅陀魏様だったから池田湖から登場するならモス
ラよりバランだろうと思ったのだ。

 怪獣映画として単独怪獣のみを出すというのは現在では難しいのでバラン
が再登場するのは無理っぽくなっているのは残念な話である。 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
役者も地味 (柴田真紀)
2010-09-04 02:03:12
 伊藤久哉氏に招かれてお宅におじゃました際、『バラン』は最初、氏が主役を演じる予定だったとおっしゃっておりました。
 伊藤氏が演じられたとしても、やや地味な印象を感じさせるのに、本編ではアレですからねーーー。

 なぜか、脇を固める男優陣の方がマニア向けな配役です。

 まー、このヘンの東宝特撮男優に関しての、ゴチャゴチャは、略します。
 
 
 
確かにマニアックな (こーじ)
2010-09-04 23:08:49
>柴田真紀様

 伊藤氏にしても野村浩三にしてもマニアックな主役ですよね。
 ヒロインの園田あゆみも今ひとつですし。

 周りの方が平田昭彦をはじめ千田是也や村上冬樹に
瀬良明といった個性派俳優が目白押しでしたよ。

 
 
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