今から50年前の昨日68年12月29日にOAされたのが、怪奇大作
戦16話・かまいたち。
どこにでもいる平凡な工員・小野松夫が真空切断装置を使い若い
女性を無差別に殺害していくという展開で、牧の直感が周囲の考え
を覆し松夫の犯行と断定すると共に誰にでもある殺意を知り戦慄す
るというもの。
SRIの捜査では基本的に熱血系の三沢が直感で事件を推理する
のに対して理論派で沈着冷静な牧が理論を重視するというのが基本
パターンだが、今回の事件では三沢を上回る直感力で犯人を見つけ
出すという形で物語が進む。
このEPに登場するアイテムとして小野松夫が犯行に使った真空
切断装置とSRIが小川さおりを囮として併用した人形の2つで、
正直言って実際にはありえないようなもの。
さおり人形は犯行現場の十字路に入る直前に入れ替わったのだろ
うが、いくら暗闇の中とはいえ松夫から追いかけられている最中で
気付かれなかったのかと思ったりする。
更に真空切断装置は三沢が作中で作れるぐらいだから工員の松夫
でも作られるのかもしれないが単なる凶器に過ぎない装置を簡単に
作れる世界というのは怖い話だし、壁抜け男で犯人が使った特殊繊
維とカラースプレー組みを合わせたトリックを授けた者と同じよう
な者が存在するという事だろうか。
こういった突っ込みどころがあるにも拘らず動機なき連続殺人を
平凡などこにでもいるような男が行なうという狂気まで描いている
今作は、OAから50年経った今でも十分リアリティがあるもので
上原正三というライターの凄さを実感するのだ。