ウルトラマンネクサスは1年間51話の放映予定が視聴率低迷や
グッズ販売の不振などから放映短縮の憂き目に遭った作品ではある
もののDVDでは29話のバンピーラ編が本来の2話モノで、さら
には今回扱う詩織ロスト・メモリーズが完全版で収録されている
というファンにはありがたい状態になっている。
だからTV放映は37話ではあるものの映像化されたEPはバン
ピーラ編の29話+1にEXエピソードの2話分の計3話分が追加
され、全40話となり形の上では初代ウルトラマンの39話を越え
てはいるのだ。
ご存知のようにネクサスは完全な続きものだから主要なEPが
中心になる一方で劇場版になれば必ずカットされるようなサイド
ストーリーは珍しいのだが、だからこそ作品に彩を与えているの
ではないかと思うし貴重なEPだ。
基本的にネクサスはナイトレーダー5人のうち主役の孤門一輝
や彼を見守る和倉隊長にコンビを組む西条凪副隊長が物語の中心
として必ず語られるのに対し、平木詩織と石堀光彦の2人が語ら
れる事は殆どなく地味な存在になっている。
ウルトラなど円谷作品では防衛チームのような存在が必ず登場
する中で、主役以外の隊員達を中心にしたEPが作られるという
伝統があるので続きものであるにも拘らず詩織隊員のサイドスト
ーリーが作られるのはウルトラならではだろう。
ネクサスの流れからしても憐編の起・承・転・結の中で‘承’に
あたるリザリアス編が終わり、溝呂木復活編までの間という絶妙の
タイミングでのサイドストーリーである。
こういったEPが昭和なら陽の目を見る事がなかったのだろうが、
DVDなどがあるからこそバンピーラ編の半分を含めた2話半を見
る機会ができたのは嬉しい事だ。